TS竜天使娘になったので魔法大学に通いながらダンジョン攻略します   作:Revak

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第23話

 

 空中で美恵とアストレアの拳がぶつかる。

 衝撃波が舞う。透が結界を張らなければ周囲はめちゃくちゃになっていただろう力の衝突だ。

 

 何度も何度も距離を取っては衝突し合うのを繰り返す。

 

 お互いにマッハ十という超高速での移動をしながらの戦闘だ。

 

 アストレアは時折四重曲九つの地獄(カルテットナインヘル)やアルゲティ、炎のブレスを織り交ぜて攻撃する。

 それらに対し完璧な対処を見せるのが五賢人の一人聖美恵だ。透はポップコーン片手に余波だけ消して鑑賞してる。

 

「オオオオオオ!」

 

 アストレアが雄たけびと共に拳のラッシュを放つ。

 そのすべてを美恵は手で捌き回避する。

 アストレアのラッシュが終わると同時に美恵はアッパー! アストレアの脳を揺らす。

 それに対しアストレアは両手でハンマーを作りダブルスレッジハンマーを放つ。

 美恵の拳と衝突し衝撃波が舞う。

 

 ビリビリと空間が揺らめく。

 

 美恵は空を蹴ってアストレアの腹の前に移動する。

 

「どっせい!」

 

 美恵はそのまま腹に正拳突きを放った。

 

 空中でくの字になりながらアストレアが吹っ飛んで行く。

 空中で体勢を直した瞬間美恵はアストレアの頭上に移動しそのままお返しとばかりにダブルスレッジハンマーを放った。

 

 地上の訓練場に向かって急降下し着弾。巨大なクレーターを残す。

 

「……これ以上暴れられるのは困りますね」

 

 突然の暴走に美恵は心当たりがある。

 シエロから話は聞いている。複数の幻獣と人間の融合体が居る、と。

 故この暴走は幻獣としての側面を強めた結果、理性を失い暴走しているのだとわかる。おそらく幻獣としての本能、より強大な魔力を食らおうと強大な魔力を持つ美恵に襲い掛かっている。

 

 美恵はゆっくりと地上へと降下する。

 

 ぴしり、とアストレアの体に罅が入った。

 

 その罅は全身に伝播し──ガラスが割れる音と共に竜の体が砕けて消えた。

 残ったのは全裸になったアストレアだ。横向きに寝ている。

 

「うぅん……」

 

 そうアストレアは目をこすりながら起きた。

 

 美恵はアストレアの前まで移動し、手を差し伸べる。

 

「大丈夫ですか? 意識ははっきりしていますか?」

「聖様……大丈夫、です。何があったかも把握できています」

 

 アストレアは美恵の手を取り立ち上がった。

 

「絵tと、これ大丈夫ですかね……?」

 

 アストレアは自身が居るのが巨大なクレーター後だと地面を見て察し、これ結構破壊したのではと冷や汗を流す。

 

「大丈夫ですよ。すぐに直せますから」

 

 そう美恵は微笑み、二人一緒にクレーターから這い上がって透の元に行く。

 

「案外手間かかったな」

 

 そう言いながら透は残ったポップコーンを粗食した。ちなみにポップコーンは塩味だ。キャラメルは苦手なので食べれない。

 

「透、この訓練場を直してくれますか?」

「はいよー」

 

 パッチンと透は指を鳴らした。

 瞬間時が巻き戻り、すべてが直っていく。

 

「修繕費は要求しないから安心しろ」

 

 透はそう親指を立てる。

 

「ありがとうございます」

 

 そう言い頭を下げると秩序の刃の者たちが走ってくる。

 ゲヴァルトに三番隊の隊長斎藤一、影密隊という超法組織の長の褐色の肌の女などだ。

 

 一が美恵に話しかける。

 

「聖様ー、さっき巨大な幻獣が暴れてましたけど何があったんですか?」

 

 その問いかけにアストレアはどうしようと思う。

 意識がないとはいえ魔法世界のトップの一人に暴力を振るったのだ。投獄されても可笑しくない。

 

「先ほどアストレアさんが暴走してしまったのでそれを鎮めていただけです。もう大丈夫ですよ」

「あら、暴走なんてしたんですね。アストレアさんも大丈夫でしたか?」

 

 その言葉に煽りなどはなく、心からアストレアを心配しているとわかる。

 

「大丈夫です、怪我もしてないですし」

「ならよかった……けどまずは服を着ないと」

「あ、今全裸でしたね……」

 

 ゲヴァルトが近づいている今全裸のままは問題だ。

 だが着替えを持っていないので咄嗟にアストレアは幻術をセットし服を着ているよう幻術を展開した。

 ゲヴァルトレベルなら看破できる程度の幻術だが全裸のままよりはマシだろうとアストレアはこれでいいかと思った。

 若干露出狂のケがあった。

 

「それで……これどうなります? 追放とかされます?」

 

 アストレアは恐怖しながら美恵に問いかける。

 

「しませんよ。ただ今後こういったことが無いように力の訓練はしてもらいますが、それぐらいですね……賠償などは求めないので安心してください」

「あ、ありがとうございます」

 

 アストレアは頭を下げた。

 

 

 

 ■

 

 数日後。朝の九時。

 

「じゃあ、今日もよろしくお願いします」

 

 祈導殿の訓練場にてアストレアと美恵は対峙する。

 アストレアの本来の姿を制御できた方が良いと美恵が言うのでアストレアは美恵と透に頼み制御訓練をしていた。

 

 いそいそとアストレアは服をアイテムボックスに収納し全裸になる。

 これは変身方法が肉体が膨張する形になるので服を着ていると服が膨張した肉体に耐えきれずはじけ飛ぶからだ。

 訓練場にはアストレアと透と美恵以外いないので裸でも問題ない。

 ただ外で裸になることに対しアストレアは若干興奮し始めているが。

 

 全裸になり、意識を集中し変身する。

 

 肉体が膨張し全長七十メートルのドラゴンに変身した。

 

「意識はありますか?」

「まだアりマス」

「では、その状態で模擬戦と行きましょうか」

「ハイ!」

 

 そうしてアストレアは美恵の身体強化魔法をコピーし行使する。

 二人とも空に飛びあがって拳をぶつける。

 余波は透が消すから問題ないがもし透がいなかったら余波で訓練場はめちゃくちゃになっていただろう。

 ソニックブームの雨嵐。拳と拳がぶつかり合う。

 

 アストレアはぐるっと回転し尻尾で攻撃するも逆に尻尾を掴まれた。

 そのまま真上へ投げ飛ばされ、空中でじたばたともがく。

 その隙を見逃す美恵ではなく頭上まで跳躍。頭にかかと落としを放った。

 

 今度は逆に地面に向かって急降下するも落下寸前に美恵がアストレアの腹に移動し蹴り上げた。

 

 アストレアは飛行魔法を駆使し空中で静止。口を開け紫色の炎の塊を放つ。

 即死効果を持つ炎のブレス。それに対し美恵は殴って蹴散らす事で無効化した。

 

 更に追加で四重曲九つの地獄(カルテットナインヘル)を多重化し発動。

 数百の弾幕が美恵を襲う。

 

 弾幕の嵐を美恵は空を蹴って移動することで回避する。

 アストレア自身も弾幕の中に突っ込む。自分も多少ダメージを負うが気にしない。この形態ならば再生能力があるので再生できるのだ。

 

 アストレアは美恵に殴り掛かり、美恵は腕をクロスする事で防御する。

 

 真っすぐと美恵が吹き飛んで行く。

 それをアストレアは追うもすぐにアストレアの視界内から消える。

 どこへ、とアストレアが思うと同時に頭に衝撃が来る。

 またもかかと落としを頭に喰らい、脳が揺れる。

 

 それと同時に変身が解除され、全裸のアストレアがあらわになった。

 

 そのまま自由落下し地面に激突するかと思われたが途中で美恵がお姫様抱っこすることで地面との衝突は避けられた。

 

「大丈夫ですか?」

「全身筋肉痛でクソ痛いっす」

「あらあら」

 

 ゆっくりと地面に降り、美恵はアストレアを降ろす。

 アストレアは痛みに悶えながらなんとか回復魔法を行使し回復する。筋肉痛も回復魔法で回復できる。

 

「よし、問題なし」

 

 そこに透がやってくる。

 

「タイマーで測ってたが十分は持ってたぞ。自動解除も問題なしだ」

「十分……切り札にしては短いような長いような……」

「訓練すれば何時間でもその姿で居られるでしょう。同じ自分なのですから」

「そうですかね……あと。訓練手伝ってくれてありがとうございます」

 

 アストレアはそう言うと美恵に向かって頭を下げる。

 

「いえ。未来ある若者を導くのも賢人の役目ですから、気にしないでください」

 

 そう美恵は微笑む。

 魔法世界のトップってすげぇ、とアストレアは感心した。

 

 そのまま時間なのでアストレアは着替え始める。

 長時間訓練場を借りる訳にはいかないのだ。

 

「それじゃあこれで、ありがとうございました!」

 

 そうしてアストレアは訓練場を去った。

 

 

 

 

 ■

 

 

 訓練場を去ったアストレアが次に向かうのは外の世界だ。

 場所は東京の新宿駅前。

 

 アストレアがアーカディアの街経由で新宿駅前に転移すると注目を集める。

 何せ美女だからだ。更には身長も高く百九十二センチもあるのだ。注目を集めない方が難しい。

 

 そうして新宿ウォール456、長い液晶画面に行くと既に大地が居た。

 

「おまたせー! 待った?」

 

 そう笑顔で話しかけに行くと周囲の人間の機嫌が露骨に悪くなる。

 美女が待ち合わせしている相手が男となるとナンパも出来ないからだ。

 

「いや、待ってない。来るの速いな。特訓はどうだ?」

 

 既にグループラインでアストレアが真能力能登君をしていることは告げている。

 

「ボチボチかなぁ。今は十分ぐらいならドラゴンに成れるよ」

「一回見てみたいもんだな……お、他の奴も来たな」

 

 そうしていると陽斗とカーラ、アグネスの三人が歩いてくる。

 

「よっ。お待たせ」

「待ってないから大丈夫だよ」

 

 そうして軽く雑談を交わす。

 

「それじゃあ行こうぜ」

 

 そうして陽斗が切り出し買い物へと向かう。

 

 五人はこれから水着を買うのだ。

 ギリギリ季節内なので売っているだろうという事で外の世界に買いに来ている。

 無論ただの水着だと防御力が心配なので後でアストレアが魔道具化の魔法で強化する予定だ。

 その場合は最初から魔法で作った水着より性能が落ちるが仕方がないと割り切っている。

 

 向かうのは水着ショップのルミネエストだ。

 

 店の中に入ると其処は多数の水着がある。

 女性向けの水着が多いが男性向けも少ないながらある。

 

 取りあえず女子と男子で別れようという事で二組に別れ水着を探す。

 

「これとかどう?!」

 

 アストレアは金色のビキニを選んだ。

 

「流石に露出多くないか?」

 

 カーラが心配そうに言う。

 アストレアも乳輪が大きい方なのでつけたら乳輪がはみ出すだろう。

 

「じゃあ駄目か……」

 

 しょんぼりしながら次の水着を選択する。

 

「私はこういうのがいいな」

 

 カーラはそう言うと競泳水着を選ぶ。

 黒い競泳水着で体の殆どを隠すタイプだ。

 

「いいじゃないか。私は水着とかよくわからないからな……これとかいいかもしない」

 

 そう言いながらアグネスはフレア・ビキニを手に取る。

 

「私はこういうの憧れるな~」

 

 そう言いながらアストレアはパレオを取る。

 

「これなんかもいいんじゃないか?」

 

 カーラも他の水着を手に取って見せる。

 三人きゃっきゃっ楽しく水着を選ぶのだった。

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