TS竜天使娘になったので魔法大学に通いながらダンジョン攻略します   作:Revak

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第27話

 

 数か月が経った二千百一年の三月五日にて。

 シリウス一行はダンジョン配信をしながら第五十層のボス部屋前に居た。

 

 これまでどんなボスも一回負けたり無様を晒したりしながら倒してきた一行は五十層という節目に気合を入れていた。

 

「じゃあ開けるぞ」

 

 陽斗がそう言い黒く大きな両開きのドアを開ける。

 中は円形上の広間だ。非常に広く千人居ても余裕を感じられるほどに広い。

 

 少し進むと空から羽ばたきの音が聞こえてくる。

 

「ドラゴンだ!」

 

 アグネスがそう叫んだ。

 

 空から降りてきたのは叫びの通りドラゴンだ。

 全長二十メートル。蜥蜴を巨大化させたような姿。

 黒い鱗に覆われた体に皮膜の生えた翼が背中から生えている。胴体は少し大きい。

 

「ふむ。ここまで侵入する者が現れたか」

 

 ドラゴンは口を開いた。

 

「喋った?!」

 

 アストレアが驚愕し叫んだ。

 

「あぁ、喋るとも。私は他のボスと違いゴーレムではなく幻獣だからね……まぁ、お喋りは戦った後にしようか──では行くぞ」

 

 そう言うとドラゴン、名をシュヴァルツは口を開く。

 黒い炎が口に溜まる。

 

「ブレスだ! 回避不可!」

 

 アグネスがそう叫んだ。

 ならばとばかりにアストレア、陽斗、大地の三人は突撃する。

 

 アストレアが一番早く動く。

 仲間も強くなった為エンハンスを常に使用している。美恵の強化魔法はまだ強すぎるので使わない。

 

 アストレアはその胴体を斬るが薄皮一枚程度しか斬れなかった。

 

「うそん?!」

 

 アストレアは思わずそう叫ぶ。

 ならばとばかりに陽斗が右腕に攻撃する。

 確率操作も極まりプラマイ九十九パーセント操作できるようになった陽斗は確定クリティカルで大打撃を与える。

 シュヴァルツの骨に罅が入るほどのダメージを与えた。血も流れる。幻獣にも血は流れているのだ。

 

 大地が足に正拳付きを放ち同じく罅を入れる。

 そしてシュヴァルツが黒い炎のブレスを放った。

 

 カーラは自身のバリアで。アグネスはブーフが召喚したガーディアンで守られているが他の三人は炎を直に喰らう。

 

 だが問題ない。多少皮膚が焼けた程度で大したダメージにはなっていない。

 

 アストレアは跳躍し頭に大鎌をぶっ刺す。

 そのまま引き頭を縦に斬ろうとするがシュヴァルツは頭を振るいアストレアを振り払った。

 

 くるくると回転しながらアストレアは着地し魔法で大鎌を転移で回収する。

 

 カーラが突撃した。

 ヘイトを集める魔法を込みで盾でシールドバッシュを放ち腹に一撃入れた。

 目論見通りヘイトを集めカーラに攻撃が集中する。

 その間に陽斗が右、大地が左、アストレアが後ろから攻撃する。

 どんじゃか攻撃を入れていくがダメージが一定値入るとシュヴァルツは尻尾に魔力を込めぐるっと一回転しながら薙ぎ払いを放った。

 全員防御するがダメージ量よりノックバック重視だったのか大きく吹き飛ばされる。

 

 シュヴァルツは空に飛びあがる。

 そして一定以上高度を上げたかと思えばアストレアに向かって急降下した。

 

 アストレアは大鎌を構え迎撃の構えを取る。

 互いに高速移動しアストレアはシュヴァルツの横を斬り裂くことに成功する。

 

 血が噴出し、シュヴァルツは地上に降りる。

 

 地面に降りたシュヴァルツに対し大地が飛び上がって攻撃する。

 その背に向かって全力で蹴りを入れ込んだ。

 

 シュヴァルツの背骨に罅が入る。

 痛みでシュヴァルツは叫んだ。

 

「ぬぅううううぅうう!」

 

 だがまだ動く。動けなくなったが魔法は已然行使出来る。

 無数の魔力弾が浮かび上がり放つ。

 

「ツェアレーゲン!」

 

 アストレアはカタリナからコピーした魔法を放つ。

 無数の光の矢が飛び魔力弾に命中、霧散させる。

 

 その間に陽斗と大地は共にシュヴァルツに向かって突撃する。

 シュヴァルツもまた拳を突き出し迎撃する。

 

「おおおお!」

 

 拳と拳に斧が衝突する。

 負けたのはシュヴァルツの拳だ。割れて血が出る。

 陽斗がそのまま跳躍しシュヴァルツの背に飛び移る。

 そのまま背中に向かって全力で斧を振り落とす。

 ズガン、と音が響いた。

 

「まだまだ行くぜ!」

 

 そう言いつつ再度攻撃しようとした時、シュヴァルツが叫んだ。

 

「これ以上は駄目だ! 私の負けだ!」

 

 その言葉に再度突撃しようとしていた大地とアストレアが止まる。

 

「え、終わりなの?」

「うむ。これ以上ダメージを受ければ消滅してしまう……」

 

 そう言いながらシュヴァルツは回復魔法を使い自身の傷を癒す。

 陽斗も背から降りた。

 

「ほれ、これが宝箱じゃ」

 

 シュヴァルツはアイテムボックスから大きな宝箱を取り出した。

 

「おー、じゃあ俺が開けるわ」

 

 そう陽斗が言い宝箱を開ける。

 

 中身は一本の黒い剣と幾つかの宝石が着いた指輪などだ。

 

「剣は魔道具だな。カーラいるか?」

「ふむ。貰うとしようか」

 

 剣はカーラの物となった。

 

 そうして残る物もアストレアのアイテムボックスに収納し、シュヴァルツに別れを告げ奥の扉を開ける。

 

「森だ」

 

 その先は森だった。

 

「次の階層への階段が見当たらないな」

 

 カーラがそう呟く。

 

「この階層、他に幻獣の気配があるね」

 

 アグネスがそう言い、アグネスを先頭にその気配の元へ向かう。

 

 そうして五分ほど歩くと家が多数ある場所につく。

 家々は全て木製であり、外には幻獣が居た。

 

 全員構えるもその幻獣、エルフの幻獣は慌てたように両手を挙げた。

 エルフは金髪緑眼で男だ。緑色の服を着ている。とても整った容姿に尖った耳をしている。

 

「ま、待ってください。ここは敵がいるエリアじゃないです。ここはセーフゾーンです!」

 

 その言葉に全員武装解除する。

 

「なんだ、セーフエリアなのか……街なのか?」

 

 陽斗がそう尋ねる。

 

「はい。この階層はボス部屋以外私たちエルフの街でして、ここでしか売ってないポーションや魔道具もありますよ」

「おぉ、ありがとうございます。色々見て回ろうぜ」

 

 陽斗がそう言い一行は店を見て回る。

 最初に訪れたのは魔道具店だ。

 

「色々売ってんなぁ」

 

 大地が見て回りながら呟いた。

 アストレアがミニチュアのロッジを手に取って見せた。

 

「これとか面白いよ。持ち運びできるロッジだって。カプセルホイホイみたい」

「すげえな。野営し放題じゃん」

「これ買っておこう。十人用だし買っといて損はない」

 

 そのあとも幾つか巻物(スクロール)と共にロッジを購入した。三十万円した。

 

 次にポーション店に行きエーテルドリンクも買う。

 エーテルドリンクは魔力を回復させるアイテムで副作用として若干体調がよくなる。

 だが製造コストが高く一本分、五百ミリリットル作るのに十万円かかる。

 回復量は割合ではなく固定値なのでアストレアクラスとなると全快には四十本以上必要だ。取りあえず三本ほど買っておいた。

 

 そのあとも打ち上げとしてエルフのステーキハウスで鹿肉のステーキを食べた。美味かった。

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