TS竜天使娘になったので魔法大学に通いながらダンジョン攻略します   作:Revak

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第28話

 

 三月十二日土曜日。

 今日はダンジョンに行かないので代わりにどこか出かけようかと思ってた。

 アストレアは私服に着替え寮を出る。

 もう少しで二年生だがまだ実感はあまりない。学生らしいことをあまりしていないからだ。

 学園祭などもないので学生らしいイベントがほとんどないのである。

 

 寮を出た一歩目で透と目が合った──気がする。相手は仮面をつけているのでわからないが。

 

「お、ちょうどいいところに。アストレア、誕生日おめでとう」

 

 その第一声にアストレアは驚愕に目を点にした。

 

「お、おはようございます。ありがとう……何で知ってるの?」

「ツイッターのアカウントの誕生日見て知ってね。今日は誕生日プレゼントも持ってきたんだ」

 

 ツイッターのアカウントという言葉にアストレアは嫌な予感がして冷や汗を流した。

 アストレアが使っているアカウントは二つ。

 自分の趣味用のアカウントとエロ用の裏垢だ。

 そして趣味用のアカウントには誕生日を設定していない。

 

「……私の裏垢、見ました?」

「……オナネタ探してるときに、つい」

 

 アストレアは顔を真っ赤にしてその場でしゃがみ込んだ。

 なんという羞恥プレイだろうか。恥ずかしくてお日様を見れない。

 

「ま、まぁそこは置いといて、誕生日プレゼントを渡そうと思っているんだ」

 

 透は空気を変えようと声を上げた。

 

「誕生日プレゼント、ですか……それは一体?」

「二つあるんだ。場所まで行こう」

 

 透が手を差し伸べ、アストレアは恥ずかしがりながらも手を取って立ち上がった。

 次の瞬間アストレアと透は別の場所に転移した。

 

「え、どこここ」

 

 転移した場所は豪華絢爛な庭だ。

 庭の手入れだけで百万円以上かかっていそうな豪華な邸宅である。

 

「さ、行こ」

 

 透がそう言い先導する。

 びくびくしながらもアストレアは透に着いて行く。

 着いて行った先には屋敷がある。アニメや漫画に出てきそうな巨大な屋敷だ。

 本館に別館が三つ四つある巨大な屋敷で庭だけで遊園地が入りそうなほどに広大だ。

 

「こ、ここどこ?」

「東京」

「東京にこんな広い場所が……?!」

「さ、行こう」

 

 透に手を引かれアストレアは屋敷の扉を開け中に入る。

 

 屋敷の玄関ホールも広大だ。一軒家が入りそうなぐらいに広い。

 

 玄関で靴を脱ぎスリッパに履き替えるとある女が来る。

 

 銀髪碧眼の絶世の美女。美という概念がそのまま擬人化したかのように美しい。

 身長は高くアストレアよりも数センチ高い二メートル程。

 背中からは白い天使の翼が生えており、頭上には天使の輪がある。

 天使の幻獣であり名をセラというアオス・シュテルベン・モルトの使い魔の一人だ。

 

「ようこそ、お客人。マスターのところまで案内します」

 

 そうセラは笑顔を浮かべ、アストレアはそれに見とれながら頷いた。

 透は見慣れているのか特に反応はない。

 

 そうして三人で階段を上って二階に上がり、応接間に着く。

 

 セラがドアを開け、二人は中に入る。

 

「こうか? ……いや違うな……こうか?」

 

 そこには戦隊もののロボットを合体させようとしている骸骨が居た。

 二メートルほどの長身。肉も皮膚もない、死者の到達点たる白い骨の姿。

 豪華絢爛なローブを纏い、眼孔には青い炎が灯っている。

 

 応接間にあるソファに座り、テーブルの上でガチャガチャと戦艦を弄っている。

 

 その骸骨、アオスは二人に気づくと顔を上げた。

 

「おぉ、透に……確かアストレアだったな。よく来たな。セラ、茶を入れてやってくれ」

「わかりました」

 

 セラはそう言うと部屋を出てキッチンに向かう。

 

 アストレアはがちがちに緊張する。

 

「は、初めまして。アストレアって言います……その、本日はお日柄もよく……」

 

 そのアストレアに対しアオスは苦笑する。

 

「あぁ、そう緊張しないでくれ。名乗る必要はないだろうが俺はアオス・シュテルベン・モルトと言う……君についてはよく知っているよ。シリウスのダンジョン配信チャンネルは登録しているし配信はアーカイブも見直すぐらいだ」

 

 アオスのその言葉にアストレアは驚愕する。

 

「し、視聴してくださっていたんですか?! あ、ありがとうございます」

「あぁ。ところでスパチャは解禁しないのかね? いろいろしたいんだが……」

「まだ登録者数が足りてないのでできません……ファン、なんですね。ありがとうございます」

 

 そうアストレアは小さく頭を下げた。

 

「はは、気にしないでくれ。さ。座るといい」

 

 言われるがままアストレアと透は座る。

 座るとアオスが口を開く。

 

「配信の方、感謝するよ。君のおかげで知名度が上がりダンジョン攻略者が増えた。と言っても最前線は君たちのままだが……ついに五十層を突破出来たようだね」

「はい。これで後半分です……まぁ、攻略にはあと一年ほどかかるかもしれませんが」

「それだけの速さで攻略されるのは予想外だったよ。もっと何十年かかかるかもしれないと思っていたからね。それでも攻略してくれるだけ嬉しいさ。誰も来てくれないことが一番悲しいからね」

「ありがとうございます、今後も攻略します!」

「あぁ、ぜひともそうしてくれたまえ。さて、本題に入ろう。透が君に誕生日プレゼントを贈りたいと言ったので、私とシエロが共同で魔道具を作らせて貰った。これを受け取ってくれ」

 

 アオスはアイテムボックスから大鎌を取り出す。

 黒い1.5mの柄に紫色の刃を持つ大鎌だ。刃だけで百二十センチはある。

 柄の先端部分には小さい槍の用な刃がついている。

 刃は外側でも斬れるようになっている。

 死神大王でも持ってそうな死神の大鎌だ。

 

「これの名はレーベン。能力としてこれでダメージを与えた相手に即死耐性がない場合百パーセントの即死と吸収魔法が込められている。吸収魔法は相手の体力、魔力、スタミナを吸収出来る一品だ。君の誕生日プレゼントという事で私が魔法を込めて作った。デザインはシエロだ」

「こ、こんなすごいものを……私のために……」

 

 即死百パーセントは強すぎる効果だ。

 ゴーレムやアンデッドには通じないが対人や対幻獣ならばほぼ相手は即死する効果だ。シュヴァルツなんてこれでかすり傷与えたら死ぬ。

 

「ありがとうございます! 大事に使います!」

 

 そう言いアストレアは笑顔でレーベンを受け取った。

 

「それじゃあ軽く誕生日会でもしよう。昼食はここで取ると言い……桃鉄でもやるかね?」

「やります!」

 

 この後めちゃくちゃ楽しんだ。

 

 

 

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