TS竜天使娘になったので魔法大学に通いながらダンジョン攻略します 作:Revak
四月九日土曜日。朝の九時頃。
シリウス一行は魔法大学に来ていた。
土日も一応大学は開いているので土日に来ても問題ない。
代表としてとりあえずアストレアが職員室に向かう。
これから行うのはサークルの設立だ。
この魔法大学にサークルは無い。卒業する前にカーラが調べたりしたが百年以内に作られた記録もない。
なので作れるかどうかは賭けになるがまぁ作れなくてもいいだろと思いつつアストレアは職員室に入った。
近くに居た教師で担当でもあるエルンストに話しかける。
「すみません、今いいですか?」
アストレアのその言葉に椅子をくるりと回転しエルンストは「なんだ?」と返す。
「実はサークルを設立したくて……まず、サークルを作ることって出来ますかね?」
「サークル? また妙なことを……まぁ作れはするだろうが、まず前例がないからな。学長に聞いた方が良い。今なら学長室に居るはずだから聞いてくると良い」
「わかりました。あ、サークル出来たら先生に顧問担当してもらえますか?」
「私はそう言うのは無理だ。レグルスにでも頼め」
その言葉にアストレアはしょんぼりしながらも「わかりました」と返答する。
「では学長のところに行ってきます。ありがとうございました」
そう言い残すとアストレアは職員室を出て二階へと向かう。
健康の為階段を登って二階にあがり、学長室に行く。
ノックをすると中から「どうぞ」と返事が来たのでドアを開けて中に入る。
「む、君か。どうかしたのか?」
そこには珍しく事務机に服を着た状態で居るオリヴィアが居た。
「学長、ちょっと相談があるんですかいいですか?」
「ふむ。構わないぞ。なんだ?」
「実はサークルを作りたくて、作ってもいいですか?」
「サークル? 何のサークルを作るんだ?」
「ダンジョン攻略サークルです。人数も……四人居ます」
「まぁ、人数は別にいいが……そうか。良いぞ。じゃあ、空いている部屋を使ってもいいことにするか。一緒に一回職員室行くか」
「ありがとうございます!」
感謝をするとオリヴィアは立ち上がり部屋を出て二人一緒に職員室に向かう。
一階に降り再び職員室に入ると入口近くの壁にかかっている鍵を一つとる。
「これは一階の西にある空き部屋の鍵だ。ここをサークルの活動拠点にすると良い」
「ありがとうございます!」
「部屋まで案内しよう」
そのまま二人は職員室を出てその西の部屋に向かう。
「ところで、顧問に当てはあるのか?」
道中オリヴィアがそう問いかける。
「一応レグルス先生に頼んでみるつもりです」
「レグルスか。彼女なら問題ないだろうな」
そのまま少し歩くと一階の西の部屋に着く。
「ついたぞ。ここだ」
オリヴィアは部屋の扉に鍵を差し開け、中に入る。
中には何も置いてなかった。
結構な広さがある部屋だ。二十人は入れる中くらいの部屋である。
「家具などは、まぁ自費で出してくれ。活動成績次第では補助費も出すかもしれん」
「大学って普通そう言うの出しますっけ?」
「まぁ、初めてのサークルだからな。ある程度最初の内は出してやってもいい」
「ありがとうございまっす!」
「それじゃあ私はこれで。活動頑張れよー」
それだけ言うとオリヴィアは部屋を去っていった。
早速アストレアはネクサスギアのラインでサークルを作れたと連絡し、大学の食堂へ向かう。
スキップしながら食堂に行くとそこでは軽食をつまんでいる陽斗と大地が居た。
二人は間に明を挟み何か話している。
アストレアが「よっ」と話しかけると明はびくっとした。
はて何か驚かせてしまっただろうかと疑問符を浮かべるも明と大地は苦笑している。
「サークル設立できたよー」
「お、そうか。エルンスト先生顧問になってくれたか?」
「いや、断られた。今から別の先生……レグルス先生になってくれないか頼みに行くつもり。二人はどうする?」
「俺たちはこの新入生と仲良くしてるから、アストレアは先生探してきてくれ」
「わかった。じゃあね~」
そう言うとアストレアは去っていった。
アストレアが去った後。大地と陽斗は明と話していた。
「しかし、あいつに惚れた、かぁ」
大地がそう言うと明はせき込んだ。
陽斗が苦笑しながら「何も事実を言う事ないだろ」と苦笑いする。
明は魔眼に関する魔法書などがないか大学に調べに来ていたのだ。
その途中明は陽斗と大地に声をかけられた。
ラインでアストレアが個別に教えているダンジョン攻略者志望の者がいると聞いていたのでなんとなく声をかけたのだ。
「え、えっと、その、まだ、惚れた、とか、じゃなくて、えっと」
「一旦落ち着け。水でも飲め」
大地がセルフサービスの水を勧めると明は大人しく水を飲む。
「……そんなに露骨でしたか?」
「まぁ、アストレア美人だしなぁ。惚れるのもわかるぜ」
陽斗がうんうんと頷く。
「だがあいつに惚れるのはやめた方が良い。あいつにはとんでもない欠点がある」
大地が真面目な顔で言う。
その表情を前に明はごくりと唾をのむ。
「あいつは、元男だ」
その台詞に明は目を点にした。
「お、男? それは性転換の手術……いや、魔法を受けた感じですか?」
「いや、あいつは過去から魂を現代に持ってこられたんだがその魂が男の物だったが入れられた肉体が女だったらしい」
大地がそう補足する。
「過去の人、なんですか?」
「あぁ。と言っても現代に馴染んでるからあんまりそう言った感じはしないけどな」
陽斗が補足する。
明は何か考えている様子だ。
少しの沈黙ののち、明は口を開く。
「まだ、この感情が惚れたとか、恋愛的な物かわかりません。僕はアストレアさんを好ましく思っている、だけですから……ただ、もし──」
何か言おうと口を開くも、少し経った後明は口を閉じた。
「……なんでもありません。そ、それでお二人は僕に何の用で?」
「あぁ、忘れてた。これからダンジョン攻略サークル作るから入らないかっていう誘いだよ」
「ダンジョン攻略……まだ魔力操作もろくに出来ない初心者が入っていいんでしょうか?」
「別にいいぜ。緩くやる感じだからノルマは無いし。ただ会費の徴収はあると思うが。まぁそれはダンジョン潜れるようになってからでいいと思うが」
大地の言葉に明はほっとする。
お小遣いしかもらってない現状月千円とかでも地味にきついのである。
「それぐらい緩いなら、入ろうと思います」
明がそう言い大地と陽斗は感謝の言葉を述べた。
そうして話してると食堂にアストレアがレグルスを連れてやってくる。
「おーい。レグルス先生顧問になってくれるってー」
「お、そうか。じゃあ部室……この場合なんていうんだ? まぁとにかく部屋行こうぜ」
大地が立ち上がり遅れて陽斗と明も立ち上がる。
五人で少し話しながら部室へと向かう。
「しかし私はダンジョン殆どわからないがいいのか?」
レグルスがそう問いかける。
「ダンジョン入るために訓練などもするので、その監修をしてもらえるなら、たとえダンジョンを知らなくても大丈夫です」
「そうか……ま、前の三年が卒業して暇してたからな。やれるだけやってやるよ」
「ありがとうございます!」
「それなら明もレグルス先生に訓練頼むといいかもな」
陽斗がそう言いだす。
その言葉によってレグルスも明を観る。
「ふむ。確か魔眼持ちの新入生か……いいぞ。訓練に付き合ってやろう」
「あ、ありがとうございます」
小さく明は頭を下げた。
そうしていると部室に到着する。
アストレアが鍵を使って開け、全員中に入る。
「おぉ、結構広いな」
陽斗がひれーと呟く。
「こんだけ広かったら魔道具とか置けそうだな」
大地がそう話しかける。
「だね。戦利品の一部とか飾りたいよね。家具とかはどうする? 買う?」
「買うと財布がさみしくなるからなぁ。ここはみんなで創ろうぜ」
アストレア以外も物質創造の魔法は使えるようになっている。魔法使いの基礎だ。
「じゃあ幻術でどういうのがいいか見ようか」
アストレアが幻術を行使する。
幻の家具を配置し、一行はあーでもないこーでもないと話し合う。
明も参戦しこういうのが良い、などの意見を口にする。
レグルスは生徒の自主性を重んじるのか意見を求められた時だけ返した。
そうして二十分ほど話す事で家具の配置が決まり、各々魔法で作り出す。
軽く魔法で作る。二年生になったので魔法の実習もあり魔法で作ることに問題はない。
そうして家具の配置が終わり、部屋が一通り出来る。
「それじゃあどうする? ここでちょっとパーティする?」
アストレアがニヤリと笑みを浮かべながら言った。
それに大地が顔を良くする。
「いいな、サークル設立記念として一杯やるか」
「まだ未成年だから飲めないだろ。ジュースで我慢しようぜ」
「いや、魔法世界に未成年飲酒法はないから飲んでもいいぞ」
レグルスがそう言うも大地は「いや冗談っす」と返した。
「じゃあみんなでお菓子とか買いに行こうぜ!」
「おー!」
そうして一行はレグルスを置いて外の世界に行き、スーパーで色々買い込んだ後大学に戻りちょっとしたパーティを開くのだった。