TS竜天使娘になったので魔法大学に通いながらダンジョン攻略します   作:Revak

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第5話

 

 一週間が経った。

 その間アストレアは暇なので街を散策したりネクサスギアを使ってネットサーフィンをするなどしていた。

 約百年も経てば昔の漫画は完結しているし、好きなアニメも終わっている。

 だが金が無いのでサブスクに登録することは出来ないので歯を噛むことしかできなかった。

 

 そうした日々を過ごし、今日も散歩に行くかと朝から外に出るとそこには知らない女が二人居た。

 

 片方はピンク色の髪に赤い目の少女。身長は百五十五センチ。

 少女らしいスレンダーな体をしている。黒いローブを纏っている。

 

 もう一人は金髪金目の少女……というよりは幼女に見える者だ。

 特徴的なのは白い巫女服と頭上から生える狐の耳と臀部から生える狐の尻尾だ。

 

「あぁ、アストレアちゃん、いいところに。新入生の狐塚ちゃんとハンビューヘンちゃんだよ」

「同じく新入生のアストレアです」

 

 アストレアはわかっていないが取りあえず頭下げとくかと小さく下げた。

 

「狐塚ちゃん、ハンビューヘンちゃん、この子はちょっと特殊な事情があって先に入舎してたアストレアちゃんだ」

 

「そうなのね、よろしく、同級生。私はサラ・フォン・ハンビューヘンよ」

 

 ハンビューヘン、本名サラ・フォン・ハンビューヘンが手を差し出した。

 

 アストレアはその手を握り握手をした。

 

「おぬし、ワシと同じ幻獣のハーフか? と、わらわは狐塚かおり。天狐と人間のハーフじゃ」

 

 よろしくの、とかおりが手を出しアストレアはまたも握手をする。

 

「えっと、人間と幻獣の融合体だ」

「ほー、珍しいのもいるもんじゃの」

 

「それじゃあ寮を案内するよ。ついておいで」

 

 エマの台詞にサラとかおりは着いて行く。

 

「じゃあ私はこれで」

 

 そうしてアストレアは散歩に戻った。

 

 

 

 ■

 

 四月一日。入学式の日。

 だが、魔法大学は違う。

 四月三日、土曜日に入学式があるのだ。

 朝の九時からであり、アストレアは三十分早い八時半に大学に来ていた。

 

「おや、おはよう」

 

 大学前の広場には教師の一人エルンストが立っていた。

 

「おはようございます。えっと、自分こういうところ来た事なくて……どうしたらいいですか?」

 

 一応ある程度は透と電話し知ってはいるが聞いておく。

 いちおう必要な持ち物は買っておき、アイテムボックスに収納してある。

 

「時間までここで待機だ。時間になったら私が体育館まで案内するからそれまで待っておけ。ネットでもみとけ」

「わかりました」

 

 そうして五分ほど待っているとサラがやって来た。

 

「あら、あなた早いのね」

 

 サラがアストレアに話しかける。

 

「遅刻するよりはいいかなって。えっと……サラって呼んでもいいかな」

「いいわよ。私もアストレアって呼ぶわ」

 

 女子同士の仲という事でアストレアが照れる。

 

「アストレアはなんで大学に来たの?」

 

 話題作りの為サラが尋ねる。

 

「私は気づいたらこの体にされてて、魔法とかを知るために大学に来た感じかな。そういうサラは?」

「私は祖母が魔法を使えて、私にも魔法の才能があったから磨くために来たわ。魔法の力でどこまで成り上がれるか試そうと思うの」

「おお、夢がでかいな……」

 

 そうして話していると他にも生徒がやってくる。

 

 一人、二人とやってきてかおりもやってくる。

 

 かおりが笑顔で手を振りながらサラの元までくる。

 

「なんじゃサラ、アストレアと仲良くなったのか?」

「えぇ、そうよ。かおりも仲良くなったら?」

 

 この数日三人は時間が合わず特に顔を合わせたりしていない。

 

「ふむ。まぁ次期神として仲良くしてやろう。好きな食べ物は?」

「ステーキ」

「和牛」

 

 などと三人はきゃいきゃい話す。

 話しているとエルンストが手を叩き、学生たちの視線が集まった。

 

「はい。時間になったので今から体育館に向かう。ついてくるように」

 

 そうして新一年生合計八人がエルンストに着いて行く。

 五分ほど歩く事で体育館に着く。

 体育館の作りは普通だ。面白い要素はない。

 

「適当な席に座る様に」

 

 席順とか無いのだろうかと思いながら各々適当に座る。

 

 座って少し待つと学長であるオリヴィアが壇上に登る。

 案の定全裸だった。

 

 その姿にアストレア含む新入生は目を点にし、教師側はまたかこの変態と頭を抱える。

 

 壇上に着くと服を魔法で着用したオリヴィアは魔法のマイクで挨拶をする。

 

「さて、緊張は解けただろうか。私が学長のオリヴィア・ネヴェルだ。入学おめでとう。この大学では魔法について教える。その魔法を使って何をするのも自由だ。人の法で君たちが縛られることはないだろう。

 だが、それは同時に君たちが人の法を外れれば人の法は君たちを守ってくれないという事でもある。自分のケツは自分で拭くように。

 そして最後に、魔法とは人生を少し楽しくするための物だ。魔法に人生を捧げようとするのは、思いとどもった方が良い。以上」

 

 そうしてオリヴィアは壇上を降りた。

 

 そしてエルンストが手を叩く。

 

「入学式終了。解散!」

 

 その台詞に学生たちはえぇ、という表情をする。

 まさかのこれだけで入学式が終わってしまった。

 

「あの、何か必要な書類とかは?」

 

 明るい茶髪の男子学生が尋ねた。

 

「ああ、忘れてた。ほらこれ」

 

 エルンストが一人一人に書類を渡す。

 それは授業の実地時間が書かれた紙だ。

 朝の九時から十一時までに二コマ、昼の四時から六時までの二コマに別れている。

 紙には午前と午後で授業内容は変わりませんと書いてある。

 

「それじゃあなー」

 

 そういうとエルンストは去っていった。

 

 まぁ、取りあえず自分たちも帰るか……とアストレアとかおり、サラが立ち上がると明るい茶髪の男が声を出した。

 

「なぁみんな、せっかく同じ学校に通うことになったんだから、新入生歓迎会でもしようぜ!」

 

 それにかおりとアストレアはめんどくさそうな顔をする。

 新歓など面倒なだけである。

 だがサラは「いいじゃない」と乗り気になった。

 

「どこ行くの? カラオケ?」

「ああ、この大学? 街? にカラオケとかあるなら行こうと思ってる」

 

 茶髪の男──朝比奈陽斗(あさひなはると)が笑顔で言った。

 サラが乗り気ならば、とアストレアが立ち上がって言う。

 

「ここから徒歩十分ぐらいのところにカラオケならあるよ」

 

 それに陽斗は笑顔になる。

 

「おお、じゃあそこ行こうぜ!」

 

 他の者たちも乗り気のようで全員アストレアを先頭に進む始めた。

 

 軽い雑談を交わしながら新入生八人はアーカディアの街を歩く。

 街を歩いている人間が少ないので邪魔になることはない。

 

「ここだ」

 

 着いた先は個人経営のカラオケ店だ。

 一時間七百円、以降プラス一時間につき五十円加算というタイプの店だ。

 ドリンク飲み放題付きである。

 

 陽斗が代表して店員と話して大部屋を受ける。

 

 カラオケセットと共に部屋に入る。

 席順は男女で別れた。

 

「じゃあ、自己紹介しまーす! 俺は朝比奈陽斗、十六歳! 魔法が少し使えるから入学した!」

 

 次どうぞ! と陽斗が次にマイクを渡す。電源は切ってある。

 

「俺は高橋翔、で、こいつがザ・マッドマン」

 

 身長百七十五センチの男子高校生だ。

 黒髪黒目で左目に傷があるがこれは猫に引っかかれた傷である。

 翔がそう言うと翔からぬるりと人型の異形が出て来た。

 どこか千九百九十年代のロボットアニメに出てきそうな人型のロボットだ。顔はモノアイがついている。

 両腕には背中からケーブルが伸びている。

 

『こいつに憑いてるマッドマンだ。よろしくネ学生たち』

 

 よっとマッドマンは手を挙げた。

 

「すげぇ! なにそれ?!」

 

 陽斗が気になると問いかける。

 

『俺は生きた魔法のような物で、魔法使いが死後魂を幽霊に変えたような存在だ。まぁ詳しくは違うが……今は高橋ちゃんに憑くことで存在を維持してる』

「魔法ってそんなのもありなんだな!」

 

 じゃあ次、と翔が次にマイクを渡す。

 

 次に渡されたのは身長百六十八センチの黒髪黒目の男子高校生だ。髪が少し長い。

 

「えっと、雨宮透真……です。えっと、影操れます」

 

 透真が影をにゅっと操って手の形にして実体化させた。

 影の手でマイクを持って次に渡す。

 

 次に渡されたのは身長百九十センチと非常に高身長の男子高校生だ。

 茶髪の短髪で服の上からでもわかるほどに筋肉がついている。

 

「俺は相良大地(さがらだいち)、見ての通りパワー系の魔法? を使う。自認では気なんだけど、まぁ魔法使いらしい。よろしく」

 

 この世界全ての超常は魔法で統一されている。

 武の研鑽で魔法に到達する者も少ないながら存在し、彼らは己の力を気や闘気などと称するが実際は魔力である。

 

「次は女子だが、自己紹介大丈夫か?」

 

 大地はそう言いながらサラにマイクを渡す。

 

「大丈夫よ。私はサラ・フォン・ハンビューヘン。名の通りイギリス貴族よ。祖母が魔法使いで孫の私も魔法の才能があったから大学に来たわ。魔法世界で成り上がるつもりだから、よろしく」

 

 パンチの聞いた自己紹介に一同はおおっとなる。

 魔法の才能が遺伝する確率は低い。第魔法使い同士で結婚し子をなしても子が魔法を使える確率は五パーセントといったところだろう。

 祖母が魔法使いで孫も魔法使いというのはそこそこのレアものである。

 

 サラがかおりにマイクを渡す。

 

「ワシは天狐と人間のハーフで、次期八尾守道神社の神じゃが。年齢は十八じゃな。魔法は生まれついて使えるが理論だって覚えてるわけじゃないので理論を学びに来た。よろしく頼む。ほい、マイク」

 

 次はアストレアにマイクが渡る。

 

「えっと、私は幻獣と人間の融合体で、ちょっと前に秩序の刃? に救出された元一般人です。魔法の才能が結構あるらしいので来ました」

 

「幻獣? よくわからないけどすげー」

 

 陽斗がようわからんが凄いと褒める。

 

 アストレアは照れながら次にマイクを渡す。最後の一人だ。

 オレンジよりの茶髪で明るい髪色の少女だ。

 背は小さいがかおりほど小さくはない。

 

「えっと、東雲陽菜(ひな)です。一応回復魔法? が使えます。魔法についてはよくわからないことだらけなので、よろしくお願いしますね」

 

 そういうと陽菜は小さくあたまを下げた。

 

「じゃあ、みんな歌おうぜ!」

 

 陽斗がそう言うと最近流行のアニソンを流し始めた。

 

 この後めちゃくちゃうたった。

 

 

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