ハイスクールD×D〜刹那と獣と水銀と〜   作:Campus#R

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隔月更新くらいがやり易い今日この頃。もういっそそうしてしまおうか…。
少し短めです。




9,

 

 

 

「……なぁ一誠?」

 

「……言うな。俺に何も言うんじゃない。」

 

永斗の式に連れられ着いたのは一誠がレイナーレとのデートの最後に来た公園。そこで見たのは、

 

 

 

 

ベンチで気を失っている修道服を着た金髪美少女に、跪いて涙を流している永斗(変態)だった。

 

 

 

 

ピッ

「もしもし警察ですか?公園に変態がいまして、……ええそうです。市街地の真ん中にある「待ちましょうか一誠君。」」

 

「なんだよ永斗。友人をきちんとした道に戻すのも友人の役割だと思うんだが?」

 

「まず理由を聞いてくれませんかね?」

 

「それに残念ながら警察のお世話になるのは良い案じゃないな。経験済みだし。」

 

「そうですね。十哉と会ったのもゲシュタポの牢屋でしたし?」

 

「国家権力は通じないのな。知ってたよ。」

 

一誠は仕方なく、非常に仕方なく溜め息を吐きながら携帯を下ろす。

 

「で?わざわざ直接でも念話でもない方法で呼んだ理由は?まさかマリ…彼女から離れたくなかったとかだけじゃないだろうな?」

 

「その通りですけど何か?」

 

 

イラッ

 

 

「念話でいいだろ?」

 

「十哉君達に思考を割く暇があるならその分を女神に捧げますよ。」

 

 

ピキッ

 

 

Sonne() toent() nach() alter(より) Weise In Brudersphaeren Wettgesang.(星と競い)ーーー

 

Dieser(その) Mann(男は) wohnte in den(墓に) Gruften,(住み)ーーー

 

「待ちましょう。私が悪かったですから詠唱止めてください。キチンと説明しますから。」

 

「さっさとしろ。さっきまで合いたくもない奴と顔を合わせて馬鹿の話を聞いてたんだ。いつも程気が長く無いぞ?」

 

完全に二人の目はつり上がっている。

 

「悪かったですって。で、二人をこうやって呼んだ訳ですね。先程の理由も含まれるんですが…彼女から目も、気も逸らすことが出来なかったんです。」

 

「帰る。」

 

「最後まで聞いてくださいって。よくよく考えてください一誠君?何故私が何もしていないのに彼女だとわかったのか。」

 

「は?あの時何も使ってないのか?」

 

「って永斗は黄昏絡みになるとお前は変な能力発揮するからなぁ。わかりそうなもんだけど。」

 

「まぁわかりますよ?現にこうしている訳で「話を進めろ。」了解です。で、一誠君。私があの時、何と言って行動したか覚えていますか?」

 

「?確か…『ああ!これは紛れもなく彼女の魂!』とか…待てよ?彼女の魂?」

 

「そう。この少女、アーシア・アルジェントと名乗っていましたね。アーシアさんは

 

 

 

 

 

マルグリットと全く同じなのです。」

 

 

 

 

 

「………はっ⁉︎」

 

「……」

 

一誠は驚きで固まり、十哉も難しい顔をしている。

 

「正確に言えば少し違いますね。育ちの環境故の性格や仕草、容姿などに違いはあります。ですが、非常に微々たるもの。根本的な部分が彼女と全く一緒なんですよ。先程少し言葉を交わしましたが、私を知らない頃の彼女と話しているようで非常に懐かしかったです。」

 

「けどそれだと問題は無いんじゃないか?それこそ永斗は黄昏の女神の転生を望んだんだ。それに『少年』も言ってたろ?『人としての本質は似通うが記憶や経験は消え、性格も異なる』って。」

 

「ええ、十哉君の言う通りです。それだけならまだ納得が行ったんです。しかし言ったでしょう?彼女の魂だと。」

 

「…おいまさか!」

 

 

 

 

 

「そのまさかですよ一誠君。アーシアさんの魂は既に流出位階に到達しています(・・・・・・・・・・・・・・)。」

 

 

 

 

 

「「⁉︎」」

 

「ここからは推測なのですが、そもそも今回の転生というのは恐らく私達のように特殊な事でもない限り、前と同じ魂というのはありえません。まぁ『少年』の言うように本質は似通うことが多いでしょうが。簡単に言ってしまえば、『自分であって自分ではない』というのがシックリ来るでしょう。増してや今回は流出位階に達している。ここまで来るともはや……」

 

「彼女はマリィである、か。」

 

「その通りです。個人的には嬉しい誤算ではあったのですが、これは流石におかしいです。そう思い彼女を眠らせ保護していたんです。」

 

「なるほどな…。うん?眠らせる必要は?」

 

「あ、それは良い考えが思いつかなかったので咄嗟に。」

 

「ああ、そう。…しかしわからないな。」

 

「ええ。それに今回の事で今まで気に掛けていなかったことが浮き彫りになりました。」

 

「……前の世界との共通点か。」

 

ポツリと十哉が呟く。

 

「わかりましたか十哉君も。」

 

「ああ。具体的に言えば一誠の周りのって言ったら良いのか?」

 

「俺?まさか小猫のことか?」

 

「ええ。確か彼女は一誠君を見て『懐かしい』と言ったそうですね?」

 

「ああ、屋上で初めて会った時な。」

 

「アーシアさんの事も含めて考えるに、私達の前の世界が何かしらの影響を及ぼしていると考えるのが妥当です。

 

 

 

まぁそれについては既にわかっていますが。」

 

 

 

「……ってわかってんのかよ。今まで話してたのは何なんだ。」

 

「説明には起承転結がないとわからないでしょう?」

 

何を当たり前な事を?と言うような永斗に対し、もう疲れたというようにゲンナリと一誠が肩を落とす。

 

「アーシアさんを通して『座』に少し干渉しましたから。そこから何があったか大体わかりましたよ。」

 

「何でそんな事?確か『少年』と通信できるんじゃなかったのか?それに流出すれば…いや今の無しで。だからそう睨むなって一誠。言葉の綾だ。」

 

十哉が流出してしまえば地獄絵図の出来上がりなので、一誠にとっては洒落にならない。(もちろん十哉の望む世界なので彼にとっては良いが。)

 

「出来ますよ。既に試しましたしね。しかし無理でした。」

 

「無理?どういうことだ?」

 

「実際に見せた方が早いでしょう。」

 

そう言うと、空中に複雑な術式を書き出す永斗。

しばらくすると半透明のディスプレイのような物が出てくる。が、

 

 

ザーッ

「………」

 

 

そこにはノイズだらけで他には何も映していなかった。

 

「このように呼び出してもノイズばかりなんですよ。向こうでもどうやら不測の事態のようです。」

 

「向こうからの情報は望めない、か。」

 

「そういうことです。で、先程の続き、私たちの前の世界とのことなんですが、時間も時間ですね。アーシアさんのこともありますし、続きは明日にしましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「っておい。彼女はどうする気だ?」

 

「?私が連れて帰りますけど?」

 

「………何をする気だ?」

 

「何もしませんよ。心外ですね十哉君。ただ、」

 

「ただ?」

 

「ただ彼女の香りを分析して再現してしまおうぐらいしか考えて「Schuld(有罪)」な、何でです?そして何故ドイツ語?」

 

「やかましい変態。」

 

「そもそもお前眠らせたのはこの為じゃないだろうな?」

 

「そ、そんな事ないですよ一誠君。」

 

「おい、目を見て話せ。」

 

結局、アーシアは一誠の家で保護することに。

その時の永斗の顔はおもちゃを取り上げられた子供のようだったという。




永斗のDies iraeの中では無かった角度のウザさ。書いてて楽しくはありました。


前回の話でアーシア=マリィを予想してた人がいてビックリしました。話の中では明言してなかった筈なんですが……。わかりやすかったんでしょうか。
どれ位予想してたか気になるので、前回の時点でわかっていた人は感想欄に「それ位わかるわ!伏線下手やなアホ。」とでもかきこんでおいてください。今後の参考にしますので。

次回はこの世界について………と行きたい所ですが、次はアーシアと一誠の会話です。この世界の解説(という名の設定暴露)はその次位になります。



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