ハイスクールD×D〜刹那と獣と水銀と〜   作:Campus#R

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前回のアーシア=マリィは大分わかりやすかったみたいですね。感想で皆さんに貰った意見にその通りだったとしか思えませんでした。
というか何故バレてないと思っていたのか自分でもわからなくなりました。


10,

 

 

ーーーJe veux le sang, sang, sang, et sang(血、血、血、血が欲しい)ーーー

 

ああ、またこの歌だ

 

 

 

 

ーーーDonnons le sang de guillotine(ギロチンに注ごう飲み物を)ーーー

 

いつからだろう眠りに就けばいつも聞こえる

 

 

 

 

ーーーPour guerir la secheresse de la guillotine(ギロチンの乾きを癒すため)ーーー

 

無邪気で甘く、蕩けそうなその声が奏でるのは悲哀

呪い故抱きしめられない悲しさ

 

 

 

ーーーJe veux le sang, sang, sang, et sang(欲しいのは 血、血、血)ーーー

 

ああ主よ!何故この方にこのような呪いを……

彼女は誰よりも人を愛しているのに……

 

 

 

『安心しろマリィ。俺が側にいてやる。』

 

そしてこの声に救われる

無限に広がる海のように穏やかで優しい

あなたの声に………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ

 

「…た、ただいまー……。」

 

あの後アーシアを連れて帰った一誠。一度も起きずにぐっすりと眠っている。その寝顔は余りにも彼女に似ていて……

 

バタバタ

 

「一誠!」

 

「うっ…母さん……えー、兵藤一誠ただいま帰宅いたしました。」

 

「何がただいま帰宅いたしました、よ。遅くなるなら連絡の一つ位入れなさい!全く!年甲斐もなく心配したんですからね。」

 

この人がこの世界での一誠の母親、兵藤美奈子。一誠を産んだ時は高齢出産手前だったらしく、白髪が少し目立つ。それでも毎日家事をこなす、元気な母親だ。

 

「ごめんって…母さん。先輩に呼ばれた後に十哉達と話こんじゃって…。」

 

「あら呼び出し?あんた学校で変なことしてないでしょうね?」

 

「してないよ。部活の勧誘だったんだ。」

 

「はー。ずっと帰宅部のあんたを誘うなんて…よっぽど人数ギリギリなのね。」

 

「……まあ、うん(思う所はそこかよ。)」

 

ギリギリであったことは事実のため、無言を貫く。勿論入部したとも言っていないが。

 

「ってその背中の子どうしたの?随分な美人さんみたいだけど……。」

 

「あー、えっと初めて日本にきて人混みに酔ったみたいでさ。その時偶然居合わせたんだけど、彼女寝ちゃって。仕方ないからうちまで連れて来たんだ。」

 

割と苦しい言い訳を述べる。そもそもこの駒王市は離れた都市部にでも行かない限り住宅街である。どう考えても人に酔う場所などない。

だが、

 

「あらそうなの⁉︎じゃあ今日はお泊りね。客間に寝かしておくから着替えてらっしゃい。

ふふっ嬉しいわー。私息子より娘が欲しかったのよね。」

 

そこを疑問に思わないのが一誠の母親である。彼女はどこかズレているため、少々のことでは動じないのだ。

 

(自分の息子の前でそれを言うか…)

 

「夕飯出来てるから早く降りてらっしゃい。」

 

「はいよー。」

 

気怠く返事を返し、一誠は二階の自室へと足を進めた。

 

 

 

 

 

 

部屋着に着替えて部屋から出ると、

 

「ん!一誠。帰ってたのか。遅くなるなら連絡をしなさい。」

 

「っ……ああ父さん。ごめん。」

 

彼は兵藤啓司。一誠の父親である。母親の美奈子よりも年上で、優しい性格をしている。

 

「まぁ私は別に心配はしてなかったが、母さんが本当に酷くてな。一階でずっとピリピリしてるもんだからついつい二階へ、な?。母さんも心配性だ。

私はむしろ今くらいの歳に少しはヤンチャしとくもんだと思ってるがな。」

 

はっはっはっ

と一誠の父親は笑いながら下へと降りて行った

 

一誠は両親と仲が良くはない。いや、彼自身が少し線を引いてそこから進めないのだ。

両親は沢山の愛を彼に与えてくれている。だが、一誠の中には、それを受け取ってしまっても良いのだろうか?本来の息子ではない自分が?という気持ちから、どうも少し他人行儀になってしまう。それでも変わらず接してくれる両親に、一誠は申し訳ない気持ちで堪らなくなるのだ。

 

(はぁ…要は自分次第なんだけどなぁ。)

 

わかってはいるが動けない。そんな自分に嫌気が刺しながら、父親に続いて一誠も一階へと降りるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後夕飯や風呂などを済ませ、一誠は客間へと向かった。襖を開ければ、彼女はまだ眠っていた。

 

(これ起きるんだよな?)

 

永斗のとこなので危害は加えないだろうが、不安になる一誠。手持ち無沙汰だったので、一誠は何となく彼女の手を握った。

 

(……暖かい。)

 

そして彼女の顔を見た。太陽のような金髪に白い肌、均整の取れた顔立ち、そしてプルプルとしたピンク色の唇……

 

(って待て待て。何でこんなこと考えてるんだ俺。落ち着け。そんな観察したら失礼だ。前の世界ではそんなことしてなかったろ!………ん?)

 

一人で悶々とする一誠。が、首元を見て気づいた。そこにあるのは斬首の跡。

 

(同じとは言え、ここまで似るのか?そもそも彼女は首を落とされたことが?ってそんな訳が『ちょっと一誠!何鼻の下伸ばしながらジロジロ見てるのよ?』げ!ドライグ(アンナ)。)

 

一誠の頭に響くのは幼く、それでいて色気のある少女の声。

話掛けて来たのは一誠の右腕に宿る赤龍帝、ドライグの声だった。ただし、性格や言動が一誠の知っている人物に似ていたため、彼女のことはその名前で呼んでいるのだ。

 

(『なーによもう!起きてみればそんな小娘の顔なんかまじまじと!何?そんな子が好みな訳?』)

 

(『うるさ!って最近出てこないと思ったら寝てたのかよお前は!』)

 

(『何よ。私がいなくても基本的な機能位使えたでしょ?』)

 

(『呼んでも反応ないから心配してたんだぞ⁉︎』)

 

(『あっそ。ま、いいわよ。偶然起きただけだしまた寝るわ。それよりその子起きるわよ?』)

 

慌てて覗き込む一誠。どうやら会話に夢中で無意識に握った手に力が入っていたらしい。

薄っすらと開いた少女の瞳が一誠をとらえたその時だった

 

 

 

 

 

 

「………れ…………ん……?」

 

 

 

 

 

 

「っ⁉︎」

 

心臓を鷲掴みにされたようだった。それほどの衝撃だった。何故自分の名前を、蓮と言う名を言ったのか。何故彼女がその名前を知っているのか。

 

「………はっ!こ、ここは一体……。」

 

しかし次の瞬間にははっきりと目を覚まし、辺りをキョロキョロと見渡していた。

 

「えっ…と、とりあえずおはよう…かな?」

 

「あ、はい。おはようございます。あの、ここは一体何処でしょうか?」

 

「俺の家だ。あんたは俺の友達との会話中に急に眠ってしまったんだよ。で、放置するのも悪かったからな。俺がここまで運んだんだ。名前はアーシアだったか?」

 

「そうです。アーシア・アルジェントと言います。この度、駒王の地にある教会へと赴任することになりました。ところで、何故私の名前をご存知なのでしょう?」

 

「さっきアーシアさんが会話してた友達から聞いたんだ。」

 

「な、なるほど。あっ!すみません!私まず言わなきゃいけない事を言ってなくて。ありがとうございます。お世話になったようで。」

 

「いや、構わないよ。こっちが勝手にやっただけたし…他の二人に任せられないし…。」

 

「???どうかなさいましたか?」

 

「何でもない。気にしないでくれ。」

 

最後は小さくて聞き取れなかったらしい。

そこまで話して、

 

「…ん?」

 

一誠はある事に気がついた。

 

「アーシアさん、少しいい?」

 

「?はい。」

 

そう言って一誠はアーシアの髪を上げ、首を覗き込んだ。

 

(傷跡が無くなってる?)

 

そこには先程まであったはずの斬首の跡が綺麗に無くなっていた。触ってもそれらしい感触は無い。

 

(何故だ?あったのは確実だ。見間違えるはずがない。そもそもあれだけの傷跡がこんなに綺麗に消えるなんてあり得るんだろうか?)

 

「……あ、あの……。」

 

「どうしたアーシ……ア…。」

 

そこでようやく自分のしていることに気がついた一誠。

会ったばかりの女性に対し、首に触れて凝視。そのため顔は頬と頬が触れんばかりの距離。

そしてアーシアは顔を真っ赤にしていた。彼女は色恋というものに疎い。幼い頃から教会で過ごしてきた彼女は、そう言った方面の知識を知らないのだ。だが、異性に首を触られ、見られる事が恥ずかしいと思わない訳がない。加えて首筋にかかる一誠の吐息が彼女をゾクゾクとさせた。未知の感覚に彼女はどうしていいかわからなかった。

 

「っ!ご、ごめん!」

 

「いえ、大丈夫…です。」

 

すぐにアーシアから離れる一誠。お互いの顔は赤い。

 

「「…………」」

 

沈黙が流れる。

 

「め、目が覚めたこと親に伝えてくるよ。」

 

「す、すいません!お願いします…。」

 

気まずい空気から逃げるように一誠は立ち上がる。そこで聞いていない事に気づいた。

 

「アーシアさん?」

 

「は!はい!何でしょう!」

 

襖に手を掛けて一誠が問いかける。

先程の事から緊張した様子で答えるアーシア。

 

 

 

「藤井蓮、この名前に覚えはある?」

 

 

 

襖に掛けた手が微かに震える。

 

 

 

 

「………すみません覚えはないです。」

 

「そっ…か。悪い、変な事聞いた。忘れて「でも!」?」

 

「何故でしょうか、その名前は心が安らぎます。何か、私の心の欠けてる部分が埋まるような…不思議な感じです。」

 

「…………」

 

一誠は無言のまま部屋を後にした。その心にあるのは

 

「ははっ、何安心してんだ俺…。」

 

未だに前の世界の日常に、あの心地良いぬるま湯の様な日々を引きずっている自分。

そんな自分に馬鹿馬鹿しくて、女々しくて、嫌気が刺した。

 

 

 

 

 





一誠の思考暴走についての補足

原作の一誠(変態)に引っ張られたため。原作一誠の変態度なら蓮に少し勝てると思うんだ……精神的に、ネタ的に。
て事はあと二人…はないなうん。




最近あった事
大学にて

俺「この設計課題提出、冬休み跨いじゃってるけどどうするんだろ?それに成人式もあるし。」

友達「伸びるんじゃない?どう考えても縮めたら提出できるクオリティなんて出来ないぞ。」

俺「だよね。流石に今から一ヶ月でこの内容は無理だよ。」



先生「えーこの課題は冬休みを跨ぎます。それに君たちは今年成人式を迎える訳なので、課題の提出期間を早めます。社会に出ればこれより無茶なスケジュールもあり得るから慣れておこうね。」


俺&友達「……嘘だろおい。」


って感じで年末が潰れました。笑えない。
投稿の方はできる限り月一で頑張ります。


一誠の両親の名前は出てなかったと思ったので勝手に付けました。もし出てたらご指摘お願いします。

誤字脱字報告、感想お待ちしております。


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