ハイスクールD×D〜刹那と獣と水銀と〜   作:Campus#R

16 / 16

1年と三ヶ月も放置して申し訳無いです。大学関係でゴタゴタしており執筆時間とやる気が全くありませんでした。こんなに久々の投稿で幕間だと失礼だと思ったので、続きを投稿します。幕間はまた別の時にやります。多分久々過ぎて書き方変わってると思いますけど、ご了承ください。

まだ読んで下さる方がいるのか分かりませんが……。
あ、今回はあるキャラにオリジナルの過去を設定してます。




12.

 

 

 

 

「………………」

 

「………………」

 

一誠達がこの世界について話し合っている頃、隣の部屋ではひたすらに沈黙が流れていた。レイナーレはひたすら話そうと何度か口を開けるが、自分の言葉が決まっていないのか何も話せない。そしてアーシアはそれを察してひたすらに待っていた。

 

「………………」

 

「………………」

 

この部屋に来てから時間にして恐らく五分程度。

 

「…アーシア、さん。」

 

ようやく言葉の決まったレイナーレが口を開く。

 

「はい。」

 

「……怒らせるかもしれないけど、とりあえず一言いいかしら?」

 

「?はい。」

 

「ありがとう。私、私はね、」

 

ふぅ、と一息つく。

 

 

 

「私は自分が間違っていたとは思わないわ。」

 

 

 

はっきりと言いきった。視線を逸らさず、真っ直ぐに。

 

「って言ったら少しも謝ってないわね。あなたには悪かったと思っているし反省もしてる。これは間違いないの。ただ、そうね……少し私に、いえ私達について語ってもいいかしら?」

 

目を閉じて思い出す。それはレイナーレが見てきた世界。彼女のこれまでの現実(世界)

 

 

 

 

 

「私は堕天使、だけど生まれから堕天使だった訳では無いわ。元々は下級天使としてこの世で生を授かった。」

 

レイナーレはとにかく上を目指していた。沢山の人を助け、誰にも負けない実力と知識を得て、何時か熾天使(セラフ)に名を連ねるんだとそう思っていた。しかし…

 

 

現実は夢ほど甘くは無かった。

 

 

「年を重ねる度、何かを知る度、それはとても困難な事だと気づいた。努力は空回り、現れない結果。何度も何度も壁にぶつかって。

でも!それでも私は諦めなかった。だって夢だった。何時か自分の羽は一対から二対に増える時が来る。そう思って前向いて。」

 

そんな彼女に転機が訪れる。

 

「見込みのある下級天使を集めて、その中から四人を中級天使として昇格させてくれる機会が巡ってきたの。集められた下級天使は100名。それが一斉に試練に挑み、審査を受ける。

あの時は嬉しかったなぁ。やっと夢へと近づける、そう思って期待していた。他の下級天使に負けない自信もあった。」

 

そんな試練と時に出会ったのがカラワーナ、ミッテルト、ドーナシークの3人だった。

 

「同じ志を持っていたわ。加えて同じ試練を受けるって聞いて意気投合した私達は、この4人で試練を突破して一緒に中級天使になろうって誓った。3人の実力は私程ではなかったけど下級の中では充分で、きっと出来ると確信していた。」

 

ただそれは一縷の夢だった。

 

「試練はただの出来レースだったわ。」

 

終えて蓋を開ければ、自分達よりも劣る結果の四人が突破していた。

 

「頭が真っ白になったわ。なんで?どうして?そんな言葉がぐるぐる回ってた。ただね、周りを見て気づいたの。」

 

周りの嘲笑を、審査する者の下卑な笑みを。そして突破した四人の愉悦を浮かべた笑顔を。

 

「私達の態度が気に入らない輩共が手回ししたらしくてね。わざわざ1個の試験を使ってまで貶めてくれたわ。それだけで終わるなら別に問題無かったんだけどね……その後、その試験で最も不出来だったとか色んな難癖と悪評を流されて私達の居場所は天界には無くなった。」

 

試験に通った天使はそれこそ中級となり、レイナーレ達は彼らを指を咥えて見ている事しか出来なかった。

 

「私達は必死に耐えたわ。耐えて耐えて耐えて、納得のいかない憤りからの嫉妬と憎悪で狂いそうになった。頭の片隅にはどうやってあいつらを殺すかが頭に過ぎった、そんな時だったかしらね。

 

私の、いえ私達の羽は真っ黒に染まったわ。」

 

四人は天界を追放。神を見張る者(グリゴリ)に身を寄せた。

しかし終わる筈の苦難は続いた。

 

「運悪く自己顕示欲と高いプライドを持った奴が私達の上司になったわ。毎日使い倒され禄な見返りも無く、時には力の実験の称して立ち上がれない程に暴力を振るわれたわ。そんな奴に媚びへつらう。神を見張る者(グリゴリ)での生活は正直最悪だったわ。それでも四人で支えあって何とか耐えてきた。」

 

そんな日が続いたある日、今までで最悪な出来事が起きた。

 

 

 

「私達の中で1番幼かったミッテルトが上司にレイプを受けたの。」

 

 

 

ボロボロになった服を辛うじて纏って帰ってきたミッテルト。体の所々は乱暴にされた跡があり、股からは白いものが脚を伝っていた。

心配かけまいと笑顔を作る彼女に、レイナーレ達は抱きしめる事しか出来なかった。

 

「その時気づいたわ。耐えるだけじゃ何も変わらない。この世界は力がなければ生きる事すら出来ない。自分達を守るためにも力がいる、今すぐにってね。

それで手っ取り早く力を得るには人間から神器を抜き取ること。上司からその手の資料をくすねてあなたを知り、この駒王町にやってきた。後は多分あなたの知る通りね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

目を開ければ泣きそうな顔に驚愕を混ぜたようなアーシアがいた。何せ今まで信じていた神の元でこんなに薄汚い行為が行われていたのだから当然だ、とレイナーレは思った。

 

「理由があったとはいえ、ううん関係無いわね。あなたを殺そうとしたことを正当化する気は無いわ。でもね、私のこの気持ちは、思いは決して間違いだったとは思わない。ミッテルト、カラワーナ、ドーナシーク。私のかけがえの無い仲間を守りたいと思ったこの気持ちだけは。…彼にもそう言われたわ。

けどアーシアさん。私はあなたの生命を狙ったわ。未遂とはいえ明らかな殺意を抱いた。あなたは私を罰する権利があるわ。今あなたが命ずるのならこの場で命さえも「レイナーレさん!」っ!」

 

ハッとして目線を上げれば先程の表情とは一変。強い決意に満ち、慈愛を持った表情のアーシアがいた。その表情に、レイナーレは思わず見惚れていた。

 

「……ええ、何かしら。」

 

 

 

本来ならここで二人の関係が修復されるはずだった。

 

 

 

「あなたは」

 

 

 

だが、それは叶わない

 

 

 

「本当に」

 

 

 

ーーーーーードゴォォォオォン!!!!!

 

 

 

突如破壊された窓側の壁。その音に驚く間もなく、彼女達の意識は途絶えた。

 

最後に見たのは白いカソックを着た神父だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アーシア!」

 

部屋を飛び出した一誠達が見たのは壁の崩れた隣部屋。開いた穴から降り注ぐ光を背に女性二人を抱えるカソック姿の神父。長袖から覗く腕には刺青があった。加えて特徴的なのはその頭。頭頂部から中程は白髪なのだが、途中からは十哉ほど鮮やかでは無いが金色の髪になっている。

 

「っとぉ。この家の住人かい?雇い主がこの二人をご所望なもんでよ。悪ぃがちいとばかり借りてくぜ?」

 

「五月蝿いですよ。彼女を下ろしなさい、さもなくても殺します。」

 

既に頭に血が登り臨戦態勢の永斗。今にも殺さんとばかりである。

 

「おーおー恐ろしい。そんな熱い視線をくれるなよ?生憎そっちの趣味は無いんでな。」

 

「死ね。」

 

躊躇なく発射した魔力弾。

恐ろしい速さで頭を狙ったそれは直前で消えるように消滅した。

 

「冗談通じねぇなぁ。そんなカリカリすんなよ溜まってんのか?」

 

「それなりに腕は立つようだな。」

 

「たりめーよ。報酬次第じゃどんな事でも請け負う傭兵、フリード・セルゼンとは俺の事よ。」

 

面白いやつが来たと十哉は笑う。

 

「服装からして元退魔師(エクソシスト)か?」

 

「ご明察。あなた方に神の御加護があらんことを〜ってね。」

 

「ほう?信仰も無しによく言う。」

 

飄々と食えない態度を取りつつも警戒を怠らないフリード。取り返すのは簡単だが、アーシアへの危害を考えると3人は迂闊に手を出す事が出来ない。

膠着状態になりかけたその時、今まで黙りこんでいた一誠が口を開く。

 

「なぁあんた。」

 

「あん?なんだい?」

 

 

それはわからない筈の質問。理解出来るはずのない質問。

 

 

「遊佐司郎って名前に聞き覚えはあるか?」

 

 

 

だが反応は劇的だった。

 

 

 

「……………ハッ!この際だ何で知ってるなんてことは聞かないでおくけどよぉ?てめぇ俺の前で!その名前を出すんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

 

正しく憤怒。余裕綽々だったその表情は今初めて変化した。

しかしそれも一転。すぐに笑を浮かべる。

 

「クハハハハッ!いいねぇ!てめぇらには興味が出てきた。今すぐここで、と言いたいとこだが悪いがちぃとお仕事優先だ。後で駒王の廃教会に来な。そこがうちの雇い主の本拠地だ。」

 

「みすみすこの場で逃がすと思っているんですか?」

 

その声と共に捕縛用の術式でフリードを拘束する永斗。だが、

 

「生憎だったな逃げさせてもらうよ。」

 

その術式は何の抵抗も無く消滅し、

 

「じゃあな。」

 

2つの丸い物を投げる。瞬間起こる光と音、加えて煙で辺り一体は真っ白に包まれた。

視界と耳が回復した頃にはフリードは既に消えていた。

 

「今すぐ向かいましょう。何かあっては大変です。」

 

「彼女が絡むと本当にお前は…。」

 

「十哉?何か言いました?」

 

「いや?なにも。」

 

崩れた壁から飛び降り教会へ向かおうとする永斗。それに十哉も続く。一誠はその場から動かなかった。

溜息を吐きながら永斗は一誠に問う。

 

「一誠君?」

 

「っ!なんだ?」

 

「思う所は色々あるでしょうが、とりあえず先程のやりとりは質問の答えとしてどうです?」

 

「………ああ、充分だ。」

 

3人は廃教会へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 





感想等で来た質問と疑問回答


Q.主人公三人はどういうキャラ付け?

A.本作はそれぞれDies iraeという作品のキャラである藤井蓮、ライン ハルト・ハイドリヒ、メルクリウスの三人がもし一般常識を持ったらどうなるか?という方向性です。その為元々三人自体が転生していたという形を取っています。あくまで一般常識が備わった程度で彼ら自身の渇望や考え方は一切変わっていません。



Q.座の神が死ぬ
→座の神=世界
→世界あぼん

だったはずですが?
だから第四天も単純に自殺せずに後継を育てるような計略巡らせたわけですし。

A.そうなんですが一応今後の展開に関わるので詳しくはこうです、とは言えません。ただ、この設定が果たして矛盾無く組み込めるか、自分でも考えるうちに分からなくなってしまったのでその時はまたご指摘お願いします。


Q.第八天、甘粕さんじゃないこれ?

A.自分の中では参考にはしましたが甘粕さんでは無いです。個人的な考えですけど、多分あの人が座に着いた瞬間世界は火の海に包まれるか、隕石が降るかとか、とりあえず試練と称して破滅を呼ぶと思います。



今後も多分超絶不定期で投稿すると思います。ごめんなさい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。