ハイスクールD×D〜刹那と獣と水銀と〜   作:Campus#R

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遅れてすみません。続きです。

永兎の皮肉の効いた台詞回しが難しい。


3,

(さて。自分から請け負ったのは良いですけど流石にこの数は面倒ですね。)

 

永斗の目の前には女の蜘蛛悪魔とその下僕悪魔が立ち塞がる。先程一誠と二人で減らした物の、依然数は多いため面倒なことに変わりはない。

 

(しかもまだ増えるとは思いませんでしたよ。)

 

そう。先程の攻撃で倒した筈の下僕悪魔は攻撃で分裂した体からアメーバのように体を再生していった。腕や足などの体の一部からも再生するため、永斗の目の前は先程よりも多い下僕悪魔で埋め尽くされていた。

永斗はそんな下僕悪魔の大群からルーン文字を書いたカードを撒きつつ逃げ回っていた。

 

(完全に消滅させないと増える一方。救いなのは一体の力は然程(さほど)ではないことと行動が単調で近接攻撃しか持たないことですね。)

 

「アッハハハハハハ!いつまで逃げてるのよ。そんなに逃げてもこの数からは不可能よ!大人しく私の下僕の材料になりなさい!永遠に可愛がってあげるわ。」

 

「生憎貴方のような方に体を弄られるのは勘弁ですね。それに蜘蛛の女性に惚れるような性格はしてませんよ。」

 

そんな軽口の応酬をしつつ、ついに壁際まで辿り着いた。

 

「うふふ。一人でここまで頑張ったけどここまでね。安心して。あなたみたいな子はちゃぁんと、骨の髄まで可愛がってあげるから。」

 

「お断りですよ。というより食べられること前提じゃないですか。」

 

会話をしながら永斗は最後のルーン文字のカードを足元に落とした。

 

「当たり前じゃない。後ろは壁。前には私達。先程の攻撃をいくらしたところで私達は倒せない。詰みよ。大人しく食われなさい。」

 

 

「………っくふふ。知ってますか?ご丁寧に自分の状況を説明することは巷ではフラグって言うそうですよ?」

 

「それがどうかs「準備は整いました。」なんですって?」

 

「行きますよ

 

 

魔女狩りの王(イノケンティウス)』」

 

 

凄まじい風と熱が吹き荒れ、現れ出たのは摂氏3000C°の炎の体を持つ巨人。触れた者を溶かし、焼き尽くす。炎の十字架を振り回し、爆発であらゆる物を破壊する。

 

「な、何よ!そんな物ただの虚仮威しでしょ?喰らいなさい!」

 

そう言って蜘蛛悪魔は魔力弾を打ち出した。魔力弾は魔女狩りの王(イノケンティウス)の頭部に当たり、その頭を吹き飛ばした。

 

「っはははは!残念ねぇ、せっかく出したそいつは結局ただの木偶の坊「馬鹿ですか貴方は。」何ですって!っ⁉︎」

 

蜘蛛悪魔が消し飛ばした頭は何事もなかったかのようにまた再生していたのだ。

 

魔女狩りの王(イノケンティウス)は防御は高くはないですが、非常に高い再生能力があります。貴方の下僕悪魔と一緒ですよ。もちろん弱点はありますが、言った所で貴方にはどうも出来ないでしょう?

さて、では行きますよ?半端な攻撃だと思わないでくださいね?行け『魔女狩りの王(イノケンティウス)』」

 

その声で動き出す炎の巨人。目の前の大量の下僕悪魔を片っぱしから燃やし、溶かし、焼き尽くした。肉の一片も残さない攻撃に見る見るうちに下僕悪魔は数を減らしていった。蜘蛛悪魔は先程までの余裕から一変、蒼白な表情を浮かべた。

 

「ひ、ひぃぃぃぃぃぃ!お、お前達はそのまま突撃しなさい!私が逃げる時間を稼ぐのよ!」

 

そう言うと蜘蛛悪魔は一目散に逃げ出した。もはや『魔女狩りの王(イノケンティウス)』に敵わないことは一目瞭然だ。

が、永斗がやすやすと逃走を許すはずもなく、

 

「何処に行こうとしてるんです?」

 

先程まで後ろで下僕悪魔を消滅させていた筈の永兎が目の前にいる。その瞬間、蜘蛛悪魔は絶望を表情に浮かべた。

 

「な、なん…で…。」

 

「なんでと言われても走って移動して来たとしか言えませんね。ああ、『後ろであの下僕悪魔の相手をしていたのに』とか思ってます?残念ながら簡単な内容でしたら態々動かさずに自動操縦(オートパイロット)で十分なんですよ。」

 

聞いてなかったことにまで答えてくれたが、蜘蛛悪魔にとってはどうでも良かった。それより、下僕悪魔を挟んでおよそ70mを一瞬で詰めたその速さに何も言う事が出来なかった。

 

「さて、向こうの殲滅が終わってから貴方を消滅させてもいいんですが、流石に時間がかかり過ぎますね。直々に下してあげましょう。」

 

左手を蜘蛛悪魔にかざすと、取り囲むように球体魔方陣が展開された。

 

「何よコレ!出しなさい!」

 

「うるさいですよ。死人を使う死霊使い(ネクロマンサー)もどきの貴方には丁度いいでしょう。『ミスティック・ケージ』」

 

魔方陣は徐々に小さくなり蜘蛛悪魔を容赦なく圧縮していく。

 

「ま、待っ…「お別れです。」」

 

そして左手の掌を拳に固めた瞬間、魔方陣は急激に小さくなり蜘蛛悪魔を消滅させた。

 

「あとは殲滅だけですね。」

 

そう言って踵を返し、減り続けている下僕悪魔の群れへと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

「ったく。なんか結局貧乏くじ引いた気がする。」

 

蛇悪魔と亀悪魔を目の前にした一誠は溜息をついていた。その両腕からは黒いオーラの様な物が揺らめいていた。

 

「なんだ?二対一は初めてか小僧。」

 

「馬鹿言え。こちらとらあの二人相手に毎日戦ってるんだぜ?お前らなんかどうでもいい。」

 

正直事実だ。あの二人(十哉と永兎)は毎回全力なので、側から見た特訓の様子は三つ巴の最終戦争である。

 

「言ってくれるなぁ小僧。ならその身に私達の力を味わうといいわ!」

 

そう言って蛇悪魔は手に魔力で形作った槍を持って突撃し、亀悪魔は魔力弾を一誠に放った。が、

 

「「なっ⁉︎」」

 

槍も魔力弾も一誠の手刀によって真っ二つにされていた。

一誠の本来の聖遺物である『罪姫・正義の柱(マルグリット・ボワ・ジュスティス)』の活動位階能力は『触れる事無く切断する』ことだったが、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』との融合により籠手としての意味合いが強くなった。その為、活動位階能力は『切断の概念を纏わす』能力に変化したのだ。今は自分の腕に『切断』を付与しているため、相手の攻撃を切断したのだ。

 

(ネックなのは『触れる』って一行程(シングルアクション)がないと発動出来ないこと。だけど新しく出来ることもある。)

 

一誠は背後に波紋を浮かべ、一本の日本刀を取り出した。

鍔は無く、鞘から抜いたその刀身は穢れなき純白である。

 

「『純刀・白虎』」

 

この刀に特殊な能力はない。ある世界で国の守護の象徴とするために寺院に奉納されたいわゆる儀礼剣だ。しかしその後時代の移り変わりと共に王政は廃退。それに対し立ち上がったレジスタンスによって奪われ、革命の象徴として使われた。

名前から分かるように四神をモチーフにし、名のある刀匠が鍛えた一品。同時に同じような物があと三本存在する。その為儀礼剣とはいえ名刀に変わりはない。

 

すると蛇悪魔は両腕の下から更に腕を生やし、更に全ての腕に魔力の槍を持たせた。

 

「どんなタネがあるかは知らんが槍の替えはいくらでもある。それに4本同時の攻撃を防ぎきることはできまい!」

 

襲い掛かる蛇悪魔。言っただけあってその攻撃は多彩。4本の槍同士がぶつかる事なく突きや薙ぎ払いを繰り出す。休む事のない連撃。高速の突き。だが、一誠はそれを躱したり、刀で去なしたり、時には破壊してして防ぎきる。

 

「まだまだだね。」

 

一誠からすればいつもの2人よりも遅く、力も無く、手数も劣る。

 

「クソッ!なんだこいつは!」

 

イラ立ちを見せる蛇悪魔。今まで戦った相手でこの攻撃に耐えた者はいなかった。それ故、彼は自分に自信を持っていたのだ。

劣勢を判断した蛇悪魔は体勢を立て直すために一度後ろに下がった。そのタイミングで後ろで待機していた亀悪魔が殴りかかる。その拳を躱し、カウンターで甲羅を斬りつけようとしたが、

 

「⁉︎」

 

「おーっと?いいのかなぁ攻撃して。」

 

驚きで固まってしまった。甲羅には人の顔が埋め込まれてあり、それぞれが苦しみの呻きをあげていた。

 

「ひひっ!残念だったなぁ。俺は食べた人間の意識を刈り取り甲羅に植え付けるのさ。だが意識とは言っても攻撃を受けているのはこいつら自身。俺にダメージも痛みも無いが、こいつらには痛覚なんかももちろんある。

つまり、お前が攻撃すれば俺じゃなくてこいつらが苦しむのさ!」

 

自慢げに語る亀悪魔。しかし、

 

「だからどうした。」

 

そう言うと一誠は先程腕に纏っていたオーラを刀へと纏わせた。刀へ切断の概念を纏わせたのだ。そして刀を鞘へと戻す。

ここで一つ。一誠の性格上戦いは進んでしない。もしやる場合でも手早く終わらせれるならそれに越したことはないのが彼の考えだ。更に先程からの戯言当然の挑発も、無視していたが少々一誠をイラ立たせていた。

 

「おいおい。ちょっとまて!同じ人間だぞ⁉︎何故攻撃出来る?」

 

「阿保言え。確かに俺が甲羅の顔に攻撃すれば、それはその顔にダメージが行くんだろう。けど正直どうでもいい(・・・・・・)。見知った顔もあるが、そいつらと特に何かあったかと言われると何もない。それに死者を縛り付けるようなものなら尚更お前を殺すべきだ。」

 

だから、と言った次の瞬間

 

「は?」

 

「目障りなんだよ。」

 

亀悪魔の体は右脇腹から左肩口までをバッサリ切られていた。したことは簡単、唯の居合いだ。ただし亀悪魔の目では視認することの出来ない速度ではあった。亀悪魔はズルルと体がズレた直後、そのまま倒れて絶命した。

蛇悪魔は恐怖に支配されていた。攻撃はことごとく防がれ、亀悪魔は一刀で瞬殺された。もはや敵う道理がない。その結果、恐慌状態に陥った蛇悪魔は

 

「ア、アアアァァァァァァァァ!」

 

一誠へ突撃した。考えなど無い。一種の本能によるものだった。

そんな攻撃が当たるはずもなく

 

「ア?」

 

気がつかないまま十字に斬られ絶命した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「終了と。そっちはどうだ?」

 

「こちらももう終わりますよ。」

 

「ちょっと待ってくれ。こいつに聖痕入れてる。」

 

「って十哉。そのゴリラ自分のエインフェリアに加えるつもりか?」

 

「いいだろ?面白そうだ。」

 

はぐれ悪魔の一団を殲滅した三人。活動位階能力は既に解除してある。

 

「それにしても永兎。なんだよ『暴王の流星群(メルゼズ・ドア)』って。この間読んだ漫画の技の複数版じゃないか。いつからPSYなんて使えたんだ?」

 

「あれはPSYなんかじゃないですよ。魔力を圧縮に圧縮を重ねて無理矢理破壊力を生み出したものです。原作みたいな消滅の力なんてありませんよ。

ってそれを言ったら一誠君だって一緒じゃないですか。なんですか最後のは。完全にテイルズの『邪霊一閃』ですよ?」

 

「別にいいだろ。なんの気無しにやったら再現が出来たから使ってみたかったんだよ。」

 

「あーあ。全く二人ともそんな事で張り合っちゃって。」

 

「「王道技を使ったお前(貴方)に言われたくない!(ありません。)」」

 

「いいだろ⁉︎俺にぴったりじゃん!」

 

そう。十哉と永兎は前の世界でそういったものに触れなかった反動か、漫画やゲームなどの物にどっぷりハマった。特にRPGなどの架空の設定が存在する物が。一誠は2人に付き合っているうちに同じようにのめり込んでいった。そして最近ではその技や技術を真似ることもしている。しかもそれが出来るほどの身体能力と器用さがあるため冗談ではすまない。

 

「しかし以前の二人を知ってる分、今の現状が恐ろしく感じれるな。」

 

「仕方ないだろ?今まではつまらないと思って切り捨てた物が予想以上に面白かったんだよ。」

 

「それに小さいですが未知ですよこれは。たまに予想もしてない事が起こる。これは私が知っている知識の範囲を超えていますよ。」

 

そりゃ全部架空だからな、という言葉は飲み込んでおく。

 

「しかしもう少しなんですよねあの技の完成は。どこかで消滅の魔力なんかが見れたら参考に出来るんですけど。」

 

「そんなのあるかどうかもわからないからな。」

 

「そうなんですよね。っと、誰か来ますね。」

 

「ん?人払いと認識阻害は掛けてるんだろ?」

 

「ええ。ですが最初からここが目的で来ているようです。」

 

「ってことはグレモリーかシトリー、または堕天使か。いずれにせよさっさと離れないと面倒だな。」

 

「永兎、すぐに術式破棄して飛ぶぞ。」

 

「もう出来てます。こちらに。」

 

そして3人は魔方陣を使い廃工場から去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかしいわね。はぐれ悪魔がいない……報告にあった潜伏場所はここであってるのよね?」

 

「ええ、間違い無いはずですわ。大公からも此処と言われておりますし。」

 

「部長。奥にはぐれ悪魔の死体が二つあります。」

 

「…こっちは焼け焦げた匂いがします。それに一部破壊の跡も。」

 

「という事はまた先を越されたのね。はぁ、これじゃあ評価は下がる一方だわ。帝王(シーザー)様に駒の事なども説明しようと思ってたのに。」

 

「構わないぜリアスゥ。むしろ時間が空いたんだからぁこれから何処か行かないかぁ?(まぁ初の実戦と思って少しは期待してたんだがぁ、別にいいだろうぅ。)」

 

「本当⁉︎もちろんいいわよ!」

 

「あらズルいわリアス。ねぇ帝王(シーザー)様?(わたくし)も御一緒してよろしいですか?」

 

「もちろん構わないさぁ。この時間ならぁ良いレストランを知ってるんだぁ。料理ももちろんだがぁ、夜景が綺麗なんだよぉ。まぁ2人には劣るがなぁ?」

 

 

 

 

「…相変わらずですね神井先輩は。」

 

「そうだね…。正直あの態度は僕でも腹が立つよ。それに彼のせいとは分かっているけど、部長と朱乃さんもね。」

 

「…同感です。」

 

 

 





てことで原作スタートです。神井が一誠の代わりに悪魔になってる設定です。

亀悪魔の元ネタは名作デビルマンからの引用です。映画は残念でしたが、原作は素晴らしいですね。
『純刀・白虎』の元ネタ分かった人は感想欄にて書いてください。恐らく誰も知らないかな?


十哉と永兎については否定論や気にくわない方も多いと思いますがご了承を。一度人生を終えてると何か別の事に興味を持つのでは?という考えの基、このような設定にしました。批判は受け付けません。一応、二次技を使っているという時点で3人は舐めて戦っていると考えてください。
なお、永兎の『魔女狩りの王(イノケンティウス)』と『ミスティック・ケージ』は転生特典の本から引用した物です。

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