ハイスクールD×D〜刹那と獣と水銀と〜   作:Campus#R

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今回は少し淡々と進めます。あまり時間をかけるような場所でもないので。


5,

放課後

 

一誠、十哉、永斗の三人は揃って帰宅に着いていた。因みに彼らは部活に入っていない。理由としては十哉がなんでもかんでも全力を出したがるためである。いくら永劫破壊(エイヴィヒカイト)を使わないとは言え、地の力が違う十哉がそんなことをすれば、最悪学園の部活は全て潰れてしまうだろう。

そんなこんなで帰っている途中、

 

「あ、あの!」

 

突然他校の女子生徒が一人、話しかけてきた。

綺麗な黒髪に可愛らしい顔、背は一般的な女性程だが出るところは出ていて、引っ込むところは引っ込んでいる。10人に聞けば10人は可愛いと言う程の美少女。

 

「く、駒王学園の兵藤一誠君は…?」

 

「?俺だけど?(十哉、永斗。こいつは…)」

 

「なんだよ一誠に用事かよ。(ああ、堕天使だな。)」

 

「では邪魔者は退散するとしますか。(とりあえずここは任せます。相手を怒らせないよう当たり障りのない返事で乗り切ってください。後で話しましょう。)」

 

「(了解。)……さて。で、俺に何の用だ?」

 

「えっと…私、駒王東高校の天野夕麻って言います。それで…わ、私と付き合ってください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って言われたからとりあえず友達からと言って、週末デートすることになった。」

 

「本当に無難に返事しましたね。」

 

「何を期待してたんだ何を。」

 

所変わって一誠の家。現在三人揃って作戦会議中である。

 

「で、それより問題は何で接触して来たかだが…」

 

「素直に告白では無いだろ。あいつの雰囲気はどう考えても人を見下してるそれだ。そんな奴が素直に人に告白なんておかしい。張っつけた笑顔の裏に殺気が漏れてたし。」

 

「人間の高校に通ってるのも違和感ありますね。そもそも神井(あのバカ)ではなく一誠君に告白する時点で普通ではないでしょう。」

 

「おい、なんかバカにしてないか?」

 

「となると裏絡みなのは確定だが…。」

 

「無視かよ!」

 

神器(セイクリッド・ギア)でしょうか?でも術式はちゃんと働いているのでバレることは無いと思うんですけど…。」

 

「どっかで使ったのが見られたとか?」

 

「……それはない。永斗の張った術式の中でしか活動位階以上になったことも無いし、術や技も使った覚えはないよ。」

 

「拗ねないでください。目的の真意は不明ですか……。仕方ありませんね、一誠君?幻惑、幻術系統の術式は使えますね?」

 

「ああ。永兎に教えてもらったのなら幾つか。」

 

「なら一芝居打ちましょう。これはあの堕天使からきっちり聞き出さないといけませんからね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

週末

一誠は夕麻とデートをしていた。とりあえず何が好きかわからなかったので、適当に時間を潰すよう映画やゲームセンターなどを回った。この辺は律儀な一誠である。夕麻も楽しそうに笑みを浮かべていた。だが心から(・・・)と言われると答え辛いものではあった。

 

夕暮れに染まるなか、二人は人気の無い公園へとたどり着いた。日中は子供から大人まで憩いの場として活用しているが、今はその影も無い。

 

「今日はありがとう。楽しかったよ一誠君。」

 

「俺も楽しかったよ。女子と二人で出掛けるなんて初めてだったしさ。」

 

「あ、そうなんだ!なら初めて同士だね。」

 

何の変哲も無い会話が続く。側から見ればもうカップルである。

 

「ねぇ、一誠君?今日の記念に一つ、お願い聞いてもらってもいいかな?」

 

「もちろん。あ、でも出来る範囲にしてくれよ?」

 

「大丈夫だよ誰でも出来るから。あのね…

 

 

 

死んでくれない?」

 

 

 

その声と共に張られる結界。恐らく魔力の使用の隠蔽だろう。

そして彼女の服装は白いワンピースから黒いボンテージてと変わり、背中からは一対の黒い羽が生えた。

 

「ゆ、夕麻ちゃん?(かかったな)」

 

「あなたとのデート楽しかったわよ?ここ最近の暇を潰せる位には、ね。最後にこんな美少女とデートできて本望でしょう?」

 

ブゥン、という音と共に手に光でできた槍が作られる。そしてそれを思い切り投擲した。

 

ドシュッ

 

腹部の真ん中に刺さった槍は跡形もなく消えた。そして開いた穴から大量の血が吹き出す。口からも血を吐いて、倒れ込んだ。

 

「な……なん、で…。」

 

「ふふっ。恨むんならその身に神器(セイクリッド・ギア)を宿らせた神を恨みなさい。バイバイ一誠君。」

 

そして彼女は踵を返し、背中の翼を羽ばたかせ空へ飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

はずだった。

 

 

ジャララララ!

 

「っ!何コレ!外れないですって⁉︎」

 

突然現れたのは鎖。彼女はそれに両手両足を拘束されていた。外れないのはもちろん『天の鎖(エルキドゥ)』である。

 

「さてさてさーて、聞きたいことが出てきたから事情聴取と行こうか。」

 

正面には先程殺した筈の一誠が無傷で立っていた。

 

「な⁉︎どうして!あんたはさっき私が槍で腹を貫いたはず!確かにこの目で確認したわ!」

 

「ああ、あれのことか?」

 

示したそこには一誠の死体が確かに転がっていた。が、目を向けた瞬間、それは霧となって消えていった。

 

「う、嘘よ!そんな…確かに私は「そんなことどうでもいいだろ?」ひっ!」

 

「なんで俺が神器(セイクリッド・ギア)を持ってること知ってたのか、洗いざらい吐いてもらうよ夕麻ちゃん?いや、どうせ偽名だろうから堕天使さんと呼ぼうか。ねぇ、なんで知ってたの?」

 

「そ、そんなの知らなイギィィァァァァアアァァァ!」

 

巻き付いている鎖が堕天使の体を締め上げる。

 

「忘れてたけど納得のいく情報言わないとその鎖が君を締め上げるから命が惜しかったら正直に話せ。外部から情報を手に入れたことは知ってるんだからな。」

 

「アアァァァ言う!言うからこれを緩めて!」

 

仕方ないので鎖を緩める。と、堕天使はニヤリと笑みを浮かべた。

 

「馬鹿ね!今から私が結界を解除すれば仲間の堕天使が駆けつけるわ!あなた一人で勝てるかしらね!」

 

そう言うと堕天使は指を鳴らした。

 

 

 

しかし、何の変化も起きない。

 

「な、なんで?なんで解除できないの?私が張ったのに「私が術の支配を奪ったからです。」っ誰!」

 

後ろで十哉と永斗が現れる。

 

「上手くいったみたいだな。」

 

「お楽しみですか一誠君?」

 

「ああ、上手くいったよ十哉。永斗殴るぞ?」

 

「冗談ですよ。こちらも問題ありません。」

 

「全く。さて、気を取り直して教えてもらおうか?」

 

「くっ……わかったわ。言っておくけど情報の出所は知らない。これは本当。知ってた理由は何故か紛れ込んでたからよ。」

 

「何にですか?」

 

「この街の要注意人物を纏めたリストよ。そこに兵藤一誠の名前と神器持ちってことが書いてあったわ。そんなページ作った覚えも無いし、仲間に聞いてもわからなかった。だけど、計画の妨害になるなら排除しておこうと思った。それだけよ。」

 

「………ふぅん。どうやら嘘もついてなさそうだ。信じていいと思う。」

 

「十哉が言うならそうなんだろうな。ついでだ。仲間の構成と目的も吐け。」

 

「ぐっ………それだけは言えないわ。」

 

「……そうか。十哉、任せていいか?」

 

「了解。さて堕天使?ここからは事情聴取から尋問(拷問)だ。」

 

足元から出てくるのは車輪の形をした拷問道具。

 

『カタリナの車輪』。遠心力を使い内蔵にダメージを与え、刃によって体をズタズタに切り裂く拷問道具の一つ。かつてドラゴンを退治した聖ゲオルギウスの拷問に使われたことでも有名である。

 

そして気がつくと堕天使は車輪に両手両足を車輪に沿って拘束されていた。

 

「まぁ慈悲として刃物は使わないでやるよ。人外とはいえ聖遺物の刃に耐えうるとは到底思えないし。」

 

「や、やめてお願い。なんでもするわ。」

 

「正直に吐けば万事解決だろ?それに聞き出した所で別にあんたら全員を皆殺しにしたりだとかそんなことはしないつもりだが?」

 

「…………。」

 

「だんまりか。仕方ないな。」

 

その後、何が起きたかは彼らにしかわからない。

 

 

 

 

 

 

 

30分後、息も絶え絶えになった堕天使、レイナーレを鎖で拘束し、三人は話し合っていた。

 

「割といい収穫だったな。情報も知ることができた。」

 

「そうですね。不完全ながらこちらの情報を持っている第三者がいることがわかりました。

それにどうやらこの堕天使は現在この街で行われている計画のトップ。良いカードを手に入れましたね。」

 

「これからどうする?」

 

「とりあえず彼女は一誠君の蔵で鎖につないだまま監禁しておきましょう。この手のグループはトップが消えれば自然と計画も瓦解します。大人しくなったら仲間の堕天使へ通告、引き渡しと共に今後この街に近づかないよう警告すれば大丈夫でしょう。

派遣されるシスターについては見つけ次第保護しましょう。レアな神器持ちですから他の人外に見つかると厄介ですし、この街を管理する悪魔には正直任せておけません。そろそろあの害虫を駆除しなければなりませんかね。」

 

「ま、無用な殺生は避けたいしな。てことだレイナーレ?しばらく大人しくしててくれよ?」

 

「……もう、抵抗する力なんて、残って、ないわ。好きに、しなさいよ。」

 

「じゃあ一誠、頼んだ。」

 

「わかったよっと良い時間だな。そろそろ帰るか。」

 

「そうですね。では明日学校で。」

 

「ああ、おやすみ。」

 

一誠が『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』にレイナーレをぶち込み、それぞれが帰宅の途に着く。

 

 

 

 

 

 

ここから物語は急激に加速するとも知らずに。

 

 




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