ヒロアカ✖️K   作:SUZUTA

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プロローグ

 夜のビルの屋上。

 複数の人影が、一定の距離を保って立っている。足元を抜ける風に衣服がわずかに揺れた。誰も口を開かないまま、視線だけが前へ向けられている。やがて一機のヘリが近づいてきた。

「まもなく、現場上空に到着いたします。現場の状況を知らせ」

『敵勢クランを確認。特務部隊員現着。』

「了解。現場上空に侵入する。特務に警戒を要請されたし。」

『了解』

「目標確認。高度を下げますか?」パイロットが後ろの席に座っている男、宗像礼司に確認する。

「いえ。必要ありません」そう答えた直後、何かに気づく。

ビルの屋上に立つ男…周防尊が上空を見上げ、口元を僅かに歪ませる。

「全く、困った連中です」

そう言うと、宗像はヘリの扉を開ける。「室長、着陸までーー」制止の声を遮り、機外へと踏み出す。機体の高度はまだ下がりきっていない。風圧の中そのまま落下する。長い外套が大きくはためいた。

屋上では二つの集団が向かい合っている。セプター4と吠舞羅。その中間へ宗像が降り立つ。

「......空から来たぞ」低い声が漏れる。屋上に立つ数人が僅かに視線を動かす。向かい合う二つの集団の中央で宗像が口を開いた。

「第三王権者周防尊。相変わらず粗暴で無秩序な行動ばかり取りますね」

間を置かず周防が応じる。

「第四王権者、宗像礼司。相変わらず陰険で不愉快な面してるな」

言葉が交差する。

「遊んでやるぜ。美咲!」その言葉の直後、伏見猿彦の手から放たれたナイフが一直線に飛ぶ。それを八田美咲が足で弾いた。弾かれた刃が空中で回転し、そのまま手の中に収まる。近くで見ていた十束多々良が「ナイスキック&ナイスキャッチ」と笑いながら、軽く手を打った。屋上に乾いた音がひとつ響く。

両者の間に、動きはない。視線だけが交差したまま、時間がわずかに停滞する。やがて、周防が足元に視線を落とした。咥えていたタバコが地面に落ちる。靴底で押し潰され、火が消える。短い声が、落ちた。

         

         「燃やせ」

 

直後、吠舞羅の側で声が重なる。一斉に上がったそれは、屋上の空気を震わせる。間を置かず宗像が応じる。               

  

「剣を以て剣を制す。我らが大義に曇りなし」

 

 

静かな声音が、対象的に響いた。次の瞬間。「総員、抜刀‼︎」淡島世理の号令と同時にセプター4の隊列が動く。金属音が連続して鳴り響いた。刀身が一斉に引き抜かれ、光を反射した。

「十束」

「あいよ」

周防と十束が短く言葉を交わす。呼びかけの後、周囲の数人が動き出す

「行こう。アンナ、瑠花」十束が手を引いて、二人の少女がその場から離れ始める。櫛名アンナが一度だけ足を止め、振り返る。視線の先は周防の背中に向けられている。「.......尊」小さな声が落ちる。すぐに手が取られ、再び歩調が動きだす。柊瑠花はアンナの手を引いたまま前を向いた。「大丈夫。尊さんたちは、青服なんかに負けない」言葉はそれだけで足は止まらない。二人はそのまま人の輪から離れていく。

 

 屋上に立つ数人が足を止めていた。視線の先では夜の街を挟んで二つの集団が交錯している。距離があり、個々の動きまでは判別できない。代わりに届くのは音だった。断続的に続く衝突音が、夜の空気を震わせている。風が流れるたびに、その音は途切れ、再び戻る。アンナはじっと前を見ていた。隣で瑠花はその光景を見ている。

「心配しなくて良いよ、アンナ。今日は皆んな、なんだかんだいって楽しそう」

アンナが小さく問い返す。「戦ってるのに?」

その言葉に答えるように多々良が視線の先を指した。

「そうだね。でも、なんだか踊ってるようにも見えてこない?ほら、この蝶々みたいにさ」

小さな炎が空中に生まれる。赤い光を帯びた蝶のような形が、ゆっくり宙へ舞い上がる。それは遠くの空へ向かい、やがて高く浮かぶダモクレスの剣の周囲へ消えていった。その光景を見て、二人の声が重なる。

「.....きれい」

 

 




夢主設定
名前:柊 瑠花
性別:女性
身長:143cm
武器:刀(夜刀神狗朗の刀)
能力:全ての王の能力が使える
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