ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak   作:ウルトラゼロNEO

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第一章 GBBBBにようこそ!
プロローグ─新たな世界へ─


 

 この世界には宇宙エレベーターが存在する。

 人類の叡智が作り上げた太平洋赤道上に浮かぶメガフロートから静止軌道ステーション、その先端のカウンターウェイトへとテザーと呼ばれる糸で繋がっている未来への扉とも形容できるこの建造物が完成してからもう7年が経とうとしている

 

 しかしその7年の歳月も決して何事もなかったという訳ではなく、その宇宙エレベーターも実はウイルスによって二度も危機に陥ったことがある。しかしその度に不測の事態からも復帰し、今なお盛んに宇宙開発が行われている。

 

 人類が未知の領域を歩みだしているなか、母なる地球の中ではまた新たな世界が生み出されようとしていた。

 

 機動戦士ガンダムシリーズに登場する機動兵器を商品化したプラモデル、通称ガンプラ。そしてそのガンプラを用いたガンプラバトルが当たり前のものになってから10年以上の年月が流れた。長きに渡って多くのプレイヤーに遊ばれてきた【ガンプラバトルシミュレータ】は GUNPLA Battle Blaze:Beyond Borders──通称"GBBBB(ジービーフォー)"として、名称を改め、正式サービス開始に向けたβテストが実施されることになった。

 

 家庭の端末から個人でデジタル世界たるメタバースにアクセスができるまでになったGBBBBは戦闘ミッションに参加するだけでなくオンラインゲームの要素を加えることでバトル以外の楽しみを提供するなど幅広いユーザー層へ訴求できるサービスとして生まれ変わろうとしている。世界が常に変化を続けるなか、今、GBBBBの世界に足を踏み入れようとしている1人の少年がいた。

 

「漸くGBBBBデビューだね」

 

 黄色いっぽい薄茶色の髪を揺らしながら少年は自分にかけられた声に応えるように振り向き、自身に向けられている青色の瞳と視線が重なる。そこにいたのは美しい桃色の髪を後頭部にシニヨンヘアに纏め、一見すれば女性と見間違う程の美しさを放つ人物だった。

 

【挿絵表示】

 

 声をかけてきた存在の名前はナグモ・ユウヒ。ここは閑静な住宅街の一角するブレイカーズと呼ばれるトイショップの3号店であり、23歳の年齢ながら彼はその店長を務めている。その美しいルックスと優しい陽だまりのような柔らかな物腰も相まってブレイカーズ3号店はこの地域屈指の人気店である。

 

「でも良いの? GBBBは家でも出来るのにわざわざここでやろうとするなんて」

 

 普段は購入したプラモデルなどを組み立てたりするだけではなく、エアブラシやコンプレッサーなどのツールを貸出されているブレイカーズの作業ブース。そこからGBBBの世界に向かおうとしている目の前の少年にユウヒはどこか苦笑交じりに話す。

 

「ユウヒさんのお陰でやっと自分だけのガンプラが完成したんです! 早速試してみたくて……。あっ、でもお店のお邪魔ですよね……?」

 

【挿絵表示】

 

 少年の名はイチノセ・ツムギ。彼の目の前のテーブルには言葉通り、彼が手掛けたガンプラがその存在感を放っている。丁寧な表面処理、ディテールアップ等による精密感など視界に入ろうものなら思わず視線を向けてしまいそうなほどの完成度を誇っている。

 

 手掛けた自分でも自信があるのだろう。GBBBBに合わせて作成したのもあってか、今すぐにでもGBBBBの世界に向かいたいのが熱となって言葉の端々からも伝わってくるなか、ふと理性が働いたのか、途端に眉を八の字にしてしまう。そうここは自分の部屋でもなんでもなくユウヒが切り盛りする様々な人が利用するトイショップの作業ブースだ。

 

「場合によるけど折角のGBBBBデビューだしね。構わないよ」

 

 ユウヒとしてもツムギのガンプラ制作を手伝い、世話を焼いたのもあってその高揚感に水を差すような真似はあまりしたくないのだろう。快く許可してくれた。

 

「いってらっしゃい。楽しんできてね」

「はい、いってきますっ!」

 

 慈しむような温かな笑みをツムギだけに向けながら優しくその頭を撫でながら送り出してくれる。

 それだけで何か加護を受けたかのように心にじんわりと温もりが広がっていくのを感じながらツムギは店舗に設置されている小さな円形の台座型の筐体であるガンプラスキャンベースにセットすると、ガンプラをスキャンさせる。

 

 ガンプラスキャンベースが設置されているのは主にG-BASEと呼ばれる模型店だが一部のトイショップでも設置されており、お陰で幅広いガンプラバトルユーザーが己の自慢のガンプラをデータに変換してゲームを楽しむことができるのだ。

 

 スマートフォンの連動アプリにガンプラのデータが転送されたのを確認したツムギはGBBBにダイブする為のサングラスに見間違うようなゴーグル型の機械であるGBBBBゴーグルを装着するとその意識は吸い込まれるようにGBBBB世界へ向かうのであった。

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