ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak   作:ウルトラゼロNEO

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今日から渋谷で開催のウルトラマンマックス&メビウスの企画展に行ったのですが、幼少期の思い出に浸るのと同時に時間の流れをまざまざと感じさせられました…


覚醒 星の輝きように

 

「早速始めてるみたいだね」

 

 ツムギ達がフリーダムフリートとのバトルを始めたのと同時刻、ユウヒがGBBBBにログインしていた。メッセンジャーで対人戦を行うことはツムギから連絡されていたのだろう。手頃な休憩スペースに腰かけたユウヒはそのまま立体コンソール画面を表示させるとバトルの様子を眺めていた。

 

「相手は格上みたいだけど……リーダー格以外はそうでもないみたい。相手もクランメンバーの特訓がてら参加しているのかな」

 

 フリーダムフリートのクラン情報を眺めながらバトルを見守るユウヒ。確かにトップクラスのクランであれば早々に決着がつくだろうが、ツムギ達は負けじと食いついている。今も3人で力を合わせてフリーダムフリートのメンバーの一機を撃破したようだ。

 

 バトルを見ているとブラックロータスの動きは確かに驚異的だ。しかしその随伴機はどこか動きが見劣ってしまう。今も一機撃破されたことから相手のクランも主戦力を投入したのではなく、メンバー間の交流、特訓を目的としたものであるとユウヒは推測する。

 

「もしかしたら、なんて事もあるかもね」

 

 そうであれば勝機は全くない訳ではないだろう。これは面白いことになりそうだとばかりに笑みを見せながらバトルを見守るのであった。

 

 ・・・

 

 既にフリーダムフリートのメンバーを一機堕としたツムギ達。ツムギとタオの実力の向上は勿論、何よりもリリンのガンプラ操縦技術はリンを上回っており、その卓越した操作は目を見張るものがある。

 

「ほう、初心者にしては中々やるじゃないか」

 

 思いがけない粘りを見せるクラン・ブレイカーズに感心しながらもブラックロータスは重心株に複合武装リボルビング・ランチャーを装備したビームマグナムを構えると引き金を引く。

 

 空間を裂くような大出力のビームが放たれ、咄嗟に避けるストライクブレイザー達だが、瞬時にホップミサイルが放たれ、タオSDカスタムとフレールは直撃を受け、月面の地を削りながら吹き飛んでしまう。

 

「だが、それもここまでだ」

 

 小型ミサイルといえど細部まで作りこまれれば十分な脅威となる。現にタオSDカスタムとフレールはすぐには動けないようだ。辛うじて直撃を流れ、対峙するストライクブレイザーに対して次はないとばかりに落ち着いた物言いと共にブラックロータスはビームマグナムの銃口を向ける。そう、ここまでバトルをして、何ならチームメンバーを一人失った状態でもカオスに焦りはないのだ。

 

「じょ、上位クランってこんなに強かったんか……。みんな、ごめん! 初心者に毛が生えた程度やったのに調子に乗ってたー!」

 

 けたましく損傷を知らせるアラートが鳴り響くなか、トップクラスのクランの実力をまざまざと見せつけられたタオは申し訳なさそうに叫ぶ。ランクフリーバトルになってしまっていた事に責任を感じているのだろう。

 

「さあ、これで終わりにしようか!」

 

 もう勝利を確信したのだろう。ビームサーベルを引き抜き、黄色い光が戦場を照らすなか、ブラックロータスはストライクブレイザーに向かっていく。

 

「あぶないっ!」

 

 リリンの危険を知らせる声がツムギの耳に届く。精巧に作りこまれたブラックロータスは既にストライクブレイザーの眼前に迫っていたからだ。誰しもがストライクブレイザーの撃破を予感した。それはバトルを観戦しているユウヒでさえもだ。

 

 ──その瞬間、ツムギが映す全ての光景がスローになった気がした。

 

 感覚的な問題なのだろうか。だとしたら残酷なものだとツムギは冷静に考えてしまう。自分はどうする事も出来ない。打つ手がない。撃破されるのを鈍重となった世界で待つだけなのだから。

 

 その瞬間、まるで走馬灯のようにツムギの脳裏をある光景が過る。それはかつてのツムギの記憶。まだ今よりも幼かったツムギがネット中継で見ていたガンプラバトル。

 

 6年前にGBBBBの前身のシミュレータのテスト中に起きたウイルス事件。圧倒的な絶望がバトルエリアを支配するなか、そのガンダムは現れた。

 

 ──EXceed Gundam Breaker

 

 EXガンダムブレイカーと呼ばれ、ZZガンダムをベースにカスタマイズされた高火力高機動を両立させた巨躯を誇るガンプラであり、かつてユウヒがガンダムブレイカーの名を冠し、戦った存在でもある。

 

 初めてそのガンプラを見た時、ツムギは純粋に憧れた。圧倒的な絶望、そして暴力的なまでのウイルスによって誇りあるガンプラファイター達が蹂躙させるなか、絶望を希望に塗り替えんばかりに現れ、絶望の世界に再び三機のガンダムブレイカーを再臨させるまで希望を繋いだガンダムブレイカーを。

 

「最後まで……諦めたくないッ!」

 

 だからこそそんな憧れがツムギの心に火が灯した。一度灯った火は轟々と燃え上がり、戦意となってツムギを突き動かす。そんなツムギに呼応するようにストライクブレイザーのツインアイが輝くと、ストライクブレイザーは赤い光に包まれる。

 

「むっ?」

 

 対応できないと思っていた。しかし現実は違った。ブラックロータスの一閃をストライクブレイザーは腰部のビームサーベルを引き抜いて受け止めたではないか。予想外だったのだろう。カオスは初めて驚いたようにストライクブレイザーを見るとその全身に纏う赤い光に目を見開く。

 

「カオスさん!」

 

 弾かれるように距離をとったブラックロータスを援護するように残ったチームメンバーのガンプラがストライクブレイザーに迫る。しかしストライクブレイザーは動じることなく、ゆっくりとカメラアイにそのガンプラを捉えるとすれ違いざまに一撃で葬ったのだ。

 

「な、なんやあの光……!?」

 

 ストライクブレイザーは今、星のようにその存在を示すように光り輝いている。纏う光だけではない。あの光を纏った瞬間、ストライクブレイザーの性能が格段に向上した気がした。タオが驚いてストライクブレイザーを見つめる。

 

「……行こう、ブレイザー!」

 

 そのストライクブレイザーのコックピット内でツムギが自身の変化に啞然としていたが、すぐさま覚悟を決めたようにストライクブレイザーに呼びかけるとブラックロータスに突進していく。

 

「むぅっ……!」

 

 振りかぶったビームサーベルを受け止めようとするブラックロータスだが、ビームサーベル同士であっても赤い光に包まれたストライクブレイザーの方が出力が勝るのか、易々とビームサーベルを装備する腕ごと切り落とし、ここで初めてカオスが苦々しい表情を見せる。

 

 思わず後退しようとするブラックロータスだが、機動力も向上したストライクブレイザーはすぐにブラックロータスの眼前に迫るとそのままビームサーベルを深々とそのコックピットに突き刺し、撃破してしまった。

 

「ふふふ……はははははははッ!!」

 

 最早爆散するのを待つだけになってしまってたブラックロータス。しかしそんな機体状況とは裏腹にどっとカオスは洪笑し、戦場にカオスの笑い声が響き渡る。

 

「な、なんや? 何で負けたのに笑ろうてんねん!」

「おかしいかね? 負けた側が笑うのは」

 

 およそ敗北した側に似つかない笑い声にタオは不気味さを感じてしまい、どこか怯えているとタオの呟きにカオスは反応する。

 

「このバトルには勝敗を度外視出来るほどの価値があったということだよ」

「価値……?」

「ああ。その通り。実にいいものを見せてもらった。偶然の巡り会わせだったが今では運命すら感じているよ」

 

 価値、というのならば今なお煌々と輝くストライクブレイザーの赤い光だろうか。リリンがストライクブレイザーを見やるとカオスは満足そうにストライクブレイザーに向き直る。

 

「ありがとう。またお相手いただきたいね」

 

 どこか晴れやかさすら感じるままブラックロータスは限界を迎え、ストライクブレイザーの前で爆散する。思わずどんでん返しの末、ブラックロータスとのバトルにクラン・ブレイカーズ勝利を収めるのであった。

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