ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
「このミッションの相手は四天王のドーラだ」
グスタフ戦から翌日。マイスター曰く続いての四天王攻略戦の相手はあのドーラらしい。
「ドーラかぁ……。ネットでは"疾風のドーラ'なんて呼ばれてるみたいやね。しっかしあの人、圧が強くて初めて会った時はビビってもうたなぁ」
「グスタフさんを従えていたあのご様子、なんとも言えない凄みがありましたね」
羽つきのガンダムファムファタルも相まって疾風のドーラの異名を持つというドーラ。バトルトーナメントの際、初めて出会った時に凄まれた事を思い出してか、僅かに緊張したような面持ちを見せるタオにシーナも同意する。
「でも、ドーラの動画も結構人気らしいで。キツめな言動にアツいファンがついとるらしいわ」
「ふーん、何が良いんだろ。よく分かんないな……」
とはいえドーラも上位クランのフリーダムフリートの配信者。アバターの外見や声に加えて、その歯に衣着せぬ言動は固定のファンをつけているようだ。最もリンからすれば何が良いのか理解できないようだが。
「まっ、世の中には色んな趣味の人がいるもんだよ」
「ちょっと! リンに変なこと教えないでよ!」
最早、性癖の話か。何気ないマシマのひと言にミサが保護者として詰め寄る。
「今は趣味云々の話よりも、次の戦いに向けた話をするべきだ」
何かと脱線しがちは対策会議。アータルからのご尤もな指摘が入る。四天王の1人である以上、侮ってかかる訳にはいかない。
「奴のガンプラのベースはウイングガンダムゼロカスタムだ。疾風と呼ばれているだけあって機動性が高く、ブースト能力も高いだろう」
「じゃあ、対空戦の備えが重要になるね。バトルフィールドも相手が有利な場所を設定してくるだろうし」
過去のデータから分析するライムとミサ。機動力を活かされた戦いはそれだけで捉えるのが難しいものだ。それに加えてファムファタルの主武装は鞭系だ。広い攻撃範囲と繰り出されるスピードは注意せねば。
「であれば俺がいきますよ。ブレイズブレイカーなら機動力と火力を両立していますし、対応出来ると思います」
「ナギサさんも空戦なら自信あるよ!」
対ドーラ戦にツムギとナギサが名乗りを上げる。マイティーストライクフリーダムガンダムをベースにストライクブレイザーの自慢の火力を盛り込んだブレイズブレイカー。そしてバリアブルロッドライフルによる機動性とV2ガンダムの要素を組み込んだエアリアルソアーならば確かにファムファタルを相手に渡り合うことは可能だろう。
「機動力で言えばマイスターのガンダムルークも有りだろう。GBBBB、いや、ガンプラバトルでも頂点に立つ機動力だ」
「それで言えば、アヤト君のビルドチェンジシステムのイチヤをベースに作ったヴィオラパックがあるね」
ツムギとナギサは幼馴染。気心も知れているし、ガンプラの特性を考えればドーラ戦に組み込んでも良いだろう。最後の1人を誰にするか、ショウやユウヒが候補を挙げていると……。
「……」
いつものように気怠そうにポケットに手を突っ込んでいたソフィーが手を挙げたのだ。
「……アタシの新しいガンプラはウイングガンダムプロトゼロをベースにしてる。あのドーラって人のベースガンプラに近い。アタシでも行けると思う」
一同の視線がソフィーに集中する。ソフィーが手掛けた新しいガンプラの特性を考えて、彼女なりにファムファタルと渡り合えるという自負があるのだろう。
「良いのではないでしょうか。ソフィーの実力はワタクシが保証いたしますわ」
「そだね。何だかんだでソフィーはノセっちとナギちゃんと仲が良いし、連携も取れると思うよ」
ソフィーを後押しするようにシオンとユカがソフィーの肩にそれぞれ手を添えながら進言する。やがてマイスター達も問題ないと判断したのだろう。対ドーラ戦のメンバーはツムギとナギサ、そしてソフィーに確定した。
「今回のGBBBB防衛ミッションの編成だが、こちらはライムをリーダーにタオ君、シーナ君で固めようと思う。今回も襲撃があるかは分からないが、待機しておいてくれ」
必ずしも活動可能区域を狙った襲撃があるとは限らないが、警戒しておいて損はないだろう。今回は広い視野で物事を見れるメンバーを選出して、待機させようとするマイスター。選ばれた3人も異論はないのか、頷いている。
「……アオバさん、その……話は聞きました」
「……気にしないで良いよ。でも、絶対にGBBBBは守る」
ふとツムギはアオバに声をかける。アキナの件はアオバ達から報告が上がっている。自分を気にかけるツムギにアオバはふと寂し気に笑いつつも揺るがぬ決意を見せる。
「GBBBBを破壊したら、アキナは絶対に後戻りできなくなる。だからこそアキナが出てきたら私が止めて見せる」
どの道、ウイルスを打ち込まれているアキナの自由は制限されている。だがその上でもGBBBBの破壊を目指すアキナを止めなければ、ガンプラバトルに関わる者としてだけではなく人として二度と後戻りできないだろう。それだけは姉として絶対に止めなくてはならなかった。
「アヤト、無理に参加する必要はない。今のタツヤは君達を大切な家族ではなく敵として認識している筈だ。精神的にも厳しいのならば、この任を外れても良い」
「……嫌です。タツ兄を取り戻さないといけない。それはきっと俺達じゃないといけないんです」
マイスターは離れたところに腰かけているアヤトに目線を合わせるようにしゃがみながら声をかける。タツヤが操るパンテラとの戦闘を見た。元々、タツヤのファイターとしての天才的な実力は知っていたが、操られているとはいえ、いつものタツヤとは考えつかない程、無慈悲な戦いをしていた。それは普段、タツヤと肩を並べ、何よりその刃を向けられたアヤトからすればショックも大きいだろう。しかし、そんなマイスターに気遣いにアヤトは首を横に振る。
「四天王とは違い、必ずしもあのゼノギアという奴やタツヤを撃破する必要はない。しかし、どうすればタツヤを取り戻せる……。やはりカオスを倒すしか他に方法はないのか」
要塞への鍵を握る四天王と違い、ゼノギアもタツヤもそれこそアキナも倒す必要はない。だからこそタツヤとアキナは活動可能区域を攻撃する側に回されているのだろう。どうすればタツヤを取り戻せるか、マイスターは頭を悩ませていると……。
「方法はカオスさんを倒すだけじゃないって思ってます。アヤ兄の言う通り、ヒマリ達ならタツ兄に声は届くと思うんです。今はまだ届かなくてもいつかきっと……」
アバターへのウイルスの仕組みがどうなっているのかはマイスター達には分からない。そんな中、ふとヒマリが話し出す。
「家族の絆はもっと大きなものだから……。お互いをどれだけ想い合えるのかが大事だって、そう思うから」
「……そうか。そうだな」
普段、快活なヒマリのどこかもの寂しそうな言葉、しかしそれでもその言葉は決して強がりでもなく確かにそう思っているのだろう。それはアヤトも同じようだ。そんな2人を見て、これ以上、下手な気遣いは無用かとマイスターは笑みを漏らす。
「……」
「……分かっているよ。お前がどれだけ想ってくれているってことは」
そんなマイスターの視界が僅かに揺れる。背中に何かが寄りかかっているようだ、横目で見てみれば、話を聞いていたのか、ユカが物言わぬまま顔も向けず腕を組んでマイスターの背中に身を預けていたのだ。それはまるで自分の存在を示すように。そんなユカにマイスターは苦笑しながら、ヒマリの言葉を踏まえた上でその存在の大きさを改めて感じるのであった。
・・・
「良いガンプラだね、ソフィー」
一方、マイハンガーで出撃準備に取り掛かっていたツムギ達。ふとツムギはソフィーの新しいガンプラを見上げながら隣のソフィーに声をかける。サマエルも素晴らしいガンプラだったが、これはそれ以上だ。
「……アタシにとって、セレナお姉様もシオン姉も星みたいなもんなんだ。絶対に届かない。でもずっと輝いている」
このガンプラを作る切っ掛けになったのはセレナとウイングガンダムゼロカスタムをベースに作られたガンダムオルタナティブ・トリニティの戦闘を間近で見たからだ。世界的に活躍するセレナ、そして騎士のような気高いバトルを見せてくれるシオン。2人の姉の存在は普段は口に出さずともソフィーの中では大きいようだ。
「ソフィーにはソフィーの輝きがあるよ。それはきっとセレナさんやシオンさんには逆に真似出来るもんじゃないって思ってる」
「……そうかな」
「俺はそう思ってるよ。普段はダルそうにしてても人の事をちゃんと見てる。ナギサがGBBBBや配信活動を楽しくやれてるのはソフィーの存在が大きいと思うよ」
実際のところソフィーはあまり自分に自信を持ってはいないのだろう。それは仕方のないことだ。そんなソフィーにツムギはこれまで見てきたソフィーの人物像を語る。
「そーだよ。ソフィーがいてくれなかったら、ナギサさんはベクルックスにいなかったかもしれないんだし、感謝してるんだぞー?」
ふとソフィーの背後から突然、ナギサが抱き着いてくる。話は聞いていたのだろう。普段は言う機会がないのもあって、改めてナギサはベクルックスに誘ってくれたソフィーの存在に感謝する。
「……分かったよ。アンタ等、マジで眩しいんだから」
ツムギもナギサも真っ直ぐな性格の持ち主だ。だからこそソフィーからすれば眩しくも思える。照れくさそうにナギサの手を解きながら、ソフィーは自身のガンプラに乗り込むためのリフトの上に立ち、発進準備に取り掛かり、ツムギ達も行動に移す。
「……あの2人には笑っててほしいよね」
コックピット内のモニターでツムギとナギサを見るソフィー。自分にはないまっすぐな性格。その温かさに触れてきたからこそ、彼らと出会うきっかけを生み、そんな2人が大切にするGBBBBを取り返さなければならない。
「ウイングガンダムゼロアンリーシュ、飛んでくよ」
ソフィーの新しいガンプラ……ウイングガンダムゼロアンリーシュはツインアイを輝かせながら大切な居場所を守る為、出撃していくのであった。
ガンプラ名 ウイングガンダムゼロアンリーシュ
元にしたガンプラ ウイングガンダムプロトゼロ Endless Waltz版
RIGHT LONG RANGE WEAPON ツインバスターライフル(プロトゼロ)
LIGHT LONG RANGE WEAPON ツインバスターライフル(プロトゼロ)
CLOSE RANGE WEAPON ビームサーベル(ウイング)
HEAD ウイングガンダム Endless Waltz版
BODY ウイングガンダムプロトゼロ Endless Waltz版
RIGHT ARM ガンダムAGEⅡ マグナム
LEFT ARM ガンダムAGEⅡ マグナム
LEGS フリーダムガンダム
BACKPACK ガンダムAGE-FX
SHIELD ウイングシールド
BUILDERS PARTS サブウイングx2(本体とバックパックの間45度で収まるよう)
カラーリングはサブウイングはデフォルトカラー。他はプリセットガンダムAGE-FXカラー