ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak   作:ウルトラゼロNEO

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疾風のドーラ

 

「やっぱり来たか!」

 

 ツムギ達が出撃してから暫く。GBBBBの活動可能区域を狙って操られたガンプラ達が襲撃を仕掛けてきた。待機していたライム達はすぐさま出撃し、対応する。

 

「タツヤさんやアキナさんの姿は今のところないようですが……!」

「ここはツムギ達が返ってくる場所や! 絶対に守って見せるで!」

 

 ツインドッズキャノンを放つチクラミーノセカンドとタオSDカスタムに対してキャプテンガンダムの要素を組み込んだタオSDカスタムアドバンスが両腕のロケットランチャーを放って迎撃する。防衛戦は始まったばかりだ。

 

 ・・・

 

「──アッハハハハ!」

 

 一方、切り立ったテーブルマウンテンの数々が点在するギアナ高地のステージ。その内の一つではブレイズブレイカー達が周囲を警戒する中、オープン回線でドーラの高笑いがステージに響き渡る。

 

「さぁーて……どう料理でやろうか。精々イイ声で鳴くんだね!」

 

 声の主を探せばギアナ高地の澄み渡る空を舞うファムファタルの姿が。認識するのも束の間、一気に飛び込んできたファムファタルはアンカータイプのヒートロッドを鞭のように振るい、襲いかかってくる。

 

「……何故、こんな事をする……なんて聞いたところで仕方ないんだろうね」

「別に隠すような事じゃないさ。教えてやってもいいよ」

 

 空戦をメインにした戦いが始まる。しなかやかに舞うヒートロッドを避けながらドーラがGBBBBの破壊を目指すカオスにつく理由に触れるソフィーにあっけらかんとしたまま答え始める。

 

「カオスからGBBBBを潰すと聞いた時……私はね、ゾクゾクしたよ。ひとつの世界を丸々潰すなんて、そう出来る事じゃないからねぇ」

 

 GBBBBというひとつの世界。確かにそう形容することもできるだろう。世界の破壊。それは精々物語の中でのもので現実ではそうそう起きることではない。人並み外れた破壊衝動を持っているのだろう。だがらこそなのか、ドーラはそこに惹かれたようだ。

 

「でも、ただ潰すだけじゃ面白くない。お前達が足掻けば足掻くほどGBBBB崩壊は面白くなっていくんだよ!」

「ちょっと待ってよ! GBBBBでも配信するくらいなんでしょ!? 何の思い入れもないの!」

「ハハハ、GBBBBが消えるからなんだい! その時は他のゲームをすりゃ良いだけだろう? GBBBBがなくなったって痛くも痒くもないんだよ!」

 

 ツムギ達がGBBBBの為に躍起になればなるほどGBBBBが崩壊した時、その絶望した顔は何よりの甘味となるのだろう。しかしドーラはタオの話では配信活動をして固定のファンまで付いている。活動の中にはGBBBBでの活動もある筈だ。何の思い出も思い入れもないのか。ナギサが堪らず信じられないとばかりに叫ぶもドーラは鼻で笑いながら一蹴する。そのあまりに身勝手な言葉にナギサは絶句してしまう。

 

「そんな勝手な理由でGBBBBを滅ぼされてたまるか!」

「ハッ、無駄口はここまでだよ!」

 

 あまりにも自分勝手過ぎる物言いにツムギは憤りを見せる。そんな理由でGBBBBを破壊されてなるものかとスーパードラグーンを放ち、ファムファタルへ差し向ける。しかし、やはりドーラも実力そのものはあるようで空を舞いながらスーパードラグーンのオールレンジ攻撃を避けていく。

 

 しかしそんなファムファタルを先読みしていたのか、回り込んだウイングゼロアンリーシュがビームサーベルを引き抜いて斬り掛かってきた。

 

「アタシは安心したよ。今更、悲しき過去とかやられても反応に困るし」

 

 しかしこれも避けられる。だがソフィーは動じない。ウイングゼロアンリーシュはトランス系スキルであるゼロシステムを起動させると、機体パラメーターは急上昇し、矢継ぎ早に放った一太刀はファムファタルに損傷を与える。

 

「これでアンタを容赦なくぶっ倒せる」

 

 どこまでも自分勝手な理由で動くのならこちらも慈悲をかけるつもりもない。ソフィーは目を細め、冷徹なまで視線をファムファタルに注ぐと、そのままその腹部を蹴り飛ばす。

 

 同時にウイングゼロアンリーシュはFファンネルとCファンネルを放ち、ファムファタルへ差し向ける。既に展開されていたブレイズブレイカーのスーパードラグーンも相まり、流石のドーラといえど表情に余裕がなくなり回避に専念し始める。

 

「シュート!」

 

 それこそが狙い目だ。バリアブルロッドライフルを構えていたエアリアルソアーはその引き金を引き、まっすぐ吸い込まれるようにファムファタルに直撃したのだ。

 

「私とて四天王のひとり……。無駄死にはしないよ!」

「何でそこまで……。カオスさんの為だって言うんですか!?」

 

 ドーラの表情に焦りが見え始める。しかし諦めという言葉はなく執拗に襲いかかるファムファタルに対してツムギは不可解そうに尋ねる。

 

「アンタ達が考えているような仲間意識なんてあるもんか。私はただカオスの破壊衝動に共感しただけ……。滅びの美学を味わいたいんだ! GBBBBの崩壊が見られるなら、こんなダメージ、どうってことはないんだよ!」

「……カオスさんは多分、アナタと同じではないと思う」

 

 どこまでも己の衝動に従って生きるドーラ。ある意味で言えば誰よりも自分らしく生きているのだろう。しかしツムギはどうしてもカオスとドーラが同じタイプの人間には思えなかった。

 

「生意気なことを!」

「ッ!?」

 

 ファムファタルはシールドからレギルスピットがブレイズブレイカーに襲いかかり、すぐさま回避するツムギだが、胞子状のビットはブレイズブレイカーのバックパックに損傷を与える。

 

「人が作ったもんを壊そうとしてイキってんのはダサいよ」

 

 ファムファタルのセンサーが下方に反応する。そこにはウイングシールドの先端を向けながら突撃してきたウイングゼロアンリーシュの姿が。認識するのも束の間、ファムファタルはその胴体を貫かれる。

 

「1人で積み木崩しでもしてれば」

 

 どこかドーラに辛辣なソフィー。ツムギやナギサのようなまっすぐな性格の持ち主には好感を持っているようだが、ドーラのようなねじ曲がった衝動を持つ人物は好きではないようだ。そのままウイングシールドを引き抜き、ビームサーベルによる一撃を放つ。

 

「私に勝ったところで無駄さ……。じきにGBBBBは崩壊する! もう誰にも止められないよ!」

 

 ついにファムファタルにも限界が訪れたようだ。辛うじてガンプラ本体は残っているものの爆発するのは時間の問題だろう。

 

「GBBBBが燃えるよ……。すべてが消えていく……。フフフ……アハハハハハハハッ!!!!」

 

 GBBBBの行く末を想像して高笑いするドーラ。もう掛ける言葉もないのだろう。ソフィーは面倒そうにため息をつきながらツインバスターライフルによって爆発を待たずに消滅させる。

 

「この世界は滅んだりしない、絶対に」

 

 ファムファタルがいた場所から要塞への鍵となるエンブレムが現れる。それを手中に収めながらツムギは迷いなく言い切るのであった。

 

「……あっ!?」

 

 戦闘が終わった。しかしブレイズブレイカーに異変が起こる。バックパックが小さな爆発を起こしたのだ。レギルスビットの当たり所が悪かったのだろう。たちまち落下していくブレイズブレイカー。

 

 ──ツムギの視界に翼が舞ったのが見えた。

 

「だいじょーぶ。ナギサさん達がノセの翼になるよ」

「格好つけるなら最後まで決めろよなー」

 

 落下したブレイズブレイカーを支えるのは光の翼を展開したエアリアルソアーとサブウイングを展開しているウイングゼロアンリーシュだ。ナギサとソフィーの声を聞きながら、戦闘が終わった事にツムギは安堵して微笑むのであった。

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