ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak   作:ウルトラゼロNEO

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最後の鍵を求めて

 

「いよいよ四天王も残るは1人……。今回の相手はクロカンテだ」

「深紅のカラーリングのガンプラを操ることから火炎のクロカンテって異名があるんや」

 

 フリーダムフリート四天王も残すは1人。相手はクロカンテ。マイスターがモニターにクロカンテのフレイムスペリオルの映像を映し出すと、フレイムスペリオルを指しながらタオはクロカンテの異名について触れる。

 

「バトルトーナメントの時には、四天王のリーダーだと名乗っていましたね」

「それ言うた後、すぐ否定されてたからホンマのところは分からんけど、クロカンテはめっちゃ人格者で正々堂々とした勝負を好むことで知られとるんや。そういう意味じゃ、あの4人の中で一番リーダーっぽいかもしれんなぁ」

 

 シーナが言うように初めて出会った際にリーダーだと名乗っていたクロカンテ。実際、カルパッチョに否定されていたが、タオもクロカンテの動画を観ていたこともあったのか、どこか好意的だ。

 

「ふむ、騎士道精神の持ち主ということか」

「正面からの力勝負なら望むところだな」

 

 アータルもライムもそういった人柄ならば好感が持てるのだろう。しかしそこにマシマが口を出す。

 

「紳士面した奴なんて信用できたモンじゃねえけどね。急にオオカミになっちまうかもしれねえぞ」

「マシマ君ってさぁ……。ひょっとしてツッコミが欲しくて、わざとボケてる?」

「ハハッ、何のことやら。ま、あんな連中の一味なんだ。気を許すのは迂闊だぜ」

 

 どの口が言うのかと誰もが思いながら、ミサが呆れ半分にツッコむ。マシマは欲しがりかどうかは別として彼の言う通り、気を許すのは禁物だろう。

 

「彼の言う通りだ。上っ面だけの見せかけか、それはバトルすれば分かることだろう。ここは僕が出よう。時間を割いたのにやる事がないのでは仕方ないからね」

 

 クロカンテ攻略戦。名乗りを上げたのはウィルであった。ウィルならば実力的にも問題ないだろう。

 

「さて、僕だけでも問題はないが折角だ。勝利の女神が必要だね。そうだろう、ユカ」

「んなもんになった覚えはないけど」

 

 さり気なくユカの隣に立ったウィルは僚機にユカを連れ出そうとする。ユカの手を持ってウインクするウィルだが、ユカは歯の浮くような台詞に呆れてしまう。

 

「隙あらばユカ君に絡むのは止めてもらおうか」

 

 が、ウィルからユカを引き離すように空いた腕を掴んで引き寄せようとしたのはマイスターだった。しかしウィルはすかさず力を込める。

 

「全くですわ。弁えない人間は嫌われますわよ」

 

 ユカからすればいい加減にしてほしい状況だが、更に後ろからユカの下腹部に両腕を回したシオンはウィルを睨む。ユカを中心に見えない火花が散る。

 

「……マイスターが出なよ」

 

 身動きの取れない状況に重い溜息をつくユカはマイスターを指名したのだ。

 

「……それは遠慮させてもらう」

「僕もだ。よりにもよって彼と肩を並べるなんて」

 

 ウィルと同じくマイスターはまだ四天王攻略戦に参加していない。ユカの提案に興醒めしたかのようにユカから手を離し、マイスターとウィルはお互いに顔を背ける。

 

「ふーん……。アンタ達が一緒に出撃してどっちが活躍するかは気になるんだけどなー。まっ、お互いを意識しちゃうようなシャイな奴等じゃ無理な話かー」

 

 そんなマイスターとウィルを煽るように話すユカ。マイスターとウィルがその発言にピクリと反応するなか、ユカはやれやれと言わんばかりに首を振って肩を竦める。

 

「……良いだろう。GBBBB王者としての差を見せてやる」

「……癪だが仕方ない。彼の鼻っ柱を折ってやる」

 

 どうにもマイスターとウィルの扱いはユカは上手いようだ。お互い不本意ながらマイスターとウィルはクロカンテ攻略戦のメンバーに入る。

 

「後はそうだね……。ミサ義姉さんに任せられるかな?」

「出番がなかったから良いには良いけど……。本当に良いの?」

「うん。寧ろミサ義姉さんならこいつ等相手に連携とれるでしょ」

 

 マイスターとウィルと組む最後の一人……。ユカが指名したのはミサだった。意外そうな反応を見せるミサにユカはマイスターとウィルの両腕を掴んで引き寄せながら答える。

 

「確かにミサちゃんは覚醒も使えるし、良いんじゃないかな」

「えー!? お姉ちゃん、覚醒使えたの!?」

 

 ユウヒもミサが編成に入る事は異論はなく、後押しするように答える。しかしミサが覚醒を使える事はリンも知らなかったようで大半が驚いたようにミサを見やる。

 

「まあ、昔の話だけどね。イチヤの手をこれからも握っていられるようにってそう思ったのがきっかけだったっけ」

 

 照れくさそうに答えながら、覚醒のきっかけともなった出来事を振り返るミサ。かつて武者修行の為、アメリカの地で大会に出たミサ。そこでセレナと出会ったりもしたが、その中で覚醒へ至る兆しがあったのだ。

 

「……経験豊富な君が来てくれるなら心強い。どうだろう?」

「任せてよ! どの道、このミッションを突破しないとね」

 

 ミサの発言に人知れずマイスターの口元に微笑が漏れる。それを誤魔化すように表情を変え、改めてミサにミッションの参加を尋ねれば、ミサは快く受け入れてくれた。これでマイスター、ミサ、ウィルの編成でクロカンテ攻略戦に臨む。

 

「さて、防衛ミッションだが……」

「私が出ます。アキナと決着をつけないといけませんから」

 

 クロカンテ攻略戦は問題ないだろう。次に決めるべきはショウが言うように防衛ミッションの編成だ。そこでいの一番に名乗りを上げたのはアオバだった。

 

「俺も出ます。俺だってタツヤさんの事は気になりますから」

 

 次に名乗りを上げたのはツムギだった。ブレイズブレイカーの性能ならば防衛ミッションにおいても活躍は期待できるだろう。ツムギも編成に組み込まれる。

 

「今回はヒマリが出るよ!」

「ヒマリ、大丈夫か?」

「タツ兄と戦う事になったら辛いけど……でも、ヒマリだってタツ兄に声を届けたいもん!」

 

 ヒマリも名乗りを上げる。タツヤと戦う事になる可能性も高く、妹を気遣うアヤト。ヒマリとして操られているとはいえ、タツヤとぶつかるのは辛いがそれでもタツヤを取り戻したい気持ちはそれこそアヤトにだって負けていないつもりだ。こうしてそれぞれの編成が決定し、出撃準備に取り掛かるのであった。

 

 ・・・

 

「ふむ……。始まりのガンダムブレイカーと接触した際に異常が見られたが、今は変わらないな。ウイルスも機能している」

 

 一方、カオスの要塞ではショウと接触した際に一瞬、乱れた様子を見せたタツヤをゼノギアがチェックしていた。しかし依然としてタツヤの感染状況は高く、気のせいかと活動可能区域への侵攻の為、出撃するタツヤを見送る。

 

「……」

「おや」

 

 そんなゼノギアの横を通り過ぎたのはアキナだった。ツカツカと足早に通り過ぎたアキナにゼノギアは声をかける。

 

「折角、同じ陣営にいるのに話したことはなかったねぇ」

「……話す必要ないでしょ。アンタは覚醒使い。正直言えば肩を並べるのにだって吐き気がするけど、GBBBBをぶっ壊せばもう関係ないから仕方なく受け入れてるだけなんだから」

 

 ゼノギアの言葉も苛立ち気に返すアキナ。ゼノギアが覚醒使いなのはロビー広場への襲撃で知ってはいたが、それでも思うところはありつつも最終目標を果たせればもう関係ない。だからこそ不満を飲み込んでいるのだ。

 

「覚醒云々よりも君には根本的にセンスがないだけだと思うがねぇ」

「っ! そんなことない!」

 

 そんなアキナを嘲笑うように話すゼノギア。アキナからすれば以前の戦闘でショウに覚醒すら使われず完封された記憶もあってか、振り返ってゼノギアに食って掛かる。

 

「覚醒が使えないから、コンディションが悪いから。今回は私の発言がメンタルに影響を及ぼしからとでも言うのかな? それでも私は構わないよ。その他責思考で好きな言い訳を考えておきたまえ」

「そんな必要はない! 今度こそ勝ってみせる!」

 

 端からアキナが負ける前提で話しているゼノギアにアキナは顔を歪めながら激しい怒りを露にする。GBVの力を得た自分は強くなった。その確信があるからこそ負けられないのだ。アキナはゼノギアに背を向けて出撃していく。

 

「ゼノギア!」

 

 だがそんなアキナの態度さえ滑稽で面白いのだろう。くつくつと笑っているゼノギアに声をかけられる。見てみれば、カルパッチョが慌てた様子で駆け寄ってきた。

 

「あ、あの女となに話してたの?」

「世間話をしようと思っていたんだが、怒らせてしまったようだ」

 

 アキナとの会話の様子を見ていたのだろう。どこか焦った様子のカルパッチョに傍から見ても、おちょくるのが目的だったように思えるが、ゼノギアはどこか白々しく答える。

 

「ま、まあ、アンタは性格悪そうだしね! 釣り合える奴なんて限られてるよ! ニシシシシ!」

「フラッシュエッジ刺さってますよ」

 

 カルパッチョにだけは性格が悪いと言われるのは心外だ。とはいえ何やら安堵した様子のカルパッチョはゼノギアの腕を掴んで自身の腕と絡ませると、別室でゼノギアと既に出撃したクロカンテの戦闘の様子を見る為、彼を連れていくのであった。

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