ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
「アータルと言ったね、やるじゃないか」
第一陣、その第一班として地下基地エリアで戦闘の真っ只中にいたウィル達。戦闘の中でSDの体格を活かしながら次々に戦果を上げるアータルをウィルが称える。
「そんな事はない。私などまだまだだ。先程も主殿の言葉の裏を読み違えてしまった。主殿の下で様々なことを学び、経験してきたつもりだったが……」
「あまり気にするな。アータルはよくやっているぜ」
謙遜するアータルは先程のマイスターとの会話を引き合いに出す。何気ない会話だったが、アータルは気にしていたようだ。そんな生真面目なアータルをライムはフォローする。
「しかし、言葉の裏を読めなかったことでリリンは騙されてしまったのだ。私にとっても他人事ではない。リリンの気持ちも、リリンを大切に想う彼らの気持ちもよく分かる。だからこそリリンもGBBBBも奪わされるわけにはいかない」
カルパッチョのツムギの友達という言葉を真に受けた結果、GBVに感染し、カオスに囚われてしまった。だがそれを他人事ではないとまで語るアータルの発言はウィルにとっては気にはなるが、今はモノリス攻略が先だ。
「しかし気になるね。リリンを囚え、GBBBBを掌握する……。ここまでは分かるが、こんな事をする奴等の目的が見えない」
「ああ。カオス自身も言っていたが、単にこの世界の破壊が目的なら、すぐにでもやれる筈だ。だとしたら何が真の目的なのか……」
話はリリンを囚えたカオスの目的に移っていく。ウィルの発言にライムも同じ事を思っていたのか、意図の読めないカオスの行動に何か裏があるのではないかと考えてしまう。
「リリンをかどわかしたり、要塞を築き上げたりしたことも何かの意図がある筈という事か……。それを確かめる為にも一刻も早くカオスの元に辿り着かねば!」
ここで考えていても、何かが分かる訳でもない。考えを振り払うようにアータルナイトが飛び出すと、セレネスノーヴァとドムストラグルはその後に続くのであった。
・・・
一方、四方を氷で囲まれた氷山の洞窟ステージではリン達がモノリスへ向かっていた。連携を重視して組まれた編成の為、被弾もなく、順調な様子だ。
「……ありがとう、お姉ちゃん」
「な、なに? どうしたの、急に」
敵NPC機群を蹴散らし、余裕が出てきたところで当然、リンはミサに感謝の言葉を伝えたのだ。とはいえ、今はミッション中。突然すぎる言葉にミサは戸惑った様子を見せる。
「お姉ちゃんがアタシのことをどれだけ大切に想ってくれてたか、今になって分かったんだ。リアルでもずっと見守ってくれてて、こうやってGBBBBに、ガンプラバトルにカムバックまでしてくれて……。それでアタシ、気付いたんだ。この世界の事を知らないリリンに、みんなで物事を教えたり、心配して手伝ったり……。この気持ちって同じだな、って。アタシにとってリリンは、妹みたいなものだったんだなって……。アタシも、リリンのことが凄く大事。だから絶対、リリンを助けたい!」
GBBBBでの出会いや経験がリンを立ち直らせるだけではなく、彼女を大きく成長させたのだろう。リリンという妹分を得た事でよりミサの心情も理解できるようになったのだろう。だからこそリリン奪還に強く意思を示す。
「……そっか。リンにとって妹なら、私にとっても妹だね」
「ミサ義姉さん。妹が増えていくねー。アタシの事も忘れないでおくれよ」
家族という単語に泣きかけていたミサだ。より深くリンの想いに触れて目頭が熱くなるのを感じ、そんなミサを察してユカはどこか茶化すように話しかける。
「勿論! リン、ユカ、リリン……。可愛い妹達の為にお姉ちゃん頑張っちゃうから!」
大切な妹達の為にも彼女達が明るく笑う世界を作る為にもミサはアザレアブレイジングと共に突撃していくのであった。
・・・
「──それにしても、まさかこんなマジな戦いに首を突っ込むことになるとはな」
月面基地を舞台にしたミッション。こちらは第三班は対応していた。順調にミッションを進める中、ふとマシマは今の状況についてどこか現実味がなく答える。一介のプレイヤーとして参加したのにこんな戦いの中心人物の1人になるとは思いもしなかった。
「ガンプラバトルに絶望してヤケになっていた頃の俺には想像も出来なかっただろうぜ……。ここまで立ち直れたのもGBBBBのお陰だな」
「ユーキさんとの一件で変われたということですね」
「それだけじゃないぜ。お嬢やリリンちゃん……仲間達がいてくれたからさ」
最初こそナンパ目的だとあまり良い印象もなかったマシマ。しかし段々と彼の内面に触れ、そしてかつての葛藤をも乗り越えた彼はリンにも負けず成長しているのだろう。
「私も同じ想いです。今の私があるのもGBBBBと皆さんのお陰です。だからこそこの世界への感謝の念は尽きる事がありませんね」
「そうだね、私もだよ。一つの考えに固執しないで変われたのは色んな人に出会えたからだと思う」
シーナもアオバもGBBBBでの出会いで考え方が変わった。それが今ではいい方向に作用している筈だ。
「そうだな。それに何より……GBBBBのお陰でお嬢に出会えたからな! この出会いにはセンチメンタリズムな運命を感じずにはいられないぜ!」
「まったく……あなたに出会ってしまったことはGBBBBの唯一の不満点ですね」
恥ずかし気もなくストレートに言い切る。これこそがマシマの持ち味だ。そんなマシマの言葉も今ではシーナもまんざらでもないようにも見える。
「勿論、アオバちゃんもな!」
「気を遣わなくていいよ。マシマさん、シーナさん一本でいけば応援してあげられるんだけどねぇ」
流れるようにアオバにも粉をかけるマシマだが、どう考えてもシーナの流れから置いてけぼりにしないように声をかけたようにしか見えず、それもナンパの為、アオバは呆れてしまう。クラン・ブレイカーズやベクルックスのメンバーの中でも属性で言えば年長組に該当するメンバー達で固められた第三班はそのままミッションを継続するのであった。
・・・
「一部はモノリス攻略に動いているようだが、他は様子見と言ったところかな」
カオスの要塞では第一陣の動きをゼノギアが眺めていた。その傍らにはタツヤもおり、相変わらず人形のように生気を感じられない。
「しかしモノリスの特性は分かっている筈だ。出し惜しみをしていては攻略その物が出来なくなってしまうよ」
口角を上げ、どこか嘲笑うように話すゼノギア。カオス達の事だ。このモノリス攻略ミッションも単純なものでは用意していないだろう。
「ゼノギア、そろそろ準備しろって!」
そんなゼノギアに声をかけたのはカルパッチョだった。やはりこのモノリス攻略ミッションにはゼノギアも動くらしい。
「ねえ、いつまでそのガンダムブレイカーを傍に置いとくの?」
「いつまでもさ。彼はここにいてくれるだけで私には意味がある」
ゼノギアに付き従うようにタツヤも歩き始める。ウイルスのせいとはいえ、物言わぬタツヤにカルパッチョはつまらなさそうに見ながらゼノギアに問うも、その返答だけで彼がタツヤに固執しているのが分かる。
「何の意味があるっての? そんなのよりアタシの方が良いと思うけどぉ?」
「君が? クックック……。今までで一番面白いジョークだ」
どこかアピールするようにゼノギアの腕に自身の腕を絡ませようとするカルパッチョだが、その腕をゼノギアに掴まれる。
「役不足だ。君はタツヤではない。君では太陽のように全てを照らせるような存在にはなれない。君が私に何が出来ると言うんだい?」
カルパッチョの背筋がゾクリと凍る。腕を掴んで向き合うゼノギアの仮面の奥に見える瞳はどこまで冷淡にカルパッチョを見据えていたのだ。
「じょ、冗談じゃん! で、でもさ! ほら、アタシ、配信でお金稼いでるし優良物件だと思うけど! アバターじゃ分からないかも知れないけど、リアルでも見た目には自信があるし!」
「君が悪い男に引っかからない事を願うよ。意外とダメ男に貢ぐタイプだったか」
ゼノギアに嫌われたのか? そう考えた瞬間、それだけは絶対に嫌だと思いつく限りのアピールをするカルパッチョ。そんな彼女の言葉に先程までの冷徹さが和らぎ、調子が狂わされたようにため息をついたゼノギアは準備を進めるのであった。
小話にレースクイーン衣装が見たいのは(8月末まで)
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