ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak   作:ウルトラゼロNEO

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永遠の幸福

 

「おのれ……!」

 

 リリンを切り離した事で沈静化したデビルガンダム。その現実を受け入れず、カオスはストライクブレイザー・リブレイク達の元へ向かってくる。

 

「カオスが来る! リリン君を安全な場所へ!」

「ツムギ、リリンはアタシが守る! アンタはカオスを……!」

 

 リリンを再び奪う為か、それとも最強だと思っていたデビルガンダムを無力化された事の怒りをぶつける為か、こちらに向かってくるブラックロータスを警戒するマイスター。リンはすぐにツムギに声をかけるとリリンのデータを受け取る。

 

「お前達の想いが私を上回るというのか……?」

 

 誰よりも強い想いを宿している自負を持っていたカオス。だからこそこの現実が受け入れられず、茫然自失となってしまっていた。

 

「……カオスさん、もう終わりです。これ以上は……!」

「いや、まだだ! 私はまだ自分を敗者と認めていない!」

 

 デビルガンダムも無効化したことでカオスに対して投降を促すツムギ。仮にブラックロータスだけで向かってきても結果は明らかだろう。しかしカオスはツムギの言葉を振り払うようにデビルガンダムへ向かっていく。

 

「自らコアとなり、あの機体を操るつもりか!」

 

 一体、なにをするつもりなのか……。ツムギもリンもカオスの行動に警戒する中、ふとマイスターはカオスの目的を察する。

 

「私の想いに応えろ!」

 

 その読みは当たっていた。カオスの持つGBVを最大限に解放すると、ブラックロータスは禍々しい光に包まれ、デビルガンダムと一体化したのだ。上半身はブラックロータスに変換され、生まれ変わったデビルガンダム。GBBBBに混乱を齎すその姿はまさにカオスデビルガンダムと呼ぶに相応しかった。

 

「フハハハハハハハハ! 怖かろう!」

 

 カオスデビルガンダムは両腕から高出力のビームサーベルを放ちながら、ストライクブレイザー・リブレイクに襲いかかる。

 

「くぅっ……!? このままじゃ……!」

 

 咄嗟に回避しようとするツムギだが、元々高い操作技術を持つカオスが操っているというのもあって着実に追い詰められていき、直撃こそ避けてはいるものの掠っただけでも損傷が増えていく。ストライクブレイザー・リブレイクはどんどん傷ついて行く。このままでは何れ撃破されてしまうのは時間の問題だ。それを何よりツムギ自身も理解している為、苦々しい表情を見せる。

 

「目の前でツムギが傷つけられてるのに見ているだけなんて……!」

 

 カオスデビルガンダムがストライクブレイザー・リブレイクを狙っているのはまともに動けるのがあのガンプラだけだからだろう。ガンプラも大破状態で何とかリリンをデータを抱えるのが精一杯のリンは大切な仲間が為す術もなく蹂躙されようとする様をただ見ているだけという状況に悲痛な感情を表情に宿す。

 

「もう嫌なのに……! 何もできないなんて……もう嫌なのに!」

 

 リリンを奪われた時、リンはなにもできなかった。それがずっと心に残っていた。だからこそリリンを取り戻すこの作戦に参加していた訳だが、大切な仲間をただ目の前で傷つけられるこの状況をただ見ているしか出来ない状況にリンは悔しそうに己の感情を吐露する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……リ……ン」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふと消えそうなほどか細いリリンの声がリンの耳に届いた。

 

 

 

 

「今のは……リリン!? リリンなの!?」

 

 聞き間違える筈もない。リンが目を見開いて目の前でのリリンのデータを見れば、先程まで弱々しかった輝きがほんの少し強くなったように見えた。

 

「リン……力を貸して。ツムギを助ける……」

「助けるって……でもどうやって……」

 

 リリンの声が聞けただけでも喜ばしいが、それでもツムギを助けるというのはどうするというのだろう。リン・カーネーションはおろか、ガンダムルークもまともに動けない状態だ。

 

「……ううん。やるって言うからには出来るんだよね。リリンに任せるよ!」

 

 だがリンはリリンを信じることにした。出来もしない事をリリンはやるとは言わない。ならば今はツムギを助けるために少しでもその可能性の賭けるだけだ。

 

「アウラ……お願い……。私の声を聞いて……。力を貸して……!」

 

 それはまさに純粋な祈り。リリンの祈りと共にリリンのデータから激しい発光と共に天へ向かって一筋の光が昇っていき、この場にいる者の視界を奪う。

 

「私……もう一度、みんなと……!」

 

 誰もが奪われた視界の中で行動が出来ないなか、リリンは強く祈る。その想いにマザーAIであるアウラが応えるようにリン・カーネーションの機体色は青を基調としたカラーリングに変わり、今まで受けていた損傷も消え去っていた。

 

「これって……ガンプラが変化した……?」

 

 リン・カーネーションはリンのアバターを模したガンプラであったが、青を基調としたカラーリングに染まった今の状態はまさにリリンを思わせる姿に変わっていたのだ。自身をガンプラの状態を見て、こんな事があり得るのかとリンは驚く。

 

「リンとリンのガンプラのデータ……また使わせてもらったの。リンが私を心配してくれているの、ネットワークを通して、ずっと感じてた。リンだけじゃない……。タオも、シーナも、マシマも、ナギサ達も、リンのガンプラをビルドした人……そして、ツムギとブレイザー……。これはみんなの想いが形になったガンプラ……!」

 

 フレールのデータからクレールを生み出したようにリン・カーネーションを通して新たな機体を生み出したようだ。さながらリリン・カーネーションと呼ぶべきか。リリンは囚われの身となっていたが、その上でずっと仲間達の想いを感じていた事を明かす。

 

「私の支配から逃れて、アウラとのリンクが復旧したか……。しかしあのガンプラはなんだ!? 何が起こっているというのだ!」

 

 リリンとアウラのリンクが復旧した事はまだ分かる。しかしカオスにとってもリン・カーネーションからリリン・カーネーションの変化は予想外のようだ。

 

「これが、私の新しい力……、私自身の意志で手に入れた力……! みんな、一緒に戦おう!」

 

 最早、リリンを単なるAIと誰が呼べるのだろうか。リリンの呼びかけにツムギとリン、そしてブレイザーが応えるなか、ストライクブレイザー・リブレイクとリリン・カーネーションはカオスデビルガンダムとの決戦に臨むのであった。

 

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