ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
バージョン・アップ
──この世界には戦いが満ちている。
──積み上がる部品の山。繰り返す破壊と創造の歴史
──私は知りたい
──彼等は何故、あれ程の強さを手に入れたのか
──そして、彼等の破壊と創造が行きつく先を
・・・
《──皆さん、楽しんでますかーッ?》
カオスとの戦いから二カ月が経った。世間は夏休みへと入っていく中で世間の休み期間に合わせてかGBBBBが遂に正式リリースされた。β版の時よりも人で賑わうGBBBBのロビー広場で配信されているレコの声が響く。
《遂に正式サービスがスタートしたGBBBB! オープンして間もないにも拘らず、多くのプレイヤーで賑わっています!》
《新規のプレイヤーは勿論、βテストの時から参加してくれていたプレイヤーも、きっと楽しんでいる事だろう!》
レコの言うようにGBBBBはかつてない活気に溢れていた。誰もが待ち望んでいた時が来たからだろう。お馴染みのレコとミスター・ガンプラのトークがその活気をより盛り上げる。
《そうですね! 新しいミッション、新しいイベント……そしてきっと新しい出会いも待っています! 新しさいっぱいのGBBBBを心ゆくまでお楽しみください!》
誰もがこれからのGBBBBでの日々に胸を躍らせる。そんなプレイヤー達の背中を押すようにレコの配信はGBBBB全体に響くのであった。
「ごめん、お待たせ!」
「来た来た! これで全員集合やね!」
そして彼らクラン・ブレイカーズも新たなGBBBBの中で集まっていた。既にほとんどのメンバーが集まっており、遅れてきたツムギをタオをはじめ馴染みある仲間達が出迎える。
「凄く賑わってるから、人を探すのも一苦労だよね」
「そうかい? その気になりゃすぐ見つかるだろ? 俺はログインして真っ先にお嬢のところへ駆けつけたぜ」
ツムギが遅れたのは人が賑わい、仲間達を探すのにも一苦労していたからだ。そんなツムギもフォローしつつ自分も困っていたのか、ミサが苦笑するとマシマはキラリと歯を輝かせながらシーナを見やる。
「……ハイパージャマーかミラージュコロイド辺りを装備したくなりますね」
「ふたりのやり取りも相変わらずやね」
相変わらずというべきか、なんというかそんなマシマをいつものようにあしらうシーナ。見慣れた光景にタオをはじめ、他の面々は思わず笑みを浮かべる。
「でも、活気が戻って良かったよ。一時はどうなるかと思ったもん」
「無事に正式版がスタートしたのもあの時の頑張りがあったからこそだよ。本当に良かったぁ」
とはいえ、一つ間違えればこのGBBBBを包む活気は訪れなかった可能性もあった。そんなリンの言葉にミサはかつての激闘を振り返り、心底安堵したような様子を見せるとリンはうん! と強く頷く。
「ねえ、さっそくミッション行こうよ! 色々新しくなってるみたいだし、アタシ早くバトルしたい!」
「じゃあ、メンバーを決めようか。えーっと……」
待ちきれないとばかりにミッションカウンターを指さすリンに逸る気持ちを抑えながらもツムギはメンバーを選出しようとする。しかし記念すべき正式版GBBBBでのクラン・ブレイカーズの初ミッションだ。中々悩ましい。
「どうせならツムギさん、タオさん、リンさんのお三方でどうでしょうか? 正式サービスの初戦には、やはりあなた方3人が相応しいと思います」
「そうだな。このクランはお前達3人から始まったんだし」
「頑張ってきなよ、みんな」
シーナがツムギ、タオ、リンの名を挙げてくれたのだ。それに同調するようにマシマやミサも送り出してくれる。クラン・ブレイカーズはじまりの3人。確かに正式版のスタートを切るには良い人選だろう。
「よーし、それじゃあ決まりだね!」
「うんっ! ミッション開始や!」
ミッションのメンバーは選出された。リンとタオが張り切るなか、ツムギ達はマイハンガーへ向かっていくのであった。
・・・
「……あれ」
マイハンガーへやって来たツムギ達。早速出撃準備に入るなか、ふとツムギは足を止めたのだ。
「どうしたの、ツムギ」
「ストライクブレイザーがないんだ。β版の時からずっとマイハンガーに残していた筈なのに」
気になったリンがツムギに声をかけると、ツムギは空きのあるハンガーを見ながら不可解そうに首を傾げる。ストライクブレイザー・リブレイクにはブレイザーが宿っていた。謂わばブレイザーの身体のようなものなのだ。そんなストライクブレイザー・リブレイクはマイハンガーを見渡してもどこにもなかった。
「正式サービスが始まって、データも変更されたんかなぁ。マイスターに聞いてみれば分かるかもしれへん」
「……そうだね。今はミッションに行こうか」
クラン・ブレイカーズもブレイザーの事は大切に想っている。タオも気になっているようで首を傾げるなか、ツムギは気になってはいるものの今は正式版初のミッションに意識を向ける為、ブレイズブレイカーへ向かっていく。
「ブレイズガンダムブレイカー、ツムギ、行きます!」
正式版が始まったことにより、改めてブレイズブレイカーのデータを登録し直したツムギ。炎を宿す破壊者は新たな世界へ飛び出していくのであった。
・・・
「遂に始まったんだ……」
バトルフィールドの市街地エリアに降り立ったブレイズブレイカー達。モニターに広がるオブジェクトの数々。ミッションスタートの合図と共に出現する敵NPC機群。それらを見て、ツムギは噛み締めるように呟く。
「この肌触りこそガンプラバトルやね!」
「ほらほら、置いてっちゃうよ!」
嬉しさを感じているのはツムギだけではない。当然、タオとリンもだ。その声に嬉しさを滲ませるタオとリンにツムギは頷きながら始まりの3人はフィールドを駆け出していく。
かつては勝手もわからず半ば初心者の集まりだった3人も多くの出会いと経験を踏まえて、更に強くなった。個が突き抜けるのではない。3人が確かな連携を持ってどんどん敵を倒して、ステージを攻略していく。
「リン、行くよ!」
「任せてっ!」
ツムギはリンに声をかける。何がとは言わずとも、既に意思疎通が出来ているのだろう。ブレイズブレイカーとリン・カーネーションは同時にバックパックのドラグーンを放っていき、瞬く間にNPC機群を蹴散らしていく。
「今の僕らならそう簡単には負けへんで!」
ドラグーンを回避しても既にタオSDカスタムアドバンスが待ち構えており、的確に撃ち抜いていく。次々にスコアを稼いでいく現状にタオは誇らしげだ。
今の彼等は誰にも止められない。遂にステージ最深部にいるPG機体との戦闘に突入した。
「あの頃の逃げ回ってた僕やない!」
かつてのGBBBBでの初ミッションの際は先輩風を吹かせていたもののPG機体が現れた際、逃げ回っていたタオ。しかし今の彼は違う。次々に迫る高威力の攻撃を避け、カウンターのように着実に損傷を与えていく。
「アタシも! 誰かの背中を追ってばかりじゃないもん!」
タオに触発されるようにリンもリン・カーネーションの腰部高出力ビーム砲を放ち、PG機体を穿つ。かつてはコンプレックスのように悩んでいた彼女も今は自分だけの強さを手に入れた。
「ああ、そうだ! 俺も皆も、もう昔とは違う。強くなったんだ!」
そしてブレイズブレイカー渾身のフルバーストが放たれる。ブレイズブレイカー自慢の高火力は瞬く間にPG機体の耐久値を減らしていき、遂に轟音を上げて爆発するのであった……。