ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
「やったね! 新生GBBBBの初ミッション、大成功!」
「このくらい朝飯前や。僕ら色んなヤマを乗り越えてきたもんな!」
ミッションを終えて戻ってきたツムギ達。ミサ達が出迎えるなか、飛び跳ねて全身で喜びを表現するリンにタオも成長した自覚があるのだろう。どこか得意げに話す。
「……ホンマ、β版の最初のミッションでドタバタしてたのは嘘みたいや」
「ああ、タオってばボス戦でパニクってたもんね」
「いや、リンかて最初そうやったやん! それを僕らが助けに行って……」
やはり正式サービスが始まってからの初ミッションもあり、β版での初ミッションを思い出すのだろう。感慨深げに話すタオだが、どこかからかうようなリンの物言いに自分だけが醜態をさらしていた訳ではないと慌てて言い返す。
「懐かしいね。あの時、タオが俺に声をかけてくれて、それで一緒に行ったミッションでリンに出会って……。偶然の出会いの数々が今のクラン・ブレイカーズを形作ったなんて」
「偶然、って言うよりは宿命の出会いって奴だと思うぜ」
ツムギもβ版での出会いを思い出しているのだろう。懐かしむように目を細めるツムギにマシマは偶然という言葉では片付けず、運命的なものだろうと語る。
「俺はお嬢と出会うためにビルダーになったのかもしれない──」
そこで終わっておけばいいものの全力の決め顔をシーナに向けるマシマ。一同が呆れ、口元を引き攣らせているなか、肝心のシーナは……。
「マシマさんは兎も角、皆さんとお会いできたのは、本当に良かったです」
「ハハッ、相変わらずのスルーだな。だがそれも、今じゃ快感になってきたぜ! 俺だって成長してるってわけだ!」
「まったく……それでは成長ではなく、悪化ですよ」
安定の対応である。しかしそんな対応に対して最早、快感になっていると喜ぶマシマに遂にシーナも苦笑してしまう。
「それはそうと、私も随分と成長させていただきました。こちらでの経験が実生活での励みにもなっていますし」
「そうだね。偶然出会って、みんなそれぞれ成長して、その結果、凄いチームになっていく……。私が前にいたところも、そんな雰囲気だったよ」
シーナもバトルだけではなく精神面でも強くなった自負があるのだろう。その笑みは以前よりも凛々しくなったように思える。そんなシーナに同意しながら、ミサはふとかつて自分が所属していたチームを振り返る。
(……確かミサさんって彩渡商店街ガンプラチームだったよな)
ふとツムギはミサがかつて所属していたチームの名を思い出す。ミスターではなく、ミサとして接したのはカオスとの戦いだった為、触れるタイミングがなかったが、それでもツムギにとっては彩渡商店街ガンプラチームは記憶に残る程、鮮やかな活躍をしたヒーローのような存在だった。
「あっ、そうだった。お姉ちゃんだって、こっち出会って……。というか、最初はミスターだったもんね。まさかあんなのが、お姉ちゃんだったなんて!」
「あ、あんなのー!? それ、私だけじゃなくて本物のミスター・ガンプラにも失礼だからねっ!」
「ゴメンゴメン! よく考えたら笑えてきて」
偶然、という訳ではないがミサ扮するミスターともGBBBBで出会ったことをリンは思い出す。しかしあんなの、という物言いは流石に見逃せなかったのか、 りつけるミサにリンは慌てて謝る。とはいえ奇抜な出で立ちだ。口に出すのは兎も角、そう思われても仕方ないだろう。
「あとは……」
「リリン……だよね。それにブレイザーも」
ふとリンは唯一、この場にいない存在を思い出して言葉を飲み込む。普段通り、明るいチームだが、決定的な存在が欠けてしまっている。そんなリンを察してか、今のクラン・ブレイカーズに欠けた存在の名をタオが口にする。
「うん……。あの時、少し休むって言ってたけど、それっきりだから……」
「……ブレイザーもいまだに帰って来てないね。思っていた以上に損傷が激しかったのかな」
リンとツムギが言うようにリリンもブレイザーもいまだクラン・ブレイカーズの元へ帰ってくる兆しもない。それぞれに深い繋がりを持っているからこそ、その表情は愁いに帯びている。
「そう心配すんなって。リリンちゃんもブレイザーも運営が対応してるんだろ? 何か進展があったらマイスターあたりから連絡が来るはずだ」
「心配する気持ちも分かるけど、落ち込んでたって仕方がないでしょ。今は新しいGBBBBを楽しもうよ」
マシマも信頼する運営陣にいまは任せる事にしている。少なくとも共に戦ったマイスター達は運営に掛け合ってくれている筈だ。だからこそ今はミサの言うように目の前のGBBBBに集中して楽しむべきだろう。
「そうやね。僕らがしょげてたらリリンもブレイザーも悲しむやろうし……」
「リリンさんとブレイザーさんを信じましょう。ここまでやってこれたのも、お互いを信じあってきたからこそです」
タオもシーナも今は気持ちを切り替え、リリンとブレイザーを信じて待つことにしているようだ。
「……考え方を変えようか。ブレイザーやリリンが戻って来た時に新生GBBBBを隅々まで紹介できるように今はこの世界を遊び尽くそう」
「……うん、そうだね。じゃあ、またみんなで遊ぼうよ。メッセンジャー送るね!」
ツムギもリンもまだリリンとブレイザーを心配する気持ちはなくなっていないが、周囲の励ましもあり、今は気持ちを切り替えることにした。次遊ぶ約束を取り付けながら今日はもう解散するのであった。