ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak   作:ウルトラゼロNEO

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齎される話

 

 

 ミッションエリアの最深部ではボスであるPG機体とブレイズブレイカー達が戦闘の真っ只中にいた。

 

「このっ!」

 

 リン・カーネーションは腰部高出力ビーム砲とドラグーンを織り交ぜた攻撃によってPG機体に損傷を与え、武装も破壊するが、PG機体はすぐさまリン・カーネーションに標的を移し、マニュピレーターで殴りかかろうとしてくる。

 

「リン!」

 

 しかし既のところでブレイズブレイカーが割り込み、PG機体のマニュピレーターからリン・カーネーションをシールドを構えて守ったのだ。それだけではない。覚醒を発現させたブレイズブレイカーはそのままPG機体を振り払い、ディスラプターでPG機体を崩壊させる。

 

「あらら、意外とあっさりクリアしちゃったね」

「ん……? どうしたの、お姉ちゃん。なんかあんまり嬉しくなさそうな感じ……」

「ううん。そんなことないよ! さ、皆が待ってるからロビーに戻ろう!」

 

 危うい場面あったが、全体的に見れば難なく攻略できた。少し驚いた反応を見せるミサに首を傾げるリンではあったが、リン達の成長を感じたミサはツムギ達とロビー広場に向かうのであった。

 

・・・

 

「ははいのはーい! 今日はブッキーさんとのコラボ配信をやってくよー!」

 

 ツムギ達がミッションを攻略しているのと同時刻、ナギサとソフィーは配信活動をしていた。しかし今日は他のベクルックスのメンバーがゲストというわけではなく、以前、バトルトーナメントてぶつかった配信者であるブッキーとコラボ配信を行っていた。

 

「正式サービスが始まった訳だけど、ブッキーは結構遊んでるの?」

「勿論〜。とはいえ、まだまだ遊び尽くせてないけどねぇ」

 

 早速、ソフィーはブッキーに正式サービス後のGBBBBのプレイ状況を尋ねる。バトルトーナメントに出場していただけあって、積極的にプレイしているようだが、まだまだ充実しているGBBBBのコンテンツを遊び尽くしたと言うには程遠いようだ。

 

「じゃあ早速、ミッションに出かけようかー! 今回は味方として戦うから楽しみなんだよね」

「光栄ですなぁ。じゃあ早速行ってみようか〜」

 

 今回の配信はナギサとソフィー、ブッキーによる共闘ミッションによるもののようだ。ミッションは受注しているのだろう。早速ミッションへ向かうのであった。

 

 ・・・

 

「正式サービスが始まれば今までの比じゃない位、盛り上がるとは思ってたけど、想像以上だな」

「本当だね。これじゃあミッションを受けるのも一苦労だ」

 

 GBBBBのロビー広場にはマトイ三兄妹の姿もあった。見渡す限りの人の山に苦笑するタツヤに頷きながらアヤトも混み合っているミッションカウンターを見やる。

 

「ねえねえ、タツ兄、アヤ兄、今日はなにするの?」

「そうだなぁ。そろそろ違うミッションもしてみたいけど……」

 

 タツヤとアヤトの間からひょっこり顔を出したヒマリはそのまま2人の腕と自身の腕を組みながら、今日のGBBBBでの予定を尋ねる。妹の質問にうーんと唸りながらタツヤは頭を悩ませる。如何せんβ版の比にならない程のコンテンツ量のため、ミッションを選ぶのも悩ましい問題だ。

 

「……」

 

 そんな中、ふと3人の目に見知った顔が目に留まる。ツムギだ。しかしタツヤ達が知る礼儀正しい好青年なツムギとは打って変わって、やけに静かな雰囲気を纏っていた。

 

「お、ツムギ!」

「こっちに来てたんだ」

 

 見知った顔に対して声をかけるタツヤとアヤト。しかし当のツムギらしき人物は反応しない。

 

「……」

「あ、えっ、シカトかぁ……?」

「おーい?」

 

 いくら人混みの中とはいえ、声は届いている筈だ。しかしツムギらしきその人物はしきりに周囲を見渡した後、ここに用はないとばかりに足早に去ってしまい、思わぬ反応にタツヤとアヤトも戸惑ってしまっていた。

 

「今のツム先輩だったのかな?」

「でも、瓜二つだったよ」 

 

 まるで別人のようだったあのツムギにヒマリが首を傾げると、アヤトも困惑しながら答える。ミスター・ガンプラのようにアバターが市販されているのはまだしも、いくら注目株のツムギとはいえ、そのアバターが売られる事ないだろう。

 

「俺がどうしたんですか?」

 

 そんなマトイ三兄妹の背後から声をかけてきた人物がいた。身を震わせて驚く三兄妹が振り返ると、ミッションを終えて戻ってきたツムギとリン、ミサの姿があった。

 

「えっ、あれ、いつの間に後ろに……」

「いつの間にも何もたった今、ミッションから戻ってきた訳ですけど」

 

 先程、ツムギらしき人物を見た方向と背後にいたツムギをキョロキョロと見るタツヤだが、その言葉が解せずにツムギは首を傾げる。

 

「今、ツムギっぽい人がいたんだよ。リンやミサさんはいなかったけど」

「それはどうだろう。私達はミッション終わってから、ずっと一緒にいたし」

 

 タツヤをフォローするように先程見たツムギらしき人物について説明するアヤト。その時はリンやミサの姿はなかったが、それはそれでミッションを終えてから離れる事なく、この場に来たのでおかしいとミサは首を傾げる。

 

 結局、この話はこれ以上、進展する事なく平行線だったが、そんな中、ツムギ達が戻ってきた事を知ったタオ達が合流してくる。

 

「どう? ツムギとの絆は深まった?」

「な、何言ってんの!? そんなの、別に……」

 

 ふとミサはそっとリンに耳打ちする。今日のミサはずっとこれだ。リンは慌てて否定しようとするも……。

 

「おっと、もしかして私はお邪魔だった? 若いお2人にお任せしたほうがよかったかな」

「……次やったら、本気で怒るからね!」

 

 どこかからかうように話すミサに遂にリンはその言葉に怒気を含ませる。やはりからかうにせよ、しつこかったようだ。

 

「リンに怒られちゃった……。これが反抗期って奴だね! リンも大きくなったなぁ……」

「叱られてる筈やのに、何でか嬉しそうやな……」

 

 肩を落とすのも束の間、どこか嬉しそうにしみじみ話すミサにタオは困惑する。

 

「乙女心は複雑って訳さ。リンちゃんもミサもな」

「アナタに乙女心が分かるとは驚きですね」

 

 したり顔で何やら語るマシマに対して、シーナは心底驚いた反応を見せる。

 

「──丁度いい。皆、揃っているようだな」

 

 そんなクラン・ブレイカーズとマトイ三兄妹に声がかけられる。振り返ってみれば、そこにはマイスターとアータル、ユカの姿があった。

 

「楽しんでいるところ失礼する。君達に話がある」

「ちょい時間もらえるかな。ベクルックスの他のメンバーも呼んでるし」

 

 アータルとユカに誘われるも、それはきっとミッションのようなものではないだろう。3人とも表情はどこか堅い。

 

「なんか複雑そうな顔だけど、何かあったの?」

「……リリン君の件について、話さなければならない事がある」

 

 久方ぶりに会ったマイスター達に喜ぶもののその表情を見て、問題が起きたのだろうかと懸念するリンだったが、単刀直入にマイスターは話す。リリンの話ともなればすぐにでも聞きたいところだが、マイスター達の厳しい表情を見て、一同は不安感を覚えるのであった……。

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