ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
「彩渡商店街チームはもっと奥にいるみたいだね」
バトルフィールドは多くの建造物が立ち並ぶ夕焼けの市街地エリア。まだ彩渡商店街ガンプラチームと接敵してはいないが、ミサは周囲を警戒しつつ、いつでも対応できるように集中力を研ぎ澄ます。
「サーヤちゃん、イントちゃん、俺が辿り着くまで待っていてくれよ!」
「気合十分だね……。動機は兎も角」
いつになくやる気に満ち溢れているマシマ。一見すれば頼もしい限りだが、動機が動機な為に素直に喜びづらく、ミサもツムギも微妙な反応を見せている。
するとクラン・ブレイカーズのガンプラ達のセンサーが強く反応する。見てみれば、薄紫色のファンネルがこちらを狙っており、放たれたビームをブレイズブレイカー達はすぐさま回避する。
「来たね、彩渡商店街ガンプラチーム!」
挨拶代わりだったのだろう。ファンネルが主の元へ戻っていく先を見てみれば、そこには建造物の上で堂々と足を踏ん張っているガンプラの姿があった。紛れもなく彩渡商店街ガンプラチームのものなのだろう。その姿を見て、ミサは待ってましたとばかりに笑みを見せる。
「かつて頂点に立っていたチームを率いていた力、見せてもらいます!」
ファンネルを操るのはキュベレイをベースにカスタマイズしたヴェール・ブランシュ。通常のガンプラに比べてその機体サイズは一回り大きい。操るのはサーヤであり、彼女もミサを相手に強い意識を持っているようだ。
「サーヤちゃん、積極的じゃねぇか。だったら俺の相手も是非──」
念願のサーヤに会えた事に浮かれているマシマ。そんなマシマの釘を刺すようにヌーベルクレインクインの足元を的確に射撃されたビームが焼く。
「僕だって元エースなんです。目を離すと痛い目を見ますよ」
仕掛けてきたのはリツキが操るガンプラであった。ジム・コマンドをベースにジムスナイパーカスタムを意識してカスタマイズしたコマンドスナイパーカスタムは元エースと言うだけあって高い完成度を誇っていた。
「男は眼中にないんだが……邪魔をするなら容赦はしねぇぜ!」
「──女の子ばっかり狙ってるの? やっぱり変態さんなんだ。キッモ~イ♡」
水を差されたことで露骨に不機嫌そうな反応を見せるマシマだが、ヴェール・ブランシュを挟むようにコマンドスナイパーカスタムと建造物の上に降り立ったのは真紅のカラーリングに染め上げた百式をベースにしたガンプラだった。
「そんな変態さんはわからせてあげないとね♡」
バックパックに複合兵装を搭載し、腕部にもミサイルを内蔵したりと全体的な火力の向上を図ったそのガンプラの名は百式・滅。操るのはイントだ。
「今の彩渡商店街ガンプラチームがどれ程のものか……楽しみだ」
「みんな纏めて相手をしてあげる! いっくよー!」
役者は揃った。彩渡商店街ガンプラチームを前に戦意を燃やすツムギに頷きながらミサの言葉によって戦いの火蓋は切って落とされた。
「ミサ先輩。僕も胸を借りるつもりでいきますよ!」
「それは良いんだけど……まさか私の事、イジってないよね?」
かつての先輩を相手にリツキも胸を躍らせているようだ。後輩らしい言葉ではあるが、何かコンプレックスでもあるのか、ミサは頬を引きつらせる。
「えぇ? やだやだぁ~。自意識過剰じゃなぁい? そんなに気にしてるんだぁ♡」
「安心してくれ、ミサ。俺は例えリアルのミサがどんなんでも気にしないぜ!」
ここぞとばかりに煽って来るイントと何やらフォローしようとしているマシマ。とはいえマシマのフォローは全く効果がない。
「何かよく分からんけど、イントちゃんとマシマは後でぶっ飛ばす!」
「す、すみません、ミサ先輩! 何か僕、まずいこと言っちゃいました?」
「何でもないよぉー!」
含みのあるフォローにミサは怒りを見せる。失言してしまったと慌てるリツキだが、自分で因縁つけておいて何だがリツキが他意がないことは分かってはいる為、怒りは収まらないもののちゃんとフォローはする。
「……緊張感に欠けるわね。これが本当にかつてのエースなの?」
バトルとはかけ離れた緊張感のないやり取りをするミサにサーヤは思わず呆れてしまう。そんなヴェール・ブランシュのセンサーが反応する。すぐさま反応してみれば、機動力を活かして急接近するブレイズブレイカーの姿が。
「速い……!」
「この位のスピードが出せないと追いつけない人がいっぱいいるからね!」
咄嗟にビームサーベルを引き抜いてブレイズブレイカーから振り下ろされたビームサーベルを受け止め、鍔迫り合いとなる二機。認識したかと思えば、既に目の前まで迫っていたブレイズブレイカーの機動力に驚くサーヤ。しかしツムギの脳裏にはブレイズブレイカーでも追いつくのがやっとな存在達の姿が過る。
「ガンダムブレイカー……。まさか相手をする日が来るなんて!」
「俺も彩渡商店街チームと戦える日が来るとは思わなかったよ!」
かつて3代目ガンダムブレイカーであるアマミヤ・イチヤが所属していた彩渡商店街ガンプラチーム。チームにとってもガンダムブレイカーの存在は大きなものであり、チームに加入して日が浅いサーヤでも例えそれが別人のガンダムブレイカーであろうと意識してしまう。だが、それはツムギとしても同じなのか、メンバーは違えど憧れのチームを相手にやはり意識はしているようだ。
半ば同時にブレイズブレイカーのスーパードラグーンとヴェール・ブランシュのファンネルが放たれる。放たれたオールレンジ攻撃の一基一基が宛らドッグファイトのような攻防を見せ、その中心でブレイズブレイカーとヴェール・ブランシュが幾度となく切結ぶ。
(確かに強い……。でも……!)
ツムギは改めてサーヤの実力を思い知らされる。しかしそれで臆する気はない。鍔迫り合いとなったタイミングを見計らって、腰部のレールガンを至近距離でヴェール・ブランシュに叩きこむ。
すると周囲に展開していたヴェール・ブランシュがまとめて破壊される。見てみればアザレアブレイジングがこちらに向かい、そのままビームトンファーを展開しながらヴェール・ブランシュに接近戦を仕掛ける。
「っ! 動きが読めない……!」
「私も近接に特化した人達の中にいたからね!」
ビームトンファーと体術を駆使してヴェール・ブランシュに反撃の隙を与えず、そのまま追い込んでいく。その攻撃にサーヤが圧倒されるなか、ミサはアマミヤ・イチヤやウィルをはじめ、近接特化型のファイター達から学んだ事をバトルに活かし、そのままヴェール・ブランシュを吹き飛ばす。
「ふっふっふっ、見たか! まだまだ若い子には負けないよ!」
ヴェール・ブランシュを圧倒するミサにはまだ余裕が見れる。経験の差と言うべきなのだろうか。
「……いえ、まだ勝負はこれからですよ」
「おっと、負け惜しみはみっともないよ」
「負け惜しみなんかじゃありません。ここからが私の本気です!」
しかし圧倒されたというのにサーヤに諦めはなかった。それどころか更なる戦意を見せる。
「……サーヤ、やる気だね」
「マジになっちゃったんだぁ。もう止められないね♡」
サーヤの反応を見て、リツキとイントは意図を理解したのだろう。人知れず笑みを見せる。
《行け、サーヤ! お前の真の力を見せてやれ!》
「言われなくても!」
モチヅキから背中を押すような通信を受けながら、サーヤは目を見開く。するとヴェール・ブランシュに機体に変化が起こる。何と輝きを放ち、赤き光を纏ったのだ。
「あ、あれって覚醒!?」
「サーヤちゃんも覚醒の使い手だったのか!?」
それは紛れもなく覚醒の輝きだった。その神々しい光にミサやマシマをはじめ、クラン・ブレイカーズは驚愕する。
《おいおい、マジかよ! モチヅキ、隠してやがったな!》
《ふっふっふ、見たか! これが今回の秘密兵器だ!》
覚醒の使い手はそれこそマイスターやウィル、ガンダムブレイカー達とツムギの周りにはいるが、よもやサーヤも使えると思っていなかった。驚くカドマツにモチヅキはしてやったりとばかりの笑みを見せる。
「さあ、ここからが本当の勝負です! 行きますよ!」
覚醒の力を使ったヴェール・ブランシュは一気にアザレアブレイジングへ接近すると、ビームサーベルを振るおうとする。
「こっちも切り札を切らせてもらうッ!」
しかしその寸前に割り込んでヴェール・ブランシュを受け止めたのはブレイズブレイカーであった。するとブレイズブレイカーも機体も赤き輝きを纏う。覚醒の輝きだ。
「覚醒を使う相手と戦えるなんて! でも負けられない!」
「負けられないのはこっちも同じだよ。相手が覚醒を使おうが関係ない。俺のガンダムブレイカーが、俺のガンプラが一番強いんだって証明してみせる!」
サーヤは覚醒の使い手と戦うのは初めてなのだろう。だからこそ強い意識を見せるが、負けられないのならツムギも同じだ。自身のガンプラこそ最強なんだと自負しているからこそ負けられなかった。
「あっちはお熱い2人に任せようかな」
ブレイズブレイカーとヴェール・ブランシュの激しい戦闘を見ながら、ミサは笑みを零し、コマンドスナイパーカスタムや百式・滅を見やる。
「もーらいっ!」
「待って、イントちゃん!」
アザレアブレイジングの背後から両腕にビームサーベルを装備した百式・滅が迫る。隙だらけだと判断したからだろう。しかしその判断とは裏腹にリツキは制止しようとする。
「私も活躍しないとね!」
アザレアブレイジングのツインアイが一層輝くと覚醒を果たす。ツムギ達に劣らぬ輝きを見せるなか、ビームトンファーを駆使して百式・滅の両腕を的確に破壊する。
「え……?」
「さぁーて、さっきから散々馬鹿にしてくれたよねぇ?」
両腕を失った百式・滅にイントが唖然とするなか、その姿を目の前にミサは口角を吊り上げる。
「や、やめっ……。な、なにマジになっちゃってぇ「チェストォオッ!!」 ──お゛ォ゛!?」
打って変わって青ざめた表情を見せるイント。ヘラヘラと誤魔化すように笑うが、勢い任せに放ったビームトンファーの打突の百式・滅の機体はくの字に曲がる。バックパックの複合兵装を使う間もなくどんどん追い詰められていき、やがて撃破される。
「やっぱりミサ先輩は強い……!」
「おっと、ミサだけじゃねぇぜ」
百式・滅の撃破。しかし相手がミサならばリツキとしても納得してしまうところだが、ミサだけが強いと思われるのは違う。ヌーベルクレインクインはビームサーベルを装備して、コマンドスナイパーカスタムとの間合いを詰め、ビーム・アサルトライフルを装備した腕を斬りおとす。
「まっ、野郎に覚えてもらう必要もないけどな」
咄嗟に距離を取ろうとするコマンドスナイパーカスタムだが、背後から撃ち抜かれる。そこには一基だけ展開していたフィンファンネルの姿が。動きを止まったコマンドスナイパーカスタムをすれ違いざまに両断する。
「同じ覚醒の筈なのに、どうして差が出てるの!?」
「俺と君の覚醒に差はないよ。あるとすれば経験だッ!」
一方、ブレイズブレイカーとヴェール・ブランシュのバトルもブレイズブレイカーが優勢だった。劣勢に追いやられている状況にサーヤが焦るなか、ツムギはこれまでの日々を思い出す。覚醒の使い手であるマイスターとのバトル、そして他にも覚醒の使い手を間近で見ていたからこそ覚醒を相手にどう立ち回るかはツムギの中で蓄積されていったのだ。
「だから……今は俺が勝つッ!」
切り結んでいる最中でブレイズブレイカーはヴェール・ブランシュに頭突きを浴びせる。思わず仰け反るヴェール・ブランシュにブレイズブレイカーはディスラプターを使用してヴェール・ブランシュを崩壊させる。
「……悔しい。覚醒まで使ったのに負けるなんて……」
「君はもっと強くなるよ。俺もうかうかしてられないな」
二回戦を制したのはクラン・ブレイカーズ。言葉通り悔しさを滲ませるサーヤにツムギも彼女が成長すれば、脅威となる事を感じながらも、一先ずバトルの勝利を噛み締めるのであった。
ガンプラ名 百式・滅
元にしたガンプラ 百式
RIGHT LONG RANGE WEAPON ビームライフル(リバウ)
RIGHT CLOSE RANGE WEAPON ビームサーベル(百式)
LEFT CLOSE RANGE WEAPON ビームサーベル(百式)
HEAD 百式
BODY 百式
RIGHT ARM リバウ
LEFT ARM リバウ
LEGS 百式J
BACKPACK ドーベン・ウルフ
機体色はゲームのプリセットにあるリバウで統一
小話にハロウィン衣装が見たいのは(10月10日まで)
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ユウヒ
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ナギサ
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ソフィー
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ヒマリ
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ショウ
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ユカ
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アオバ