ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
《アルティメイトフォースゼロ、名門チームであるスクラッチベースを撃破しました!》
《スクラッチベースといえば、ガンプラバトルが生まれる前から活動している老舗の創作集団! 私など足元には及ばないレベルの大先輩ビルダーの方々だ。マイスター・アインと言えど一筋縄ではいかないバトルだったと思うよ》
GBBBBでは連日、バトルトーナメントの話題で持ちきりだった。GBBBBニュースではレコとミスター・ガンプラが高らかにアルティメイトフォースゼロの二回戦突破を報じていた。
「先輩方の胸を借りるでしたが、想像以上に学べる事が多かったです」
そんなGBBBBニュースが流れるロビー広場ではマイスターがスクラッチベースのリーダーを握手を交わし、敬意を表していた。
「我々もGBBBBの王である君とバトル出来て光栄だ。それに過ごしていた年月が全てではない。君達がいれば今後のガンプラバトルの未来も安泰だな」
「……そう言っていただけるのは光栄です。ですが、私もいつまでもこの座に座っている事はないでしょう」
スクラッチベースのリーダーも長いガンプラの歴史の中で生き、実績を積み上げただけあってその物腰は非常に理知的であり、彼からすればまだ若輩のマイスターにも敬意を示している。そんなリーダーの言葉に対してマイスターは嬉しそうに微笑みながらも、ロビー広場に表示されているガンダムルークの立像を見やる。
「世代は変わるもの……。いずれ、このGBBBBにもその時が訪れるでしょうから」
GBBBB絶対王者とも言われるマイスター。しかし、彼は既にGBBBBの未来を見据え、いずれ自分のチャンピオンの座も永遠のものではないと悟っているのだろう。だがその仮面の奥の目は寂しそうなものはなく、寧ろこれから先のGBBBBの未来に期待しているような眩しいものであった。
・・・
「へぇ……。こういうアイデアもあるんだ」
ブレイカーズ3号店は今日も賑わっていた。そんな中、作業ブースではツムギをはじめとした利用客が持ち込んだガンプラ達が展示されており、その一つ一つをソフィーは興味深そうに眺めていた。
「ソフィーちゃん、日本に来てたんだね。観光地とか行ってるの?」
「んー……。そういうのそんなに興味ないっていうか……。どうせなら趣味に全振りした旅行にしようかなって」
ユウヒもソフィーの来日に関しては、今日初めて知ったのだろう。作業ブースの清掃をしながら何気なく話題を振ってみると、どうやら有名な観光地巡りなどはそこまで興味はなく、あくまでソフィーの趣味、つまりはガンプラに焦点を当てた旅行にしているようだ。
「それに福岡とかあぁいうガンプラの大きな施設には有名なモデラーの作品が見れてそれはそれで良いけど、地方のお店にしか見れない作品とかもあるしね」
「今はSNSで気軽に人の作品が見れる時代だけど、生で見たらまた印象が違ったり、気付ける事もあるしね。そう言う意味では足を運ばなきゃだからね」
「そーいうこと。まぁ近々、キサラギ・ショウのブレイカーズ本店にも行ってみるつもりだよ。初代ガンダムブレイカーにも生で会ってみたいし」
名の知れたビルダーの作品を見るのも学べる事が多いが、こういった小さなホビーショップに展示されている作品も個性が光っていてインスピレーションを受けられる。まだまだめぐりたい場所もあるよでソフィーの日本旅行は充実しているようだ。
「ユウヒさ~ん。前々から思ってたけど、量販店に比べてガンプラの値段高くないですかー?」
「無茶言わないでよ……。これでも頑張ってるけど、あぁいったお店はメーカーから直接、大量一括仕入れしたりとかで卸値が安くなったりしてるんだから」
ガンプラを物色していたナギサが値段を見ては顔を顰め、ついにはユウヒを見て疑問を投げかける。とはいえ、ユウヒとしても値段で家電量販店に勝てるとは思ってはいないが、それでも頑張ってはいるのだろう。非常に重い溜息をつく。
「確かに家電量販店やネットショップの方が安い場合もあるけど、こういうお店だからこそのコミュニケーションも生まれる場合もあるから、そういった面での価値はあると思うよ」
「良いこと言うね。流石ツムギ君。個人店によっては独自のコミュニティが生まれてる事があるし、それは否定しないけど、僕のモットーは誰でも輪には入れて楽しめるお店だからね」
値段だけを優先するのなら、ツムギの言うように利用先を変えるのも有りだが、割引を差し引いてもツムギはこういったホビーショップならではの交流に価値を見出しているようだ。そんなツムギにうんうんと頷きながらユウヒは己のポリシーを明かす。
「ところでナギサは何のガンプラを買うつもりなの?」
「MGSDのエアリアルでしょ? 他にはこの間、みんなで見たガンダム00のプラモ!」
ふとツムギはナギサが何を買うのか聞いてみれば、以前話していたSDにMGのギミックを落とし込んだMGSDのガンダムエアリアルをはじめ、ツムギとソフィーと視聴した機動戦士ガンダム00のプラモを探しているようだ。
「00かぁ。良いね。00の何のプラモを探してるの?」
「ロックオンのプラモとか欲しいなぁって。ニールとライル、どっちも好きなんですよねー。ニールは包容力がある兄貴分だし、ライルはなんかニヒルな感じするけど、ニールとは違う大人な魅力があるんですよねぇ」
ナギサといえば、水星の魔女の印象が強いが、他のシリーズを観るようになったのは一ファンとしても嬉しいものだ。ユウヒの問いかけにナギサはガンダム00の中での推しキャラを語る。
「……実は最初、ライルってニールが記憶喪失になってたんじゃって思ってたんだよね」
「ムゥの爪痕が深すぎる」
そんなナギサの横でツムギはヒソヒソとソフィーと話していた。
・・・
「……流石に買い過ぎじゃない?」
夕暮れの帰り道。ツムギとナギサ、ソフィーが並んで歩くなか、ふとツムギは自身の手元を見る。そこにはナギサが購入したガンプラの数々が。
「ごめんねー……。流石に持ちきれない程買ったのはやり過ぎた。動画のネタになりそうなのもあったし、カスタマイズで使えそうなのもあったからねぇ……」
「エアリアルソアーの次をもう考えてんだ」
「うんっ! みんなとGBBBBで過ごしてると、どんどんアイデアが浮かんでくるんだよね!」
普段は配信活動をしている為、その収益をガンプラなどの購入にあてているようだが、何気なく答えたナギサの言葉にソフィーが食いつく。エアリアルソアーでもいいガンプラだと思うが、ナギサは既にその先を見ているようだ。
「ナギサは昔から真っ直ぐだよね。その真っ直ぐさには憧れるよ」
「まあ、ナギサさんは細かく考えたくない一本道ガールだからね」
そんなナギサの姿に眩しささえ覚えてしまうツムギ。あまり小難しく考えるのは性に合わないようでナギサは屈託のない笑顔を見せる。
「でも、その真っ直ぐさにあの頃の俺は救われたよ。ナギサやユウヒさんがいてくれたから寂しさを埋める事が出来た」
かつてこの町に引っ越してきた際は多忙な両親に心配をかけないように“良い子”であろうとしながら寂しさを胸に抱えていたツムギが本心を露に出来た相手がナギサとユウヒだったのだ。
「埋めるだけで良いの?」
何気なく放たれたナギサの言葉にツムギが彼女を見てみれば、ナギサはツムギの空いている手をギュっと握り、そのままソフィーの手も握ったのだ。
「心の穴を埋めるだけじゃなくってさ。もっともーっと色んなものを貯めていこうよ」
ナギサは心から、眩しいまでの屈託のない笑顔をツムギとソフィーに向ける。彼女のこういった性格が、ツムギを救ったのだろう。ソフィーも同意するように微笑むなか、ツムギはナギサの手の温もりを感じる。
『君は色んな人と手を繋ぎ合ってきっと大きな事を成し遂げる事が出来る』
ツムギの脳裏にはかつてユウヒに福岡の地で言われた言葉が過っていた。
「そうだね……。1人じゃ無理でも、こうやって手を繋ぎ合えば、いつか手が届く。何だかそう思えるよ」
ナギサの手の温もり。そしてナギサを通してソフィーがいる。始まりはナギサと出会い、そしてユウヒの手を取ったあの日々。クラン・ブレイカーズも見ず知らずの人と人が繋ぎ合って、今では強豪チームとして名を馳せている。ブレイザーとの出会いもその手を取ったからこそ生まれたものだ。改めて自分がもう1人ではないんだと感じたツムギは空を見上げる。そこには夜の空に染まっていく中で輝く星々の姿があった。
小話にハロウィン衣装が見たいのは(10月10日まで)
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ユウヒ
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ナギサ
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ソフィー
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ヒマリ
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ショウ
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ユカ
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アオバ