ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
「いよいよか……」
GBBBBのロビー広場では、ツムギがどこか緊張した面持ちを見せる。今日から始まるバトルトーナメント準決勝戦。クラン・ブレイカーズとベクルックスのバトルが遂に行われるのだ。クラン・ブレイカーズ発足当初にぶつかり合ったベクルックス。あれから肩を並べる機会は多かったが、今日は違う。
「うぅっ……何だか緊張してきたわ。あの時は惨敗したしなぁ」
ベクルックスとの戦闘を前に意識しているのは、ツムギだけではないようだ。タオは明らかに緊張して挙動不審になってしまっている。
「……そうだね。でも、俺達はあの頃とは違う。今回は勝ってみせる」
苦い思い出だけあって意識してしまうのは無理な話ではない。だが、その緊張感以上にツムギの中にはベクルックスとのバトルを前にして高揚感も生まれていたのだ。
「──そう簡単にはいかないけどねー」
そんなツムギに声をかけたのはユカであった。誘われるまま見てみれば、そこにはユカをはじめとしたベクルックスのメンバーが勢揃いしていた。
「挨拶はいらないよね。ノセっち達がどれ位、強くなったのか見せてもらおうかな」
「……あの時、覚醒が使える事に増長していた俺に釘を刺してくれた事は感謝しています」
バトル前にも関わらず、余裕のある笑みを見せるユカに対して、ツムギは静かにかつての出来事を振り返りながら感謝の言葉を口にする。もしもあの時、ユカ達に指摘されなければ、後々トラブルが起きていたかもしれない。
「そのお陰で俺は、いや俺達はもっと強くなれました。だからこそここでそれを示してみせます。それが俺なりの恩返しです」
もしも増長したまま過ごしていたら、もしかしたら今ほどの強さを手に入れることはなかったかもしれないし、クランのメンバー達との仲も深まらなかったかもしれない。振り返るほどユカ達の影響は大きかったのだ。だからこそそんな彼女達と接して強く成長した今のありのままをベクルックスにぶつけるだけだ。
「口だけじゃないって期待してるよ」
そんなツムギに対してユカはふと笑みを漏らすと、そう言い残してベクルックスのメンバーを引き連れて去っていく。
「ベクルックス……。仲間として肩を並べた際は心強いチームでしたが、対戦相手ともなれば驚異的ですね」
「そうだな。可愛いさだけじゃなくって、その実力まで本物だぜ」
カオス達との戦いでは肩を並べた間柄ではあるが故にベクルックスのメンバーの実力の高さは嫌でも理解しているクラン・ブレイカーズ。冷静に分析するシーナにマシマらしい言葉で答える。
「今回のバトルは俺が行きたい。ユカさん達に今の俺をぶつけてみたいんだ」
バトルの時間が迫るなか、出場メンバーを決めねばならない。するといの一番にツムギが立候補した。ベクルックスに対してはツムギも一際、想いが強いのだろう。
「私も行きたいかな。向こうのメンバーの半分は昔からの知り合いだし、戦い方は熟知してるつもりだよ」
「では、私も。後方支援は任せてください」
ツムギに続いて名乗りをあげたのはミサとシーナであった。ミサは本人が語るようにユカ、シオン、ウィルとの付き合いが長く、バトルの癖も熟知しているつもりだ。またその経験量からしてもいくらでも対応できるだろう。シーナもその機体特性からそのサポートは非常に心強い。
「3人とも、頑張って! 油断しちゃダメだよ!」
「勿論。全力でぶつかってくるよ」
他のメンバーからも異論はなく、ツムギ、ミサ、シーナの編成で決まった。リンとしても自分も参加したい気持ちはあるが、ここはツムギ達に任せてグッと堪えながら送り出す。そんなリンに笑みを見せながらツムギ達はバトルへ向かうのであった。
・・・
「さぁーて、ノセっちがあんなに情熱的になってるなら、今回はアタシが出ようかね」
一方、ベクルックスも出場メンバーの選定を行っていた。ユカとしても直にツムギ達の成長を感じとれる機会に心を弾ませているのだろう。いつもの飄々とした態度ながら、どこか高揚感を感じ取れる。
「……アタシも出たい。ノセ達とバトルしてみたい」
残るメンバーに関して、すぐさま立候補したのはソフィーであった。普段は気だるげにしている彼女だが、クラン・ブレイカーズを相手に意識しているのだろう。ユカを見るその眼差しには強い意志が宿っている。
「ワタクシからも推薦いたしますわ。ソフィーの実力はクラン・ブレイカーズの誰を相手にしても渡り合えると確信しております」
そんなソフィーの背後からその両肩に手を添えながら出場を後押ししたのはシオンであった。
「シオン姉……」
「アナタはどこに送り出しても恥ずかしくないワタクシの誇らしい妹ですもの。だから、ありのままのアナタで飛び立ちなさい。ソフィー・アルトニクス」
ふと肩越しにシオンを見やるソフィー。そんなソフィーにシオンは慈しむような笑みを向けながら、彼女へエールを送る。
「良いと思うよ。アタシもソフィーの実力は知っているつもりだし文句はないよ。後は……」
そんなアルトニクス姉妹のやり取りを見ながら、自然と微笑みを見せたユカはソフィーの出場を了承すると、残るメンバーの選出をしようとする。
「あ、あの!」
実力でいえば、覚醒の使い手でもあるウィルや覚醒持ちでないながら高い戦闘技術を持ち、ユカとの相性は随一であるシオン、真正面のバトルのみならずトリッキーなバトルも可能なアオバと選り取り見取りだ。だが、そんな中、ふとナギサがおずおずと声を上げる。
「わ、私も出たい! 出たいです!」
手を挙げて主張するナギサ。しかしいつもは快活な性格であるナギサだが、その表情はどこか自信なさげに眉尻も下がっている。
「自分でもみんな程、実力がないって事は分かってます……。でも、私もGBBBBに来て、みんなと過ごしている中で強くなったんだってところをノセに見せたいんです!」
ガンプラの制作技術やバトルのスキルも以前に比べたら、格段に上がったナギサではあるが、ベクルックスのメンバーの中で言えば、その実力は一番下だろう。それは他ならぬナギサ自身が一番分かっている事だが、クラン・ブレイカーズを相手にどうしても出場したかった。
ツムギがユカ達に出会って、強さの道を誤らず、成長出来たというのならば、ナギサもまた初心者としてGBBBBの世界に飛び込み、ツムギやソフィーをはじめ、様々な人物達との交流により、強くなった自負がある。それを誰よりもツムギにぶつけたかったのだ。
「ここまで言っているんだ。出させてやって良いんじゃないか」
「珍しいね。アンタがそんな事、言うなんて」
「僕は元よりイチヤと決着がつけたかっただけだ。それにこういう時は想いの強さが思いもよらない展開を起こすこともあるだろう」
ナギサの意志を聞いたウィルはナギサの出場をフォローするようにユカを見やる。普段は斜に構えた物言いが多いウィルがまさかそんな事を言うとは思わなかったユカが僅かに驚いていると、ウィル自身もクラン・ブレイカーズとのバトルは興味はあるが、その熱量はナギサの方が上だと感じたのだろう。だからナギサに席を譲ろうとしているようだ。
「ナギサちゃんのここぞって時の爆発力は凄いからね。私もツムギ君と戦いたかったけど、ここはナギサちゃんに任せようかな」
「アオバさん……」
「お姉さんの分まで頑張ってね。ナギサちゃんの全力をぶつけてきて」
覚醒の使い手を倒すことが目的だったアオバもナギサにその機会を譲ったのだ。それは彼女がGBBBBの中で成長し、そんな自分の当初の目的よりもナギサの意志を尊重し、優先できるだけベクルックスのメンバーを想える至ったからだろう。そんな彼女に感動しているナギサにアオバはにっこりと微笑みかける。
「アタシも良いと思うよ。どうせならノセっちの視線を釘付けにしてやんなー」
「はいっ!」
ユカとしても別にナギサの出場を突っぱねる気は元よりなかった。ユカなりのエールに強く頷いたナギサはユカとソフィーと共に出撃準備に入る。
「──ブレイズガンダムブレイカー、ツムギ、行きます!」
「──エアリアルソアー、ナギサ、行っくよー!」
遂にクラン・ブレイカーズとベクルックスの戦いの火蓋は切って落とされるのであった。
小話にハロウィン衣装が見たいのは(10月10日まで)
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ユウヒ
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ナギサ
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ソフィー
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ヒマリ
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ショウ
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ユカ
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アオバ