ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
「ベクルックスに勝てたんや……。これでリベンジ達成やね!」
ベクルックスとのバトルに勝利し、ロビー広場に戻ってきたツムギ達。タオ達と合流するなか、いまや実力者揃いの強豪チームであり、かつては苦汁を舐めさせられた相手であるベクルックスに勝てた事にタオは手放しで喜んでいる。
「ギリギリだったけどね。でも、今回は俺達がほんの一歩上回った」
「そうだね。まさかあの土壇場でナギサちゃんが覚醒に目覚めるなんて」
正直、今回のバトルはどちらが勝ってもおかしくはなかった。安堵した様子のツムギに頷きながら、ミサは覚醒を発現させたナギサについて触れる。
「──ウチらも成長してるってことだね」
そんなクラン・ブレイカーズに声をかけたのはユカであった。振り返った先にはユカをはじめとしたベクルックスのメンバーが勢揃いしていた。
「おめでとさーん」
準決勝敗退とはいえ、ユカはいつもと変わらず、飄々とした態度でクラン・ブレイカーズの決勝戦進出を祝う。
「アタシ達に勝ったんだから、どうせなら優勝しなよ」
「そのつもりです。今度こそGBBBBの頂点に立ってみせます」
負けたというのにその事に関しては一切、何か思わせることもなく、クラン・ブレイカーズへエールを送る。ユカ似強く頷きながら、ツムギがガンダムルーク立像を見やる。そんなツムギの姿にふと柔らかく笑ったユカはベクルックスのメンバーを引き連れてクラン・ブレイカーズの元から去っていく。
ふとツムギの目にナギサの姿が留まる。普段の明るさは鳴りを潜め、どこか沈んだ雰囲気を見せるナギサが気になってしまう。そんなツムギに気付いたのだろう。取り繕うように笑顔を見せたナギサはそのままユカ達の後を追う。
「……」
それを傍から見ている人物がいた。緋色の瞳を持つ少女はツムギとナギサの姿をその瞳に映すと、人混みの中に消えていくのであった。
・・・
「改めてお疲れ様でした。全霊を尽くした良いバトルでしたわ」
ベクルックスのクランルームに戻って来たユカ達。シオンは改めて準決勝に出場したユカ達を労う。結果としては敗退してしまった訳だが、それでも素晴らしいバトルをしていた事には違いなく、その事を称える。
「まっ、流石に悔しくないって言ったら噓になるけどねー」
「ね。まあ、でも次は負けないよ」
ツムギ達の前では表面に出さなかったが、やはり敗北したユカ達も人一倍悔しさは感じていたようだ。肩を竦めながらおどけるユカにソフィーも頷きながら戦意を静かに燃やす。
「あ、あのっ……」
そんな中、おずおずとナギサが口を開いた。
「ご、ごめんなさい……。わ、私が出なかったら……もしかしたら……ッ」
他のメンバーの視線が集まるなか、ナギサは声を震わせながら謝罪の言葉を口にする。ナギサは自ら出場したいと言った訳だが、ベクルックスの中で自分が最弱の自覚はある。もしも自分ではなく、ウィルやシオン、アオバの誰かが出ていたら結果は違ったのではないか、ベクルックスの敗北を受けて改めてそう考えてしまったようだ。
「私、がんばっ……でぇ……でもダメでっ……ぐやしくっで……もうし゛……わけなくってぇ……ッ」
なるべく平静を保とうとしていたナギサだったが、段々と敗北の悔しさ、そして他のメンバーへの申し訳なさから彼女の中のダムが決壊し、涙を流しながら謝罪する。
「ナギちゃん、それ以上謝るなら怒るよ」
そんなナギサを止めるようにユカが声をかける。普段の飄々とした態度とは打って変わって、どこか鋭さを持った言葉だった。
「……そうだよ。アタシ達はナギ子が出たことを間違いなんて思っちゃいない。大体、他の誰が出たって負ける時は負けるんだよ。それがガンプラバトルなんだから」
「ええ。それに今回のバトル、この中の誰よりも輝いていたのは他ならぬナギサですわ。下を向く必要はありません。堂々と胸を張るべきですわ」
もしもナギサ以外の誰かが出たら……。それはたらればの話でしかないし、強豪チームであるクラン・ブレイカーズを相手に勝てた保証なんてないのだ。ソフィーがフォローするなか、シオンも今回のバトルのMVPはナギサであると話す。これは世辞でもなく、本気でそう思っているのだ。
「まっ、でもその悔しいって思える気持ちは良い事だと思うよ」
するとユカはナギサの隣に歩み寄ると、その肩に手を回して抱き寄せる。
「それだけガンプラバトルが好きになったってことでしょ。ありがとね、ナギちゃん」
好きだから、熱中しているものだからこそ敗北の悔しさを感じる。全力を出し切った先に待っていたのが敗北だからこそ余計に悔しいのだ。涙を流してしまう程、ナギサの中でガンプラバトルは大きな存在になっていたのだろう。
「うん。きっとナギサちゃんだったら、もっと強くなれるよ」
「ああ。今回の敗北が全てではない。また立ち上がってリベンジすれば良い」
泣いてしまう程の悔しさを感じているのなら、ナギサはもっと強くなる事だろう。今のナギサの姿を見て、アオバとウィルはその確信を得たのだ。
「う、ん゛……。もっどっ……強くなる……っ!」
GBBBB、メタバースにも関わらず、ユカに抱き寄せられたナギサは何だか温もりを感じてしまう。ユカだけではない。温かな言葉をかけてくれる他のメンバーもいるからだろう。そんな彼女達に謝るのを止めたナギサは決意を新たにする。
「しっかし、まさかナギちゃんが覚醒するとはねぇ……。将来、有望だね」
「覚醒……?」
「ありゃ……気付いてなかったの?」
話題を変えるようにユカはナギサの土壇場の覚醒について触れると、きょとんとした表情を見せるナギサに対して、驚いた反応を見せながらも折角だしと先程のバトルのリプレイ映像を流すのであった。
・・・
「……静かだな」
数時間後、ツムギは自室でガンプラの作成に一区切りして、ストレッチしていた。ふと静寂の中にいる事に気付く。昔から静寂その物には慣れ切っていたつもりだが、ここ最近、ナギサとソフィーがいたことで家は常に騒がしかった。だからこそナギサもソフィーもいない事でそれが気になってしまったようだ。
「──ノセー!」
だんだんツムギの表情もどこか暗いものになっていくなか、ふと物音が聞こえたかと思えば、ナギサが部屋に飛び込んできた。いつもの元気いっぱいな彼女だ。
「負けちゃった……。でも、次は絶対、ぜーったいにノセに勝つから!」
「ああ。受けて立つよ。けど俺だって負けるつもりはないよ。ナギサはもっと強くなるだろうしね」
ツムギにリベンジを誓うナギサ。そんな彼女にツムギは頷きながらも直接戦ってみて、彼女の可能性を感じ取ったのだろう。ナギサの成長を楽しみにしながらも、次、バトルする事があっても勝ってみせると意気込む。
「……優勝、してね」
「ああ。ナギサ達の分まで、ううん、サーヤ達を含めてこれまでバトルをしてきた人達の分まで戦うつもりだよ」
「うんっ! ナギサさんに勝った人達がGBBBBの頂点なら、誇らしいもん!」
ふとナギサはクラン・ブレイカーズのGBBBB優勝を願う。それはナギサに言われずとも常々考えていた事なのか、力強く頷きながら答える。GBBBBの頂点に立つ。それがツムギなりの敗者たちへの手向けなのだ。そんなツムギにナギサは微笑む。
「ねね、今日はみんなでご飯食べに行こうよっ! ソフィーも外で待ってるよ!」
「急だなぁ……。でも、まあ良いよ」
ふとツムギの手を引いて出かけようとするナギサ。予定外の話ではあるが、そういうのもアリだろうと笑みを見せたツムギは身支度を整えると、ナギサ達と出かけるのであった。
そして翌日、もう一つの準決勝戦が行われた。
勝者はアルティメイトフォースゼロ。
奇しくもクラン・ブレイカーズとアルティメイトフォースゼロの決着をつける機会が訪れたのだ。
小話にハロウィン衣装が見たいのは(10月10日まで)
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ユウヒ
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ナギサ
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ソフィー
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ヒマリ
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ショウ
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ユカ
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アオバ