ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
「……このプレッシャー。前に来た時とは様子が違う」
リリンの心にダイブしたツムギ達。目指すは最深部。しかしダイブするや否や雰囲気が張り詰めたような緊張感のあるものになっている。カドマツが言っていた通り、以前に比べてセキュリティレベルが上がっているのだろう。
「やる事は変わらない。出てくる敵は倒して進む!」
「言葉にすれば単純だけどね。でも、そうする以外ない」
最深部に向けて進行するブレイズブレイカー達。気合を入れるタツヤのソラーレRを援護しながら、アヤトは肩を竦め、ルーナBのカメラ越しに迫る防衛プログラムを見やる。
すると全機に警報が響く。新たな防衛プログラムが出現したのだ。確認してみれば、そこにはニシワキX-1をはじめとしたかつて激突したニシワキエンジニアリングのガンプラ達が現れたのだ。
「ユーキ達のガンプラじゃねぇか! どういうこった!」
「……成る程。そう来たか」
いの一番に反応したのはマシマだった。何故、ニシワキエンジニアリングのガンプラ達が立ち塞がるのか、驚愕しているとマイスターは理由を察したのか、厄介そうに呟く。
「本人達が操ってるって訳じゃなさそうやね」
「ええ。恐らくは防衛プログラムの一環なのでしょう」
仕掛けてきたニシワキX-1達を警戒しながらも、その戦闘はまさにNPCを相手にしているかのようだ。すぐに相手がユーキ達ではないと見抜いたタオにシーナが同意し、考察する。
「あれは……フリーダムフリートのガンプラ達?」
すると続けざまにフリーダムフリートのブラックロータス、ドローレス、ファムファタル、ボルトガンダムゴリアテが現れたのだ。かつてGBBBBを脅かした存在達にアオバはすぐさま反応する。
《リリンの自己防衛機能によるものだろう。セキュリティレベルが上がったことで、侵入者達への新たな対抗手段を編み出したんだ。より強い相手に対抗する為、リリンの記憶とデータベースにある過去の強敵達を再現しているんだろうな》
これも全てリリンの防衛機能の働きのようだ。カドマツの説明を信じれば、これから先、より多くの強敵達を再現しては投入してくるだろう。
「……毒を持って毒を制す、という訳か。有効な戦術ではあるな。しかしビルダーは……ガンプラファイターは常に成長するもの! ましてや一度破った相手ならば!」
「僕らは常に前に進んでいる。過去のデータなんて!」
厄介ではあるが、有効な戦術ではある。だが臆する気はない。心強いマイスターの言葉に頷きながら、ユウヒのエスペランサは迫る防衛プログラムを対処する。
「……っと、やっぱり出てきたね」
すると前方から爆発が起こる。何事かと思って見ればフレイムスペリオルをコアユニットにしたネオジオングが迫ってきていた。出現したフリーダムフリートのガンプラの中で唯一、出現しなかったフレイムスペリオルにある程度、予想はついていたようでソフィーは厄介そうにネオジオングを見やる。
「えぇーッ!? リリンはコイツとは戦っていない筈じゃ……」
《アウラと接続された際、お前達が戦った相手のバトルログも参照したんだろうな》
フレイムスペリオルは兎も角、それをコアユニットにしたネオジオングまではリリンは知らない筈だ。しかし見当はついているのか、カドマツはさらりと説明する。その説明を裏付けるかのようにネオジオングに続くようにターンΩやリプレイス、パンテラが出現する。
「確かにあのガンプラ達は脅威でしたが……」
「中身の伴ってない奴等にアタックされても響かないんだよねぇ」
続々と現れるかつての強敵達。その性能その物は認めるシオンだが、ユカの言うように今の目の前のネオジオング達は魂であるビルダーが操っている訳ではない。いくら立ち塞がろうが恐れるに足りないのだ。
《リリンの反応があるのは次の層、ここの最深部だ。しかし、予想以上の激しい抵抗を受けているし、リリン本体の防備がどれほど強固か、予測できん》
激しい戦闘が続くなかでも最深部には順調に進んでいるのだろう。だが、それでもカドマツの説明を聞く限り、油断は出来ない。
「マイスター、ここは僕らが引き受ける。君は何人か連れて、先へ進め。いつまでもこんな所で足踏みする気はないだろう」
「……そうだな」
律儀に防衛プログラム全てを相手にしていてはいたずらに消耗を招くだけだ。ウィルが促すと、マイスターはブレイズブレイカーとリン・カーネーションを見やる。
「ツムギ君、リン君。リリン君の下へ向かうのなら君達が適任だと考えている。ついて来てくれ」
マイスターが選出したのはツムギとリンであった。これまでのリリン絡みのミッションに参加していた2人ならば適任だろうと考えてのことであった。
「今度こそリリンを助け出す……。勿論、行きます!」
「うん! リリンが待ってるんだから!」
ツムギとリンも半ば即答で答える。リリンの為に。その一心で戦っているのだ。
《お前達ならこの作戦は必ず上手くいく。根拠になるデータがあるわけじゃねぇが、俺もそう思ってるぜ》
「3人とも頼むで!」
最深部に突入するのはツムギ、マイスター、リンの3人だら、そんな3人をカドマツとタオが送り出す。
「必ずリリンさんと一緒に戻ってきてくださいね」
「お前達なら絶対できるさ。任せたぜ」
油断をすれば精鋭ぞろいのメンバー達でも一瞬で撃破されてしまう。そんな中でもシーナとマシマも応援してくれたのだ。
「……ちゃんと迎えに行ってあげなさいよ。大切な妹なんだから」
「うん……! 色々回り道もしたけど、今度こそリリンを助けるんだから!」
今まさに正念場を迎えようとするリンをミサは優しく送り出す。陰ながらずっと見守ってきてくれたミサの言葉にリンはしかと頷く。
「ノセ、どうせならハッピーエンドにしてね!」
「ああ。皆が笑える大団円にしてみせる!」
ブレイズブレイカーに迫るパンテラの前に割って入りながら通信越しに笑いかけるナギサにツムギも笑顔で応えながら、マイスターとリンと共に最深部へと突入していくのであった。
・・・
「漸くここまで戻ってこれたね……。早くリリンを助けてあげなくっちゃ」
ナギサ達に任せ、最深部と突入したツムギ達。固く閉ざされた門。かつて訪れた場所に漸く戻ってきたリンはリリンを包んでいるであろう繭を見やる。
《──気をつけろ! お前達のデータ参照量が急激に増大している!》
「えっ……? それ、どういうこと?」
眉を目前にした時、突然、周囲が轟音を上げて地響きを起こす。当然の出来事に戸惑うツムギ達にカドマツが警告するも、内容が把握しきれずリンは戸惑ってしまう。
《一言で言えば、"見られている"ってことだ!》
「これは……リリン君が、というよりも防衛システムが警戒し始めているのだろう」
最深部に突入したことで防衛システムがより警戒を強めているのだろう。カドマツの説明を引き継ぐようにマイスターが話す。
《ああ。そうなると次は侵入者を追い払うために……》
マイスターに肯定しながらカドマツは厄介そうに話す。すると目の前の繭は強烈な光を放ち、その姿をデビルガンダムに変えて、ブレイズブレイカー達の前に現れたのだ。
「あれって……カオスと戦った時の奴!? じゃあ、あの時みたいにあそこにリリンがいるの……?」
デビルガンダムと言えど、その姿はカオスが操っている時のカスタマイズされたデビルガンダムのほうであった。それなればそのコアにはリリンがいるのではないかとリンは予想する。
《そうらしいな。リリンの反応はあの機体の内部だ。本体を守るだけあって知っている中で最強の機体を出してきたって訳か》
「……それはどうだろうな。もし、リリン君に迫るにつれて、強い機体が出ているのであれば」
デビルガンダムは確かにこれまでの比にならない程、強力な敵だ。カドマツの説明も理屈は通ってはいるが、最強、という単語に関してはマイスターは否定的な反応を取りながらツムギのほうを見やる。
「……いや、何にしてもまずは目の前の敵だ! 奴を倒すぞ!」
「ここで終わらせるんだ。何が立ち塞がろうとも!」
しかし論じている暇はない。既にデビルガンダムはブレイズブレイカー達へ攻撃態勢を取っているのだ。マイスターに頷きながら、ツムギはデビルガンダムに挑むのであった。