ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
「んー……何かモヤモヤする!」
ミッションを終えたクラン・ブレイカーズはロビー広場に戻ってきていた。先程のミッションを振り返ってリンはスッキリしない心を少しでも発散するように声を上げる。
「あのストライクブレイザー、何やったんやろ。リリンと違って誰かが動かしているって感じじゃなかったよね」
「うん……。しかもいつの間に消えたし」
話の中心になるのはやはりあのUnknown表記されたストライクブレイザーの存在だろう。意思疎通もなく襲いかかり、最後は忽然と姿を消していた。まるで幻を見ていたかのようにタオとツムギは首を傾げる。
「それもあるけど〜……」
だがリンの不満はそれだけではなかったようだ。不満げにツムギを見るが、何で顔を向けられたか分からないツムギはピンと来ずに間の抜けた顔を見せている。
「何でもない……」
間抜け顔を見てしまい、吐き出すものは吐き出せなくなったのかリンは肩を落とす。
「ふむ。ならば口直しをしてみてはどうかな!」
クラン・ブレイカーズが覆う空気を察したのか、ミスターがフォローするように声を張り上げる。その明るく大きな声にツムギ達の注目はミスターに向けられる。
「何であれ高難易度ミッションを突破できたんだ! ここは一つ、クラン対抗戦をやるのも良いだろう!」
曲がりなりにも高難易度ミッションをクリアしたのもあり、この勢いを消すのは勿体ない。何より消化不良であるのならばNPCを相手にするよりもプレイヤーを相手に本気のぶつかり合いをするのも有りだろう。
「クラン戦かぁ……。この間の対人戦は参加できなかったし、乗った!」
「じゃあ早速マッチングしてみるね」
対人戦はフリーダムフリートを相手にしたあの一回限りだ。リンもあの時はリリンが参加していた為、興味はあるのかすぐにいつもの調子を取り戻すとツムギが代表してミッションカウンターへ向かって受付を済ませる。
「早速マッチング出来たよ。相手のクランの名前は……ベクルックスだって。ランクは同じみたいだね」
「けど対人戦は全戦全勝やって。どんなクランなんやろ」
マッチングした相手のクラン情報を確認するツムギとタオ。ランク自体は同じでもその戦績は無敗を誇っている。決して油断して良い相手ではないだろう。
「──こんなクランだよー」
ふと緩やかに声をかけられる。ツムギ達が反応してそのまま注意を向けてみれば、そこには先程、ナギサと関わりを持っていたユカの姿があった。その後ろには脇を固めるように2人の美しいナチュラルブロンドの髪を持つ女性の姿がある。
「アタシはユカ。このクランのリーダーを一応、やってるよ。ロビー広場にいたみたいなんで挨拶しにきたんだ。よろしくねー」
「クラン・ブレイカーズのリーダーのツムギです。後ろの2人はタオとリン。このなりきりアバターの人はミスター。よく世話を焼いてくれてるんです」
フリーダムフリートのようにマッチングしてそのまま出撃して邂逅するパターンもあれば、このように出撃前に出会うパターンもあるのだろう。飄々とした様子を見せながらユカとツムギは挨拶を交わす。
「んー? アタシの顔になんか付いてる?」
だがミスターだけユカ達を見て、心底驚いたような反応を見せている。それは一瞬のものではあったが、それを見逃さなかったユカは流れるように視線をミスターに移す。
「いや、何でもないよ! はっはっはっ!」
「ふーん。ん……。んー?」
だが誤魔化すようにミスターは豪快に笑い飛ばす。特に意味のないものだったのだろうと片付けるツムギ達だったが、ユカはまだ引っかかるものを感じたのか、ミスターににじり寄りながらその顔を覗き込む。
「ユカ、その辺になさいな」
「……ま、そうだねー」
ミスターの表情が僅かに強張るなか、ユカと同じクランの緩やかな巻き髪を持つナチュラルブロンドの髪の女性が制する。ユカもこれ以上は仕方ないと判断したのか、自身のチームメンバーの元へ戻っていく。
「失礼いたしましたわ。改めてわたくしはシオンと申します。どうぞよしなに」
ユカの行動を詫びながら嫋やかに頭を下げる巻き髪の女性ことシオン。そのアバターは機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズに登場する武装組織ギャラルホルンの白を基調にした青いマント付きの軍服をドレス風にした衣装を着用したものであり、衣装とその凛々しさすら感じる美貌も相まってさながら騎士のような印象を受ける。
「……ソフィー。よろ」
対してその隣にいたツムギと同い年位の印象を受ける少女ことソフィーも言葉短めに挨拶をしてくる。紫のインナーカラーは入れているがふわりと緩やかなナチュラルブロンドの髪や緑色の瞳などシオンと顔立ちが似ているものの身に纏う雰囲気は正反対だ。今も機動戦士ガンダム00に登場する三大国家軍の一つユニオンの軍服を着崩し、プリーツスカートが履いているものあって軍服というより女子高生のような印象を受ける。今もポケットを手を突っ込んで気だるげな雰囲気を醸し出していた。
「……ユカ姉、そろそろ行こうよ」
「あれ、もしかして姉妹なんですか?」
そのままユカの隣に立ったソフィーは促すようにユカのジャケットの袖を引っ張る。そのユカへの呼称から姉妹なのかとツムギは勘ぐるが……。
「わ た く し の! 妹ですわ」
すかさずシオンの大っぴらに主張するような声が割り込んでくる。確かにソフィーはユカを姉と呼称したがその外見であれば似ても似つかずシオンと姉妹と言われた方がしっくりくるし、何より事実上、シオンとソフィーは血の繋がった姉妹である。
「まったく……昔はあんなに素直で可愛かったのがユカに出会ってしまったばかりにこんなダウナーギャルになってしまうなんて」
ツカツカとソフィーの前に移動しながらそのジャケットのボタンを閉めながら嘆息してしまう。人との出会い一つでその人格は変化していくが、今のソフィーの性格はユカの影響が大きいようだ。
「……」
が、そんなソフィーは気だるげに目を半開きにしたまま無言で閉じられたボタンを開ける。
「よろしくて、ソフィー? ユカに憧れるなとは言いませんが参考にするならばわたくしやお姉様にすべきですわ」
シオン、再びボタンを閉じる。
「貴女がそのような有様ではわたくし、お姉様に顔向け出来ませんわ」
ソフィー、再びボタンを開ける。
「品性というものは普段の行動によって培われるものなのですわ」
閉じる。
「……ですわ」
開ける。
「ユカァアアッ!!!!」
「なんでよ」
ジャケットのボタンを開けては閉めての繰り返しに遂に額に青筋を浮かべたシオンはソフィーの人格形成に影響を与えたであろうユカに怒鳴るが、ユカは面倒くさそうにポケットに手を突っ込んだまま、ため息をつく。
「別にさー、ゲームなんだし、余程じゃない限りはどんな格好したって良いじゃん。好きにさせてやりなよ」
「貴女がそのようにソフィーを甘やかすから箱入りお嬢様からギャルにジョブチェンジしてしまったのではありませんか! 大体──!」
いつの間にソフィーがユカの後ろに隠れてユカごしにシオンを見つめるなか、ユカはソフィーのフォローをするが、今日という今日はとばかりにシオンの文句は続き、やいのやいのと2人で言い合いをしている。
「……まっ、こんなクランだけどさ。うちは強いから」
いつまでも言い合いをしている訳にもいかないとは分かっているのか、マイハンガーへ移動する為にコンソール画面を表示させるも、それでも口は止まらず相も変わらず言葉を交わしているユカとシオン。そんな2人を横目にソフィーもコンソール画面を表示させるとツムギ達にそう言い残してクラン・ベクルックスはマイハンガーへ移動した。
・・・
「んじゃ気を取り直していこうか、2人とも」
マイハンガーへ移動したユカ達はそれぞれのガンプラに乗り込んで出撃の時を待つ。改めて共に出撃する2人にユカが声をかけると、通信モニターにはコクリと頷くソフィーと言い合いもあってか眉を顰めながら目を閉じて腕を組んでいたシオンは返事のつもりなのかフンと鼻を鳴らす。
「……ガンダムサマエル、ソフィー、行くよ」
ソフィーが駆るガンプラは機動戦士ガンダム00に登場する主役機ガンダムエクシアをベースにカスタマイズしたものであり、GNソードⅡブラスターや両腰のGNソードⅡロング&ショート、GNカタールなどダブルオーガンダム セブンソードの要素を取れ入れつつ、右腕には四基のFファンネル、左腕にはアンカーショットを装備している。白と紫を基調にしたカラーリングのガンプラの名はガンダムサマエルだ。
「トールギスリンク、シオン、参りますわッ!」
続いてシオンが声高らかに出撃する。新機動戦記ガンダムW Endless Waltzに登場するトールギスⅢをベースに両肩にはFファンネル、脚部やバックパックにガンダムキマリス系統の要素を取り入れたガンプラだ。主武装であるドッズランサーがキラリと光るなか、トールギスリンクは出撃していく。
「行くよ、バルバトス……。ううん、ガンダムバルバトスルプスノーム!」
そして最後に残ったユカもまた相棒であるガンダムバルバトスルプスレクスをカスタマイズしたガンプラに声をかけると出撃していく。ユカが初めて組んだガンプラはこのバルバトスだ。それから6年、色々な思い出がある。
カスタマイズ元は近接戦のイメージが強いが、ユカのバルバトスは超大型メイスを装備しているものの、専用ショットガンやバックパックのウイングスラスターの電磁砲やテイルキャノンなど中距離戦も想定したカスタマイズが施されていた。
主である真紅の瞳を持つかつての少女は変わらずに声をかけてくれる。だからこそと言わんばかりに変わらず応え続ける。そう言わんばかりにツインアイを輝かせたガンダムバルバトスルプスノームは出撃していくのであった。
ガンプラ名 ガンダムバルバトスルプスノーム
元にしたガンプラ ガンダムバルバトスルプスレクス
RIGHT LONG RANGE WEAPON 専用ショットガン
CLOSE RANGE WEAPON 超大型メイス
HEAD ガンダムバルバトスルプスレクス
BODY ガンダムバルバトスルプスレクス
RIGHT ARM ガンダムバルバトスルプス(腕部200MM砲装備)
LEFT ARM ガンダムバルバトスルプス(腕部200MM砲装備)
LEGS エクリプスガンダム
BACKPACK ガンダムバエル
BUILDERS PARTS テイルキャノン(バックパック中央下部。ルプスレクスのテイルブレードのように尾を思わせる位置)
カラーリングはプリセットのガンダムバルバトスルプスレクスカラー
ガンプラ名 トールギスリンク
元にしたガンプラ トールギスⅢ Endless Waltz版
RIGHT LONG RANGE WEAPON ドッズガン
RIGHT CLOSE RANGE WEAPON ドッズランサー
HEAD トールギスⅢ Endless Waltz版
BODY トールギスⅢ Endless Waltz版
RIGHT ARM ガンダムAGEⅡマグナム
LEFT ARM ガンダムAGEⅡマグナム
LEGS ガンダムキマリスヴィダール
BACKPACK ガンダムキマリス(ブースター装備)
SHIELD ビームキャリーシールド
カラーリングはプリセットのアトラスガンダムカラー
ガンプラ名 ガンダムサマエル
元にしたガンプラ ガンダムエクシア
RIGHT LONG RANGE WEAPON GNソードⅡブラスター ライフルモード
RIGHT CLOSE RANGE WEAPON GNソードⅡブラスター
HEAD ガンダムAGE-FX
BODY ガンダムエクシア
RIGHT ARM ガンダムAGEⅡマグナム
LEFT ARM ガンダムAGEⅡダークハウンド
LEGS ダブルオーガンダム セブンソード/G
BACKPACK ガンダムエクシア
SHIELD GNシールド(エクシア)
カラーリングはプリセットのモビルドールサラカラー