ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
GBBBB世界にログインしたツムギ。初めての世界に心躍らせながら目を開けてみれば自身に与えられたマイルームにいた。初ログインだけあって作業机が置いてある位の殺風景な部屋だ。
「うん、アバターもいい感じ」
そんなものだろうと思いつつツムギは今の自分の姿を確認する。
今のツムギの姿は現実世界で着用していた学校の指定制服ではなく 【機動戦士ガンダムSEED】に登場する地球連合軍の青色を基本色にした制服をアレンジした衣服を着用したGBBB用のアバターの姿であった。軽く握り拳を作っては開閉してアバターの調子を確かめてからマイルームを出るとロビー広場へと続くであろう通路を進む。
道なりに進んでロビーに入ってみればまず視界に飛び込んできたのは大きな液晶スクリーンだ。そこからぐるりと視線を巡らせれば4つに仕切られた天窓からは澄み渡るような青空が覗き、まるでガンダムシリーズに登場する基地の内部を思わせるような近未来的な外観のロビー空間がツムギを迎えていた。
「あれは……」
そして何より一際目を引くのはロビーの中心にその存在感を放つ巨大なガンプラ立像だ。
ロビーはこのガンプラ立像を中心にぐるりと囲むように2階建てのデザインになってるようでツムギはそのまま道なりに一周しながらガンプラ立像を観察する。ベースにしているのはスターバーニングガンダムだろうか。相当なガンプラ制作技術を持つ人物が作り上げたのだろう。ガンプラの完成度は勿論、各部のクリアパーツは傷一つなく曇りなく鮮やかな光を放っている。
「ガンダムルーク……」
思わずずっと見ていたくなるようなそんなガンプラの名を口にする。ガンプラ立像の前には小さなモニターがあり、そこにはこのガンダムルークの機体名と製作者の名が表示されており、ツムギはそのまま製作者の名前を確認しようとするが……。
「──もしかしてキミ、初めての人?」
ふと声をかけられた。ルークの存在に心奪われていたツムギは引き戻されるように声の主に向き直る。
「いきなり話かけてゴメンな。なんかキョロキョロしてたから初めてなんかなと思って」
そこにいたのは地球連邦軍の制服風のスカジャンを着用したカジュアルな服装の緑髪が目を引く眼鏡をかけたあどけない顔立ちの少年がいた。特徴的なイントネーションから関西地方のプレイヤーなのだろうか?
「もしかしてお上りさんみたいになってた……?」
「うん。でもまあβテスト中で分からないことも多いし、挙動不審にもなるよね」
ルークに見惚れていたツムギも途端に顔が熱くなるのを感じる。初めてのGBBB世界、そして素晴らしい完成度のルーク。自分でも気づかぬうちにこの少年の言うような行動をしていたのだろう。途端に羞恥心に苛まれるなか、声をかけてくれた少年はフォローするように気さくに笑ってくれる。
「僕はタオ。こう見えてもGBBBBは結構プレイしてるんやで」
「俺の名前はツムギ。よろしくね」
タオと名乗る少年に応えるようにツムギも名乗る。挨拶もそこそこにツムギはタオに誘われるまま、黄色と赤、二機のプチッガイがコンシェルジュを務めているミッションカウンターへ向かう。
「よかったら一緒にミッションせぇへん? 初めてのプレイなら僕が色々とアドバイスできると思うで。な、そうしよ? うん。よっしゃ決まりや!」
なんとタオからミッションの誘いを持ち掛けてきてくれた。タオの言うように初プレイであれば経験者であるタオが付いてくれるのは心強いだろう。願ったり叶ったりではあるが捲し立てるように決めてしまうタオに少しだけ頬が引きつってしまう。しかしそんなツムギの様子に気付いていないのかタオはそのままミッションを受注する。
「っとその前にガンプラの操作方法は大丈夫?」
「うん。GBBBBは初めてだけどガンプラバトルはやってたからその辺は大丈夫だと思うよ」
「良かったわぁ。あっ、そうだ。GBBBには自分のガンプラの挙動とかを確かめられるテストモードがあるんやで。必要やったら確かめてみてや」
自分の勢いに話を進行してることに気づいたのか、我に返ったようにガンプラバトルの操作法について尋ねるがツムギはその辺りの説明は特に問題ないようだ。安心したようにふと息を漏らしながらタオはついでとばかりにガンプラバトルのテストモードについての説明を行う。自分のペースで進めてしまう強引さはあるもののアドバイスしたいという想いは本当のようだ。
そんなタオの人柄を理解しながらツムギはタオの動きに倣いながら立体コンソール画面を表示させる。マイルームへのワープ機能やメッセージ管理をするメッセンジャーなど様々な項目がズラリと並ぶなか、その中からハンガーの項目をタップするとツムギとタオはロビーから転移した。
・・・
ツムギとタオが移動したのはさながら格納庫を思わせるガンプラハンガーであった。ミッション開始前は必ずこのハンガーを経由して出撃する決まりだ。何故ならこの格納庫内の各ハンガーにはプレイヤーであるビルダーが手がけたガンプラのデータがそれぞれのハンガーに収められ、出撃の時を待っていたのだ。
「僕はご覧の通りのSDガンダム使いや。君のガンプラは……」
今、ガンプラハンガーに同じミッションを受注したツムギとタオのガンプラが主を待っている。ツムギはタオのガンプラを確認してみればタオが口にするようにSDガンダムであるコマンドガンダムのガンプラをベースにカスタマイズしたであろうタオSDカスタムの名のSDガンダムがいた。当然ながら愛着もあるのだろう。タオSDカスタムを見つめる瞳は輝いて見える。
とはいえ今回はタオだけではなくツムギもいる為、連携の事も考えてか、タオはどんなガンプラを持ってきたのだろうとタオSDカスタムの隣で待機しているツムギのガンプラへ視線を向ける。
「ガンバレルストライクをベースにしとるんか」
「うん。今日漸く完成したんだ」
「それでそのままGBBBBデビューかぁ。なら早速、あのガンプラを動かしたくて堪らないんとちゃう? 無駄話をしとる暇はないね!」
ツムギのガンプラはストライクガンダムにメビウスゼロの主兵装である4基の有線誘導式無人機ガンバレルをストライカーパックとして装備したガンバレルストライクガンダムをベースにカスタマイズを施したトリコロールカラーのガンプラであった。
自分の出かけたガンプラには思い入れもあり、並々ならぬ感情があるのだろう。無自覚に自身のガンプラへ熱い視線を送るツムギの想いを汲んだタオは話もそこそこにコンソール画面を表示させると2人はミッションスタートボタンをタップしてそれぞれのガンプラのコックピットへ転移する。
MSのコックピットをより簡易的にしたような操作スペースの中で前面のモニターにはカタパルト画面が表示れており、前方の何重ものハッチが次々と開放されていた。
「待ちに待った時が来たんだ……」
一つ、また一つハッチが開いていくのに呼応するようにツムギの鼓動も速くなっていくのを感じる。自分はずっとこの日を楽しみにしていたのだ。
GBBBBに向かう前、ユウヒから送られた言葉を思い出す。楽しんできてね、と優しく見送ってくれた。改めてあの言葉に応えるように嬉しそうな笑みを零す。
「行こう、ストライクブレイザー!」
声を高らかにツムギは自身のガンプラの名を口にする。ガンバレルストライクをベースにカスタマイズしたガンプラであるストライクブレイザーは呼び声に応えるように加速力を持ってミッションステージに飛び出していくのであった。
ガンプラ名 ストライクブレイザー
元にしたガンプラ ガンバレルストライクガンダム(ガンダムブレイカーver.)
RIGHT LONG RANGE WEAPON MA-M21KF 高エネルギービームライフル
LEFT LONG RANGE WEAPON MA-M21KF 高エネルギービームライフル
RIGHT CLOSE RANGE WEAPON ビームサーベル
LEFT CLOSE RANGE WEAPON ビームサーベル
HEAD ストライクノワール
BODY ガンバレルストライクガンダム(ガンダムブレイカーver.)
RIGHT ARM ガンバレルストライクガンダム(ガンダムブレイカーver.)
LEFT ARM ガンバレルストライクガンダム(ガンダムブレイカーver.)
LEGS ビルドストライクガンダム
BACKPACK ガンバレルストライクガンダム(ガンダムブレイカーver.)
機体色はゲームのプリセットにあるヴィクトリーガンダムカラーで統一