ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
「凄いですね、ユカさん……」
ユカとのミッションに臨むツムギ。ミッションのステージに選ばれたのは不気味なほどにその存在感を示す月が見える森林ステージであった。2機のガンプラが月光に照らされるなか、ツムギはユカの操作技術を見て感嘆とした反応を見せる。
普段は飄々としているユカ。そのバトルスタイルもバルバトスを駆使しているだけあって苛烈な時もあるが、反撃の糸口になるような隙もなく気付けば懐に飛び込んで相手を確実に撃破している。
「まあ、これでも世界一のボッチの妹だしね」
「アマミヤさんのバトルは映像でしか見たことないですけど、圧倒的な機動力で相手を翻弄するスタイル……。今見ても目で追えませんし、それを乗りこなすんだから流石ですよね」
「普段はのそのそどん臭い癖に不思議なもんだよ」
アマミヤ・イチヤはかつてガンプラバトルの世界大会に出場した。ウイルス事件もあったが結果として世界一の称号を得たと言っても良いだろう。憎まれ口は叩いていてもそんな兄が誇らしいのだろう。ツムギの言葉に満足そうな笑みを見せる。
「どんな人なんですか?」
「んー……」
何気なくその人柄を尋ねてみると少し迷ったような素振りを見せながらも、やがて一度目を瞑ってゆっくりと半開きの気だるげな眼を作る。
「ユカさん?」
「……」
「えーっと……聞こえてます?」
「……聞こえてる」
「良かった。えっと、なにかありました?」
「……別になにもないけど。陰気だって言いたいの?」
「え、えぇっー……」
飄々としているが人当たりは良かったユカが一転してボソボソとした喋り方になるし、言葉はどこかぶっきらぼうなものになってしまう。そのあまりの豹変っぷりには流石のツムギも戸惑いを隠せない。
「イッチはこんな感じだよ。基本的に捻くれてんだ」
ここでユカは悪戯が成功したとばかりに意地の悪い笑みを見せる。どうやら彼女の知るアマミヤ・イチヤを真似たらしい。
「単に捻くれてるだけじゃないんだけどね。アイツはアイツなりに今まで出会ってきた人達から色んなものを受け継いで強くなった。GBBBBにいるんだったら今ももっと強くなってるよ」
一見すればあまり良い人柄にも思えないアマミヤ・イチヤだったが、ユカにとってはそれだけで済ませるような人物ではないのか、これまでの彼の軌跡を思い出しながらふと笑みを漏らす。
「……会ってみたいな。アマミヤさんに」
「ま、ハードルは低くしときなー」
ユウヒもアマミヤ・イチヤを高く評価している。彼を知る人物が軒並み高評価するアマミヤ・イチヤに俄然興味が出てきたのだろう。その言葉に嬉しそうにしながらもユカはアマミヤ・イチヤを茶化すように話す。
その時であった。不意にツムギとユカのコックピットにセンサーを通じてアラートが鳴り響く。同時に迫る連射されたビームに咄嗟にストライクブレイザーとバルバドスルプスノームは回避行動に入る。
「プレイヤー機みたいだね。やる気満々みたいだ」
満月を背にそのガンプラはこちらを静かに見つめていた。増加装甲パーツ・チョバムアーマーを装備したそのガンプラだが露出されている頭部の蒼いジムヘッドはこちらを静かに見据えると構えていたビームライフルの引き金を引く。続けざまに回避しながらユカは戦闘に入ろうとする。
「ならっ!」
途中参加型のミッションは何も協力だけではない。こうやってバトルに発展するのも珍しいものではないのだろう。ツムギは素早くガンバレルを展開すると4基のガンバレルはすぐさま対象を破壊しようと迫る。
蒼いジムはどうするのか。普通ならガンバレルを対処しようとするし、回避に専念しようとするだろう。しかし蒼いジムはそのどちらでもなかった。真っ直ぐとストライクブレイザーに狙いを定めて突っ込んできたではないか。
「狙いは俺かっ!」
バルバドスルプスノームに目をくれることなく突っ込んできた蒼いジムに350mmガンランチャーと94mm高エネルギー収束火線ライフルを放つも必要最低限な動作で避けられ、あっという間にストライクブレイザーに距離を詰められてしまった。
「っ!?」
両腕のビームライフルを放棄してビームサーベルで近接戦に臨もうとするが、懐に飛び込んだ蒼いジムはストライクブレイザーを両腕を自身の両腕でガッチリと掴むとバックパックのシールドのミサイルを放ち、損傷を与え、そのまま頭部バルカンも放っていく。
「離せッ!」
ガンバレルやバルバドスルプスノームがこちらに向かってはいるが、それでも今のままではまずいだろう。ストライクブレイザーは覚醒を発動させると強引に蒼いジムを振りほどき、ビームサーベルを引き抜く。普通のビームサーベルの出力では考えられないほど肥大化したビームの刃を文字通り叩きつけると蒼いジムは轟音を立てて吹き飛ぶ。
「──……やっぱり厄介だよね、それ」
吹き飛んだ影響で激しく土煙が舞うなか、蒼いジムを操るであろう女性の声が聞こえる。それはあまりにも冷たい声色だった。
「ブルーディスティニー1号機……! いや、アレックスをベースにブルーディスティニーの要素を組み込んだのか! ニュータイプ用モビルスーツをニュータイプ殺しのガンプラにするなんて……」
「ニュータイプを使って生み出されたシステムをニュータイプ用に作られた機体で動かす。きっと凄いものになると思わない?」
元々露出していた蒼いジムヘッドから予想はしていたが、覚醒の一撃を受けてチョバムアーマーが次々にパージされていき、そのガンプラの全容が明らかになる。
それはツムギの言うようにガンダムNT-1 アレックスをベースに蒼い死神の異名を持つブルーディスティニー1号機の要素を組み込んだブルーディスティニーエクストラという名を持つガンプラであった。それを操るアオバはツムギの言葉に反応しながらにっこりと笑う。
「私ね、覚醒の力はあってはいけないものだと思うんだ」
だが一転してアオバの声に凍えるような冷たいものが宿る。その瞳は冷淡に赤き輝きを放つ覚醒を見据えていた。
「選ばれた者だけが使える力……。ある意味では人類の革新ともいえる。でもさ、その力を持てない古い私達は新しいガンプラファイターである君達のその力に淘汰されていくしかないの? ガンプラバトルはみんな大好きなのにそんなのは良くないよね」
アオバは覚醒に対してあまり良い感情を持っていないのだろう。ガンプラバトルは長い歴史を持つ。だがその割には覚醒についていまだ判明していない事が多い。だが一度発動すればトランザムなどのステータスアップのスキルなど比べものにならない力を発揮するその力はそれを持たざる者の中には良い感情を抱けない者もいるかもしれない。
「だから覚醒をする者を私が裁く」
EXAM-SYSTEM
HYPER ASSOLT-MANEUVER SUPPORTED OPERATION-SYSTEM
STAND BY
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──蒼い死神
ブルーディスティニーエクストラのゴーグルが赤く染まり、その奥の2つのカメラアイが不気味にストライクブレイザーを見据える。覚醒者と断罪者の戦いの火蓋は切って落とされるのであった。
ガンプラ名 ブルーディスティニーエクストラ
元にしたガンプラ ガンダムNT-1 アレックス
RIGHT LONG RANGE WEAPON MA-M21KF ビームライフル(NT-1)
LEFT LONG RANGE WEAPON MA-M21KF 100mmマシンガン
CLOSE RANGE WEAPON ビームサーベル
HEAD ブルーディスティニー1号機
BODY ガンダムNT-1
RIGHT ARM パワードジムカーディガン
LEFT ARM パワードジムカーディガン
LEGS ガンダムNT-1
BACKPACK ジェスタ
BUILDERS PARTS ニーアーマーx2(両膝を覆うように)
180mmキャノン(バックパック右)
バルカン・ポッド(頭部)
機体色はゲームのプリセットにあるブルーディスティニー1号機カラーで統一