ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak   作:ウルトラゼロNEO

33 / 38
第三章 破壊者達の降臨
難題! マイスターからの挑戦状


 

「ブレイザーかぁ……。ガンプラバトルって不思議なことがたまに起きるけど、初めてだね」

 

 ブレイカーズ3号店。そこではガンプラ制作をする上での道具を買い足しにきたツムギがこれまでの経緯をユウヒに話していた。ガンプラバトルに長く関わっているだけあってユウヒも様々なことを見てきたようだが、それでもブレイザーについては説明できないようだ。

 

「今日もGBBBBに行くの?」

「はい! 最近、どんどん色んな人達と知り合えて刺激になってるんです」

 

 ふとこの後のツムギの予定を尋ねれば、やはり今日もGBBBBにログインするようだ。それはやはりGBBBBが刺激に満ちた場所であるからだろう。

 

「ユウヒさんとも遊びたいんですけど……」

「僕もツムギ君と遊びたいとは思ってるよ。時間を見つけられたらちゃんと連絡するからそれまでは良い子でいるんだよ?」

 

 多忙の身であるユウヒ。ユウヒがGBBBBにログインしたのも大分前のことだろう。それもツムギの様子を見に来ただけでミッションやジオラマ作りをした訳でもない。少し残念そうな顔を見せるツムギの幼い子供のような様子に苦笑しながらもまるで親が言い聞かせるようにウインク交じりに諭す。

 

「さて、と……。ん?」

 

 納得したのか、はい! と元気よく返事したツムギはこの後の予定もあってブレイカーズを後にする。手を振ってその姿を見送ったユウヒは業務に戻ろうとするが、ふと自身の携帯が鳴っていることに気付く。

 

「ショウさん……?」

 

 表示されている名前は始まりのガンダムブレイカーであるキサラギ・ショウ。時折連絡は取っているもののどうしたのだろうかとキサラギ・ショウからの連絡に対応するのであった。

 

 ・・・

 

「……最近、ブレイザーはどう?」

 

 ユウヒとツムギの会話から暫く。GBBBBのロビー広場にはリリンとツムギの姿があった。他のクラン・ブレイカーズのメンバーはいないようで2人だけで会話しているようだ。

 

「たまに力を貸してくれるよ。たまに、の理由は分からないけど」

「……そっか」

 

 ブレイザーが表面に出ている時に表れるあの青い炎のような光は覚醒の使い手であるツムギがいくら発動しようとしても出来なかった。あの光はブレイザー由来のものなのだろう。

 

 ブレイザーはミッションの度に表面に出てくるわけではない。何かきっかけがあって手を貸してくれるとは思っているがその理由までは分からなかった。

 

「──おーい、2人共! マイスターからの挑戦状の話、聞いた!?」

 

 普段、物静かなリリンもブレイザーが気になるのだろうか。そんな事を考えていたら、タオが何やら慌てた様子で走ってきた。

 

「……マイスター?」

「まあ、リリンは知らなくても仕方ないか。マイスターはGBBBBで最強のプレイヤーや。打ち立てた記録は数知れず! 大会も出ては優勝が当たり前! まさにその名に相応しい実力の持ち主なんや」

 

 ツムギは兎も角、リリンはマイスターの名前を聞いてもピンと来ないのか、首を傾げているとタオはマイスターのファンでもあるのか我が事のように語る。マイスターとは一般的に豊富な知識や高い技術を持つ専門家や職人を指す言葉である。タオの言うようにGBBBBにおいてもマイスターは一目置かれる存在のようだ。

 

「そのマイスターが考えた高難易度ミッションが期間限定で開かれてるんやって! 僕らも大分レベルアップしてきたし、ここでひとつ、このミッションで実力を試してみぃひん?」

「マイスター、しかも期間限定なんて言われたら挑戦しない理由はないよね。それにみんな、そのミッションをやろうとしてるみたいだ」

 

 マイスターが考えたという高難易度ミッション。既に高難易度と言われているだけあって簡単なミッションという訳にはいかないだろうが、それでもGBBBBを楽しむプレイヤーとしては挑戦したくなるというものだ。ツムギはそのままロビー広場を見渡す。

 

「このシゲちゃんが一緒にやるんだ! 大船に乗ったつもりで安心していいよぉ!」

 

 ロビー広場でもマイスターの高難易度ミッションの話題で持ち切りだった。中には以前、タオ達とバトルしたシゲの姿もあり、たまたま居合わせた面子でマイスターのミッションに挑戦しようとしているみたいだ。

 

「マイスターのミッション! やるっきゃない! 今、やるっきゃないよね!」

「分かった分かった。張り切って無暗に突っ込み過ぎるなよ」

「そうだよ。どうせなら3人無事にクリアしたいし」

 

 他にもユカの友人であるユウキが高難易度ミッションの概要を見て、背に炎が見えるほど戦意を見せると成長してもその真っ直ぐな勢いが衰えない妹の姿に苦笑しながらもロウヤとタカもミッション自体は楽しみにしているのだろう。3人はそのまま自分達のマイハンガーへ移動する。

 

「……2人がやりたいなら。私も習ったことを試してみたいし」

「よーし決定やな! 報酬もエエはずやし、そっちも期待できるやろ! マイスターの挑戦、受けて立つで! ふたりとも気合入れてや!」

 

 活気に溢れるロビー広場の様子に釣られて笑みを浮かべるツムギとタオ。2人ともこのまま高難易度ミッションを受けるつもりなのだろう。リリンとしてはどちらでも良いが2人の様子に参加を決めると、ミッションへの期待感が強まっているのだろう。ひと際テンションの高いタオは高らかに拳を突き上げる。

 

「……おー」

 

 少し間が置いて真似するようにリリンは拳を上げる。その間延びしたような声もあってか、タオはたちまちがっくりと肩を落とす。

 

「なんかさっきからメッチャ温度差あらへん!? まあ良いか……。ツムギもテンション上げてってや!」

「おー!」

 

 テンションが常に一定のリリンにツッコミを入れるが、リリンはきょとんとした顔を浮かべる。とはいえリリンのこういうところは最早、そういう性格なのだろう。指摘したところでキリがないが、このままでは締りが悪い。タオはツムギに振ると、期待通り声高らかに拳を突き上げてくれる。その姿に満足したタオは2人と早速ミッションへ向かうのであった。

 

「──……」

 

 上位クランルーム。そこは他のクランルームと違い、内装も豪華でロビー広場も一望できる。窓際でロビー広場の様子を静かに眺めているのはバイザーを装着し、外套となるマントを羽織った男性であった。

 

『バトンタッチさ。俺達が残したものをお前達の未来に繋げてくれ』

 

 ふと手袋をつけた右手を見やる男性。その脳裏には彼にとって友であり、兄のようでもあり、そして自分に多くのものを与えてくれた師でもある人物の言葉が過っていた。

 

「……そうだな。そうでなければ俺がここにいる理由もない」

 

 マントを翻しながら、クランルームのモニターを操作すると複数のウィンドウにマイスターの高難易度ミッションを挑戦しているプレイヤー達の様子が映し出される。その中にはクラン・ブレイカーズの姿もあり、今まさにミッションを始めたようだ。早速、現れる敵NPC機達との戦闘を開始したその姿を眺めながら、かつて受け継いだものを再確認するようにその右手を強く握るのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。