ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
「キサラギ・ショウさん……いざお会いできると思うと緊張します」
後日、キサラギ・ショウと会う事になったツムギは興味本位でついて来たナギサと共にユウヒの運転する車に乗って目的地へ向かっていた。ガンプラバトルにおいて絶対的な存在であるキサラギ・ショウと会う事もあってツムギは緊張のあまり生唾を吞んでしまっている。
「そう気張らなくていいよ。不思議な人だけど悪い人じゃないから」
ツムギの様子を横目に苦笑してしまっているユウヒ。付き合いが長い分、キサラギ・ショウとは取り繕って接する間柄でもないが、曲がりなりにも著名人と初めて接するともなれば緊張してしまうのは無理がないかもしれない。そんなツムギを他所に車はブレイカーズ本店へと到着した。
・・・
「ショウさーん、いますー?」
ガンプラバトルの歴史の生き証人であるキサラギ・ショウ。ガンプラバトルのみならず、コンテストなど幅広く活躍しているだけあって彼が経営するブレイカーズ本店は今日も多くの客で賑わっていた。そんなブレイカーズ本店の裏口から入ったユウヒはキサラギ・ショウを探す。
「……ここにいる」
ユウヒに続いてツムギとその袖に掴まるナギサは恐る恐る事務所に入ってキョロキョロと周りを見渡せば、ふと声をかけられる。
「……話には聞いているよ。初めまして、キサラギ・ショウだ」
不思議な人、ユウヒはキサラギ・ショウをそう評していた。それが今なら何となく分かる。少なくとも歓迎するように微笑んでいるがどこまでも吸い込まれるようなその瞳、ウルフカットの黒髪とその中性的な顔立ちも相まってまるで同じ人間と話しているとは思えないような神秘的な雰囲気さえも感じる。それがツムギとナギサが抱いたキサラギ・ショウへの感想だった。
「は、初めまして。イチノセ・ツムギです!」
「どもども。トオノ・ナギサでーす」
片や大好きなガンプラバトルにおいて絶対的な存在を目の前にしての緊張、片や著名人なのは知っているが、そこまで興味がなかったのか物怖じせずいつも通り明るく挨拶する。ツムギとナギサの挨拶は正反対のものだった。
「ブレイザー……だったかな? 俺で相談に乗れる事なら聞こう 」
「は、はい。よろしくお願いしますっ」
人数分の椅子を用意しながら座るように促すショウ。その静かな物腰に萎縮しながらもツムギはブレイザーにまつわる話を伝え始める。
・・・
「成る程……。そんな事が」
ブレイザーの存在、そしてストライクブレイザーに宿ったきっかけと思われる出来事、そしてAI周りの噂話などブレイザーに纏わる話を全て伝えるとショウは考えるように視線を伏せる。
「でも、何でキサラギさんを紹介してくれたんですか?」
「ショウさんもある意味、AIと戦ってきたようなものだしね」
しかし何故、今回、ショウを紹介してくれたのだろうか。ツムギの疑問にユウヒはショウが普段、仕事で使用しているデスクに置かれているパソコンの小さなサブモニターを見やる。
「GAIOS……。かつてガンダムグレードフロントで行われたバトルライブGでその土台になってくれたAI搭載型OSだ。これがあったからバトルライブGでガンプラが動かせたんだ。当時の開発者とは縁があってね。店を起こす時に俺が使っていたGAIOSを寄贈されたんだ」
そこには表示されているOSはなによりショウにとって原点ともいえる存在だった。バトルライブGから10年以上の時が経ち、寄贈され、店の経営のサポートをしてくれるGAIOSも最早型落ちでしかないがそれでもショウにとって手放すという選択肢はなかった。
「覚醒も最初はGAIOSの目覚めと言われていたな……。GAIOSはその後のガンプラバトルシミュレータ2.0以降は使われなくなったが、それでも覚醒だけは今なおプレイヤーに呼応するように目覚めている」
「ガンプラバトルのデータをスマホに移行できるようになってからはAIパイロットなんてのも一時期使えてたね」
「子育て支援を目的としたトイボットと呼ばれるロボットの試作品……いや、“ともだち”と共にガンプラバトルをする者達もいた。意外とガンプラバトルはAIとの結びつきは強いと言えるな」
ショウはかつてのバトルライブGでのPG Zガンダムとの戦闘中にZガンダムが仕様化されていなかったハイパー化したのに対抗するようにGAIOSは覚醒したのを思い出す。あれから10年以上の年月が流れたが、覚醒に関してはGAIOSが使用されなくなった今も謎が多い。するとふとユウヒはガンプラバトルとAIの結びつきについて触れる。当初はオールレンジ攻撃などをAIによって動かしていたが、時に形を変え、AIはガンプラバトルを支え続けてきたのだ。そんなユウヒの言葉に続くように自身が知っている例を口にする。
「……君のガンプラに宿っているのがAIかどうかは断言出来ないが……。実際に相対した方が何か分かるかもしれないな」
ふとショウは机の引き出しからGBBBBゴーグルを取り出してツムギと向き直る。
「俺とバトルをしてくれないか」
その言葉に心臓が跳ね上がるような感覚がした。ガンプラバトルにおける伝説的存在であるキサラギ・ショウからまさかバトルの提案がなされるとは思わなかったのだ。
「少なくともブレイザーはバトル中に現れている……。俺とバトルをして出てくるかは分からないが、話だけ聞いているよりは分かることもあるだろう」
「そんなこと言って、ツムギ君とブレイザーとバトルしてみたいだけじゃないの?」
「否定しないさ」
バトルの理由を明かすショウだが、どこかからかうような笑みを向けてくるユウヒに微笑をもらす。
「俺こそ是非お願いします!」
「決まりだな。問題ないようならこのままGBBBBにログインしよう。一応、俺もアカウントだけはあるからな」
ショウとのバトルの機会を逃す手はないだろう。ユウヒと同じように頻繁にGBBBBにログインしていないショウだが、アカウントは持っているようだ。するとその場にいる4人は各々GBBBBへのログインを始める。
≪Never give up!≫
ツムギがGBBBBゴーグルを装着しようとした瞬間、ショウのパソコンのサブモニターに文字と共に電子音声が流れる。GAIOSによるモノだ。ガンプラバトルの始まりを支えたGAIOSの激励を受けながらツムギはGBBBBにログインするのであった。
・・・
「おい、あのキサラギ・ショウがバトルするらしいぞ!」
GBBBBはかつてない程、賑わっていた。それはガンプラバトルにおいてのレジェンドの1人であり、始まりのガンダムブレイカーが珍しくGBBBBでバトルをすることに他ならなかった。こんな機会、滅多にないと観戦モニターの前では多くのプレイヤーが集まってきていた。
「……何だか凄いことになっちゃったな」
「気にすることはない。君は君らしくぶつかってくれば良い」
覚醒の使い手となった事で注目される事が多かったツムギだが、これまでの比にならない程の注目が集まって緊張してしまっている。そんなツムギの緊張を少しでも和らげるようにショウはそう言い残すと自身のマイハンガーへ向かっていく。本当にアカウントだけしか持っていないようでショウのアバターの外見は現実のものそのままで服装も私服のままだった。
「……どこまでやれるか分からない。でも全力で行こう、ブレイザー!」
ショウに続くようにツムギもマイハンガーへ移動し、ストライクブレイザーに乗り込む。ショウにどれだけ通用するかは分からない。それでも例えブレイザーが出てこなかったとしてもこの経験を無駄にしたくなかった。そんな想いと共にツムギとストライクブレイザーは出撃していく。
「……キサラギ・ショウ、ガンダムブレイカーMk-II出る」
ショウはガンダムMk-IIをベースにカスタマイズされたガンプラのコックピットの中で閉じていた目をゆっくり開く。緊張していたツムギとは正反対のまるで静かな水面のようだ。ポツリとこぼすようにショウもまた出撃するのであった。
ガンプラ名 ガンダムブレイカーMk-II
元にしたガンプラ ガンダムMk-II
RIGHT LONG RANGE WEAPON ビームライフル(ν)
CLOSE RANGE WEAPON ビームサーベル
HEAD ガンダムMk-IIエゥーゴ仕様 バルカンポッド装備
BODY ペイルライダー
RIGHT ARM Hi-νガンダム
LEFT ARM Hi-νガンダム
LEGS ガンダムMk-IIエゥーゴ仕様 バルカンポッド装備
BACKPACK 百式J
SHIELD シールド(Mk-IIエゥーゴ仕様)
BUILDERS PARTS スラスターユニットx2(両脹脛部)
カラーリングはプリセットのガンダムMk-IIエゥーゴ仕様 バルカンポッド装備