ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak   作:ウルトラゼロNEO

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新たなガンダムブレイカー

 

「バトルをして感じたが、ブレイザーは君の純粋な強い想いに応えている印象を受けたな」

 

 ブレイカーズに戻ってきたツムギ達。先程のバトルを振り返ってショウはブレイザーへの印象を語る。ツムギの自分のガンプラが一番強いんだという子供のような純粋な想いにブレイザーが応えたように感じられた。

 

「純粋なまでの強い想い……。言葉にすれば大したように感じられないが、ブレイザーを引き出す為にその想いを表そうとしても難しいだろう」

「そう、ですね。変に意識したら、それこそブレイザーは手を貸してくれる気はしません」

 

 ブレイザーは毎回、ツムギに手を貸してくれる訳ではない。だがショウの言うように振り返ってみるとブレイザーはいつもツムギが何か強い想いを露にする時に限って力を貸している。ブレイザー目当てに意識するような事は欺瞞のように感じるし、何よりそんな事をしても見抜かれて却ってなにもしてくれだろう。

 

「大丈夫だよ。ありのままのツムギ君である限りはきっとブレイザーはツムギ君の味方をしてくれる筈だよ」

「そうだよ。ノセの事が気に入らないならとっくの昔に出てってるでしょ」

 

 ツムギをフォローするようにユウヒとナギサが笑いかけてくれる。2人の言うようにブレイザーは派手なリアクションこそしないが今のツムギに応えているし、何よりブレイザーがストライクブレイザーに留まっているのにはツムギを悪く思っていないからだろう。

 

「ツムギ君はブレイザーをどう思っている? 信じられるか?」

「勿論です! ブレイザーが結局、AIなのかは分かりませんけど……でも全てを越えていける……。どこまでも行けるってブレイザーを感じる時はそう思えるんです!」

 

 改めてツムギ自身のブレイザーへの想いを確認するショウ。だがそんな問いかけは愚問であると言うかのようにツムギは即答して力強く断言する。

 

「そうか。なら君はそのまま進んで行けば良い。眩い未来へ手を伸ばしていけ」

≪Good luck!≫

 

 ツムギの返答に満足そうに微笑んだショウはデスクに腰かけながら鼓舞すると、ショウに続くようにGAIOSも激励を送ってくれる。

 

「──ショウさん、戻ってきてます?」

 

 不思議と温かな空気が場を満たすなか、裏口の扉が開き、2人組が入って来る。2人ともツムギやナギサと年齢が近いように感じられるが、1人は赤ん坊を抱えていた。

 

「すまないな。面倒を押し付けて」

「こんな事で良いならいつでも」

「って言ってるけど、程々にしてくださいよ」

 

 渡された赤ん坊を受け止め、あやしながら2人に礼を言うと一方は快く対応してくれるが、もう一方はやや不満そうな反応を見せ、ショウも分かっているさと苦笑する。

 

「キサラギさんってお子さんいたんですか?」

「亡くなったこの子の両親は知り合いでね。どうにも放っておけなくて引き取ったんだ」

 

 ショウの子供、と言うにはそもそも面影どころか金髪やグレーの瞳など人種から違う気がする。思わずナギサが聞いてみると、ショウはこの赤ん坊を引き取るまでに色々な事があったのだろう。その表情は少し複雑そうに感じられた。

 

「一応、紹介しておこう。この子はラグナ。ラグナ・ウェインだ」

 

 ショウは赤ん坊の名を口にする。ラグナと言われた赤ん坊は無邪気な笑みを見せるが、赤子でありながらどこか獅子のような気品さえ感じた。

 

「ユウヒさんも久しぶりです」

「うん、久しぶりだね」

 

 そんなやり取りをしているとふと赤いジャケットを着用していた背中まで届く茶髪をポニーテールに纏めた中性的な顔立ちの青年がタイミングを見て、ユウヒに声をかける。知人なのだろう。ユウヒは2人組にそれぞれ目線を配る。

 

「ツムギ君達にも紹介するね。まずは赤いジャケットの方がマトイ・タツヤ君。そしてもう1人はマトイ・アヤト君。双子の兄弟なんだ」

 

 この機会にとばかりにツムギ達に2人組を紹介するユウヒ。顔立ちが似ていたことから何となくそう思っていたが、どうやらこの2人は兄弟、しかも双子らしい。

 

「改めてマトイ・タツヤだ。学生だけど普段は実家の喫茶店を手伝ってる。セレクトḾって言うんだけど良かったら来てくれ」

 

【挿絵表示】

 

 ポニーテールの青年、マトイ・タツヤは実家の喫茶店の宣伝もしつつ気さくに挨拶してくる。ラグナもショウに渡すまでは彼が抱えており、しっかりとした真面目な青年であるような印象を受ける。

 

「んでその弟のマトイ・アヤト。よろしく」

 

【挿絵表示】

 

 そしてもう一方の腰まで届くようなオレンジがかった茶髪の青年も簡潔に自己紹介する。タツヤほど社交的な印象は受けず、マイペースな印象を受ける。

 

「そしてこの2人はガンダムブレイカーでもある」

 

 締めくくるようにショウが放った言葉にツムギが大きく驚く。ガンダムブレイカーはこの場にいるショウとユウヒを含めた4人。そして残った2人のうち1人はアマミヤ・イチヤであり、少なくともツムギが知る限り、ガンダムブレイカーの中で彼らと思われる存在はいなかった筈だ。

 

「正確に言えば2人で1人のガンダムブレイカーだな」

「あんなデカい名前、1人で背負ってらんないっつーの」

 

 補足するようにタツヤとアヤトは説明する。だがそれでも2人で1人のガンダムブレイカーとはどういうことなのだろうか。

 

「まあ、ビルドファイターズのセイ&レイジみたいなもんだよ。この2人はそれぞれガンプラは使ってるけど、この2人のガンダムブレイカーを使う時だけ一緒に操縦しているんだ」

「MAなど一部の複雑な操縦が要求されるガンプラは複数人で操縦するのも珍しい話ではないが、MSでそれをやるのは珍しいだろうな」

 

 そんな疑問に答えるようにユウヒとショウは話を引き継いで説明する。だがガンプラバトルの歴史の中でも全くいないという訳ではないだろうが、タツヤとアヤトがタッグを組んで戦うガンダムブレイカーの操縦スタイルは珍しいと言えるだろう。

 

「それだけアヤト君が作ったガンダムブレイカーは凄い出来なんだよ。多分、制作技術は歴代ガンダムブレイカーでトップなんじゃないかな。うちのお店にも時々、作品を持ってきてくれるんだよ。ほら、前にコンテストやったでしょ。あれで優勝したのもアヤト君」

 

 ガンプラバトルにおいてガンプラの性能はその完成度に比例する。故に原作でどれほどチートと言われたガンプラでも精巧に組み立てられた量産機に手も足も出せずに屠られる事もある。少なくともタツヤとアヤトのガンダムブレイカーはアヤトが制作したようだが、ショウをも上回る制作技術という話に先程まで戦っていたツムギは驚くし、何より以前のコンテストで惜しくも2位だった事もあり、その優勝者が目の前のアヤトである事にも驚く。

 

「──ごめーん、電話してたら遅れちゃったー!」

 

 すると再び裏口の扉が開き、1人の少女が慌ただしくこの場に乱入してくる。

 

「わわっ、知らない人達だっ。ねーねー、タツ兄とアヤ兄の知り合い?」

「その前に挨拶だろ、ヒマリ」

 

 少女はふとツムギとナギサの存在に気付き、誰だろうとタツヤとアヤトを見やると困ったようにため息をつきながらタツヤは注意する。

 

「そうだったっ! マトイ・ヒマリです! ハッピーなこと大好きなマトイ家の末っ子ですっ!」

 

【挿絵表示】

 

 タツヤとアヤトと同じく翡翠色のクリッとした瞳と赤いリボン装飾が施されたカチューシャが特徴的な少女は両手にピースサインを作りながら元気いっぱいに挨拶してくる。その後、ツムギとナギサも自己紹介をする。

 

「この3人はマイスター・アインのクラン……アルティメイトフォースゼロのメンバーでもある。何れ君達ともぶつかる時が来るかもな」

 

 今日何度目の驚きだろうか。新たなガンダムブレイカーの存在にとどまらず、一方は優れた作品によってツムギを負かしてコンテストを優勝した存在。挙句の果てにはマイスター・アインのクランのメンバーでもあると言うのだ。

 

「まっ、ガンダムブレイカーの名を受け継いだ時にショウさんから紹介されて入れてもらっただけだけど」

「ヒマリも入れてもらってるけど、どっちかっていうと見習いって感じなんだよねー」

 

 補足するようにアヤトとヒマリが説明する。マイスター・アインのクラン入りもショウの紹介あってのようだ。とはいえそれに見合うだけの実力や期待感があるから入れたのだろう。

 

「話を聞いてると君達もGBBBBにいるのか。なら向こうで会った時はよろしくな。俺達の色に染め上げたガンプラで全力でぶつかるから!」

「ええ、バトルになるようでしたら俺だって負けませんよ!」

 

 締めくくるようにタツヤは気さくながらも力強く口にする。ガンダムブレイカーの名を受け継いだだけあり、それだけの自信があるのだろう。だがツムギもツムギで自信は持っている。見えない火花が散る中、今日は解散となり、ツムギとナギサはユウヒの車で帰路につくのであった……。




マトイ3兄妹は筆者のガンブレモバイル小説ガンダムビルドモバイル Puzzle G/Bのダブル主人公とオリジナルヒロインでした。該当小説は当時、原作ゲームもプレイできない程、多忙になってしまい気付けば原作ゲームもサ終してしまい未完の小説となってしまいました。当時の読者様には申し訳ないという気持ちはありつつ、せめてあの小説を少しでも活かしたくて本小説に登場させた流れとなりました。

ただ本小説に登場させるに辺り、設定は変更しているのでパラレルの存在と思っていただければと思います。
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