ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
「よし、これでクラン戦初勝利やね!」
GBBBBロビー広場。バトルを終えたクラン・ブレイカーズはイベントの華々しいスタートを切るような見事な勝利に喜びを分かち合っていた。
「どうだい、俺の活躍見てくれた?」
「口だけじゃなかったみたいだね。中々やるじゃない」
元々の目的もあってか、浮ついた様子で女性陣の反応を探るマシマ。性格は兎も角、クレインクインの完成度やマシマの実力は本物であり、これにはリンも素直に認める。
「このくらい、俺にとっちゃ造作もないさ。これからも任せてくれよな。次こそはお嬢達と一緒に……」
「ふふふ、それは考えさせてください」
マシマの実力は本物だ。それはバトルを見ていれば分かるし、本人も自負しているところだ。今回は男性陣での出撃となったが、ゆくゆくは女性陣との出撃を夢見るマシマだが、この手の手合いは慣れているのか、シーナはさらりと流す。
「おう、よろしくな!」
「……今のは体よく断られたんとちゃうの?」
「だとしても考えてくれるだけ進歩してるってもんだろ?」
どう見ても社交辞令のような反応だったが、マシマは大きくガッツポーズを作っている。とはいえ、本当にそれで良いのかとタオはツッコミを入れるが、マシマはどこまでもポジティブなのだろう。満足そうにニカッと快活に笑っている。
「リリンちゃんもよろしくな。クランの一員として一緒に頑張ろうぜ!」
「うん、よろしく。マシマ」
マシマは自分から声をかけていくタイプでもないリリンにもすかさず声をかけ、リリンらしいマイペースな挨拶が返って来る。ナンパ目的な人間ではあるようだが、チーム全体を見渡す能力は備えているようだ。
「実力は申し分ないんだけど、なんか信用ならないんだよね……。まずはその軽口を直してほしいんだけど」
「ははっ、これは手厳しいな。けど、気の強い子も俺は好きだぜ」
「なっ、なに言ってんの! 変なことばっかり言ってるとクランから追放しちゃうからね!」
実力そのものは認めるが、どうにもナンパ癖があってか、今一信用しきれていない様子のリン。しかしその程度の発言ではへこたれる事すらないのか、ウインク交じりに軽口を叩く。とはいえ、この手の発言自体、リン自身も慣れてはいないのか照れたように頬を染め、動揺した素振りも見せながらもすくに顔を顰めて脅しの言葉を吐く。
「おっと、折角お仲間になれたのに追い出されちゃ世話ないな。じゃ、俺はボチボチやらせてもらうからよ。これからもよろしくな!」
とはいえ流石のマシマも追放されては元も子もないのか、この辺りが引き際かと思ったのか、軽く手を上げるとそのままクラン・ブレイカーズから満足そうに去っていく。
「めっちゃ逞しいやん……。ガンプラの腕もやけど、あのタフさも見習いたいわ。なあ、ツムギ」
「そうだね……。人生経験の差なのかなぁ……」
マシマの背中を見送りながら性格は兎も角、へこたれないあのタフさは一目置けるのか、タオとツムギはぼやくように苦笑する。一先ずイベントにおけるクラン戦も初勝利を迎えたクラン・ブレイカーズは解散する。
・・・
リン達と別れたツムギは1人、クラン戦の映像を眺めていた。情報収集もあるが、色んなプレイヤーが手掛けたガンプラを見るのはそれだけで楽しかった。
「ツムギ君」
そんなツムギに声をかけてきた存在がいた。チラリと見てみれば、そこにはユウヒとナギサの姿があった。
「ユウヒさん!? お仕事だったんじゃ……」
「さっき終わったんだよね。GBBBBのフレンド画面を確認してみたらツムギ君がログインしてたみたいだから顔を見に来たんだよ」
ユウヒは今日、シフトが入っていた記憶があるがどうやら退勤後、ログインしてきたようだ。ユウヒもツムギと遊びたいと言っていたのは本心ではあったのだろう。時間が被ったタイミングを逃さずにログインしてきてくれたようだ。
「ナギサさんもいるんだよなぁ。もっしもーし?」
「も、勿論気付いてたよ。それよりユウヒさんと一緒だったんだ」
「まあ、言ってもさっきそこで会っただけだけど」
とはいえ真っ先にユウヒに反応して自分に反応しなかったのは不満なのか、ツムギを耳たぶを掴んでその耳に声を張るナギサ。たまらず距離を置きながらもナギサとユウヒの組み合わせを珍しがると、どうにもツムギに会う前に偶然鉢合わせしたらしい。
「──おい、アルティメイトフォースゼロのバトルが始まるらしいぞ!」
するとロビー広場が慌ただしくなっていくのを感じる。絶対王者であるマイスター・アイン。そのマイスターがリーダーを務めるクランであるアルティメイトフォースゼロのクラン戦が始まろうとしているのだ。
「マイスターの他にタツヤ君とアヤト君もいるみたいだね」
大型モニターに表示されているアルティメイトフォースゼロのクラン戦を見やるユウヒ達。荒野をステージにアルティメイトフォースゼロ側はマイスターのガンダムルークが先陣を切り、僚機には其々、赤と青を基調としたカラーリングのガンプラの姿があった。
・・・
「ショウさんが推薦してくれたんだ! 恥をかかせるわけにいかないよな、アヤト!」
タツヤが操るガンプラはビルドストライクガンダムをベースにカスタマイズした紅蓮の炎のような赤いカラーリングが目を引くガンダムソラーレ・ロッソだ。ゴッドガンダムやシャイニングガンダムのパーツを取り入れ、左腰には打刀と近接特化型の印象を受ける。
「暑苦しいよ、タツ兄。そういうの思っててもわざわざ言う必要ないって」
一方、アヤトが操るのはインパルスガンダムをベースにカスタマイズした紺碧の海のような青いカラーリングのガンダムルーナ・ブルだ。両肩には両肩には高性能センサーが装備されており、ロングバレルのビームライフルと脚部のレールガンやバックパックのフィンファンネルとソラーレRとは打って変わって遠距離戦をメインにした印象を受ける。
ソラーレRはバックパックの6枚の放熱フィンを展開するとエネルギーを放出して相手クランへ一気に距離を詰めていく。ガンダムルーク程の機動力ではないが、それでもその加速力は驚かされるがむざむざ近づける気はない。相手クランのガンプラはソラーレR目掛けて射撃の嵐を見舞うが……。
「なにっ!?」
「俺の弟、凄いだろ」
ソラーレRは無傷だ。何故ならばルーナBのフィンファンネルがバリアを展開してソラーレRへの干渉を防いでいるから。これによって勢いを殺さずに密集していた相手クランのガンプラの中に飛び込むとタツヤは自慢げに笑みを漏らしながら怒涛の格闘戦を見せる。
「そんなんじゃタツ兄は堕とせないけど……やることないってのもアレだしね」
まさにソラーレRの独壇場だ。アヤトが天才的なビルダーならタツヤのファイターとしての才は天性のものなのかもしれない。このままソラーレRに任せていても良い気はするが、ルーナBは右肩の高性能センサーにビームライフルを直結させると鋭い狙撃によって相手クランを追い込んでいく。
「きょ、距離を! 距離を取るんだ!」
「待て、それよりもマイスターはどこにいるんだ!?」
手も足も出ない状況にパニックになりながらもソラーレRから距離を取ろうとする相手クランの面々。しかしここでマイスターのガンダムルークの姿がない事に気付く。
だがその時にはもう遅かった。センサーが接近する何かを知らせたかと思えば、既に相手クランのガンプラは全て撃破されたのだ。
「……よくやったな、2人とも」
ガンダムルークだ。背後で爆発が起きる中、合流してきたソラーレRとルーナBに賞賛の言葉を贈る。
「美味しいところ持ってかれた気もするけどねー」
「こら、アヤト! 先達を立てるのも大事なんだぞ!」
「それ聞こえるところで言ったら意味なくない?」
あのままソラーレRとルーナBでも結果は出せただろう。何気なく文句を口にするアヤトにタツヤはすかさず注意するが、自分が言えたことではないとは思いつつも目の前にその先輩がいる状況で言う事かと呆れてしまう。そんな双子のやり取りに思わずマイスターは笑みを零しながらもバトルを終えるのであった。
・・・
「凄い……」
アルティメイトフォースゼロのバトルを観戦していたツムギの感想は誰しもが思ったことだった。圧倒的なバトルに唖然とするなか、すぐに沸くようにバトルの感想でいっぱいになる。
「マイスターも凄いけど、やっぱりあの2人も凄いね。ビルドチェンジもうまく使えてるみたいだ」
「ビルドチェンジ?」
ユウヒはマトイ兄弟の実力におついても触れる。結果としてマイスターが全て撃破したがその前に既に流れを掴んでいたのはあの2人だ。だがユウヒの口にした単語の意味が分からず、ナギサは首を傾げながら反復する。
「ビルドチェンジはアヤト君が考案して作ったソラーレとルーナが纏うウェアパックだよ。全4種の装備を状況に合わせて使い分けてるんだ。そしてそのモチーフは彼らの先輩である僕たちガンダムブレイカーだ。ブルパックはショウさんの狙撃スタイルを活かしたガンダムブレイカーを元に、そしてロッソパックは2人目のガンダムブレイカーであるシュウジさんって人の奴が元だね。シュウジさんは武道の心得があったみたいでガンプラも格闘に特化したものだったんだよ」
「ガンダムブレイカーをモチーフにしたパック……ですか」
「そっ。僕達を参考にしながらも自分色に組み上げて戦ってる……。見てて面白いもんだよ」
4人のガンダムブレイカーをガンプラとその戦闘スタイルを元に作られた4つの装備にツムギが反応する。それぞれに特化した戦闘スタイルを使いこなせれば十分な戦果が挙げられるだろう。
「……」
改めて先程までのバトルを見て、一瞬だがなにか考えるように目を伏せるツムギ。
「……うん。今からミッションに行きたいんです。トオノ、それにユウヒさん、一緒にどうですか?」
その一瞬の動きをナギサもユウヒも見逃さなかった。その事について触れる前にツムギがミッションを誘うと2人は一瞬、アイコンタクトを交わしながらも断る理由はなかったのだろう。3人で出撃していくのであった。
ガンプラ名 ガンダムソラーレ・ロッソ
元にしたガンプラ ビルドストライクガンダム
RIGHT LONG RANGE WEAPON ビームハンドガン
LEFT LONG RANGE WEAPON ビームハンドガン
CLOSE RANGE WEAPON 拳法
HEAD ビルドストライクガンダム
BODY ガンダムパーフェクトストライクフリーダム
RIGHT ARM ゴッドガンダム
LEFT ARM ゴッドガンダム
LEGS シャイニングガンダム
BACKPACK ゴッドガンダム
BUILDERS PARTS 打刀(右腰)
カラーリングはプリセットのビルドバーニングガンダム
ガンプラ名 ガンダムルーナ・ブル
元にしたガンプラ フォースインパルスガンダム
RIGHT LONG RANGE WEAPON ビームライフル ロングバレル(ライトニングガンダム)
CLOSE RANGE WEAPON ヴァジュラビームサーベル
HEAD フォースインパルスガンダム
BODY インフィニットジャスティスガンダム
RIGHT ARM ライトニングガンダム
LEFT ARM ライトニングガンダム
LEGS フリーダムガンダム
BACKPACK Hi-νガンダム
BUILDERS PARTS 打刀(右腰)
カラーリングはプリセットのフォースインパルスガンダム