ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak   作:ウルトラゼロNEO

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あらすじにも書きましたが本作の時代設定は大きく変更していますのでご了承の程お願い致します。


それぞれの歴史は星のように

 

 GBBBBからログアウトしたツムギ。ふぅっと息を漏らしながらGBBBBゴーグルを外してみれば……。

 

「──ばあっ」

「うわあぁっ!?」

 

 ゴーグルを外した瞬間、視界いっぱいに至近距離のユウヒの顔が映り、ツムギは思わず声をあげながら椅子に座っていたというのに大きくのけ反ってしまう。

 

「ふふっ、おかえり」

「もうっ。驚かさないでくださいよ、ユウヒさん!」

 

 情けない声を漏らしたツムギの反応に悪戯が成功したとばかりにクスクスと笑いながらもGBBBBから戻ってきたツムギを改めて迎えるユウヒ。とはいえ流石に心臓に悪かったのか、ツムギは眉を顰めながらユウヒに文句を言う。ユウヒのことは手放しに尊敬しているが知り合ってからというもの、時折、こういったいたずらっ子のような側面を見せて翻弄してくる。

 

「……あれ、お店は?」

「もう閉店時間過ぎてるよ。もう締め作業も終わってるから待ってたんだ」

 

 ふとツムギは自分がGBBBBへ旅立つ前にユウヒが着用していたエプロンが今はないこと。何より店内は人の気配もなく静まり返った様子に気付いてキョロキョロと見渡していると何を言っているんだとばかりに店内の時計を指さしながら答える。見れば近くのテーブルにはユウヒが通勤で使用しているトートバッグがあり、店内の様子も相まってツムギだけを待っていたのだろう。

 

「ご、ごめんなさい!」

「気にしないでいいよ。そもそもここでプレイして良いって言ったの僕だし、折角のGBBBBデビューを水差す程、野暮じゃないつもりだよ」

 

 初めてのGBBBB、そしてタオやリンとの出会いとミッションに浮かれて時間を忘れてしまっていた。飛び出すように椅子から立ち上がってツムギは慌てふためきながら謝るが、その様子も面白いのか、ユウヒは笑顔を絶やさない。

 

「じゃあ送るからツムギ君も支度して」

「流石にそれは申し訳が……」

「遠慮する子は可愛くないよ。なら対価にGBBBBデビューの話聞かせてよ。それなら後腐れもないでしょ」

 

 普段、ユウヒは車での通勤をしているのだろう。リモートキーを見せながら帰り支度を促すと、ただでさえ待たせていたにも関わらず、家まで送迎までさせてしまうのうは気が引けるのだろう。しかしそんなツムギの様子もどこ吹く風か、裏口に向かいながらも肩越しにツムギへ気にするなとばかりにウインクする。

 

 ツムギからしてみれば自分のGBBBBでの話で釣り合いが取れるとは思えないが、これ以上はユウヒの気遣いを無下にしてしまう。観念したように帰り支度を済ませるとユウヒの後に続いてブレイカーズを出てユウヒの車に乗り込む。

 

 ・・・

 

「へぇ、クランまで結成したんだ。デビューにしてはかなり充実した内容だったんだね」

 

 まだ歩行者や行き交う車で賑わう夜の街を1台の車が走る。車内ではユウヒの好きなアーティストのものなのだろうか、このゆったりとした時間に合うような緩やかな楽曲が流れるなか、ユウヒはツムギからGBBBBでの顛末を聞いていた。

 

「その……ブレイカーズの名前を勝手に使っちゃったんですけど」

「まあ、僕は店長であってブレイカーズを命名した社長じゃないからね。でも良いんじゃない? “ショウさん"はそういう事、気にしないと思うし」

 

 クラン結成の命名の際、咄嗟に出てきたブレイカーズの名前を使用してしまったが、今にして思えば悪いことをしてしまった気がする。申し訳なさそうなツムギに対してユウヒは特に気にした様子はなくあっけらかんと答えながら、とある人物の名を口にする。

 

「ショウさん……。キサラギ・ショウさんですね」

「そっ。ガンプラやバトルをしている人の間じゃ有名人だよね。なんせガンプラバトルの歴史の生き証人みたいな人だし」

 

 ツムギもその人物については知っているのか、フルネームを口にするとユウヒは頷きながらも話はキサラギ・ショウについて流れていく。

 

「もう10年以上も前だよね。東京お台場で開催されたガンダム・グレート・フロント。ガンダムワールドがいま“現実”となるをテーマにした当時の最先端技術をつぎ込んだイベントの一環でバトルライブGっていうガンプラバトルの始まりとも言える催しが開催された。ショウさんはそこに参加して選抜プレイヤーに選ばれて、その後はガンプラバトルシミュレーター2.0のお披露目イベントでもあったガンプラワールドフェスタ2024にゲストとして参加……。その後は自分のお店であるブレイカーズを立ち上げて暫くガンプラバトルからは離れてたけど、6年前をきっかけにまたガンプラバトルでの活動を再開したんだ」

 

 キサラギ・ショウという人物はガンプラバトルの歴史の立会人といっても過言ではないのだろう。ユウヒも自分が知っている範囲の知識を口にするとツムギも頷く。

 

「6年前っていえば……」

「立て続けに宇宙エレベーターのウイルス事件があった年だね。僕がショウさんと知り合ったのもあの頃だったな。知ってる? ガンプラバトルでウィルス事件を解決したチームのこと」

「彩渡商店街ガンプラチームですね。俺はまだ小学生くらいでしたけど覚えてますよ。まさに世界を救ったヒーローでした」

 

 6年前というワードに思い出すものがあったのか、ハッとした様子を見せるツムギに頷きながらその年にあった事件を口にする。宇宙エレベーターを舞台にした事件はまだ今よりも子供だったツムギにとっても強烈なインパクトとして記憶に刻まれているのだろう。当時の記憶を振り返りながら答える。

 

「会ってみたいなぁ……。キサラギ・ショウさんも彩渡商店街ガンプラチームの人達も。ユウヒさんも含めて僕にとっては今でもヒーローですから」

「照れるね。まあでもいつか会えるんじゃないかな。ガンプラビルダーは引かれ合うものだし」

 

 今まで会話に出てきたキサラギ・ショウや彩渡商店街ガンプラチームにユウヒは面識があるようだが、ツムギにはない。ヒーローへの憧れを口にしながら目を輝かせるツムギにユウヒは苦笑しながらもいつかツムギが良い出会いを迎えられることの願いながら頷く。

 

「それじゃあ、おやすみ」

「はいっ、ありがとうございました!」

 

 楽しい雑談の時間もあっという間だ。ツムギの自宅近くに到着したユウヒはハザードランプを炊きながら停車するとツムギはシートベルトを外しながら感謝を伝える。

 

「そうだ、ユウヒさんも一緒にGBBBBに行きませんか? ユウヒさんともGBBBBを楽しみたいんですけど……」

「アカウントは持ってるから構わないよ。空いてる時間を後で送っておくから連絡ちょうだいよ。どうせだったらツムギ君のクランメンバーにも会ってみたいしね」

 

 ドアを開きながら折角だとばかりにGBBBBへユウヒを誘う。ユウヒも忙しい身の上だが、すんなりと了承してくれた。その事が嬉しくて目に見えてぱぁっと明るい表情を見せるツムギを微笑ましく思いながらユウヒはツムギが家に入るのを見届けてから帰路へつくのであった

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