ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak   作:ウルトラゼロNEO

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友情と恋とガンプラバトル

 

「クラン戦全勝とはいえ、課題も残ってるよね」

 

 リンとのミッションから数日。クラン・ブレイカーズのクランルームにはツムギ、タオ、リリンの姿があった。モニターに表示されているのは先日のクラン戦の数々。いくもの激闘を振り返って、ツムギはクラン・ブレイカーズの課題を洗い出そうとする。

 

「せやね。やっぱり強くなるには操作技術だけやなくてガンプラの強化も必要やないかな」

「いっそ新しいガンプラを作るのも有りだね。今の俺達だからこそ作れるものがある筈だし、もっと強くなれる筈だよ」

 

 ユーキも言っていたが、クランのランクが上がったことで今後出会うであろうクランはより強力なチームであろう。実力者に挑んでいくのであればバトルの技術を磨くだけではなくガンプラへも意識を向ける必要があるはずだ。

 

「……いいと思うけど、どうして強くならないといけないの?」

「え……? 何や藪から棒に」

 

 今後のクラン・ブレイカーズについて熱く議論を交わすツムギとタオ。その様子を傍からずっと見ていたリリンはふと疑問を零す。よもや強くなる理由を問われるとは思っていなかったのだろう。思わずツムギもタオも動きを止めてしまう。

 

「みんな、強くなりたいって言うから、どうしてかなって思って」

「うーん……。どう答えたらエエか難しいけど……」

「難しい……?」

 

 強くなる理由……。タオも答えようにも改めて理由を問われると中々言語化が難しいようだ。

 

「人によっても答えが違うやろうしなぁ。僕もそんなにハッキリ考えてはないし……。でも強いて言うなら……なりたい自分に近づくため……かな」

「なりたい自分に近づく……?」

「例えば……GBBBBで強くなったら勝てへんかった相手に勝てるようになったり、難しいミッションもクリアできるようになるやろ? そうやって強くなるとやれることが増えて理想の自分に近付いていく……。そんな感じちゃうかな?」

 

 タオなりの考えを導き出して手探りで答える。なりたい自分に近づくと言われてもリリンはピンと来ないのだろう。そんなリリンにタオなりの考え方を伝えていく。

 

「理想の自分……。じゃあリンがなりたいのは……」

 

 そう言ってリリンはツムギを見やる。以前のリンとのやり取りを覚えているのだろう。とはいえその事を知らないタオは勿論、ツムギ自身も視線の意味が分からずに困惑している。

 

「えーっと……話が見えへんねんけど、もしかしてなんかあった?」

「あったのは私じゃなくてリン。“もっと強くならないと”……って。悩んでるみたいにも見えた」

 

 リンの名前が出てきた事で何かあったのか聞いてみれば、リンの悩みがリリンの口から明かされる。

 

「……確かに最近のリンは妙に焦りを感じる時はあったけど……。そうだね。それこそ前、2人で一緒に行ったミッションなんかだと──」

 

 そう言ってツムギは先日のリンとのミッションを振り返る。リンがツムギを理想としているかはツムギ自身には分からない事だが、先日のミッションでのどんどん前へ進み、結果的に危機的状況に陥ったリンの様子など事細かに話していく。それに続くようにリリンもその後のリンとの同じ時期に始めたからこそのリンの焦りを打ち明ける。

 

 ・・・

 

「……成程ね。そんなことがあったんか。ツムギとの差をそこまで気にしていたなんて……」

「でも、リンは悩んでるって言わなかった。なぜ隠すの?」

「ホンマやなぁ。仲間なんやから言ってくれたら力になれるかもしれんのに」

 

 タオも改めてツムギとリリンからリンの悩みを聞いて、考えるように腕を組む。とはいえリリンからすれば悩んでいれば打ち明けてくれれば良いと思っているのだろう。それはタオも同じようで相談してくれるならいくらでも乗るつもりではいるのだろう。

 

「ただ、リンの気持ちも分からんくはないけどな。人は本音を言えへんこともあるモンやし」

「どうして人は本音を言えないことがあるの?」

 

 言葉にすれば簡単な事なのかもしれないが、全ての人間が器用に生きられる訳ではない。心に秘めた言葉というのはだからこそ中々表には出し辛いのだ。だがリリンにとってはそうではないのか、理解しかねる様子だ。

 

「そりゃあ、意地があるから……かな?」

「意地……?」

 

 意地があるから。それがタオなりの考えだったようだ。

 

「僕が言うのもなんやけど……。人ってつい意地を張ってしまうモンやしね。特にリンは意地っ張りやから、ツムギと対等にいたいって思ってるなら、なおさらそうなってまうのかも」

「……人って不思議」

 

 思わず意地を張ってしまう事も人間誰しもがあるだろう。リンの性分もあって余計についつい意地を張ってしまう状況に陥ってしまうのだろうとタオが分析するとそれでもピンと来ないのかリリンは首を傾げる。

 

「こういう時って周りが見えているようで見えなくなっちゃってるのかもね。変に進まずにふと立ち止まってみるのもアリかもしれないね」

 

 ツムギも自分なりの考えを話す。下手に思い悩んでしまうとどんどん視野が狭まっていき、袋小路に陥って良い結果が得られないかもしれない。いっそ立ち止まって見つめなおすのも一つの手だろう。

 

(……それにしてもリンがそこまで意識してるとはなぁ。もしかしてリンって……)

 

 ツムギの話を聞きながら改めてリンについて考えるタオ。タオはそこまで差というのを考えていなかったようだが、少なくとも周りが気にするレベルでツムギとの差を埋めたいと考えているのならば自ずと一つの結論がタオの頭を過っていく。

 

「……とりあえずマシマには黙っとこ」

 

 もしもタオが浮かんだリンのツムギへの感情が事実だとしたら、マシマが面倒な反応をするのは間違いないだろう。思わず口に出てしまうタオだが……。

 

「マシマがどうかした?」

「な、なんでもないで! こっちの話!」

「……? 何かタオも変だけど」

 

 今までの話の中で一切、関係のなかったマシマの名前が出たことでリリンが反応するが、慌ててタオが誤魔化す。とはいえあからさまな様子の変化にリリンはさらに追及しようとするが……。

 

「まあまあ。マシマさんの事は良く分からないけど、話のタネになってるリンはいないしね。この話はこの辺にして今後の課題の洗い出しに戻ろうか」

 

 更に追及されて慌てるタオを見かねたツムギも今の話の中で何故、マシマが出たのかは分からないが、当の本人であるリンがここにいない為、これ以上、この話をしていても仕方ないだろうと改めてクラン・ブレイカーズの課題の洗い出しに舵を戻し、話し合っていくのであった。

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