ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak   作:ウルトラゼロNEO

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希望の守り手

 

「会わせたい人がいる?」

 

 ツムギのGBBBBデビューから数日、クラン・ブレイカーズとしてミッションをこなしていたある日のこと再びツムギはGBBBBの世界に訪れていた。今日も今日とてタオとリンのクランメンバーとミッションをする予定だった。早速、ロビー広場で二人と合流したツムギの話に誰だろうとリンは首を傾げる。

 

「うん、そろそろ来るんじゃ──」

「ツムギ君」

 

 時間を確認しながら話すツムギだが、途中で聞き覚えのある声に呼ばれてタオ達と声の主を見やる。そこには先日、GBBBBに行くことを約束したユウヒの姿があった。

 

【挿絵表示】

 

 ユウヒのアバターの容姿自体は現実世界と然程違いないが、シニヨンヘアに纏めていた髪も腰まで垂らし服装は機動戦士ガンダム 水星の魔女の主人公であるスレッタ・マーキュリーがホルダーとして着用している白の制服を肩からかけており、そこに追加で被ってるハロを模したキャップも相まって元の作品とはまた違った印象を受けた。

 

「紹介するね、この人は……」

「ナ、ナナナ、ナグモ・ユウヒさん!?」

 

 軽く手を振りながらツムギ達と合流したユウヒ。そんなユウヒを紹介しようとした瞬間、驚愕のあまり口があまり上手く回っていないタオがフルネームを口にする。

 

「有名人?」

「有名も何もこの人はあの"ガンダムブレイカー"の1人やで!」

 

 あわあわと驚いているタオに反してリンは驚くどころかユウヒについて知らないようで首を傾げている。だがタオは知らないなんてとんでもないとばかりに答える。

 

「ほ、本物ですか?」

「一部のアイコンみたいになってるような人達のアバターは市販されてるみたいだけど、僕は違うね」

 

 とはいえここで我に返ったようにタオはおずおずと問いかける。GBBBBはアバターを使用する。であれば目の前のユウヒも本物ではなくなりきりの可能性も考えたのだろう。しかしユウヒはすぐに否定した事でタオは噛み締めるように喜びを露わにする。

 

「ねえ、ガンダムブレイカーって?」

「昔、ガンダム・グレート・フロントでガンプラバトルの雛形ともいえるバトルライブGってイベントがあったんだ。そこに参加していたキサラギ・ショウさんって方がカスタマイズしたガンプラの名前を当時所属してたガンダムブレイカー隊ってチームにあやかって命名したのが始まりだね」

 

 タオの反応からユウヒが名の知れた人物なのは分かったがタオが口にしていた肝心のガンダムブレイカーについては分からないままだ。リンはツムギの隣に移動しながら尋ねるとツムギはタオの言葉を引き継ぐようにガンダムブレイカーの説明を始める。

 

「ガンダムブレイカーは1人じゃない。キサラギさんに続くようにガンプラバトルの歴史の節目に1人、また1人と増えていって大会やコンテストで多大な活躍をしてどんどん有名になっていったんだ」

「それだけないで。GBBBBの雛形ともいえる新型シミュレータのαテストが6年前にあって、それがウイルスに感染した事件があったんや。そこで当時いた3人のガンダムブレイカーに続いて生まれた"4人目のガンダムブレイカー"がこのナグモ・ユウヒさんなんや!」

 

 キサラギ・ショウだけではなくタオが初めに口にしたようにユウヒもガンダムブレイカーだ。ガンダムブレイカーは一人ではなくガンプラバトルに留まらず、目覚ましい活躍をみせていったガンダムブレイカー達はいつしか下手なプロ以上の知名度を誇るようになった。そして何よりユウヒのガンダムブレイカーを語る上で外せないのはタオが話す過去の事件だろう。

 

「4人のガンダムブレイカーによって事件は解決。事件の首謀者も逮捕されたんだ。それからシミュレータも発展させてこのGBBBBに繋がったようなものなんだから、ある意味でユウヒさん達がいなかったら今のGBBBBもなかったかもしれないね」

「みんなが大好きなガンダムバトル。その希望を守ったっていう経緯もあってか、ナグモ・ユウヒさんはいつしか希望の守り手とも言われてるんや! 僕も当時、あのバトルの様子を見てたで!」

 

 ツムギもユウヒは憧れであり、だからこそユウヒの説明をする言葉にも熱が籠る。その説明に乗るようにタオも大きく頷きながらユウヒの二つ名を口にする。

 

「凄い人じゃない!? なんでそんな人がツムギと知り合いな訳?」

「縁があったんだ。それにユウヒさんは普段はキサラギさんが始めたブレイカーズっていうトイショップ、その3号店の店長をしていてお世話になってるんだよ。お店の利用者には道具の貸し出しやカスタマイズのプランニングにも協力してくれるからお陰で俺のストライクブレイザーも完成させる事が出来たんだ」

 

 説明を受けてまさに目を丸くしてして驚くリン。しかしそんな経歴の持ち主がなぜ、一見何の変哲もないツムギと接点があるのか疑問に思うのは不思議なことではないだろう。そんなリンの反応に苦笑しながらもその疑問に答える。

 

「って、ブレイカーズ?」

「あっ」

「アンタ、まさかそのお店の名前から取ったんじゃ……」

 

 だがリンはその前にブレイカーズの店名に引っかかりを感じたようだ。そう、リン達が結成したのはクラン・ブレイカーズであった。結成時は何とも思わなかったが、今の話を聞く限り、あの時、ツムギが特に考えず、咄嗟に出した名前であることを察したのだろう。間の抜けた声を漏らすツムギにリンはジロリとした視線を向け、いたたまれなくなったツムギは思わず視線を逸らす。

 

「でも同性の人に知り合えたのは嬉しいかも!」

「あっ、いや……ユウヒさんは男性なんだ。こう見えても」

 

 その後、簡単にタオとリンの自己紹介を済ませ、改めてリンはユウヒのすっきりと美しく整った顔立ちと華奢な体つきから同性のビルダーに会えたことを手放しに喜んでいたが、すぐさまツムギからその喜びに水を差すようで申し訳なさそうに訂正が入る。

 

「え、えぇっ!? も、もしかしてアバターだけ女の子にしてる、とか……?」

「そういう訳でもないんだよ……。コンテストやトークショーみたいなイベントにも頻繫に出てる人だから調べれば写真は出てくると思うけど、本当にこういう容姿なんだ」

 

 信じられないとばかりにユウヒとツムギを交互に見て、ある考えが頭を浮かぶ。オンラインゲームという特性上、異性のアバターを使用することはできる。しかしユウヒに関して言えばそういう訳でもなく、リンは言われたままネット検索をかけてみれば髪型こそ違うものの確かにアバターのユウヒは現実世界の外見そのままだった。

 

「うぅっ……女の子みたいな見た目なのに、なんだ男か……」

「残念。僕は男だよ。まあでもこうして紹介されると少しこそばゆいね」

 

 目に見えてがっくりと肩を落として嘆いているリンにこういった反応はすでに馴れっこなのか、ウインク交じりに言葉を返す。決してコンプレックスなどではないので殴りかかったりはしない。そんなやり取りも程々に一転してツムギとタオの説明に気恥ずかしそうな笑みを見せる。

 

「でも6年前の事件は実際、僕はそこまで大したことはしてないんだ。事件を解決したのは僕の先輩達である3人のガンダムブレイカー。特にその中で目覚ましかったのはThe 3rd(ザ・サード) アマミヤ・イt──」

 

 だがここでユウヒなりの訂正が入る。実際の事件でユウヒが活躍したのは事実ではあるが、彼にとってはそうは捉えていないようでそれよりも自身の先人、特にユウヒの一つ上の3人目であり、ガンダムブレイカーを冠したガンプラを使用して多大な活躍を見せた存在の名を口にしようとする。

 

《──GBBBBニュース、レコ、いっきまーす!》

 

 だがその名前を遮るようにロビー広場全体で明るい女性の声が響き渡る。4人が近くのモニターを確認してみれば、そこには少々きわどさを感じる服装の女性がマイクを握りしめて高らかに話していた。

 

 彼女の名はレコ。このGBBBBにてイベントの司会やニュースを伝える役目を負ったAIキャラクターだ。AIにも関わらずそれらしさは感じられず、寧ろその明るく親しみのあるキャラクターでイベントを盛り上げ、GBBBBのユーザーから広く支持されている。今回もGBBBBでのニュースを知らせるために配信しているようだ。

 

《本日の話題はコチラ! 「どこまで続くのか、マイスターの快進撃」です!》

 

 するとレコの隣に立体映像が現れ、そのままズームアップするとそこに映し出されていたガンプラバトルの映像がモニターいっぱいに映し出される。

 

 ステージは宇宙空間のようだ。星々が煌めくなか、クランを組んでいるあろう三機のカスタマイズガンプラが一転だけに集中砲火を浴びせようとしているようだ。どのガンプラも精密に作りこまれており、その一撃を受ければただでは済まないだろう。しかしそれは当たれば、の話だ。

 

 キラリと宇宙を裂くように噴射光が遠くに見えた。

 

 それを頭で認識したのも束の間、そのガンプラは一瞬で相手クランに迫っていた。バトルを見ているツムギ達でも思わず息を吞むのだから相対しているクランからすればその動揺は計り知れないだろう。さながらUFOのような直角飛行を見せながら一瞬で距離を詰めたガンプラは装備しているGNソードⅡロングの刀身をキラリと光らせたのも一瞬、すれ違いざまに相手クランのガンプラを撃破していたのだ。

 

 爆発を背にバックパックの翼を広げ、まるで覇王のように圧倒的な存在を示すガンプラの名はガンダムルーク。今、ツムギ達がいるロビー広場の中心に存在するガンプラ立像と同じガンプラであった。

 

《先日開催されたクラン対抗勝ち抜きバトルにて驚異の99連勝を記録したマイスター・アインのクラン。これで5大会連続での優勝となりました! GBBBBでは最早、敵なし! 一体、誰がマイスターを止めることが出来るのか!? GBBBB以前のサービスからランキング上位の常連ではありますが、そろそろマイスターを打ち破る新星の登場に期待したいところです!》

 

 圧倒的な活躍を見せたガンダムルーク。ガンプラ立像をツムギが見惚れていたがバトルに映るガンダムルークはそれ以上かもしれない。そのガンダムルークを手掛け、実際にバトルを行ったガンプラファイターであるマイスター・アインと呼ばれる存在の活躍をレコは熱く高らかに報じるのであった。




マイスター・ジンの扱いはどうするか悩みましたが、予想できる正体を考えてこうなりました。マイスター・ジンが好きな方には本当に申し訳ございません。

ガンプラ名 ガンダムルーク
元にしたガンプラ スターバーニングガンダム

RIGHT LONG RANGE WEAPON GNソードⅡロング ライフルモード
RIGHT CLOSE RANGE WEAPON GNソードⅡロング 

HEAD オオワシアカツキ
BODY ガンダム G-セルフ 大気圏用パック装備型
RIGHT ARM スターバーニングガンダム
LEFT ARM スターバーニングガンダム
LEGS スターバーニングガンダム
BACKPACK スクランブルガンダム
BUILDERS PARTS 追加装甲版x2(両肩の発光パーツを覆う位置)
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