ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak   作:ウルトラゼロNEO

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君達は希望の星だ

 

 ツムギとミスターのHLV防衛ミッションは順調に進んでいた。それは経験豊富なミスターの実力だけではなくツムギの成長も大きく関わっているだろう。

 

「やはり君は凄いな。見るたびに上達しているのが分かる。だからこそリン君も必死になって追いつこうと努力してるんだろう」

「そんな……。俺だって似たようなもんですよ。足踏みしていたら届きたい場所はどんどん遠ざかっていく気がするから全力で挑み続けているだけです」

 

 ただ闇雲に銃火器を使用するのではない。その場に応じた使い分けで無駄なくNPC機達を撃破しているのだ。その実力の子逗葉に思わずミスターが唸りながらもツムギを褒めると、ツムギは謙遜する。彼にとってこの短い期間でユウヒのみならず、ショウやタツヤとアヤトなどのガンダムブレイカー達の出会いやクラン戦が大きな刺激となっているのだろう。

 

「ふふ、そうか。一生懸命な人間は時に周りが見えなくなり、他者とぶつかることもある。それでも君が傍にいてくれるなら、きっとリン君も大丈夫だろう」

「そう……ですか?」

「なんだかんだ言ってもリン君は君の事を信頼しているようだからね」

 

 ツムギにもリンと同じ若さを感じたのか思わず笑みを零す。大丈夫、と言われるほど自分を評価していないのか、懐疑的なツムギに太鼓判を押すように答える。

 

「お疲れ様! 良い戦いだったよ!」

 

 そうこうしている内に最後のNPC機を撃破し、無事、HLVは発射される。流れる一筋の光を見上げながらミスターはツムギを労う。

 

「……ロビーに戻ったら少しだけ時間をもらえないかな。すまないね」

 

 寧ろミスターとしてはここからが本題なのだろう。いきなり堅苦しい話にならないようにとミスターなりの配慮を感じながらツムギはロビー広場に戻っていくのであった。

 

 ・・・

 

「──わざわざ時間をもらったのはミッション中にも少し触れたが、リン君のことを話したくてね」

 

 ロビー広場に戻ってきたツムギとミスター。場所を人気のない場所に移すと、いよいよ本題を切り出される。どうやらリンについて話があるようでいつものミスターの快活さも鳴りを潜める。

 

「君も知っている通り、リン君は優しくて頑張り屋で真っ直ぐな子だ。たまに付き合いにくいと思わせることがあるかもしれないが、それはリンが不器用なだけなんだ」

(……リン?)

「リアルの話になるのでここだけの秘密にして欲しいのだが……」

 

 リンについて語りだすミスター。しかしその途中でリンへの呼称も自然と呼び捨てになっている。ツムギが内心反応するなか、話に意識を向けている為ミスター自身は気づいていないのか、そのまま話を進める。

 

「リンは小さいころに両親を亡くしてしまっていてね。昔は元気いっぱいの活発な子だったんだが、心を塞ぎがちになってしまった……らしいんだ。そのせいで普段から笑顔が少なくてね。学校でもあまり上手くいっていないらしくて、家でも私とは……」

(……もしかしてミスターとリンって……)

 

 妙にリンの事情に詳しいミスター。話に集中してしまって思わず踏み込んだリアルの話が出てきてしまう。リンの境遇に驚いてしまう部分もあるが、同時にツムギはミスターとリンが現実世界にて家族のような近しい関係である事は察した。

 

「……あっ!? い、いや、何でもない! 私とリン君の家は関係ないぞ!」

「ははは……。ま、まあ話を続けてください」

 

 だが流石に自分の発した話の中で踏み込み過ぎた話をした事に気付いたのだろう。慌てて取り繕うミスターにツムギはもう手遅れだと思いつつも苦笑交じりに話の続きを促す。

 

「ンンッ! まあとにかく、感情を表に出すことが少ない子だったんだが……GBBBBを始めてから口数が増えてね。昔のように笑顔を見せる事も多くなってきたんだよ」

「そう……なんですか」

「恐らく……君達のクランに参加した事が良い刺激になっているんじゃないかと思っているんだけれどね。……それでも塞ぎがちだった期間が長かったせいか、感情を素直に出せなかったり、逆に直情的になることも多くてね」

 

 気を取り直して話を再開するミスター。普段の活発なリンしか知らない分、驚きもあるが同時にリンと違い、両親は健在であるものの家にいる事が少なく1人でいる事が多かったツムギ。寂しさはあったが、それでも両親や周りに心配をかけないよう“良い子”を演じていたツムギからしてみればリンの変化には思うところもあった。

 

「特に親しい相手ほど素直になれないというか……。いや、これは思春期の女の子ほどフツーの事かもしれないね」

「それならそれで嬉しいですよ。甘えてくれてるって事ですよね」

「そう言える優しい君ならリン君のことを受け止めてくれる筈だと私は信じている」

 

 どこか微笑ましそうに笑うミスターにツムギも笑みを見せる。親しい相手に素直になれないという事は裏を返せば甘えてくれているという事だろう。そんなことが言えるツムギに改めて向き直りながらミスターは信頼を込めてまっすぐ見据える。

 

「このGBBBBを通じて、これからもリン君にとっての良きパートナーでいてあげてくれ……。頼んだよ」

「俺の……いや俺達が出来る事なら何でも。リンだって俺達の誰かが大変なことになれば親身になってくれる子だって思ってますしね。俺達はこれからもお互いを支え合います」

 

 最後に改めてミスターはリンを託す。自爆する形にはなってしまったが、少なくともリンと親しい間柄のミスターから託される事は大きな意味を持っているのだろう。その意味をちゃんと受け止めたツムギはまっすぐミスターを見据えながら力強く頷いてみせる。

 

「では、今日は長い時間ありがとう。また会おう!」

 

 そう言ってミスターは颯爽と去っていく。その後ろ姿を見送りながらツムギは物思いに耽っていると……。

 

《──これが私達の求めていた戦争だぁ!》

 

 ふと近くのモニターから物騒な台詞が飛び出してくる。見てみれば丁度、レコとミスター・ガンプラがGBBBBニュースを配信していた。

 

《遂に……遂にこの時がやってきました! GBBBBの頂点を決める激動の大会……。バトルトーナメントの開催が決定しましたー!》

《おぉっ、とうとうGBBBBの頂点が決まる瞬間がやって来たんだね!》

 

 吸い込まれるようにそのモニターを見てみれば、なんとクラン戦の次はバトルトーナメントの開催だというのだ。それを聞いているGBBBBのロビー広場はどんどんこの話題で賑わっていく。

 

《みんなが最強の座を目指し、全力を尽くす……。これ以上に熱い戦いはないよ! 私もガンプラバトルを愛する者として是非とも参加したいところだが、残念ながら既に引退した身。今回はみんなの戦いを見守らせてもらうよ》

《ただ全員が参加できるわけじゃないんです。皆さん参加したいところだとは思いますが……特別な実績のあるクランやシードでエントリー権を得たクランなど参加できるのは選ばれし者達のみ! 悲しいけどこれがバトルトーナメントなんです!》

 

 少なくともツムギが知識として覚えている限り、ミスター・ガンプラが最後にガンプラバトルをしたのは6年前のジャパンカップのエキシビションマッチでアマミヤ・イチヤが所属するチームと激突した時だ。ミスター・ガンプラのバトルを生で見たい気持ちもあるので残念なところだ。だがそれよりも今回のバトルトーナメントは一部を除いて参加条件があるらしい。

 

《でもご安心ください! 選抜されたクランやプレイヤー以外にも、チャンスは用意されています!》

《成程……。そのチャンスを掴むのは一体、どのクランなのか……。目が離せなくなりそうだ》

《詳細は近日公開予定です。こちらのニュースでお知らせしますので皆さん待っていてくださいね! それではお別れの時間となりました! また次回、GBBBBニュースでお会いしましょう!》

 

 だが名の知れたクランだけが参加できる訳ではないらしい。それならばまだクラン・ブレイカーズにもチャンスがあるだろう。バトルトーナメントへの高揚感を残しつつ、レコとミスター・ガンプラのGBBBBニュースは終わるのであった……。

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  • ナギサ&ソフィー
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