ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
「うぅっ……お腹いっぱい……」
旅行も兼ねたイベント。グルメ旅行目的でも楽しめる福岡で昼食を取り終えたツムギ達。しかし食べ過ぎたようでナギサの顔は青い。
「だからお店をハシゴするのは止めようって言ったのに……」
「だって食べたかったんだもん……」
口元を手で覆っているナギサを見かねて彼女の手荷物を持っているツムギ。博多ラーメンを食べてから店を変えて、もつ鍋を食べたりと早速福岡グルメを楽しんでいたが当然ながら胃袋は限界に達してこの有様という訳だ。
「ショウさん、皆のご飯代まで出して貰えるのはありがたいですけど、流石に僕の分位は出させてくださいよ」
「普段、お前はよく働いてくれている。これ位は還元させてくれ」
そんなツムギとナギサを横目にユウヒは会計を済ませてラグナを抱えて店から遅れて出てきたショウに声をかける。実は一連の昼食のお代は全てショウが支払っている。普段人をからかったり冗談めいた発言の多いユウヒも申し訳ないと思ったのか、それとなくショウに話しかけるが普段の労いも兼ねていたのだろう、気にするなとばかりに柔らかく答えられる。
・・・
それからツムギ達は場所をとある施設に移していた。ここはガンプラを主体とした統合施設。店に入れば所狭しとガンプラが陳列されていた。
「福岡限定の赤ユニコーンと……。後は……」
中には福岡限定のガンプラもある。早速、アヤトは目当てのガンプラを物色してはカゴに入れる。
「アヤト、自分の金を何を買おうが自由だけど考えて買えよ」
「分かってるよ」
「最近、組み終わってないガンプラで部屋が圧迫されてるだろ。しかも中にはパッケージアートが好きだからって組んだはいいけど捨てられないパッケージもあったよな。それと──」
「分かってまーす!」
ガンプラをいくつもカゴに入れるアヤトに対してタツヤは精々、限定ガンプラを一つしか手に取っておらず会計まで済ませていた。アヤトはガンプラ作りを趣味にしていても制作が追いついていないのだろう。事実なので下手に言い返す事も出来ないのでタツヤの小言を煩わしそうに流す。
「「ぴーすっ!」」
店外では赤く染まったユニコーンガンダム ペルフェクティビリティの立像の前でスマートフォンのカメラを構えたツムギによってナギサとヒマリがツーショットを撮っていた。
「GBBBBでユニコーンガンダムを使う人はちょくちょく見てたけど、赤だの青だの緑だの何かいっぱい種類あんだね」
「ねー。正直、ヒマリもガンダムはちょっとしか見たことないけど、バリエーション豊かって事はそれだけ人気ってことだよね」
「ユニコーンも観てみようと思ったんだけど、リスナーさんがその前にアレ見てコレ見てって言ってて敷居が高く感じちゃったんだよね」
ツムギからスマートフォンを受け取り、写真を確認しながらヒマリと雑談を交わす。ユニコーンガンダムはその人気の高さからユニコーンガンダムだけでも多くのバリエーションキットが存在するのだ。
(……お台場の実物大ユニコーンガンダム。そこに存在するのが当たり前のように思ってたから名残惜しいな)
ツムギは赤いユニコーンガンダムの立像を眺めながらふと遠い目で台場の実物大ユニコーンガンダムへ想いを馳せる。たくさんの思い出と感動をありがとう。そしてお疲れ様、実物大ユニコーンガンダム立像。
「……あの」
現実に引き戻すように声をかけられる。チラリと確認してみれば、そこにはマスクをしたナチュラルブロンドの髪が目を引く少女がいた。
「……写真撮ってもらいたいんスけど良いですか?」
「あぁ、構いませんよ」
外国人だろうか。年齢は自分と近いように感じる。少女が差し出しているスマートフォンを受け取ろうと少女に向き直った時だった。
「……ン?」
少女がツムギの顔を見て、スマートフォンを差し出した手を止めたのだ。何かしてしまっただろうか? 一抹の不安がツムギを襲うが、ツムギが何かをしでかしたというより、少女の反応は寧ろ何か記憶の中で引っ掛かりを感じて、それを確かめるようにマジマジとツムギの顔を覗き込んでいた。
「……ノセ?」
「……え?」
やがて何かを導き出したようにツムギのあだ名をポツリとこぼす。しかしツムギをその名で呼ぶ人物は限られてくる。それこそ近くにいるナギサ。そしてナギサの呼称に乗ってノセっちと呼んでくるユカ。そしてもう1人……。
「ソフィー……?」
「……マジか」
信じられないとばかりに目の前の少女を見やる。その煌めくようなナチュラルブロンドの髪や翡翠石の瞳、何より紫色のインナーカラーの髪とGBBBBで知り合ったソフィーと特徴が重なったのだ。ソフィーも目の前の青年がGBBBBで知り合ったツムギであると確信したのだろう。こんな偶然があるのかと驚いた様子でマスクを外し、口元を露にする。
「ソフィー? えっ、本当にソフィー!? うそぉっ!?」
「そっちの2人は……ナギ子とヒマリンっぽいね。ノセとヒマリンは兎も角、ナギ子はリアルじゃインナーは入れてないんだね」
ソフィーの名を聞いたナギサとヒマリが合流してくると、ソフィーを見て2人とも心底驚いている。まさか旅行先でGBBBBで知り合った友達に会うとは思わなかったのだろう。だがそれはソフィーも全く同じのようでGBBBBとリアルの外見の差を比べるようにマジマジと見ている。基本的にツムギ達はリアルの外見をそのままアバターに転用してカスタマイズしている為、余計に分かりやすかったのかもしれない。
「うごぉ……!?」
予想外の出会いとは裏腹にたちまちナギサとヒマリがタックルのような勢いでソフィーに抱き着く。思わず鈍い悲鳴を上げる中、ナギサとヒマリはまるで犬のようにじゃれついている。
「うわぁーっ! ソフィーだぁー! めっちゃいい匂いするぅー!」
「肌もすっっっごいスベスベだぁー! これがソフィーちゃんなんだねー!」
「やーめーろーぉぉぉぉぉ……!」
密着したままリアルのソフィーを堪能するナギサとヒマリ。思いもよらない出会いに2人ともテンションが異様に高くなってしまっている。そのせいもあってか身動きが取れなくなってしまったソフィーは青筋を浮かべながら苦しそうに何とか2人を引き剝がそうとする。
「はいはい、2人とも。その辺にね? このままじゃソフィーの命が2つあっても足りさそうだから」
見かねたツムギが何とかソフィーからナギサとヒマリを引き剝がす。露骨に残念がる2人を他所にソフィーは苦しそうに肩を上下させている。
「ソフィーは何でここに? シオンさんみたいに日本に住んでるんだっけ?」
「……いや、旅行っちゃ旅行なんだけど」
ふと何故、ソフィーが福岡にいるのか気になったナギサ。以前、ソフィーからシオンが一時的にユカと2人暮らししている話は聞いてはいたが、ソフィーからそういった話は聞いていない。するとソフィーはポケットに両手を突っ込んで何と説明したものかとばかりに言葉を探す。
「おや、友達でも出来たのかな」
そんなソフィーに声をかける者がいた。一同、その方向を見てみれば、そこにはソフィーの面影を感じる女性がいたのだ。
「初めての日本旅行、順調みたいだね」
「いや……この3人はGBBBBでの知り合いで」
セレナだ。嬉しそうにニコニコ笑みを絶やさないセレナにソフィーはツムギ達との関係を説明する。
「へぇ、世界は狭いもんだね。はじめまして、ボクはセレナ・アルトニクス。ソフィーと……シオンの事も知ってるのかな? まあ、2人の姉だね」
思わぬ巡り合わせに話を聞いていたセレナも少々驚いているが、自己紹介を済ませる。少なくともツムギとナギサはGBBBBでソフィーやシオンと絡みはあったが、セレナは外見こそ面影を似ているがその物腰は非常に落ち着いていた。
「……待って。セレナ・アルトニクス……?」
ふとセレナの名を聞いたツムギは動きを止め、思考を巡らす。セレナの名前に聞き覚えがあるようだ。
「──セレナ・アルトニクス。直近のワールドカップで3連覇したプロのガンプラファイターだ」
そんなツムギに答えを与えるように横から声を聞こえてくる。見てみれば、買い物を済ませたショウとユウヒがこちらにやってきていたが、それよりも今、ショウが言っていた情報……ガンプラバトルの頂点を決めるワールドカップで目の前のセレナが3連覇したというのだ。
「久しぶりだね、セレナちゃん。今年のワールドカップも出るの?」
「そのつもりだよ。まあ、まだワールドカップどころかタウンカップの話が出始めた辺りだからまだ先だけどね」
ショウとユウヒはセレナと知り合いなのだろう。気さくに声をかけるユウヒにセレナは肩を竦める。
「今日はガンダムブレイカーの皆と一緒のイベントに出る予定でね。是非楽しんでもらいたいな」
セレナが日本に訪れたのは今、福岡にいるガンダムブレイカー達と同じイベントにゲストとして招待を受けたからのようだ。だからそのついでにソフィーも連れてきたようだ。セレナもイベントを楽しみにしているのだろう。期待感を感じさせる笑みを見せるのであった。
小話に水着イラストが見たい組み合わせは(6月末まで)
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ナギサ&ソフィー
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ナギサ&ユカ
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ユカ&シオン
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ソフィー&シオン