ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
イベントも大盛況で終わり、セレナとソフィーを交えてちょっとした打ち上げを兼ねた食事を取ったツムギ達。座敷のある料理屋で話を弾ませつつ福岡グルメに舌鼓を打っていた。
「ソフィー、日本はどう?」
「楽しいよ。ずっと来たかった場所だから余計に」
食事を取ってるソフィーの隣に座るツムギ。何気なく日本の感想を聞いてみれば元々興味があったのもあって楽しい時間を過ごせているようだ。
「GBBBBも日本……それこそ配信活動も踏み出してみないと分からない事ばっかだね。大変だと思う時もあるけど自分の知らない価値を知れた時、それが輝いて見える」
「そうだね。俺も今回の旅行でソフィーのことを知れた気がする」
「大した人間じゃないのがバレちったか」
百聞は一見に如かずとも言うが憶測であれこれ言うのは簡単だが実際に触れてみた感想はまた違ってくる。GBBBBでの付き合いでしかなかったツムギもソフィーを知れた事は良い思い出となったのだろう。とはいえそのソフィーは自虐してしまっているが。
「そんなことない。寧ろもっとソフィーが知りたくなったよ」
「……アンタ、恥ずかしげもなく、よくそんな台詞言えるよね」
「えっ!? そんな変なこと言ったつもりは……。マシマさんに影響されちゃったかな……?」
何気なく放った言葉だったが、ソフィーは少し呆れた様子だ。とはいえツムギは何か狙った事を言ったつもりはなく、慌てている。
「でも……そうだね。アタシもノセにもっと興味が出たよ」
テーブルに頬杖をつきながらツムギを見て悪戯っぽく笑うソフィー。GBBBBの頃から理解していたが、ツムギは人に気を使えるし、何かあれば誰かの為に動ける人物だ。それは今回の旅行で、それこそ現在進行形でソフィーを気にかけて喋りかけてくる事からも伺える。そんなツムギといる時間はソフィーからしても心地が良かったようだ。
「──2人とも何の話してんのー?」
自然と笑い合うツムギとソフィー。そんな和やかな時間にナギサが背後から2人に抱き着くように乱入してくる。思わぬ出来事にツムギとソフィーは驚くもすぐに笑みを浮かべながらナギサを交えて話を弾ませるのであった。
・・・
「ふぅ……。何だかんだで疲れたかな」
「お疲れ様でした、ユウヒさん」
「ツムギ君こそお疲れ様」
その後、ソフィーとセレナと別れ、ホテルに到着したツムギ達。入浴も終え、ベッドに腰かけてくつろぐユウヒをツムギが労う。三部屋予約した部屋割りはナギサとヒマリ、タツヤとアヤトとショウ、そしてツムギとユウヒの組み合わせとなっている。
「改めてユウヒさんのバトルが見れて良かったです……。やっぱりユウヒさんは俺にとって憧れです」
「僕は見栄っ張りだからね。そう言ってくれる君が見てくれているから僕も真っ直ぐあろうって思えるんだよ」
今日のバトルを振り返る。ショウ達もそうだが、ユウヒも堂々たる姿で活躍していた。初めて出会った時から変わらぬ憧れの存在の偉大な姿に誇らしさを感じているとユウヒは苦笑交じりに答える。
「……俺だってそうです。6年前、ユウヒさんが俺に手を差し伸べてくれたあの日のことはずっと覚えてます。あの時のユウヒさんのように……誰かに手を伸ばせる人になりたいってずっと思ってました」
「だとしたら光栄だね。でもツムギ君はもうそういう人になれてるよ」
今のツムギを形作った出会い。あの夕焼けの中で自分に手を差し伸べてくれたユウヒの姿は鮮明に覚えている。ユウヒと出会い、交流を深めた結果、ツムギの世界は大きく色づいたのだ。
「ツムギ君、手を出してくれる?」
ふとユウヒに手を差し出すように求められる。どういう意味なのだろうとツムギがおずおずとユウヒに向かって手を差し伸べるとユウヒはその手を握り返す。
「えっ……と……。ユウヒさん?」
ユウヒの白魚のような手とツムギの手が握り合い、無言の状態が続く。思わずツムギがユウヒの真意を問おうとするが、ユウヒは特に答えることなくずっとツムギの手の感触を確かめるように握っている。
(……ユウヒさんの手は変わらないな。あの頃の温かさのままだ)
どうして良いか分からず、ツムギはユウヒの手に意識を向ける。6年前に差し伸べられた手を握った時、それまであった孤独感を打ち消すような温もりがあった。それは今もなお、ユウヒの手から感じることが出来たのだ。
「……大きくなったね」
ツムギの手の感触を確かめるに握っていたユウヒは不意に笑みを漏らした。6年前にツムギに手を差し伸べた事はユウヒもよく覚えてる。あの時、自分の手でも包み込める程、小さかった手は知らず知らずの内に大きく、よりその温もりを感じやすくなっていた。
「ツムギ君は1人じゃない。君の手を取るのはもう僕だけじゃないよ。君は色んな人と手を繋ぎ合ってきっと大きな事を成し遂げる事が出来る」
「ユウヒさん……」
「大丈夫。君の放つ輝きを今にみんなが知るようになる。君にはそれだけの可能性を感じるんだ」
ナギサにGBBBBでツムギと楽しんでほしいと気にかけたりもしていたが、もうそんな気を回す必要はないだろう。孤独感に囚われていたツムギは今はもうそんな事を気にする必要がない程、多くの人がもうツムギの周りにいる。それはツムギが迷いながらでも成長した結果であろう。
「……ありがとうございます、ユウヒさん。俺、頑張ります!」
「うん。迷うことがあったらおいで。僕なりに力になるよ」
ユウヒの言葉が活力となったのだろう。張り切った様子のツムギに笑みを見せながらユウヒは不意にツムギの手を強く引き、ツムギの身体を引き寄せる。
「頑張れ、ツムギ君」
ツムギが驚くのも束の間、姿勢を崩したツムギの頭を胸で受け止めながら両腕で包み込むように抱きしめたユウヒはその耳元で激励の言葉を送る。その言葉を聞いた瞬間、ツムギは胸が熱くなるものを感じながらもしっかりと頷いた。
「じゃあ、そろそろ寝ようかな」
「……えっと」
「ん? なにかあった?」
ツムギを解放しながら寝る準備を始めようとしていたが、ツムギは少し何か言いたげだ。どうしたのだろうとツムギを見ると……。
「もう少し……お話しできませんか?」
申し訳なさそうにツムギが話を続けたいと言ってきたのだ。
「……ふふっ。しょうがないなぁ。最近、ゆっくり話す時間もなかったしね。いーよ。じゃあ、とことん話そっか。今夜は寝かせないよ?」
まだまだ子供らしさのあるツムギに微笑ましさを感じながらユウヒは改めてツムギに向き直る。社会人という立場もあってツムギと接する時間も限られていたので良い機会だろう。そんなユウヒにたちまちツムギも嬉しそうな顔を見せると2人はそのまま話題のタネが尽きるまで談笑を続け、ツムギの福岡旅行は充実感に満たされたまま終了するのであった。
・・・
「くぅ……お姉様のイベントがあったというのに現地参加出来なかったとは……!」
一方、ここはユカが暮らしているマンション。ソファーにユカが腰かけてヘアオイルを塗っていると、その横でスマートフォンを凝視しながらシオンは悔し気な顔を見せる。
「まっ、福岡なんてこっからじゃそう簡単に行けるようなもんじゃないしね。今回は残念だったね」
「聞けばソフィーも一緒にいたというではありませんか。久しぶりに3姉妹揃える機会でしたのに……!」
セレナとソフィーから連絡は来ていたのだろう。シオンもセレナのイベントに参加したかったようだが仕事の都合でそうも行かなかったようで殊更悔しそうだ。
「でも旅行かぁ……。最近行ってないなぁ」
「わたくしとしましては静かにリラックスできる場所が良いですわね。探せば幾らでも出てきそうですが」
「何でアンタも一緒に来る前提なの? まぁ良いけど」
社会人となってからは碌に旅行の類はしていない。何気ない呟きだったが、しっかりと2人で旅行する計画を建てようとするシオンに呆れながらも悪くは思っていないようでそれはそれで良いだろうと流す。
小話に水着イラストが見たい組み合わせは(6月末まで)
-
ナギサ&ソフィー
-
ナギサ&ユカ
-
ユカ&シオン
-
ソフィー&シオン