ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
《──勝利の栄光をキミに!》
福岡旅行から数日後。GBBBBではレコとミスター・ガンプラが軽快なトークと共にGBBBBニュースを配信していた。
《それでは早速、ニュースに参りましょう! 今回は前に予告した通り、バトルトーナメントについてでーす!》
待ち望んだバトルトーナメントの詳細が発表されようとしている。レコがモニターに表示させたのは青白く輝くキューブ状のアイテムだ。
《こちらのアイテムは本日0時から解放されている限定ミッションにて、ボス機体からドロップするものです。これこそがバトルトーナメント参加のカギ! これを入手する事が出来れば、参加資格を得られるのです!》
《それだけなら簡単そうに聞こえるね。だけど、そう甘くはないんだろう?》
《はい! 何せドロップ率は超低確率……。実力と運、両方が求められているのです! 更に参加枠は限られていますので、枠が埋まり次第、終了となります!》
誰もがバトルトーナメントで自慢のガンプラと誇れる仲間と共に輝かしい栄光を掴みたいところだろう。しかし一般の参加枠が限られている事もあり、中々狭き門のようだ。
《既にミッションは解放されている訳だし、これは時間との戦いになりそうだ! それでも最後の最後まで諦めずに戦う……。みんなのファイターとしての魂を見せてくれ!》
《私も皆さんのチャレンジを応援しておりまーす!》
ミッションは既に解放され、この配信を観る前から既に内容を見てチャレンジしているクランもいるだろう。参加を目指すのなら今すぐにでも参加しなくてはならないだろう。最終的にどのクランがバトルトーナメントに参加するのか、期待感を残しつつミスター・ガンプラとレコのGBBBBニュースの配信は終わるのであった。
・・・
「へぇー。βテストでもこんな大掛かりで凝った大会をするんだね」
そんなGBBBBニュースをクラン・ブレイカーズのメンバー全員が見ていた。バトルトーナメントというこれまでのGBBBBでもトップクラスのイベントにリンが感心したように呟いているとタオが反応する。
「ちゃうで、リン。βテストやからこそ、するんやで! さっきもリンが言うとったけどこのゲームはまだβテストやろ? βテストってのは本稼働させる前に色んな情報が欲しくて行われるもんやねん。バグとかエラーとかその他諸々な。特にGBBBBはごっついAIが運営してるから、あらゆるフィードバックを行ってるみたいで、情報収集が盛んやねん。せやから──」
「つまり、このバトルトーナメントもそのAIの情報収集の為って訳か」
惜しげもなく情報を披露しようと饒舌に語るタオだが、その説明を引き継ぐようにマシマが締める。とはいえタオからすれば締めを取られてしまった訳で「エエとこ、取らんといてよ……」と肩をガックリ落としてしまっている。
「でも、そういうことやね。大会で色んな状況を作って、色んな情報をAIが得ようとしてるんや」
「色んな情報って?」
「詳しくは分からんけどAIの学習の為にホンマに何でもフィードバックして、データを分析してるらしいで。プレイヤーの感情まで読み取ってる、なんて噂もある位や」
バトルトーナメントもAIが学習する為の一環のようだ。リンの疑問に答えるタオに一同、興味深そうに相槌を打っている。AI周りのことは詳しい訳ではない為、感情まで読み取るというのだから余計に驚いてしまう。
「なるほど。そうして集めたデータを正式バージョンの開発に役立てるという訳ですね」
「今でも十分楽しませてもらってるけど、更に発展するって思うとワクワクしますね」
何れは正式版のGBBBBが遊べる訳だが、今のGBBBBよりも発展したらどれだけの楽しみが待っているのだろうか。それを想像してか、シーナとツムギは自然と笑みを交わす。
「バトルトーナメントに参加したいと思うんだけど、どうかな」
そのままツムギはバトルトーナメントへの参加の意思を明らかにする。元々、興味のあったイベントではあったが、タツヤとアヤトを筆頭に福岡旅行が良い刺激となっているのだろう。モチベーションが高まっているように見える。
「そうは言っても、コレ確率キッツいんだろ? 確かアイテムの排出率が1/100だとか1/144だとか……。何周でドロップするのやら」
「それに枠も埋まってきているようですね。今の放送で参加者も更に増えそうですし」
マシマも言葉にしていて先が思いやられたのだろう。思わず嘆息してしまうとシーナも近くのモニターに映っているバトルトーナメントの参加枠の情報を確認する。GBBBBニュースを見る前から既に行動に移しているクランは当然いる。それが大々的に放送などすれば猶更、参加しようと意気込むクランは増えることだろう。
「……私、出てみたい」
バトルトーナメントへの道の険しさから躊躇いの空気が流れるが、それを打ち消すように手を上げたのはリリンだった。
「今までだって、何があっても乗り越えて頑張ってきた。だから……力を合わせて強く願えば、想いは叶う……。みんなを見てきて、そう思った。だから、がんばろ」
「リリン……。そうだね。やる前から諦めたくなんてない。ミスター・ガンプラもさっき言ってたように、俺達のファイターとしての魂を見せよう!」
リリンはあまりに無垢すぎる人柄の持ち主だ。だからこそ時にその言葉はまっすぐ胸に刺さる時がある。リリンの言葉に背中を押されたようにツムギは改めてバトルトーナメントへの意欲を見せる。
「……そうですね。私も賛成いたします!」
「相変わらず真っ直ぐな奴だな。まぁ、リリンちゃんとお嬢がそう言うなら俺もやるぜ! ウチには勝利の女神が3人もいるし、他の奴らには負ける気がしねぇな! 絶対ドロップするぜ、やってみようじゃねぇか!」
リリンとツムギに感化されたのか、年長組であるシーナとマシマもバトルトーナメントへの参加を決めてくれた。
「勿論、アタシも賛成! そうと決まったら出発だね! 絶対、アイテムゲットしてやろ!」
「僕も同じ気持ちやで! 出てみたいとは思ってたし」
そしてリンとタオも参加を決めてくれた。結果としてクラン・ブレイカーズのバトルトーナメント参加枠争奪戦への参加が決まり、ツムギは心底嬉しそうに笑みを浮かべる。
「とりあえず一発目のミッションの参加は俺とリリンは確定にしたいな。他は……」
「ハイ、アタシが行きたい! アタシもリリンと同じ気持ちだもん!」
「良いね。リンのその勢いが心強いよ」
そのままミッションのメンバーの選出に入る。言いだしっぺと言えるツムギとリリンは確定として、他のメンバーを誰にするか悩んでいるとリンが元気よく立候補してくれる。
「2人とも、頑張ろうね!」
「えい、えい、おー」
その姿勢に勢いづくものを感じながら、ツムギ、リン、リリンの3人でミッションの参加となる。ミッションメンバーに声をかけるリンに続くように勝鬨を上げるように手を突き上げるリリン。早速、3人はミッションへ参加するのであった……。
・・・
「──ちょっと、いい加減にしなよ!」
一方、ベクルックスのマイハンガーにて、緊迫したユカの声が響き渡る。普段は飄々としている事の多い彼女を知る分、あまりに珍しい姿であった。その視線の先にいるのはウィルだ。
「……なにをいい加減にするって言うんだい? 僕はおかしなことはしてないだろう?」
「アンタ、バトルトーナメントへの出場権の為にミッションが解放されてから碌に休まずにぶっ通しでミッションに出まくってんじゃん……。いい加減、休みなよ」
アバター越しでもウィルはどこか疲労感を感じさせる。それもそうだろう。バトルトーナメントへの参加の為、ン寝ずにミッションに参加しているのだ。ウィルを心配するユカだが意に介した様子はない。
「……漸くなんだ。“彼”と戦うのに相応しい舞台が出来た。なら多少の無茶はするさ」
「アンタ、そこまで……」
かつてウィルはアマミヤ・イチヤとバトルをする事が目的でGBBBにいると言っていた。それがバトルトーナメントで叶うと考えているのだろう。ウィルの目的は聞いていたが、身を削ってまでアマミヤ・イチヤとの戦いを望むウィルにユカは心の底から驚かされてしまう。
「……ホント、バカなんだから」
やがてユカは大きくため息をついた。ウィルの事だ。他のベクルックスのメンバーに任せることなく、自分の手でバトルトーナメントへの出場権を掴み取りたいのだろう。
「感謝しなよ。アンタみたいな意地っ張りに付き合えるのはアタシぐらいなもんなんだから」
「遂に僕と交際する気になったのかい? それはそれで嬉しいね」
ウィルが出撃しようとするミッションにユカもエントリーしながら微笑を見せる。ウィルはアマミヤ・イチヤと戦うまで止まる事はしないだろう。ならば少しでも前へ進むために支えてやろうと思ったのだ。とはいえ、ウィルはそんなユカの言葉に軽口で返す。
「なーにを抜かしてるんでしょうか。このスカポンタンのアンポンタンは」
そんな2人に割って入るように声をかけてきたのはシオンだった。見れば、シオンのみならず、ナギサ、ソフィー、アオバとベクルックスのメンバー全員が勢揃いしていた
「出場権の排出率とソシャゲのガチャの排出率ならどっちが上かなぁ?」
「まぁ、出場権の方は天井はないみたいだけど」
「お金をかけなくていい分、マシと言えばマシかな?」
何気なく雑談しているナギサとソフィーとアオバを横目にシオンはミッションにエントリーする。
「勘違いなさらないでくださいましね。元よりワタクシはマイスターに会いたいというユカの為にGBBBBに来たのです。その為にはバトルトーナメントが手っ取り早いという結論に至っただけですわ」
意外そうな顔をするウィルだが、シオンはジロリと見やりながら突っぱねた物言いで答える。実際、多少なりともウィルを気遣う気持ちもあったが照れ隠しでもなんでもなく、シオンはユカの為にGBBBBにいる、今の言葉は本心だった。
「じゃあ、行こうか。アタシ達には勝ち取りたいものがあるんだから」
鉄華団のコートの裾を翻しながらバルバトスルプスノームを背にベクルックス全員に力強さを感じる笑みで笑いかけるユカ。その笑顔に全員が頷くなか、ユカ達も出撃するのであった……。
散々前作でユカとシオンの関係は掘り下げたのもあってか、前作では結構、ユカに対してツン寄りだったシオンが気付けばユカに対してデレデレなキャラになってしまっている……。
小話に水着イラストが見たい組み合わせは(6月末まで)
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ナギサ&ソフィー
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ナギサ&ユカ
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ユカ&シオン
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ソフィー&シオン