ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak   作:ウルトラゼロNEO

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アフロ襲来

 

《さて、次回のイベント予定については近日公開予定です。決まり次第、こちらのニュースでお知らせしますので、お楽しみに! そろそろお別れのお時間となりました。それではまた次回、GBBBBニュースでお会いしましょう。お相手はMCレコでした! またねー、バイバイ!》

 

 GBBBBニュースを締めくくり、満面の笑顔で配信を終えるレコ。こうしてみると確かにAIらしさのようなものは感じられず、人間が演じていると言われても信じてしまうだろう。GBBBBニュースが終わり、映像がまた別のものに切り替わるなか、ツムギ達は顔を見合わせる。

 

「マイスター・アイン! やっぱりいつ見てもとんでもない強さやなぁ!」

「へぇー……あの人が一番強い人なんだ」

 

 興奮を抑えられないタオの言葉にツムギは頷く。ツムギも自身が手掛けたストライクブレイザーには自信があるが先程のガンダムルークのような目で追えないレベルの高い機動力、そしてさながらバターのように一瞬にしてカスタマイズされたガンプラを両断したGNソードⅡロングの切れ味など到底、届かないレベルであろう。リンもまたマイスター・アインのバトルに思うところがあったのか、普段の賑やかさは抑えられて、何か考えるように静かに呟く。

 

「良いじゃない! やっぱりやるからにはあれくらい目指さないとね!」

 

 あれ程のバトルを見せつけられては驚き、言葉を失っても無理はないか。そんな風にツムギもタオも考えていたが、一転して表情を輝かせたリンは強く握りこぶしを作ってはマイスターへの戦意を見せる。

 

「ええっ!? ビックリしてたんとちゃうん!?」

「まあ少しは驚いたけど今はワクワクの方が勝ってるよ。あんな風に強くなれたらって思ってさ! やるからにはトップレベルを目指す! タオだってそう思うでしょ!」

 

 珍しく静かだった分、落差が激しくタオも大きく驚いていると、タオの言葉には一部同意しつつもリンの瞳は無邪気さを表すようにキラキラと輝いている。リンは刺激を受けたら輝くタイプのようで溢れ出る高揚感に自然と表情もいつもよりも明るい印象を受ける。

 

「そ、そりゃあそうだけど……。中々難しいんとちゃうかな……?」

「もうっ、ハッキリしないなぁ。ツムギはアタシと同じ気持ちだよね?」

 

 マイスターと戦うという事は自然とこのGBBBBでもトップレベルになるという事だ。クランを組んで日の浅いこともあってか、中々現実味を帯びず煮え切れない態度を見せるタオにリンは唇を尖らせ、不満げにしながらも視線をツムギに移して尋ねる。

 

「確かに今すぐは無理かもしれないけど俺もいつかマイスターに挑戦してみたい。今は大きな差はある。それでも俺は俺のガンプラへの想いだけは今の時点でもマイスターどころか誰にも負ける気はしないから」

「分かってるじゃない! そうと決まったらこれからも前進あるのみだね!」

 

 今すぐトップレベルはタオが難色を示す通りだろう。それでも挑戦はし続けたい。自分が作った最高のガンプラが最強のガンプラでもあることを証明する為にも。そんな熱くまっすぐな想いにリンも満足そうに頷く。

 

「えいえい、おー!」

 

 クラン・ブレイカーズの士気を高めるように勝鬨をあげるリン。その言葉にツムギは微笑み、タオは強引やなぁ……とボヤキながら肩を落とす。

 

(似てるなぁ……)

 

 そんなタオの態度が気に入らなかったのか腕を組んで文句を言い始めるリン。そんな態度を傍から見ながらユウヒは無意識に微笑を見せる。リンのその明るく、真っ直ぐに周囲を鼓舞するその姿はユウヒの記憶の中で気だるげな一人の青年に対して常に手を差し伸べ、道を切り開いてきた"恋の喜び"の花言葉を持つ華やかな花のような少女の姿を思い出すからだ。

 

「じゃあ、その熱が冷めないうちにミッションに行かないとね」

「あっ、そうや! ツムギ達と合流する前に受注してたのがあるんよ。今までやったことのないミッションなんやけど……」

 

 思い出も程々に思考を切り替え、鉄は熱いうちに打てとばかりにユウヒはミッションを進めると、既に準備済みであったのか説明の為にコンソール画面を表示させて共有しようとする。

 

「──私から説明させてもらおう!」

 

 だがタオの説明が始まる前に割り込むように声をかけられた。一同、その声に反応してみればそこにはサングラスをかけたアフロ姿の奇抜な人物がいた。

 

「な、なにこのアフロ!?」

 

 悠々とこちらに合流してきたアフロの人物に驚いたリンは思わず近くのツムギの傍に移動する。アフロにサングラス、おまけに派手なシャツといくらアバターといえど奇抜この上ない見た目だろう。

 

「ミスター・ガンプラ!?」

「見た目だけ言うたらそうやね」

 

 リンは兎も角、ツムギはこのアフロの人物に関しては知ってはいるのだろう。驚いているツムギにユウヒの時は一転、タオは冷静な様子で答える。

 

「彼はミスター・ガンプラ。世界で初めてプロのガンプラファイターになった人でな。ずっと前に引退したけど今でも解説やMCで大活躍なんや。まあ、目の前のこの人はなりきりやけどね。ミスターのアバターは市販されとるし、ユーザーもようさんおるよ」

 

 リンはこの人物について知らないようなのでミスター・ガンプラについて説明しながらもその外見はあくまで外見だけであり、中身は違うことも説明する。他にもこのGBBBBでのアバターは自身をスキャンして作るタイプや歴代ガンダム作品のキャラクターをアバターとして使用したりと多岐にわたる。

 

「なぁーんだ、ユウヒさんが本物だったから期待したけど損しちゃった」

「ユウヒ……?」

 

 タオの説明でミスター・ガンプラの存在がどういうものかは理解して、そんな有名人に出会えたことに驚いていたようだが直後の説明で肩透かしを食らったように白けた様子を見せる。流石に有名人に連続して出会う程、豪運ではなかったようだ。しかしミスターのなりきりはリンから出てきた名前に怪訝そうに眉を潜めた後、近くに立っているユウヒの存在の気付く。

 

「君は……ナグモ・ユウヒ君なのか?」

「ええ。ご覧の通りごく普通の青年だよ」

 

 心底驚いた様子を見せるミスターのなりきりに対して、ユウヒは冗談交じりに話す。なりきりに対して実際の著名人に会えたことで驚いているのだろうかとツムギ達が心の中で片付ける。

 

「……っとすまない。ミスター本人には及ばないが私もそれなりにガンプラの知識はあるよ。私のことはミスターと呼んでくれ。後輩達をサポートするのが趣味でね、困った事があったら気兼ねなく相談してくれたまえ」

 

 気を取り直して改めてミスターのなりきりことミスターは自己紹介を済ませる。気さくな語り口といい、親しみやすい人物のようだ。

 

「それなら遠慮なく……。僕達、このミッションに挑戦しようと思ってるんやけど、どう思う?」

 

 そんなミスターの雰囲気を感じ取ってか、その言葉に甘えたタオは表示させたままだったコンソール画面からミッションの項目をタップして受注していたミッション内容を表示させる。ミスターはその画面をジッと見つめ、隅々まで情報を目に焼き付ける。

 

「なるほど。いいチョイスだ! ビギナーが慣れるにはもってこいだろう!」

「ホンマに? いやぁ、なりきりでミスターから褒められるのはエエ気持ちやね! よっしゃ、早速出撃と行こか!」

 

 ミスターからのお墨付きに自信がついたのか飛び跳ねるように喜んでいるタオはそのままの勢いで出撃しようとする。そのあまりの反応に置いて行かれたリンは調子に乗っちゃって……と呆れるなか、ツムギも苦笑してしまう。

 

「ユウヒさんはどうします?」

「折角だし、ここで3人のバトルを見てるよ。3人とも頑張ってね」

 

 折角、今日GBBBBでの時間を共有することが出来たのもあってツムギはユウヒにミッション参加について尋ねるも、ユウヒは純粋にツムギが組んだクランがどんなバトルをするのか気になるのだろう。観戦の旨と共にクラン・ブレイカーズをミスターと見送り、ツムギ達はハンガーへの移動後、ミッションへ出撃するのであった……。

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