ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak   作:ウルトラゼロNEO

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前回のエアリアルソアーの説明欄でシールドの項目が抜けていて追記したのですが、エアリアルのシールドをそのまま装備しております。


乙女は舞い上がる

 

 とある一室。何の変哲もない一軒家にある可愛らしい雰囲気を持つ部屋の中にある棚にはガンプラがいくつか飾られていた。

 

「始まった」

 

 ベッドの上ではラフな格好をした1人の少女の姿があった。青みがかった黒髪を持つその少女は現在、配信されているバトルトーナメントの生中継を視聴しており、その中でもその視線はBDエクストラに注がれていた。

 

 ・・・

 

「……さて、どう来るかな」

 

 ナギサ達とブッキー達によるバトルの舞台は青天の空の下の市街地エリアだ。BDエクストラを戦闘にビルに身を隠しながらブッキー達の様子を伺う。相手は少なくとも自分達と同じくバトルトーナメントを勝ち上がってきた。油断は命取りだろう。

 

 センサーがけたましく鳴り響く。確認するのと同時に牙のような形状をした無線誘導兵器であるGNファングが獲物を求め、ビルの隙間からBDエクストラ達へ襲い掛かってきたのだ。

 

「2人とも、回避に専念して!」

 

 アオバがすぐに指示を出しながら腕部のガトリングガンを展開して少しでもGNファングの動きを牽制する。少しでも狙いをナギサ達へ向かせない為だ。

 

 だが回避しようとビルを避けてエアリアルソアーとサマエルが飛び上がった瞬間、二機目掛けて激しい雨のような銃撃が迫る。ブッキーが駆る巨躯を誇るファットマンによる銃撃だ。すぐにエアリアルソアー達の周囲は爆発と煙で見えなくなってしまう。

 

「どうなったかな?」

 

 煙によって不自由なモニターを見ながらブッキーは様子を伺う。まだエアリアルソアーもサマエルも撃墜判定は受けていない。ならばまだ健在の筈。それを表すように煙からサマエルのFファンネルが飛び出し、ファットマンに迫る。咄嗟に回避行動に専念するなか、煙を振り払うようにバリアブルロッドライフルとGNソードⅡブラスターによる高出力ビームが放たれた。

 

「そう簡単にはいかないよ」

 

 続いてエアリアルソアーとサマエルが飛び出してくる。ファットマンへ接近しようとするなか、立ちふさがるようにガンダムX由来のパーツを使用したヒナタのGフューチャーと先程、GNファングを放ったガンダムレギルスをベースにカスタマイズしたツクヨのレギルス・デザイアが行く手を遮る。

 

「ならアタシ達の無理でこじ開けるよ」

 

 サマエルがトランザムを発動させ、一気に加速してGNソードⅡブラスターを振るう。急加速による大ぶりな一撃に咄嗟にGフューチャーとレギルス・デザイアが避けるなか、そのままファットマンと共にサマエルを囲み、一気に仕留めようとする。

 

 しかしその直前に下方から正確無比の砲撃が放たれ、Gフューチャーとレギルス・デザイアは直撃してしまう。咄嗟にヒナタ達が確認してみれば地上からBDエクストラが180mmキャノンで援護の為の砲撃をしていたのだ。Gフューチャーの機体がよろけたところをサマエルがGNソードⅡブラスターの銃口を頭部に押し当て、引き金を引き、吹き飛ばす。

 

「Gフューチャー……まだイケるよね」

 

 だがそれでもヒナタは諦めやしない。RGシステムを発動させると機体パラメーターを一気に上昇させ、トランザムを発動させたサマエルと激しい攻防を繰り広げる。

 

「中々やるね。でも折角のナギサちゃんの晴れ舞台だもの」

 

 残ったエアリアルソアーはバリアブルロッドライフルのスラスターを利用してファットマンとレギルス・デザイアの攻撃を避ける。しかし技量においてはまだブッキー達に劣るようで直撃は時間の問題だろう。その様を見ながらBDエクストラはビルの壁を蹴って飛び上がっていく。

 

「アオバさん!」

「大丈夫、ナギサちゃん?」

 

 エアリアルソアーから注意を自分に向けるように立ち回るBDエクストラ。その意図に気付いたナギサが通信を入れるなか、レギルス・デザイアから持ち掛けられた近接戦を何とか凌ぎつつアオバはナギサを気にする。

 

「はい! でも私、やっぱり足引っ張ってて……。このままじゃ……!」

「どの道、戦わなかったら負けるだけだよ。自分にできる事をするしかないんだよ」

 

 明らかにこのバトルにおいてはナギサが格下とも言っていい。自覚している分、やはり自分が出るべきではなかったと思ってしまうが、アオバは冷静に返す。

 

「いただきましたわ!」

 

 しかしそうこうしている内に遂にBDエクストラはレギルス・デザイアのショットランサーを深々と左肩を貫く。激しいスパークが散り、BDエクストラのコックピット内でも激しいアラートが鳴り響くがアオバは依然として冷静だ。

 

「そう? なら敗北をプレゼントするよ」

 

 不気味に駆動音を鳴り響かせながらBDエクストラの左腕はショットランサーを持つレギルス・デザイアの腕を掴むと、そのまま引き寄せて武装を手放し、空いた右腕で胴体を殴りつける。それだけでは終わらない。すぐさまガトリングガンを展開し、ゼロ距離で激しい銃弾を叩きこむ。

 

 レギルス・デザイアが大きくよろめく。だがその瞬間、BDエクストラはショットランサーで貫かれた自機の左腕を強引に引き千切るとそのままレギルス・デザイアへ叩きつけて共に地上へ落ちていく。

 

 ──蒼い死神がそこにいた。

 

 ツクヨは思わず息を吞む。地面に叩きつけられ、見上げた先のモニターは自身を冷たく見下ろすようなBDエクストラの姿があった。だがそれも束の間、BDエクストラは自身の左腕を武器に何度も何度も、それこそレギルス・デザイアの反応がロストするまで暴力的なまでに攻撃を叩きつけ、撃破する。

 

「……チッ」

 

 またサマエルとGフューチャーとの戦いも決着がつこうとしていた。既にお互い半壊状態であり、いつ撃破してもおかしくないだろう。機体状況にソフィーは思わず舌打ちしてしまう。

 

「……まーたシオン姉に小言言われるかな」

 

 Gフューチャーのバックパックの砲門が全てサマエルに向けられる。既にトランザムも切れており、危機的状況だ。しかしソフィーは目の前の状況より先程の舌打ちに関してボヤく。Gフューチャーの砲撃が放たれ、絶大な威力を持つ砲撃はサマエルに迫り、飛び上がるも下半身が飲み込まれてしまう。

 

「まっ、勝てば良いっしょ」

 

 しかしソフィーは不敵に笑みを浮かべる。すぐさま左腕のアンカーショットを射出し、Gフューチャーに射出すると、そのまま一気にGフューチャーに迫り、GNソードⅡブラスターの砲口をGフューチャーに突き刺して引き金を引くとGフューチャーを撃破する。しかしサマエルも限界に達したのだろう。爆発してしまう。

 

「まだ負けた訳じゃないよ!」

 

 既に自機だけとなってしまったファットマン。しかしブッキーにまだ焦りはない。バリアブルロッドライフルを駆使して必死に避けるエアリアルソアーへ攻撃を集中させる。少なくとも健在なのはエアリアルソアーのみ。BDエクストラは既に大破に近い状態だ。

 

「……いつまでもこんな事してらんない」

 

 遂にバリアブルロッドライフルに直撃を受けて爆発し、エアリアルソアーは宙に放り投げられる。地上に落ちていくなか、ファットマンは更なる追撃をしようとするなか、ナギサは悔し気に歯を食いしばる。

 

『頑張って、ナギサ』

 

 脳裏にツムギの声が過る。その言葉に鼓動が高鳴り、ナギサは目を開く。

 

「足踏みなんてしてられんないだから!」

 

 エアリアルソアーのツインアイがナギサに呼応するよに煌めく。するとバックパックから余剰エネルギーが放たれ、それはまさに光の翼と形容するに相応しい現象を生み出す。エアリアルソアーは大きく舞い上がり、ファットマンに迫る。今まさに誰にも追えない速度を持ってファットマンに迫る。

 

「体当たり……!?」

「ナギサさんは駆け引きなんて出来ないからね!」

 

 何をするのか。いや、ある意味なにもしなかった。自身を攻撃手段として突撃してきたのだ。ファットマンの機体がよろめくなか、ナギサは笑みを浮かべる。

 

「ナギサさんのハートが真っ赤にバーニング!」

 

 咄嗟に距離を開けつつファットマンがガンダムハンマーを放つ。しかし完全に勢いをつけたナギサは誰にも止められなかった。

 

「いっけえぇぇ──っ!!」

 

 エアリアルソアーの右手のマニピュレータが輝く。必殺の一撃ゴッドフィンガーだ。ガンダムハンマーごと貫き、ベクルックスは勝利を収めるのであった。

 

 ・・・

 

「若いわぁ……。眩しいねぇ」

 

 ロビー広場で観戦していたユカはナギサの勢いを見て、もう自分にあの勢いは出せないだろうと半笑いしていた。そうこうしているとナギサ達が戻って来る。

 

「ノセーェッ!」

「ごふぅっ!」

 

 戻って来るや否やナギサは出迎えようとしていたツムギに突撃し、油断していたツムギの身体はくの字に曲がり、悶絶する。

 

「ナギサさんの活躍見てた? ねえねえ見てた?」

「み、見てたよ。ナ、ナギサ」

 

 まるで大型犬だ。ツムギの様子も気にせず眩しい笑顔を向けてくるナギサにツムギは苦笑しながらも頷く。だがそれよりもナギサはツムギが名前で呼んでいる事に強く反応する。

 

「うん……。うんっ! もっともーっとナギサさんに釘付けにしてあげるね!」

 

 ツムギの名前呼びを噛みしめるように頷いたナギサは頬を紅潮させ、愛らしい笑みを見せていた。

 

「さて……次は準決勝だね」

 

 ナギサの様子にソフィーとアオバが呆れ交じりに苦笑している。その姿を眺めながらユカがバトルトーナメントのトーナメント表を見やる。

 

「アルティメイトフォースゼロ。彼らが次の試合で勝ち上ればベクルックスの次の相手になるね」

「その為にワタクシ達はこの場にいるのですもの。遂にこの高みへ来ましたわね」

 

 トーナメント表を見やればベクルックスの近くにはアルティメイトフォースゼロの名がある。ユウヒの言葉に頷きながらシオンはユカを見やる。

 

「そうだね。そろそろ面を拝ませてもらおうかな」

 

 ユカにとってはGBBBBに訪れた目的でもあるアルティメイトフォースゼロ……いや、マイスターとの邂逅。遂にその時が目前に迫り、ユカはその時を想像しているのか口角を吊り上げるのであった。

8/21はバニーの日。小話にバニーイラストが見たいのは(7月末まで)

  • ナギサ
  • ソフィー
  • ユカ
  • アオバ
  • シオン
  • セレナ
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