ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
《盛り上がりを見せるバトルトーナメントもいよいよ準決勝を迎え、マイスター・アイン率いるアルティメイトフォースゼロも決勝戦への駒を進めました!》
高頻度で配信されているGBBBBニュース。今日もレコとミスター・ガンプラがバトルトーナメントの状況を配信していた。
《あの奇跡のチームも残っているね! 数々の強敵を打ち破り、更に成長しているようだ!》
《そんな奇跡のチーム、クラン・ブレイカーズが戦うのはファイヤー&ウォーターチーム! メンバーは上位ランカーのフリーダムフリートですね!》
ミスター・ガンプラも注目しているクラン・ブレイカーズはいよいよ準決勝戦にまで上り詰めた。ここまで来れたということはそれだけの戦いを経験し、そして成長したという事だろう。そんなクラン・ブレイカーズと今回激突するのは何とあのフリーダムフリートのメンバーだと言うのだ。
《……フリーダムフリート? 彼らは三回戦で敗れたのでは?》
《フリーダムフリートは今回、2つのチームに分かれて出場していたんですね! カオス、ドーラ、グスタフの3人はチームに与えられたシード権を使って出場していましたが、そちらのチームに入ってなかったメンバー2人が限定ミッションに挑戦し、参加権を得ていたんです!》
フリーダムフリートは既にクラン・ブレイカーズに敗れたはずだ。そんな疑問に答えるレコ。フリーダムフリートは他のクランと違い、バトルごとにメンバーを選出していた訳ではなく、それぞれルールに則ってバトルトーナメントに出場していたのだ。
《本戦も2人で参加しているのですが、人数不利をものともせずに勝ち進んでいますよ!》
《ファイヤー&ウォーター……。ということは、あの2人か! 成る程、彼らも有名プレイヤーだ。これもまた手強い相手だね! クラン・ブレイカーズはこの相手にどう戦うのか、今から楽しみで仕方がないよ》
バトルトーナメントは一般参加枠があるとはいえ、それでも参加しているのは腕に自信のあるクランばかりだ。そんなクランを打倒し、準決勝まで上り詰めたのだからその実力は決して侮れるものではないだろう。ミスター・ガンプラもフリーダムフリートに所属する者の中でファイヤー&ウォーターの名に当て嵌まる人物達に覚えがあるのだろう。この後のバトルに期待感を見せる。
《果たして準決勝を勝ち上がり、決勝戦でマイスター率いるアルティメイトフォースゼロと戦うのはどちらのチームなのか! それでは皆さん、頑張ってくださいね!》
そう、このバトルを制した者達がGBBBB絶対王者マイスター・アインのアルティメイトフォースゼロと決勝という最高の舞台でバトルが出来るのだ。期待感を残しつつ、レコとミスター・ガンプラのGBBBBニュースの配信が終わるのであった……。
・・・
「準決勝の相手はまたフリーダムフリートなんか……」
「でも前に戦った連中とは違うんだよね?」
ロビー広場では例によってクラン・ブレイカーズ全員がGBBBBニュースを見ていた。ここまで来るとフリーダムフリートと因縁を感じてしまうタオだが、リンの言うように少なくとも今回はカオス達が相手というわけではない。
「察するに、フリーダム四天王の残り2人ってことなんだろうな」
「そう言えば四天王と言う割には人数が足りていませんでしたね。前の試合で姿を見せていなかったのは、別チームとして出場していたからですか」
カオスのフリーダムフリートが誇る四天王。ドーラとグスタフが名を連ねるが、残りの2人はまだその姿を現してはいない。だが今回、漸く出会えるという訳だ。それはそれで楽しみなのだろう。笑みを見せるマシマに納得したような様子でシーナは頷く。
「同じチームなら応援に来ても良いのにね」
「──ふっ、我々のクランは必要以上に馴れ合わないのだよ」
だとしても同じチームならば応援の為、現地に来ても良いだろうと思い、何気なくその事を口にしたリンだが、話を聞いていたのか、何者かが声をかけてくる。
「どもども~」
リンに声をかけてきたのは礼装のような衣装を着用した逆立った赤髪が目を引く青年だった。その隣には水色の髪をツインテールに纏めた少女が気さくな様子で挨拶してくる。
「もしかして、この2人が……」
「うん、準決勝の対戦相手……クロカンテとカルパッチョやで」
その特徴的な外見と2人組である事から彼らがクラン・ブレイカーズの次なる相手であるファイヤー&ウォーターチームである事を察したリンに頷きながらタオは赤髪の青年をクロカンテ、水色の髪の少女がカルパッチョという名である事を明かす。
「貴様達がカオス達を倒したというクランか……。成程、良い顔をしているな。我が名はクロカンテ。人は私の事を“火炎のクロカンテ”と呼ぶ。フリーダムフリート四天王のリーダーも務めている。以後、よろしく頼む」
「あっ、どうも。意外に紳士的なんだね……」
クロカンテはクラン・ブレイカーズのメンバーを見渡しながら、余裕のある笑みを見せながら自己紹介を済ませる。フリーダムフリート四天王のリーダー格だけあって礼節も弁えているようでリンも釣られるように頭を下げながらもドーラのような輩を想像していたのか、意外そうな様子だ。
「……って和やかに挨拶してる場合じゃない! 油断してたら敵討ちされちゃいそうだし!」
「敵討ち……? ひょっとして、カオス達の事? 弱い奴が勝手に負けただけでしょ! 何でそんなことする必要があんの!」
自分にツッコミながら油断ならないとばかりに戦意を見せるリンだが、その言葉にピンと来ず、きょとんとした表情を見せた水色の髪の少女ことカルパッチョは心底可笑しそうに腹を抱えながら、どこか嘲笑交じりに答える。少なくともカルパッチョだけではなく、クロカンテもカオス達の借りを返すなどといった意思はないようだ。
「カオス達が弱い……? じゃあ、君達はもっと強いってこと?」
「ニシシシシ! もっちろん! 大体、実力的にはあっちよりアタシ達の方がエースチームなんだよね~」
カオス達のバトルを見ていただけあり、それを弱いと断じる程の実力を持つのか、タオが半信半疑で問いかけてみればカルパッチョは自信ありげに笑みを見せる。実際のカオス達との実力は兎も角、少なくとも自分の腕に自信があるのは確かだろう。
「そもそも、四天王のリーダーである私が不在では、とても本隊とは呼べんな」
「……さっきはスルーしてたけど、誰もアンタをリーダーなんて思ってないって」
「生意気な事を言うな! 動画再生数ではお前が上かもしれんが、人気も実力も私の方が勝っている!」
どうにも四天王のリーダーというのはクロカンテの自称らしい。確かにカオスは好きにさせそうだが、同じく四天王であるドーラやグスタフがそれを認めるとは思い辛い。カルパッチョの物言いに苛立ったのだろう。以前、タオが言っていたようにこの2人も配信活動をしている手前、再生数などを引き合いに出しながら声を荒げる。
「馴れ合わないだけあって、波長も合っていないようですね……」
「だが、2人で勝ち上がってきたんなら、実力は本物だ。それに……」
途端に言い合いを始めるクロカンテとカルパッチョを眺めながらシーナの中では馴れ合わないという言葉の信憑性も増しているようだ。とはいえ、そんな状態でも準決勝まで勝ち上がってきたのなら、決して油断できる相手ではないだろう。真剣な面持ちのままマシマはカルパッチョに視線を向ける。
「カルパッチョちゃん……。この子はちょっと気になるな」
「それ、どういう意味で言うてんの……。真面目に受け取ってエエのか分からんわ」
如何せん言っているのがマシマなので、それが容姿を指しているのか、実力を指しているのか分からなくなってしまい、タオのみならず、他のクラン・ブレイカーズのメンバーも微妙そうな顔を見せる。
「あの、アナタ……──」
そんな中、リリンがカルパッチョに向かって声をかけようとする。なにせ以前、ツムギの友達だと言って握手を求めてきた少女は他ならぬ目の前のカルパッチョだったのだ。しかし友達という割にはツムギもカルパッチョも何のリアクションもない。それが気になったリリンだったが、それを察してか、人差し指を鼻先に立てて、黙っているようにとジェスチャーを見せるカルパッチョにリリンは不可解そうに首を傾げる。
「そんじゃ、また試合でね。楽しみにしてるよー!」
「まあ良い。四天王リーダーの実力、戦いの中で堂々と証明して見せよう!」
言い合いもそこそこにカルパッチョとクロカンテはクラン・ブレイカーズの元を去っていく。次に会うのは準決勝戦だろう。
「マシマさんの妄言は兎も角、手ごわい相手なのは間違いなさそうです。誰が出撃するのかの選定が一段と重要になりますね」
「こういう時こそ、俺の出番だ! 俺に任せてくれ!」
中々手厳しいシーナの物言いもマシマへの遠慮がなくなったからか。それはともかく、シーナの言うように準決勝戦。出撃メンバー選びは慎重にならざる得ない。そんな中、いの一番に名乗りを上げたのはマシマであった。
「一応、聞くけど……あのカルパッチョって子が目当てじゃないよね?」
「そ、そんな訳あるか! ここまで2人で戦い抜いたってことはそれだけコンビネーションが秀でていると見た方がいい。経験の浅いこのクランで対処するってんなら俺の力が勝利への絶対的条件になるはずだぜ?」
如何せんカルパッチョという美少女がいたからか、リンは名乗りを上げたマシマを邪推してしまう。だが少なくともマシマの言葉は一理あり、そこまで考えていたことに感心してしまう。
「決してこれをきっかけにカルパッチョちゃんとお近づきになりたいとか全然思ってないぜ!」
「何度も言うけど、ナンパはアカンでマシマ! ホンマ懲りへんやっちゃな!」
が、残念ながら建前と共に本音も吐き出してしまったようだ。リリン以外が呆れたような視線を向けるなか、タオのツッコミが冴えわたる。どちらが年上か分かりやしない。
「……私も出たい。確認したいことがあるから」
動機は兎も角、戦力的には申し分ないマシマは確定だろう。次なるメンバーを選出しようとするなか、リリンが手を挙げた。とはいえ準決勝戦で何を確認しようというのか。全員が首を傾げてしまうが、それでもリリンの実力的には異論はなく、リリンの参加も決定する。
「俺も行くよ。フリーダムフリートとは何か縁があるみたいだし」
残り1人はツムギで決まった。まさかここまでフリーダムフリートと因縁が出来るとは思わなかったが、折角だ。違うメンバーとはいえ、バトルをするのも悪くないだろう。
「あの……皆さん。フリーダムフリートの人達からは何か嫌なものを感じます」
出撃メンバーも決まり、後は準決勝戦に臨むのみ、タオやリンから激励が送られるなか、シーナは言葉を探るように慎重に口を開く。
「最近、GBBBBでも良くない噂が流れていますし、彼らが何をしてくるか分かりません。くれぐれもお気を付けください」
「ハハッ、心配すんなって。絶対に勝ってくるからよ!」
GBBBBで流れているという良くない噂……。少なくとも内容をツムギ達は知らないが、それでも相手はフリーダムフリート。油断せずにかかるべきだろう。シーナを安心させるように豪快に笑うマシマだが、それでもシーナの不安は払拭できず、「杞憂で終わればいいのですが……」と視線を彷徨わせていた。
「ノセーっ!」
いよいよ準決勝。バトルに向かおうとした矢先、ツムギに声をかけられる。見てみれば、そこにはナギサとソフィーの姿が。
「間に合ったー……。準決勝、頑張ってね!」
「2人ともわざわざ来てくれたの?」
出撃前のツムギに出くわせたことに安堵しつつも改めて元気一杯にツムギにエールを送るナギサ。そのこと自体は嬉しいが、わざわざ来てくれたのかとツムギはナギサとソフィーをそれぞれ見やる。
「まっ、ウチ等は準決勝敗退だしね。ある意味、フリーになったから応援しに来たんだよ」
「そっか……。ならそれに応えないとね」
「ったり前っしょ。ウチ等の応援は安くないんだからカッコイイところ見せてよね」
いつものようにポケットに手を突っ込んだまま答えるソフィー。ベクルックスは準決勝敗退を受け、予定していた時間も空いてしまい、スケジュールを見直したうえで空いた時間を有効活用しようと応援しに来てくれたようだ。そんな2人に嬉しそうに微笑むツムギにソフィーも発破をかけるような物言いと共に微笑する。
「くっ……。今日はアピールする相手が多くて大変だな。だが燃えるものがあるぜ!」
「邪念ならそのまま燃え尽きて欲しいんですが……」
まさかここでナギサとソフィーがやって来るとは思わず、カルパッチョの件もあってマシマのテンションは振り切ってしまっている。その姿に頭痛を覚えながらツムギはリリンとマシマと共にファイヤー&ウォーターチームとのバトルへ臨むのであった。
8/21はバニーの日。小話にバニーイラストが見たいのは(7月末まで)
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ナギサ
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ソフィー
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ユカ
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アオバ
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シオン
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セレナ