ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
《皆さんのご支援のお陰で大盛況のバトルトーナメント……。ついに決勝戦の時がやってまいりました》
バトルトーナメント決勝戦を目前に迫ったなか、配信されるGBBBBニュース。最早、鉄板コンビであるレコとミスター・ガンプラによる進行が進められる。
《どのバトルにも一瞬、一瞬に輝きがあり、皆もビルダーとして大きく成長できただろう》
《その輝きこそが未来を切り拓くための力になる、ということですね!》
《おお、レコ君も分かってきたじゃないか!》
《はい! ミスターや皆さんのお陰で私も成長できました! ですが、バトルトーナメントも今日で一区切り……。この戦いでGBBBBの頂点が決まります!》
ミスター・ガンプラはバトルトーナメントの試合一つ一つを振り返りながら話す。様々なバトルがあり、その度に大きな話題を呼んだ。それがきっとガンプラバトルをする者達の糧となることだろう。
《まず、GBBBB最強の呼び声が高いマイスター・アイン率いるアルティメイトフォースゼロが決勝戦に駒を進めています!》
《これは誰もが予想していた結果だろうね。しかし! それとは別に誰ひとり予想していなかったであろうチームがここまで勝ち残っている!》
《そう、奇跡のチー厶ことクラン・ブレイカーズです!》
誰しもが予想していたアルティメイトフォースゼロの決勝進出。そこに相対するのはまだクランを組んで日が浅いクラン・ブレイカーズ。これは多くの者達の予想を裏切る形となったことだろう。
《ここまで来れば、もはや奇跡という言葉で片付けるのは失礼だろう! あえて言おう──王座を継ぐ者の出現だと!》
《長らく頂点に君臨してきた絶対王者を脅かす存在がついに現れたんですね!》
《どんな結果が待ち受けているかは分からないが、素晴らしい戦いになること間違いなしだね! どちらのクランもビルダーとして全力を尽くし、最後の最後まで戦い抜いてほしい!》
クラン・ブレイカーズが勝ち上がってこれたのは偶然の類ではない。彼らの実力あってこそだ。それが遂に頂点に君臨するマイスターを脅かす程の存在になったのだ。このバトルの始まりを待つ者達の期待感は自然と上がっていく。
《何が起こるか分からない予測不能の決勝戦! 間もなく開幕です!》
GBBBBの頂点を決める戦い。そのゴングはもう間もなく鳴り響こうとしていた。
・・・
「……僕ら、とうとうここまで来たんやな」
「バトルトーナメントの決勝……。アタシ達、ついにマイスターと同じ舞台に立てるんだ」
決勝戦を待つクラン・ブレイカーズ。クランとして日の浅い彼らがよもやGBBBBの頂点を決める戦いの舞台まで上り詰めた。目指してはいたもののまだ現実味を帯びていないのだろう。どこか神妙ながら緊張した面持ちを見せるタオとリン。
「おいおい、何マジな顔になってんだよ。盛り上がっていこうぜ!」
「折角の決勝戦、気持ちで負けてはいけませんからね」
そんな2人を見かねてか、年長組であるマシマとシーナがその緊張を解そうと明るく話しかけてくれる。まさにクラン・ブレイカーズの長男と長女と言った感じだ。
「そ、そうだね! ちょっと緊張してたみたい! ここまで来たんだから優勝あるのみ! 気合入れてこ、みんな!」
ここまで来たら、もう下手な意識をせす全力でぶつかるのみだろう。いつもの調子を取り戻したリンが高らかに拳を上げると、他のメンバーも拳を突き上げる。
「──久しぶりだね」
そんなクラン・ブレイカーズに声をかける者がいた。
「……君達の戦い、見させてもらっていた。どれも素晴らしいものだったよ」
GBBB絶対王者……マイスター。そして彼が率いるアルティメイトフォースゼロのメンバー全員が揃っていた。
「えっと……。知らない人もいる。そこの2人は誰?」
マトイ三兄妹は兎も角、見知らぬ2人の男性の姿もある。マイスター達と一緒にいるのでアルティメイトフォースゼロのメンバーであろうことは間違いないようだが、知らない人物にリンは首を傾げてしまう。
「ちょっとリン、なんで知らんねん!? このおふたりはマイスターのチームを支える両腕のような人達やねんで!」
とはいえアルティメイトフォースゼロに所属しているだけあって、その知名度は下手なプレイヤーよりも勝るようでタオは慌てた様子でツッコむ。とはいえ知らないものは知らないのだ。リンは首を傾げたままだ。
「なら紹介しよう。アータルだ」
「主殿から話は聞いている。今日はよろしく頼む」
思えば交流のあるタツヤ達と違い、2人の男性に関しては会ったことがないのだから知らなくても無理はない。気を利かせたマイスターはまず金色の長髪のポニーテールに纏めた騎士甲冑を纏った男性ことアータルを紹介すると、アータルは一歩踏み出して挨拶をする。その外見に相応しく、騎士のような気高さを感じさせる雰囲気を身に纏っていた。
「……主殿?」
「……マイスターのクランはそういう世界観があるのかもね」
マイスターを主殿と呼ぶアータル。およそ現実で聞かないその呼称にリンが面食らったような表情を見せるが、世の中にはなりきりというものもある。深堀しなくて良いだろうとタオは流そうとする。
「……なんか誤解されてない?」
「まあ、主殿なんて中々聞かないしな」
そんなタオ達の反応を見て、あらぬ誤解を受けている気がしたアヤトはひそひそとタツヤに話しかけるが、誤解はされかねないし、それでもさしたる問題ではないだろうと苦笑する。
「そして、こちらはライム。私の友人の1人だ」
「……ライムだ。戦う以上、容赦はしない」
そしてもう1人はスカーフェイスの筋骨隆々の大柄の男性であるライムだった。言葉短く挨拶はするもののその外見に違わず、威圧感させ感じるまま迫力があった
「正直、君達とこんなに早く戦える日が来るとはね。君達の活躍、嬉しく思う」
「みんなのお陰だよ! 今じゃマイスターにも負けないから!」
「そうだな。君達は最早、侮れない存在だ」
紹介はそこそこに改めてクラン・ブレイカーズに向き直る。期待をしていたクランだが、まさかこんな短期間でここまで上り詰めてくるのはマイスターも予想外なのだろう。驚きもありつつ我が事のように表情を綻ばせるとリンは真っ直ぐな勢いで答える。確かに、クラン・ブレイカーズは実力もチームワークも予想以上にレベルアップしている。侮ればマイスターといえど足元を掬われるだろう。
「今日は良いバトルにしよう。では、あの夢の舞台で」
同時に強者と戦える高揚感もある。ふと笑みをこぼしたマイスターは踵を翻し、他のメンバーと共にクラン・ブレイカーズの元から去っていくのであった。
「ねぇ、アタシ、今回はどうしても出たい!」
マイスター達の背中を見ながら何かを考えるように視線を彷徨わせたリン。やがて意を決したように決勝戦への出場メンバーに名乗りを上げる。
「GBBBBを始めた頃、マイスターみたいに強くなりたいって思ってた。それが今、マイスターと同じ場所で戦えるようになった……。だからお願い! アタシ……。あの人達と戦ってみたい!」
かつて目指したマイスターの背中。それがもうすぐ届こうとしている。マイスターを目標にしていたリンからすればどうしても出たいのだろう。
「リンちゃんがこんなに頼んでるんだ。いいんじゃねえか?」
「勿論や。こないに熱く燃えてるのを止められるワケないもんな」
「今までのリンさんの努力……。私達は知っていますから。存分に戦ってきてください」
その想いはマシマを筆頭にタオもシーナも肯定してくれた。
「みんな……。ありがとう! じゃあ2人目はリリン! お願い!」
「私……?」
「だって、リリンは勝利の女神じゃん! アタシ達をバトルトーナメントに参加させてくれたし!」
メンバーの想いに触れ、嬉しそうに笑みを見せるリンは続いてリリンを指名する。意外そうな反応を見せるリリンだが、リンは無邪気に話す。
「でも、私は……」
「遠慮することはねぇよ! 準決勝も絶好調だったし、決勝も思いっきり暴れてきてくれよ」
GBVの話があってか、あれ以降、いつも以上に暗い気がするリリン。出場も渋ろうとするが、その背中をマシマが押してくれた。
「分かった。頑張る」
メンバーからの期待と優しさ。その想いを無下には出来なかったのか。少し悩んだ後、リリンは出場を決意する。
「俺も行くよ。マイスターと戦いたいのは俺もだからね」
「うん! 今のツムギならマイスターにだって届くでしょ!」
最後のメンバーはツムギだ。マイスターと同じ覚醒の使い手。異論はなく、リンが頷くとこれでGBBBBの頂点を決める戦いのメンバーが決まった。
「これに勝てば、君達がチャンピオンだね」
そんなツムギ達に声をかけてきたのはユウヒだった。他にもウィルを除くベクルックスのメンバーの姿もあった。
「ユウヒさん……!」
「ツムギ君の大事な試合だもの。ここで応援してるよ」
まさかユウヒが来てくれるとは。思わずユウヒに駆け寄るツムギにユウヒはにこやかに笑いかける。
「いってらっしゃい。頑張ってね」
「はいっ! いってきます!」
ロビー広場では決勝戦を知らせるアナウンスが流れている。あまり会話をする時間はないようだ。だからこそ想いを込めるようにそっとツムギの背後に移動したユウヒは両手でツムギの背中を押すと、その背中の感触に嬉しそうにしながらもツムギはリンとリリンと共に決勝の舞台へ向かうのであった。
8/21はバニーの日。小話にバニーイラストが見たいのは(7月末まで)
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