ガンダムビルドブレイカーズ ReBreak 作:ウルトラゼロNEO
「アキナのガンプラも操られてたなんて……。ごめんね、でも……討つ!」
リプレイスを前に複雑そうな表情を見せるアオバ。以前、ゼノギアの襲撃の際にプレイヤーの活動可能区域を攻撃してきたガンプラの中で覚えのあるガンプラ……そう、目の前のリプレイスを目撃した際、見間違いかと思っていたが、やはり間違いはなかったようだ。妹のガンプラを破壊するのは忍びないが、それでも活動可能区域を破壊させるわけにはいかない。せめて一思いにと光の翼を展開して、一気にリプレイスに迫る。
一瞬にして距離を詰めたブルーデスティニージャッジはビームシザースを振りかぶり、一撃で仕留めようとコックピットを狙って攻撃しようとするもリプレイスは予測していたかのように避ける。
「動きが今までのガンプラと違う……!」
避けられたことに驚きはしたもののだからといって攻撃の手を緩めるつもりはない。アオバは続けざまにビームシザースを振るうもリプレイスは見切っているのか、次々に攻撃を避けていく。その動きを前に今まで相手にしていた操られたガンプラ達とは一線を画すものであった。
「お姉の動きなら手に取るように分かるよ」
いまだに有効打を与えられない状況にアオバの表情は険しくなっていく。そんな中、ふと通信越しに聞こえてきた声にアオバは目を見開いて驚く。その声は紛れもなくアキナの声だ。
「……嘘。アキナが動かしているの? 操られているんじゃ……」
操られていると思っていたリプレイスから聞こえてきたアキナの声。他の操られているガンプラは基本的にNPC機のようなものだったが、まさかアキナが直接、リプレイスに乗っているというのか。
「何で!? 何でアキナがこんな事に手を貸すの!?」
「……分かんないよ。最初はGBVの感染からだった。それが今じゃGBBBBを防衛するメンバーの中にお姉がいるからって変なウイルスまで打たれてGBBBBを破壊するなんてのに巻き込まれて……。こうなっちゃった。こう出来ちゃったんだよ」
リプレイスから放たれたGNファングを搔い潜りながら切り結ぶブルーデスティニージャッジ。普段は冷静なアオバもアキナがカオス側についているなど受け入れられなかった。しかしアキナはアキナでGBVに感染していたが、その後、アオバの件もあって半ば当てつけでタツヤを操ったウイルスを打たれたようだ。最も最早操り人形のようになっていたタツヤとは違い、会話が可能な事からウイルス自体は軽いものなのだろう。
「でもさ……。GBVの力は凄いよ。これなら覚醒を使う奴等にだって負けない」
「何言ってるの……? そんな不正な訳が分からない力なんて……」
GBBBBの破壊はアキナとしても望まないようだが、それはそうとGBVが齎す性能にはどこか高揚感を見せるアキナ。しかしそんな事受け入れることは出来ないアオバは眉をひそめるも……。
「……訳分かんない? 覚醒だって訳分かんない力じゃん!」
「っ!」
「ガンプラバトルシミュレータが稼働してもう何年経ってんの? それなのにいまだに全容どころか何で発動できるのかも分かってない! いくらシステムに正常にサポートされてるって言っても私からすれば不正みたいなもんだよ!」
ここにきてリプレイスの攻勢が強まり、アキナが声を張り上げる。アオバからしても珍しいその姿に驚きつつもアキナは心の中で抱えていた激情を発する。
「ガンダムブレイカー達もマイスター・アインもミスター・ガンプラだって……! そんな力を持った奴らがガンプラバトルのトップで我が物顔でいる! 気に入らない……。気に入らないよ、そんなの!」
「アキナ……」
「お姉だってそうでしょ!? お姉だって覚醒が気に入らないって……。そう言ってたのに、今じゃそんな奴等と一緒にいる!」
ガンプラバトルのトップ層は例外はいるが、その多くは覚醒を発現させることが出来る者が多い。だからこそ覚醒の力を持たないアキナからすればその事実が気に入らないのだろう。そしてそんな覚醒の使い手達と共にいるアオバも……。
「……そうだよ。一回GBBBBをぶっ壊してさ。真っ白にした方が良いんだよ。そうしたら覚醒なんて……!」
「ダメ! アキナ、戻ってきて!」
うわ言のように呟くアキナ。だがアオバは悲痛な面持ちで止めようとする、ウイルスによってカオス達の管理下に置かれているとはいえ、その心までカオス達の元へ墜ちさせるわけにはいかなかった。咄嗟に接近しようとするブルーデスティニージャッジだが、高出力ビームがリプレイスとブルーデスティニージャッジの間に割って入る。
「あれは……!」
「タツ兄の!」
ルーナB達のセンサーが鳴る。確認してみれば、ビームマグナムを構える真紅のガンプラの姿が。間違いない。操られたタツヤが使用していたバンシィをベース機にカスタマイズしたユニコーンガンダムX号機 パンテラだ。
「タツ兄! タツ兄なんだろ!?」
「アヤ兄、待って!」
ヒマリの静止の声を聞かずにルーナBはすぐさまパンテラに向かっていく。理屈じゃなかった。ただただタツヤを取り戻したい。その一心だったのだ。
「え……?」
しかしその純粋な願いは叶う事はなかった。パンテラは左右のマニピュレータにビームサーベルを三基ずつ装備すると、さながらかぎ爪のようにして一瞬にしてルーナBを撃破したのだ。他ならぬタツヤからの無慈悲な攻撃にアヤトの表情は絶望に染まる。
「……お姉。こっちにおいでよ。私と一緒に墜ちよう?」
「……ごめんね、今、GBBBBを守らないといけない理由が増えた」
リプレイスはブルーデスティニージャッジへ手を伸ばす。大切な妹からの誘い。しかしその大切な妹だからこそ、その凶行を阻止してGBBBBを守らないといけない理由が増えてしまった。
「……次会ったら容赦しない」
ふとリプレイスのコックピット内でグスタフがシオン達に撃破された知らせが入る。ここいらが潮時だろう。アキナはそう言い残すと、パンテラと共に転送ゲートを利用して帰っていくのであった。
・・・
「へぇ、あのガンダムブレイカーって結構やるじゃん。アタシ程じゃないけど。ニッシシシシ!」
その戦闘の様子をカオスの要塞からゼノギアがソフィーに腰かけて観戦していた。同じく戦闘を見ていたのだろう。カルパッチョはゼノギアの頭に肘をかけていた。
「心強い発言だ。既に四天王が1人、撃破されている訳だが」
「えー? 四天王って言ってもあのオッサンと絡みなんてないし知らないってーの。たまに喋ったと思ったら、ドーラドーラってさ。それしか言葉知らないのって感じ!」
頭上に乗るカルパッチョの手を払っても、すぐに肘置きにされる。カルパッチョは事あるごとにゼノギアに絡んでくる。妙に目をつけられてしまったと内心、ため息をつきつつグスタフの件についても話すが、寧ろ嘲笑ってくる始末だ。
「ねえねえ、それよりさ。カオス達ぶっ倒してこの要塞、アタシ達の物にしない? アタシ1人だとしんどいけど、アンタもいるなら出来るっしょ!」
「おやおや。人の言う事を聞くタイプではないとは分かっていたが、ここまでとは。だがその野心は素晴らしい。君のこと、気に入ったよ」
カオスが築いた要塞を自分達のものにしようと画策するカルパッチョ。悪い笑みを見せる彼女に呆れつつも、ゼノギアはふと笑みを見せる。
「じゃあ──!」
「だが、物事には順序というものが存在する。闇雲に動いたところでオチは見えている」
ゼノギアの発言に表情を輝かせるカルパッチョだが、ゼノギアはカルパッチョを壁際まで追いやり、そのままか細く長い人差し指を彼女の柔らかな唇に添え、それ以上の発言をさせず、その計画を咎める。
「聡明な君ならば……分かるね?」
「う、うん……」
唇に当てた人差し指を放し、抱くように頭を撫でながらカルパッチョの耳元で囁くゼノギア。その心を揺さぶってくるような色気のある蠱惑的な声はたちまちあのカルパッチョをしおらしくさせる。
「流石だ。では、この辺で失礼するよ。ガンプラの調整をしたいのでね」
「あっ……あっ! そ、それならアタシも!」
「君はカオス任せでそんなことしたことないだろう」
ゆっくりカルパッチョから離れながら、腰の後ろで手を組んだゼノギアはこの場を去ろうとするが、カルパッチョはまだ付いてくると言うのだ。しかし単身、ターンΩを組み上げたゼノギアと違い、カルパッチョのガンプラはほぼカオス任せだ。
「だ、だからこそだし! いつ、アタシの出番になるかも分かんないんだから! アンタが見てよ!」
(……やれやれ。少々、構い過ぎたかな)
そのままゼノギアの腕を掴みながら、強引にゼノギアにカルパッチョのガンプラであるドローレスも調整させようとする。しかしそれは方便でもう少しゼノギアと一緒に居たいだけだろう。それを理解しているのか、僅かに鬱陶しさを感じつつ、カルパッチョと共にガンプラの調整に向かうのであった。
ガンプラ名 パンテラ ユニコーンガンダムX号機
元にしたガンプラ バンシィ ユニコーンガンダム2号機
RIGHT LONG RANGE WEAPON ビーム・マグナム(バンシィ)
RIGHT CROSS RANGE WEAPON ビームサーベル(ビギニング)
LEFT CROSS RANGE WEAPON ビームサーベル(ビギニング)
HEAD バンシィ ユニコーンガンダム2号機
BODY バンシィ ユニコーンガンダム2号機
RIGHT ARM シャイニングガンダム
LEFT ARM シャイニングガンダム
LEGS バンシィ ユニコーンガンダム2号機
BACKPACK ガイアガンダム
SHIELD アームド・アーマーDE(バンシィ)
機体色はゲーム内プリセットにナイチンゲールカラーで統一