明久はモテる。
(※異性だけにとは限らない)
~場所は戻って屋上~
城「……っ!?(ビクッ)」
優「……ん?どうしたの城之一?」
城「……あ……いや……何でもない……」
優「…………?」
……なんだ今の悪寒は?……もしかして何かの予兆か……?
霧「……城之一、これ……」
城「…………」
霧「…………城之一?」
城「……はっ!」
工「どうしたの城之一君?考え事?」
工藤が首をかしげながら心配そうに零斗に聞く。
城「あ、あぁ……ちょっとな……それで霧島、どうした?」
霧「……私の弁当もあげる」
城「おお!サンキュ!」
零斗は霧島から紙皿を受け取る。紙皿の上に乗っているのは綺麗に巻かれた卵焼きやカップに入ったグラタン、そして様々な素材を使用し描かれた赤いたてがみが特徴のライオンがーーーー
城「………………ん?」
そして零斗は気付いた。よく見るとこのライオン(?)、誰かに似ていると。
城「………………これは……」
……赤いたてがみのライオン……そういやこんな特徴の奴Fクラスにーーーー
霧「……城之一?食べないの?」
と、食べ物をじっと見ている零斗を不思議に思ったのか霧島から声をかけられる。
城「……いや、このライオンよく作れてるなぁっと思ってな」
霧「……ライオン………まだまだ修行が必要……」
城「…………?」
霧島が何か呟いたようだがやはりライオンではないのだろうか……?
城「……そ、そんなことよりっ……」
そうだ、今はこのライオンが誰かに似ているのかを考えるんじゃなくて食べないと!
城「よし!それじゃいただきます!……もぐもぐ……」
零斗は少しもったいない気もするがライオンを崩して食べ始めた。
霧「…………どう?」
城「……ごくん………このそぼろしっとりして美味しいな!……俺も作ろうとしてるんだが毎回パサパサしちまうんだよなぁ……」
霧「……城之一、料理するの?」
城「あぁ、結構してるぞ。中学の時も自分で弁当とか作ってたからな」
母さんとか父さんは海外で働いているからなぁとも零斗は付け足す。
優「それじゃあ城之一は中学生の頃からひとり暮らしってこと?」
城「ん、そう言うこと」
工「へぇ~、中学生からずっと一人暮らしってすごいねぇ……あ、優子、城之一君のコップにお茶入れてあげて」
優「了解っと…………私も一人暮らししてみたいのよねぇ(コポポ)…………っと……はい、城之一」
城「おう、サンキュー優子……(ゴクゴク)…………ふぅ……言っとくけどそんなにいいもんじゃねぇぞ?一人暮らし」
お茶も入れてもらえるなんて本当に至れり尽くせりだなぁ……と思いながら零斗はそう言った。
優「え~……本当?」
城「あぁ、家事とか全部自分でやらないといけないからな」
優・霧・工『……家事を全部……』
城「…………?」
……ん?何で優子たちは顔を曇らせてうつむいているんだ……?
優「……城之一、家を掃除する頻度は?」
城「掃除する頻度?……うーん……2日に一度早朝に細かく掃除してるぞ」
優「…………」
霧「……城之一……裁縫は得意……?」
城「……裁縫はあまりしないぞ?……でもそーいや家のカーテンやソファカバーは手作りだな。中2のとき裁縫にはまったことがあってそん時つくったんだけど」
霧「…………」
工「……城之一君、さっき中学生の時お弁当作ってたって言ってたけど……」
城「学校のある日は毎日作ってたぞ?」
工「…………」
彼女たちはまた顔を曇らせうつむいてしまった。
城「……でも優子たちにとって掃除を細かくしたり裁縫でいろいろ作ったり弁当を毎日作るなんて普通のーーーー」
優・霧・工『……男子に女子力で負けるなんて……』
マズい、早急に謝らなければ。
城「……えっと……その…………普通とか言ってスンマセン……」
優「べ、別に良いのよ城之一!き、気にしてナイカラッ!」
工「そ、そうだよ城之一君!別に毎日お弁当作らなくたって…………グスッ……」
霧「…………ミシン……苦手…………(しょぼん)」
……全然大丈夫に見えないのだが……
優「……そっ……そう言えばこの学園に中学生時代の友達とかはいないの城之一っ!」
工「そっ、そうだよ城之一君!どうなのっ?」
霧「……気になる……教えて……(くわっ)」
城「……と、とりあえず落ち着くんだ3人共……」
全力で話を変えてくる3人を一旦落ち着かせる零斗。
城「……んー……霜月中学から文月学園に進学したのは……」
目を閉じて思い出してみる。
自分のことを『レイちゃん』と呼び、無理やり女装させてくる女子生徒。
そしてその女子生徒の幼なじみで成績はあまり良くないが頭のキレる男子生徒。
卑怯で下劣だが前に俺が制裁措置として女装を無理やりさせた男子生徒。
『頭の良い男が好き』と言い張る女子生徒。
騙されやすいが頭は良い1個上の男の先輩。
その先輩にいつも付き添っていてとても大胆な女の先輩。
……一通り思い出してから目を開く。
……………………ん?今思ったけど…………
城「……なんでっ……なんで俺と友達になる奴はこんなに性格が変わってるんだっ……」
工「……いったいどんな子が友達だったのカナ……?」
床を叩いて(精神的に)苦しむ零斗を見て工藤はそう言った。
城「……えっと……女装を強要してくる女友達とか超騙されやすい男の先輩とか『一緒にお風呂にはいりませんか?』って言ってくる女の先輩とかかな……」
優「……もうそれは性格が変わってるとかの問題じゃないと思うんだけど」
工「……ボクもそう思う」
霧「……一緒にお風呂なんて大胆……私も見習わなきゃいけない……」
城「まて霧島、そこは見習ったらーーーー……っ!」
そう言えば霧島が好きなのは姫路だったような……ってことは霧島は姫路と一緒にーーーー
優「ねぇ城之一、なんかやましいこと考えてない?」
城「滅相もございません」
オンナの勘って怖いね。
霧「……城之一、食べた?」
城「ん?あぁ、美味しかったぞ。ありがとな」
霧「……良かった……嬉しい」
そう言って霧島は微笑んだ。
うわっ!眩しい!霧島の笑顔が眩しすぎるっ!
工「……あっ!そう言えば!」
……と、突然工藤が立ち上がった。
優「ん?どうしたの愛子?」
工「代表、ボクたちお昼休みに職員室に来るようにって高橋先生に言われてたよね?」
霧「……あ……忘れてた……早く行かないと……」
工藤と霧島はそそくさと弁当を片付けだした。
優「え?そんなことーーーー」
城「そうなのか、じゃあまた今度……って言っても試召戦争でだな」
工「そうだね~、試召戦争は負けないからね♪」
城「打倒Aクラスは俺達Fクラスの目標だからな。勝たせてもらうぜ!」
霧「……Aクラスのプライドにかけて負けない……本気で戦う」
城「……お、お手柔らかにお願いします……」
本気でかぁ……厳しい戦いになりそうだ……
工「……それじゃ行こっか代表!」
霧「……うん……」
そう言って工藤と霧島は弁当箱を持って屋上の入り口に歩いていくがーーーー
霧「…………そう言えば城之一(クルッ)」
城「?、どうした霧島?」
ーーーー霧島が足を止めて振り返った。
霧「…………雄二は元気?」
城「???」
なんで霧島が雄二のことを…………ってそう言えば二人は幼なじみだっけか。まぁ幼なじみが元気にしているのか気になるのは当然だよな。
城「……あぁ、元気だぞアイツは。元気じゃない日は無いんじゃないか、と疑うぐらい」
霧「…………そう……よかった」
そう言うと霧島はさっきの10倍程、眩しく微笑んでから零斗に背を向けた。
…………Fクラスに帰ったらとりあえず雄二を一発殴ろう……いや、別にうらやましいとか思ってないからな?
工「それじゃあ後でね城之一君!」
霧「……また後で……」
城「おう!じゃあなー」
零斗がそう返事すると工藤と霧島は屋上入り口の扉へと消えていった。
工「…………頑張ってね優子♪」
霧「…………優子……ファイト……」
ーーーーなぜか優子にそう言いながら。
優「ちょっ!?もしかして二人共わざとーーーー」
ガチャン!
屋上入り口の扉がなかなかの音量を上げて閉まる。……なぜ二人は優子に応援メッセージを残していったのだろうか……?
優「……うぅ……こうするのが目的だったのね……大体あの二人が高橋先生との約束を忘れる訳がないし……(ボソボソ)」
優子がうつむきながら小声で何か言っている。
城「……え……えっと……優子……?」
優「っ!?きょ、今日は風が心地いいわね城之一っ!」
城「……え?……そ、そうだな……」
と、なぜか優子はそう言ってきた。
……まぁ確かに風が心地よい。汗をかかない具合にポカポカして屋外で昼寝や食事をするのに持ってこいな1日だ。……ってかまさか女子3人と……しかも手作りの弁当を…………
………………ん?
……女子3人?…………あれ?
自分の周りを見渡す零斗。
城「………………」
優「?」
周りには優子しかいない。まぁそれも当然、さっき工藤と霧島は用事があると言って屋上を出て行ったからだ。
…………ってことは…………
城)優子と二人っきりじゃねぇーかぁっ!
気付くのおせぇよ
また投稿が遅くなってしまいました。申し訳ございません。
実はこの作品の番外編を書いていて遅くなってしまったんです(言い訳)
そしたら書いているのが楽しくなってペン(手)が進んでしまって……(言い訳part2)
番外編は1章が終了したら投稿するつもりです。ちなみに零斗の家族が出てきます。
……と、長くなってしまいました。これからもなにとぞよろしくお願いいたします。