男だらけの教室なんか嫌じゃぁっ!
城「えー……城之一零斗と言います。漢字は…………チョークがないので書きません…………」
城之一零斗は自己紹介をしていた。
余談だがさっきの『男ばかりの教室』の話は福原先生の「我慢してください」という一言で片付けられてしまった。まあ、Fクラスだから仕方ない。
城「……まあとにかくこれからよろしくお願いします」
福「はい、ありがとうございました。城之一君、好きな席に座って下さい」
城「席は決まってないんですか!?(ビックリ)」
福「はい、自由席です」
城「………………」
と、とりあえず後ろの席に座るか。
そう思いながら歩き始めるとーーーー
「城之一君!」
ーーーーそんな元気な声が聞こえてきた。
城「(ん?どっかで聞いたような声だな……?)」
そう思って振り替えると……
城「!、明久じゃねーか!お前もこのクラスだったんだな!」
そこには昨日知り合ったばかりの吉井明久がいた。
明「ど~も~♪そういえば転校生は必ずFクラスなんだよね?」
城「あぁ、そうなんだよ…………ん?……明久はFクラス……ということは……明久は……」
そうだ……だから明久は塩水と砂糖水(と油少々)で生きていけるのか…………
明「ん?どうしたの城之一君?」
城「……明久はバカなのか!」
明「ええっ!?いきなり何をーーーー」
雄「そうだ、よくわかったな城之一!こいつはバカだ!」
明「ゆ、雄二まで何を言ってるのさ!?……ほ、ほらっ!自己紹介始まるから静かにしないと……」
明久の言った通り自己紹介が右端から順に始まっていた。
城「(……まぁ、一応見とくか……)」
零斗は明久が雄二と呼んでいた生徒の隣の席(?)に腰をおろして自己紹介を見始めた。
秀「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる」
………………あれ?どこかで見たような……
城「…………優子……か?……」
零斗が首をかしげているとーーーー
雄「違うぞ城之一。あいつは木下優子の双子の弟の木下秀吉だ」
ーーーーと雄二が忠告してくれた。
城「へぇー、そうなのか。知らなかったぜ」
雄「木下優子とは知り合いなのか?」
城「ま、まぁな………今日の朝色々あって…………って言うか待ってくれ」
雄「ん?どうした?」
雄二が首をかしげながら聞いてきた。
城「……優子の弟ってことは…………あいつは男なのか?」
雄「そうだぞ。ああ見えてあいつはおとーーーー………城之一、分かるぞその気持ちは……だから泣くな」
城「……しくしく……」
……何で……何であんなに可愛いのに……
秀「ーーーーと、いう感じじゃ。よろしく頼むぞい」
秀吉の自己紹介が終わった。次はーーーー
ム「……土屋康太」
口数は少なそうだが運動神経が良さそうな小柄な生徒だ。……ほう、結構真面目そうなーーーー
ム「……趣味は盗さ…………何でもない…………特技は盗ちょ…………特にない……」
ーーーー前言撤回。彼はとても不真面目な生徒だ。大体、趣味が盗撮・特技が盗聴っておかしいだろ!彼はFBIのスパイなのか!?
島「島田美波です。育ちはドイツだったので日本語の読み書きが苦手です。趣味はーーーー」
……と、康太のスパイ疑惑を考えているうちに次の人の自己紹介に移ったようだ。そしてその人はFクラスでは珍しい女子だ。
島「趣味は吉井明久を殴ることです♪」
明「誰だっ!恐ろしくピンポイントかつ危険な趣味を持つ奴はっ!」
ピンポイントって言うか名指しだしな……
島「あ、吉井!はろはろ~」
明「……うぅ、島田さん……」
島「今年もよろしくね~♪」
島田はそう言って手をふり座布団に座った。
城「……なぁ、雄二とやら……」
雄「どうした城之一?」
零斗は雄二に一番気になっていることを聞いてみた。
城「……このクラスに俺以外の常識人はいねぇのか?」
雄「……多分このクラスには常識人なんていないと思うぞ。大体お前は常識人なのか?」
雄二は疑いの目で零斗を見る。
城「はぁ?どっからどうみても常識人だろ!このクラスの野郎たちと一緒にしないでほしいっ!」
ついつい声が張ってしまう。
福「はいはい。城之一君、静かにしてくださいね」
そのせいで教卓を叩きながら先生が注意してきた。
「あ、すいませーーーー」
バキィボキィ パラパラ…………
『『『『………………』』』』
突如、教卓が音をたてて崩れ去った。
まさか叩いただけで壊れてしまうとは……
福「……替えを用意してきます。皆さんは自己紹介を続けていてください」
福原先生はそう言うと教室を出ていった。
雄「全く……卓袱台の脚は折れるわ、座布団に綿は入ってないわ、教卓は軽く叩いただけで壊れるわ……学校とは思えないひどい設備だな」
ごもっともだ。こんなひどい教室で勉強に集中できるはずがない…………というよりこのクラスの野郎共が真剣に勉強するとは思えないが。
そんなことを考えていた時、ガラガラっと教室のドアが開いた。
「あ、あの……遅れてすいません……保健室に行っていました……」
ざわっと教室中がどよめいた。何故なら教室の入り口に立っているのはふわふわしたピンクの髪にウサギの髪止めをした美少女だからだ。
「え、えっと…………あ!吉井君!」
彼女は知り合いなのか明久を見つけると彼のところに歩き、隣の席(?)に座った。
明「姫路さん……やっぱりFクラスになっちゃったんだね……」
姫「はい……テストの時、熱で途中退席してしまいましたから……」
城「途中退席?……あぁ、そうか」
確かテストでの途中退席は0点扱いって説明書に書いてあったはずだ。
雄「ほう……姫路がFクラスか……面白くなってきたな」
雄二はニヤッと笑いながらそういった。
城「なぁ雄二。姫路……だったか?かなりの美少女で頭が良さそうなんだが」
雄「あぁ、姫路は一年生の時の次席だ」
城「じ、次席!?」
驚いた。そんなに頭がいいとは……
姫「コホッコホッ」
明「姫路さん……やっぱりまだ体調が悪いんじゃあ……」
姫路は体が弱いらしく、この教室に入ってから何回か咳をしていた。
姫「はい……まだちょっと…………コホッコホッ」
明「…………」
明久は姫路を心配そうに見てから、立ち上がって雄二に近づいた。
明「雄二、ちょっと話があるんだけど……」
雄「ん?じゃあ廊下で話すか。俺もちょうどお前に話す用があるからな」
城「明久、雄二、俺もその話とやらを聞いてもいいか?勘だが試召戦争についての話だろ?」
明「よくわかったね。そうだよ」
雄「ほぉ、お前も興味があるのか?」
城「あぁ、俺には証明したいことがあるからな……まあとりあず廊下に出ようぜ」
そういって三人は廊下に出た。
雄「それで話ってなんだ、明久?」
雄二はあらたまってそう明久に聞いた。
明「……あのね雄二、僕は思うんだ……僕みたいな勉強に熱心でカッコいい生徒はAクラスの設備でのんびりとーーーー」
雄「つまり姫路のために試召戦争をして良い設備にしたいってことだな!」
明「僕の考えが一瞬にして崩壊したっ……」
明久は膝を付きながら悔しそうに地面を叩いた。
城「なるほど……明久は姫路のことが好きなのか!」
明「なっ何を言っているんだい城之一君っ!?そっそそそんなわけーーーー」
雄「城之一……わかりきっていることを言うなって」
城「そうだったな、すまない雄二」
明「この野郎っ!二人とも表に出やがれちくしょうっ!」
城・雄『もう出てるぞ』
明「ギリギリギリ!!!」
すごい歯ぎしりの音だな。歯が砕けるんじゃないか?
雄「まあ、冗談はこれくらいにしておいだな……実はな明久、お前に言われなくても試召戦争はするつもりだったんだよ」
明「……え?そうなの?」
雄「あぁ、俺は勉強が全てじゃないことを証明したいんでな」
城「お!お前とは気が合うな雄二!俺もその理由で試召戦争をやりたいと思っていたんだよ」
雄「そうなのか?それは奇遇だな!」
明「……それでさ雄二、クラスのみんなをたきつけてほしいんだけど……」
雄「あぁ、それは俺に任せておいてくれ…………っと、先生が来たから教室に入るぞ」
そう言うと雄二は教室に入って行った。
明「……それじゃあ僕らも行こっか城之一君」
城「……ちょっとまて明久」
明「ん?どしたの?」
教室に入ろうとした明久が振り返りながら言った。
城「これから城之一君って呼ばないで零斗って呼んでくれないか?」
明「……へ?なんで?」
明久は首をかしげる。
城「理由は………………ウザいから」
明「何その理不尽な理由!?」
城「はっはっはっ。3割は冗談だぞ」
明「あとの7割は本当なの!?」
そう言って声を荒げる明久。
……やっぱこの感じ……明久は似てるな……
……
城「……まあ落ち着け明久。深い意味はないんだが……前の学校でお前みたいな奴に下の名前で呼ばれてたから……って感じだ」
明「へぇー、僕に似た人がいたんだ。……うん、わかったよ零斗…………これでいい?」
城「おう!サンキュー明久!」
二人はそれぞれの手をガシッと掴み、握手した。
福「二人とも、廊下に立ってないで教室に入ってください」
あ、見つかった。
城・明『うぃー』
そう言いながら二人は教室に入っていった。
次回は雄二の演説です。