銀河異世碌~その青年、音紡ぎの宇宙刑事につき 作:カオスサイン
プロローグ
Side?
「え?本当に良いんですか!?」
「うむ、誠に予想していなかった事態だがどうやら君以上に適任者が居ないようなのだ…だからソレ等は一任を許可しよう」
俺の名は音羽上 鋼矢 前世の記憶を持っただけの高校生だった。
俺は今「銀河連邦警察」という組織のお偉いさんらに招待(ほとんど強制連行)されていた。
どうしてこうなったのかというと…
「エモルギア犯罪?…なんだか物騒な世界に生まれ変わっちまったみたいだな俺…」
前世では耳にしたことのないワードに俺は訝しむ。
まあ、只前世の記憶を持っているだけの一般ピーポーの俺は関わる事なんて無いだろうと高をくくってたのは大きな間違いであった事を知る事となる。
その訪れはある日の放課後の帰りにショッピングモール内のカフェで一息ついていた時の事だった。
「ン?」
「はあはあ…」
「ひとまず撒けたか…」
荒い息を切らしながらジェラルミンケースを抱えた中年の男性と俺と同じくらいの年の少女が入店してきた。
「でもこんな所に何時までも隠れられるわけないよ…」
「何処からかコレの情報が漏洩してしまったようだ…迷惑をかけてすまない!…」
どうやらこの人達は親子のようだが一体何が…ふと店の窓を見ると不審な一人の男が不気味な笑みを浮かべながら此方を覗き見てきていた。
「見つけたぞ…」
「!不味い!?…」
「え!?…」
「うるるああああーーー!」
「グルルルー!」
不審な男が呟いたかと思うと何かを取り出し唸り声を上げると黒い靄が発生し其処から化け物を出現させたのだ。
「なっ!?…」
「う、うわああああああー!?」
化け物と化け物を出現させた男がカフェに侵入すると周囲はパニックになる。
「こんな所でエモンズもだと!?くっ!?…緊急連絡を!…しまった!?スマホも通信機も壊れていて使えん!?」
「ええ!?」
どうやら通報しようにも機器が壊れてしまっているらしくその上他の人達は我先にと逃げ出していた為に助けを呼べない状況のようだ。
「それを寄越せえええー!」
「ぐわ!?…」
「パパ!?」
男の指示で化け物の振るってきた黒い腕に父親と彼が抱えていたケースが吹き飛ばされてしまう。
「わ、私の事はいい…それよりもアレを奴等に奪われてしまえばお仕舞いなのだ…早く回収を…」
「ウザってえオヤジだなあ…上には二人共生け捕りにしろなんて言われているがもう知るか!死ねー!」
「ぐわあああー!?……」
少女が駆け寄ってくるがそれでも傷を負いながら父親は吹き飛ばされたケースを回収しようと手を伸ばそうとした。
だが男の指示を受けた化け物が更なる追撃を加えてきて父親の絶叫が響き渡る。
「嫌あああああー!?パパ、パパ!?…」
血溜まりが浮かび倒れ伏す父親に少女が近寄ろうとするが
「ハハハ!オイ!ガキの方は一緒に来てもらおうか」
「い、嫌!離してよ!」
化け物と男に囲まれ少女は羽交い絞めにされて首を絞められようとされていた。
このままだと少女は間違い無く連れ去られてしまうだろう。
だが黙って見過ごす訳にはいかないと俺の体は自然と動いていた。
「たあっ!」
「何ッ!?」
「きゃ!?…」
少女を羽交い絞めにしていた化け物と男にライダーキックを喰らわせる。
完全に油断していた男と化け物は軽く吹っ飛び地面に転がる。
「おっと!?大丈夫か君?!」
「う…パパ?…」
すぐに解放された少女に駆け寄り確認するも首を絞められたせいで意識が朦朧としているのか俺を父親だと誤認しながら気を失った。
「…」
「よくも邪魔しやがったな!」
少女をすぐに安全な場所まで運ぶと男と化け物が復活し散々言ってくる。
考えろ!…この現状を打破する策を…そうか!一か八かの賭けになるがどの道出来なければ俺も少女も終わってしまう。
「おいテメエ!コイツが欲しいんだったよな?!」
「そうだ!ソイツを寄越せ!」
俺はケースを回収し男に見せつける。
「誰が渡すもんかよ!」
「んなっ!?…ま、待ちやがれ!」
俺は男に投げ渡すフリをしてケースを持ってカフェ内から出た。
「コイツは!…」
そして逃げ隠れた先でケースを開錠した。
ケースの中には緑色のエレキギターを象ったかのようなデバイスと不審男が使っていたボトルみたいな何かがあった。
『エモー~!』
「うお!?」
その何かがいきなり飛び出してきて俺の肩に乗っかってきた。
ってか何か仮面ライダーガヴのゴチゾウとビルドのフルボトルっぽいなあ。
「成程、お前達をアレに使えば良いんだな!」
なんでかゴチゾウもどきの言葉が理解出来た俺はデバイスと一体を手に取った。
「其処に隠れていたかあー!」
「よお、悪ィが一歩遅かったようだな!」
「!?」
追いついてきた男は俺が手に持っている物を目にして驚愕していた。
それ等があのケースの中身なのだと察したのだろう。
「いくぜ!」
『シンギー!』
ゴチゾウもどきをデバイスに挿すと音声が流れ出す。
「蒸血!」
そう叫びながらデバイスを操作しトリガーを引いたものの…
「あり?…」
反応が無い…
『ビー!コマンドが違います』
「なぬ!?…」
真逆のコマンドが違うと指摘され俺は慌てる。
「はははー!苔脅しだったようだな!」
「不味っ!?…」
俺は慌てて化け物の攻撃を回避する。
それっぽいから言ったのに…という事はもしかしてあっちの方か!?
おいおい、俺はさわりぐらいとケロロ軍曹のパロしか知識無いぞ。
「今度こそ!蒸着!」
『シンギー アクティベート』
俺の体に緑色のアーマーが纏われる。
「何!?テメエ、銀河連邦警察の人間だったのか!」
「いや違うけど…」
「か、確実に仕留めろ!」
男がそう言ってきたので俺は否定するものの攻撃の手が緩められることはない。
「やってやる!それっ!」
デバイスのトリガーを引いて銃撃しながら化け物に接近し殴りつけブッ飛ばす。
「グル!?…グルオー!」
「おっと!」
すぐに化け物が態勢を立て直して反撃してくるが俺は容易く回避する。
「!こうか!…はっ!」
フェイスアーマーから送られてくる情報を元に俺は肩アーマーに付いている音響から音波を繰り出す。
「か、体が重く!?う、動けない!?…」
「グオ!?…」
重低音波<グラビソン>によって発生した重力によって男と化け物の動きを制限させた。
「フィニッシュといこうか!」
♬~俺はデバイスのギターを弾いてから再度装填してあるゴチゾウもどきを押し込む。
『エモーショナルバースト!』
「そらよっ!<メロッキングバースト>!!」
化け物を上空に蹴り上げて落下してきた所にゼロ距離で必殺の砲撃を喰らわせる。
「ば、馬鹿な!?…」
化け物が遙か上空で爆散したのを目にした男は驚愕する。
「えっと…お!これでコイツ拘束出来るみたいだな」
グラビソンを解除し腰アーマーを探ると手錠ロープが出てくる。
それで男を拘束した直後、俺は避難させていた少女の元へと戻った。
「う…私…」
「なんとか無事みたいだな」
あ、変身したままだったな。
「貴方は!?…」
俺が変身を解除すると少女は驚いた表情をした。
「はっ!?パパは!?…」
「…」
そこで父親の事を思い出し惨状を再び目にしてしまった。
「パパ、パパ!…」
少女が必死になって呼びかけるが反応などない…
「そんな!?…」
父親が既に手遅れ状態なのは明白な事が少女にも理解出来たのだろう。
『エモ!』
「ン?…コイツは!…」
ふと俺の肩に別のゴチゾウもどきがのってきたのを見て驚く。
このゴチゾウもどきの声といい見た目といい間違い無い!
「まだ間に合うかもしれない!だからちょいと失礼させてもらうよ!」
「え?…」
『グリッドマン!』
「フィクサービーム」
俺はデバイスにゴチゾウもどきを挿すと予想通りの音声が発せられる。
そしてトリガーを引き少女の父親に万物を修復する光線を浴びせた。
「う…」
「よし!」
フィクサービームを浴びた父親はしばらくして目を覚ました。
「パパ!?傷は平気なの?!」
「あ、ああ…嘘みたいに体が軽い!…それは!?…」
目を覚ました父親は俺が使っているデバイスを目にして驚く。
「あ、勝手に使ってすみません!」
「いや…どうやら私も娘も助けられたみたいだからな…しかし何故傷の回復が?」
「コイツのおかげっすよ」
『エモ!』
父親は何故あの重症から奇跡的な回復が出来たのか疑問をぶつけてきたので俺がグリッドマンのゴチゾウもどきを見せると彼は酷く驚いた顔をしてこう言った。
「…何だそのエモルギアは!?私が所持し収納していたのはシンギーのギアだけの筈なのだが…」
「え?…」
そんな事を言われ俺ははっとなる。
そういえばコイツいきなり出てきたなと
「ふむ…私が開発したギャバリオンメロッキングトリガーで蒸着し戦った事といいその未確認のエモルギアの事といい…すまないがちょっと私と一緒にある所へ来てもらわないといけなくなったな」
「は、はあ?…」
どうやらやっぱり穏便には帰してはもらえないようだ…。