蠱毒の壺をペットにしたバカの話   作:二度見屋

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本作が日常ジャンルから冒険バトルジャンルへ変更されることになった原因。はっじまるよー!


第十二話

秋の気配が、山田家の広大な敷地に忍び寄っていた。

 

色づき始めた紅葉が風に揺れる中、山田大輝は縁側に座り、どこか憂鬱そうに空を眺めていた。その表情は、これから起こるであろう「面倒事」を察知している少年のそれであり、同時に、嵐の前の静けさを楽しむ怪物のそれでもあった。

 

 

 

その日の朝、山田大輝はいつもより少しだけ早く目を覚ました。

 

数刻前、使用人たちは全員、大輝の手によって屋敷の奥の一室へと集められた。

 

「今日はね、みんなにちょっとした休暇をプレゼントしようと思うんだ。急で悪いんだけど、今日一日は外に出ないで、この奥の部屋でゆっくりしていてほしいな。大丈夫、何があってもこの部屋までは届かないようにしておくから」

 

大輝の声は穏やかで、まるで遠足を勧める子供のような無邪気さに満ちていた。しかし、その背後に渦巻く「ナニカ」の重圧を感じ取っている使用人たちは、誰もが石像のように硬直した。

 

彼は分厚い封筒を人数分、躊躇なく差し出した。

 

「これは今日の分のお金と、急な変更へのボーナスだよ。お酒でも取り寄せて、宴会でもしていてよ。……今日は外にいると、少しだけ、危ないから」

 

使用人たちは、主人の顔色を伺いながら、震える手でそれを受け取った。彼らにとって、山田大輝は絶対の主であり、恐怖の対象だ。その存在が「出ていけ」と言うなら出ていくし、「帰ってくるな」と言うなら帰ってくることは許されない。「部屋から出てくるな」と言われたなら、餓死するその時まで、彼らはその部屋から出ることは無いだろう。

 

屋敷の奥へ消えていく彼らの背中を見送ると、一人残された大輝は、縁側にぽつんと腰を下ろし、冷めかけた茶を啜る。

 

膝の上には、香澄から課題として渡された数学のプリントが置かれている。彼は秋の柔らかな日差しを浴びながら、どこか憂鬱そうにしている。

 

「……面倒だなぁ」

 

呟いたその声は、誰にも聞かれることはなく、陽だまりの中へ溶けていった。

 

その瞳は、誰もいないはずの正門の方角を、じっと見据えている。

 

周囲の鳥の声が消えていた。風さえも、彼を避けるようにして止んでいる。

 

 

 

正午。

 

太陽が天頂に達し、影がその足元に最も短く収まる時間。

 

古来より、陽の気が極まり、闇に属する者の力が削がれるとされるその瞬間に、彼らは現れた。

 

阿宗家――斉藤家と並び称され、武闘派として知られる霊能者の一族。その精鋭三十名。

 

先頭を行くのは、当主・阿宗猛。その眼光は鋭く、筋骨逞しいその肉体を黒い装束に包み、破邪の数珠を首にかけ、背には一族の至宝である「破魔の骨槍」を担いでいた。

 

彼の周囲を固める門弟たちもまた、一分の隙もない構えで、それぞれの得物に手をかけている。

 

彼らは、斉藤家が敗北した事実を軽く受け止めてはいなかった。

 

斉藤家と阿宗家は、過去の因縁ゆえに、お互いを蔑みあっている仲ではあるが、その実力がほぼ同格であるところは、自他ともに認める事実だ。

 

そして、その斉藤家を支配下に置いているであろう山田大輝という存在を、決して侮ってはいなかった。

 

彼らはこの数週間、持てる術を尽くして山田家を調査していた。影に潜ませたトカゲの傀儡を通じ、屋敷の構造と、その屋敷の主、山田大輝という化生、奥底に鎮座する「クロちゃん」なる呪物の存在。そしてそれらが放つ悍ましい覇気を、冷徹に観察してきた。

 

怪異の手に堕ちたと見られる、斉藤家からの報告と重なる部分はあるが、あの『蠱毒の壺』こそが、山田大輝と名乗る化生の本体と見て間違いないだろう。

 

そこに油断や慢心の色は一切ない。斉藤家を下した「山田大輝」という存在を、阿宗家は正しく「脅威」だと認めていた。

 

(斉藤の二の舞にはならぬ。我ら阿宗の力、その神髄を見せてくれる)

 

猛が合図を送ると、門弟たちは懐からコウイカの干物を取り出し、それを一斉に噛み砕いた。

 

阿宗家が得意とする降霊術の応用――コウイカの精霊を身に宿し、その擬態能力を人間の肉体で再現する隠密術の一つだ。

 

彼らの姿は陽光の中に溶け込み、背景の木々や石組みと同化した。

 

正面から戦う必要はない。見つからずに屋敷へ潜り込み、その化生の本体を破壊する。

 

音もなく、風を起こす事もなく、彼らは山田家の屋敷へと入り込んだ。

 

 

 

だが、彼らが屋敷の内部に足を踏み入れた瞬間、その視界は凍りついた。

 

(……何だ、これは)

 

事前にトカゲの傀儡が伝えてきた間取り図とは、似ても似つかぬ空間がそこにあった。

 

屋敷の敷地面積を考慮しても、理屈に合わない長さの、果てしなく続く一本道の廊下。左右の壁には窓も扉もなく、ただ滑らかな板張りの壁が、奥へ、奥へと続いている。

 

空間拡張の結界術式。それも、ただの結界ではない。

 

「……東宮家の術式か。あそこも既に、この少年の手に堕ちたというのか」

 

猛は苦々しく吐き捨てた。

 

「これは罠だ。我らの動きは完全に読まれている」

 

背後の門弟たちに緊張が走る。だが、猛はその歩みを止めない。対怪異戦において、「怖くなったので逃げました」は、絶対に行ってはならない行為の一つだ。

 

恐怖を糧とする怪異の前で、そんな態度を見せれば、即座にその心に入り込まれる。

 

阿宗家の精鋭たちは、臆することなく、猛を先頭に廊下を疾走した。

 

どれほど走っただろうか。不意に、廊下の終端が現れた。

 

重厚な黒漆塗りの扉。そこから漏れ出す邪気は、もはや物理的な重圧となって、阿宗家の精鋭たちの皮膚をチリチリと焼き、肺の奥を汚染していく。

 

扉を蹴り開けた瞬間、彼らが目にしたのは、世界の終わりを凝縮したかのような光景だった。

 

結界によって中に閉じ込められていた邪気が爆圧となって襲いかかる。

 

「ぐっ……!」

 

門弟の何人かが膝をつきそうになる。それは、ただの呪力ではない。数多の怨念を凝縮し、愛という狂気で煮詰めた、吐き気を催すほどに甘美で不浄な重圧だ。

部屋の中央には、あの黒い壺――「クロちゃん」が鎮座し、脈打つように鳴動していた。

 

「こんなものが、人の世に許されてよいはずがない……!」

 

猛は自身を鼓舞し、背中の骨槍を引き抜いた。阿宗家の先祖の骨を何代にも渡って重ね合わせ、削り出し、代々の加護を重ねたその槍は、存在自体が強力な浄化の波動を放っている。

 

槍を構え、壺を破壊すべく一歩を踏み出した、その時。

 

「……ヒッ……!」

 

最後尾にいた門弟が、情けない悲鳴を上げた。

 

猛が反射的に振り返ると、そこには、いつの間にか一人の少年が立っていた。

 

灰色の落ち着いた和装を纏った山田大輝。彼は、散歩の途中で知り合いに会ったかのような、のんびりとした表情を浮かべている。

 

パンッ。

 

大輝が軽く手を叩いた。

 

その瞬間、阿宗家の霊能者たちを包んでいた「コウイカの擬態」が、ガラスが割れるような音を立てて霧散した。白日の下に晒された三十人の術者たちは、戦慄に身を震わせる。

 

「皆さん、初めまして。遠いところを、わざわざありがとうございます」

 

穏やかな、あまりにも丁寧な挨拶。大輝は硬直する阿宗家の人々の間を、まるで影のように通り抜けて祭壇の中心へと歩いていく。

 

そこからの流れは、一瞬の出来事であった。

 

 

 

その無防備な背中に、阿宗家の精鋭二人が反応した。

 

彼らは目配せ一つで同時に霊刀を抜き放ち、左右から大輝の肩を目掛けて斬り下ろした。

 

確かな手応え。大輝は何の反応も示さず、無抵抗にその刀を受けた。ドサッという音を立てて、その両肩が腕ごと切り落とされた。

 

だが、血は一滴も流れなかった。

 

大輝は歩みを止めず、表情一つ変えない。

 

精鋭二人が驚愕を押し殺し、再度斬りかかろうとした瞬間。異変が起きた。

 

床に落ちた大輝の右腕が、鱗に覆われた巨大な大蛇へと、左腕は、無数の節足を持つ巨大な百足へと、瞬時に変貌した。

 

その二匹の『腕』は、それぞれが二人の男へ襲いかかり、その胴を瞬時に締め上げ、肋骨を砕きながら肺を圧迫し、祝詞の一つも放てないよう拘束した。

 

「あ……がっ……!?」

 

二人の精鋭が、一呼吸のうちに無力化され、大輝の背後で泥のように崩れ落ちた。

 

しかしそれに動揺を見せることなく、間髪入れず、三人の精鋭が前に躍り出た。彼らは、懐から干からびたトカゲの尻尾を取り出すと、躊躇せずにそれを口に含んだ。

 

阿宗家の得意とする降霊術。トカゲの精霊をその身体に宿した彼らの皮膚は、鱗に覆われ、爪は鋭く伸び、瞳は縦に割れた。

 

竜人の如き身体能力で大輝に襲いかかろうとした、その刹那。

 

彼らの動きが、まるで不具合を起こした機械のように不自然な加速度で固まった。

 

見れば、大輝の足元から伸びた影が、触手のような歪な形状となって三人の影に絡みついていた。影を縛られ、肉体の制御を奪われた彼らは、引き攣った表情で固まることしかできない。

 

大輝は止まらない。さらに二人の女性霊能者が立ち塞がる。彼女たちは、阿宗家でも一、二を争う呪詛の使い手だ。

 

彼女たちは大輝の左右に陣取ると、示し合わせたかのように、同時に口を開き、その口から異なる祝詞を、狂ったような速度で唱え始めた。

 

右からは麻痺。左からは眠りの呪詛の祝詞。

 

左右から放たれる、二種類の律の入った超高速の詠唱。麻痺と眠りの波動が、大輝を挟み込むように襲う。いかに強力な術者でも、異なる二つの呪詛を同時に受ければ、どちらかへの対処に必ず綻びが生まれる。

 

だが、大輝は彼女らを一瞥すらしなかった。

 

不意に、大輝の首筋に、刃物で引いたような二つの切り込みが走った。

 

その切り込みが左右に開き、そこから「口」が現れた。

 

その口が、それぞれ左右に向かって、それぞれの反対呪文となる祝詞を、律の入った速度で別々に唱え始めた。

 

彼女たちの数倍の速度、数倍の強度の力が込められた詠唱。

 

彼女たちが放った呪詛は、呪詛返しによって一瞬の抵抗すら許されず押し返され、二人の女性は、自身が放った呪いの反動で白目を剥き、その場に倒れた。

 

大輝の表情は変わらない。

 

彼は、まるで庭を歩くかのような気軽さで、真っ直ぐにこちらを見据え、ゆっくりと歩み寄ってくる。

 

 

 

阿宗猛は、その惨状を、震える目で見つめていた。

 

(……何だ。これは……何なのだ!? 術の巧拙とか、霊力の多寡とか、そんな次元の話ではない! このガキ……いや、この怪物は、怪異としての性質を、そのまま術理の中に落とし込んでいる!)

 

猛は、目の前の存在が、単なる怪異の類でも、気の狂った霊能者のような存在でも無いことを悟り、絶望的な覚悟を決めた。

 

目の前の少年を倒すことは、今の自分には不可能だろう。

 

ならば、せめて、この諸悪の根源である『壺』だけでも道連れにする。

 

彼は骨槍を構え直し、全霊力を一点に集中させ、祭壇の間の奥に鎮座する、蠱毒の壺の方へ向き直った。

 

だが、その時。

 

 

 

「やっと、怖がって(目を逸らして)くれたね」

 

吐息が、耳元で聞こえた。

 

猛の全身が凍りついた。

 

反射で背後を薙ぎ払おうとしたその腕が、咄嗟に距離を取ろうとしたその足が、死んだように麻痺し、その触覚すらも曖昧になっていることを知覚した。

 

金縛り。

 

この一瞬で、眠りの中にいる訳でもない相手を、破邪の加護を貫いて。

 

猛はもはや、その思考すらも麻痺するかのような心地であった。

 

先ほどまで、阿宗家の精鋭たちが死に物狂いでその足止めを行っていたはずの山田大輝が、猛の真後ろに立っていた。

 

他の門弟たち、阿宗家の中でも精鋭であるはずの彼らは、全くその動きを追うことが出来ていなかった。

 

大輝は、先ほど切り落とされたはずの、しかし今や何事もなかったかのように繋がっている手で、そっと猛の手から骨槍を奪い取った。

 

 

 

彼は壺――クロちゃんの横に立つと、愛おしそうにその表面を撫でた。

 

「実は、あなた達がここへ来ることは、ずっと前から分かってたんです。今の僕は、どっちかと言うと、人間よりも『怪異』の方に近いので……。僕やクロちゃんについて、誰かが名前を言ったり、噂話したりすると、そこに乗ってる感情(恐怖)が、遠くの波紋みたいに伝わってくるんですよね」

 

大輝はそう言ってから、手に持った骨槍、幾つもの加護によって金属を越える強度を持つはずの、その先端を、無造作に、まるでチョコレートでも割るかのような気軽さで、パキッ、と音を立ててへし折ると、その欠片をなんの躊躇も無く、壺の欠け穴へと放り込んだ。

 

まるで、公園のハトに、パン屑でもやるような、あまりにも日常的な動作。阿宗家の人間は、猛含めて、その動きに誰一人反応する事が出来なかった。

 

 

 

「……あっ……」

 

誰かが声を漏らした。

 

その瞬間、祭壇の間に戦慄が走った。

 

「正直、僕はこういうことはしたくないんですよね。面倒だし。霊能者の人たちが減ると、日本を守る結界とか、怪異のバランスが崩れちゃうんでしょう? さすがにそれは僕も困るんで、穏便に済ませたいのが本音なんですけどね……」

 

大輝の穏やかな声が響く中、一人の門弟が、震える視線で隣に立つ当主、阿宗猛を見た。

 

「と……当主、様……?」

 

霊能者たち、ひいては呪術界に関わる人間が守るべき鉄則というものが幾つかある。

 

その中の一つに、『当主は、一族最強の者でなければならない』という掟がある。

 

それは誇りのためではない。血縁という強力な「縁」を通じて呪いが伝播する際、最強の当主が「盾」となってそれを食い止めるためである。

 

仮に弱き者が当主を務めれば、その人間が呪い殺された時が、その血族の最期となってしまう。

 

そして今、阿宗家の先祖の骨から作られた槍――つまり、一族の魂と直結した「縁の塊」が、あの蠱毒の壺へと投入された。

 

呪術界において、血統とは絶対の繋がりだ。あの槍は、阿宗家の祖先の骨。それが『蠱毒の壺』という呪物の中に投入されたことは、阿宗家という血脈そのものが、この蠱毒の壺の『器の中の虫の一匹』として認識されたことを意味する。

 

これが通常の蠱毒か、もしくは平凡な呪詛の類であれば、問題になどならなかっただろう。しかし……。

 

 

 

門弟の目に映ったのは、阿宗猛の姿ではなかった。

 

そこには、阿宗家当主が身につけていたはずの装束と、破邪の念が込められていたはずの砕け散った数珠、それら装備だけが、音もなく、いつの間にか、時間が切り飛ばされたかのように、床にバラバラになって落ちていた。

 

肉体も、魂も、存在そのものが、内側から綺麗に掻き消されたかのように消滅している。

 

当主という「盾」が、壺の中に放り込まれた骨の縁を通じて、真っ先に「消化」されたのだ。

 

「まぁでも、九州なら特産品とか僕詳しくないし、別に無くなっても困らないかなって。あ、それと香澄先生が言ってたんですけど、霊能者の人たちって『認識阻害』を使ってるから、一般の人には戸籍とかは認知されてないんですよね? だったら、こうして皆さんが『消えちゃって』も、警察の人が家に来て困ることもないし、別にいいかなって」

 

大輝は、春の午後のような無垢な笑顔を浮かべた。

 

その瞳の奥にある無限の虚無が、阿宗家の精鋭たちを凝視していた。

 

 

 

次の瞬間、音もなかった。

 

絶叫すら間に合わなかった。

 

祭壇の間にひしめいていた三十名の霊能者たちが、まるで最初から存在しなかったかのように「ガワだけ」を残して、音も立てずに霧散した。

 

まるで最初からそうであったかのように、法具と衣服の類だけがそこに散らばっている。

 

「あ、クロちゃん。美味しい? よかったね」

 

大輝は満足げに壺の鳴動を聞き、優しく語りかけた。

 

阿宗家という、呪術界の一翼を担った巨大な名門は、夏の終わりの午後に、一人の少年の「おやつ」として完全に幕を閉じた。

 

祭壇の間には、再び静寂が戻っていた。

 

「片付け、大変だなぁ。でも、クロちゃんがすごく喜んでるから、いいか」

 

この日、名門・阿宗家とその精鋭、そしてそれに連なる血を分けた百人近い人間が、この世から一切の痕跡を残さず消失した。

 

 

 

秋の涼やかな風が吹き抜ける山田家。

 

「クロちゃん」という名の怪物は、名門一族の魂という至高の糧を得て、その振動をより深く、より重く、世界へと響かせていた。

 

そこから溢れる邪気、そして流れ出る呪力の奔流は、もはや横に立っているだけで致命的なまでに膨れ上がっていた。

 

その影響を一番強く受けているはずの山田大輝は、しかし穏やかな表情で、いつものようにクロちゃんを愛でるように、その壺の表面を優しく撫でるのだった。




山田大輝くん
実はちょっと怒ってた。クロちゃんに槍を向けた時点で絶許。ゴリ押しでやればもっと手っ取り早く片付けれたけど、そっちの方が疲れそうだったので楽な方法でやった。怒ってたのに直接殺さずに拘束だけに留めたのは「生き餌」の方がクロちゃんが喜ぶから。

阿宗猛くん
現代に生きる霊能者たちの中では最強クラスの人パートスリー。と言うか日本の霊能者の中で、こと戦闘に限るならナンバーワン。阿宗家は術の種類が乏しく、精度も低いと揶揄されることが多いが、怪異退治という一つの項目で見た時には右に並ぶものがいない武闘派の家系。でも今回は相手が悪かった。廊下を進まずに逃げ帰るのが唯一生き残れたルート。

使用人の皆様
長年働いているはずの屋敷。なのに見覚えの無い広さの豪華な部屋に押し込まれて思考放棄してるなう。なんでかトイレとかお風呂とか、テレビにゲームにWiFiまで用意されていたけど怖くて使えてない。使ったら黄泉の国へ連れてかれると思ってる。
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