探偵士、少年探偵団と出会う。   作:ummt

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第二十七話 探偵士、怪文書を作る。

 

「あの犯人、指紋を残さないための手袋の繊維が瞼と衣服に付着するとか、パテの飛沫がとんで自分の靴に掛かっているとか……考えなかったみたいだね」

 

 送迎の為に世良さんの宿泊するビジネスホテルに向かう道中、犯人のいない所での反省会が始まった。

「そうですね……台車は倉庫に雑に置いても不自然ではなく、倉庫作業中で扉の開け閉めを他の従業員は気にしない」

 世良さんは窓ガラスの開閉レバーをくるくると回すと、窓枠に肘をかけて風に吹かれた。

「監視ルーム担当だったから監視カメラのログを改竄して、突然遺体が現れたようにしたかったから、周りに置くドライアイスを運ぼうとする最中に毛利探偵から声が掛かってしまった」

 淡々と流れる景色を見つめながら独白は続いた。

「それに彼女はシャーロキアンでもミステリーファンでもなかったそうじゃないか……。ただ勤め先があの場所だっただけってだけ……。例え探偵マニアだったとしても……殺される理由にはならない……」

 不幸は予告無しに訪れる。

 善人にも、悪人にも。

「人が殺される理由など、本来はあってはならないものです。憎悪や嫉妬、悪行や贖うべき罪の存在といった如何なる責めうるべき非があったとしても、殺される『べき』理由にはならない」

 そうこうしているうちに目的のビルが視線上に見えてきた。

 

「……探偵士くんの見解を聞けてよかったよ」

 

 、、、

 

「いや、行けません。部屋には行けません」

 

 ビジネスホテルのロビーの壁にしがみついて腕を引っ張って無理やり部屋に連れて行こうとする世良さんの猛攻を耐えた。

「会わせたい人がいるんだよ!!」

 そう言われたって此方には社会的立場が終わるかどうかの瀬戸際なんだ。

「電話を掛けさせてください!! 風見さんです!! 前にカラオケで一緒になりましたよね!? 彼に連絡して何もない事を確定させてからでないと!! 未だ社会的に死ぬわけには行かないんです!!」

 すると腕が離された勢いで思い切り床に倒れ込んでしまった。

「まったく……分かったよ!! 風見さんに連絡しな!!」

 床にたまった埃を作業着で拭きながら蹌踉めき立ち上がって壁に持たれかけながら電話を掛けた。

「……風見さん、今お時間……はい。……はい、はい。……それで……あの……部屋……はい、はい。違います……そうです。……はい、はい」

 電話の向こうの風見さんは心底呆れた声を出して、近くにいるから今から向かうと言ってくれた。

 

「で、準備はいいかな? 探偵士くん」

 


 

「探偵士くんを連れてきたよ!!」

 

 世良さんが部屋を勢いよく開けて叫んだが誰も居ない。

「あ、居ないのであれば廊下で待ちますね」

 くるりと踵を返して廊下側に向くとドアの影に隠れて金髪の女性が腕を組んで仁王立ちのまま睨みを効かせていた。

「お前がデイヴィス阿笠……探偵士とやらか」

 ……この声、領域外の妹か。

「あ、はい。初めまして。僕は……」

 右手を差し出すとその手を掴んで膝蹴りをされた。

「体術の腕は大したことないらしいな」

 そう言われても、女性に反撃出来ないだろ……。

「はい。僕は……」

 右肘を掴まれたままの状態で自己紹介をしようとすると背中に回られて羽交い締めにされた……というより背負う形になっている。

 領域外の妹は作業着のポケットから麻薬取締官証を取り出して読み上げ始めた。

「麻薬取締官か……だから拳銃を持っているのだな?」

 腕が脇に伸ばされた瞬間に前転をした。

「銃に触ってはいけません!!」

 自分の体重が乗ると領域外の妹は苦悶の声を上げた。

「くっ……体躯の差を考えんか!!」

 先に仕掛けて来たのはそっちだろうに。

「困ったね!!」

 世良さんが楽しそうに弾んだ声を出したが、本当に困っているんだが。

 背中の下でジタバタ藻掻かれるのもアレなのでゆっくりと起き上がって膝の土埃を払った。

「僕はデイヴィス阿笠。少年探偵団の見習いマスターオブディテェクティブ、探偵士です」

 名乗り口上をして右手を差し出したが、その手を握られることは無かった。

「探偵士……ミステリーマニアか。話には聞いている。……真純の言う通り、信頼が出来る凡夫なのか信用ならない非凡なのか……まだ見極める材料が足りんな」

 ……自分が悪党ならば……。

「あはは……貴方のお眼鏡に叶うような人間では無いので……」

 帰るか。

 廊下に向かって歩き出すとそれを遮るように質問が投げかけられた。

「アポトキシン」

 反応してはいけない。

「テロメアリス」

 ……末梢神経に意識を集中させて自然に振る舞い、演じきる。

「……そうか。失礼したな。デイヴィスとやらは何も知らないという『設定』なのか」

 そのまま扉を開けると廊下の先で見慣れた背格好の男性が走り寄ってきた。

 

「デイヴィス!! 室内で『ドタバタ大騒ぎしてる』とフロントから苦情が上がってるぞ!! 何をしていた!?」

 


 

「すみません、プロレスごっこです。本当の関節技をかける意味です。文字通りの意味です。他の意味は含まれていません」

 

 矢継ぎ早に弁明を述べると駐車場まで移動した。

「あのなぁ……君は成人男性なんだぞ? 誤解を招くような行動はよしたまえ」

 風見さんの正論に只々項垂れた。

 もしあの場で拳銃を取られていても社会的に死に、今も社会的に死にかけている。

 まるでタイム誌の『The Dangers of Docudrama』に掲載はられた『Selectvision』……所謂『It’sMedia』の風刺画のようだ。

「すみません……あの……はい」

 運転席の扉に頭をつけて溜め息をつくと風見さんはモゾモゾと助手席の扉を開けてシートベルトを締めた。

「君の部屋に行ってもいいか? ……これは抜き打ち検査でもある」

 ……そこは純粋に、友人として訪ねたいと言われたかったな。

 ……無理な話か。

 公安の同僚という横の繋がりだけなんだから。

 

「はい、構いませんよ」

 

 、、、

 

「うおっ……本当に自室でヘビとトンビを飼っているのか」

 

 ヤマカガシの近松とサシバの林太郎の飼育に係る書類を提出して受理の方向で処理を進めたのは風見さんだからな。

「屋外や共用スペースにはおいそれと移動出来ませんからね」

 近松と林太郎は正しく警戒してみせ、番蛇と番鳥の役目を果たした。

「……不審物は無いようだな」

 タンスを開けながら声が掛かったが、電子工作物は阿笠博士のラボにあるし、他はバラしているから組み立てなければただの材料のままだ。

「風見さん、蓬原 喜八という人物をご存じですか?」

 これで知らないとなれば、NOCが誰なのかが完全に分からなくなる。

「ああ、蓬原か。彼は隠れ公安として入国警備官をしている。それに君と同じく組織の構成員としてコードネームを与えられている。リキュールのアブサンという名だ」

 ……本当に隠れ公安だったのか。

 ならば役者は揃ったな。

 

 ①シャルトルーズ

  タクシー運転手 夏目 安慈

 ②スーズ 【死亡】

 ③ヴェルヴェーヌ 

  郵便局員 熊津 来縁

 ④パワーのコカレロ

  刑務官 岸良 路希

 ⑤スタミナのガリアーノ

  警察病院勤務医 塞本 義

 ⑥テクニックのアブサン

  入国警備官 蓬原 喜八

 ⑦トリックスター

 

「そうだったんですか。信用されていないからか安室さんから誰がNOCであるか、確定情報を教えて貰えていなかったので……」

 


 

「デイヴィスさんのご友人の方ですか。宜しければ夕食を食べていかれませんか?」

 

 階段を降りるとエプロン姿の沖矢さんがトレイを持って佇んでいた。

 ……不味い、沖矢さんに工藤邸に人を招き入れると伝えていなかった。

「お気遣いなく」

 風見さんが一礼して立ち去ろうとすると、沖矢さんが前に回った。

 

「……ニシンのパイはお嫌いですか?」

 

 、、、

 

「……ニシンのパイ……ニシン……ですね」

 

 風見さんも同じような感想を述べて場が居心地の悪い淀んだ空気に包まれた。

「フライデーロードショーを観ながら食べましょう」

 珍しく沖矢さんがダイニングにあるテレビの電源を入れると、黒猫の話ではなく聞き馴染みのある声が流れた。

『フランスでならしたスパイの俺は、罪を被せられ指名手配をされたが暗闇に紛れ地下に潜った。しかし、ただ真っ黒になる俺じゃない。いつか星になるために報酬次第で何でもやってのける白黒つけないグレーな男。無理を理屈にし、宇宙を統べる。俺はギルテセブン!!』

 ……食事が喉を通らない。

「ああ、これか……。ニルズ・ファージング監督が近々来日してロケハンを開始すると噂があったな」

 監督が……? 

「なんでも、ギルテセブンⅡのロケ地は日本でないとならないとか。映画フリークのコミュティで盛り上がっていましたね」

 ……映画フリークの動向までは追えていなかった。

 そうなのか。

 全ての星が結ばれる時が刻々と近づいている。

「デイヴィス、君はこの映画のファンなんだろう? この映画の何処がいいんだ?」

 ……何処。

 ……何処だろうな、理由について考えたことも無かった。

 最強のスパイが弱者を装い周囲を欺き、最後は圧倒的な実力を見せつけるキャラクター。

 ド派手なアクション、爽快感とスカッと胸がすく勧善懲悪なシナリオ。

 弱きを助け強きを挫く、ただし振れ幅が大きい為に周囲に誤解を生んでヤキモキさせるハラハラとした緊張感。

 ……全て、僕に足りないものだ。

 僕にとっては誤用の意味で役不足。

 シャルトルーズにとっては本来の意味で役不足だった。

 僕はただ……。

 

「……デイヴィスさん、顔が真っ青です……体調が優れないのなら明日にでも診察を受けたほうが良い。君の姿は疲労困憊、満身創痍にしか見えない」

 


 

「おはようございます、梓さん」

 

 ポアロに出勤すると、いつにも増して梓さんの反応がよそよそしく感じて、胸に靄のような物が掛かるのを店舗内の掃除というエネルギーに変換してやり過ごした。

「……デイヴィスさん。……あのー……お土産なんですけど……」

 気不味く成り始めたのは動物園のお土産を買わなかったからだったな。

「あ、今回はちゃんと買ってきましたよ。『ワープターミナル東都』のイメージキャラクター『看破探偵 希望峰ラセンちゃん』の……ロゴマーク入りビスケットです」

 スタッフルームに戻り薄い紙箱に美少女キャラクターが描かれた焼き菓子をカバンから取り出すと、梓さんの表情が曇った。

 ……萌えキャラが公式マスコット扱いなのだから消費者に選択権はない。

「ご……誤解しないでくださいね? 私からも……博物館で買った展示品の目録リストです。デイヴィスさん、こういうのお好きかなって……」

 好きだ。

 ……大好きだ。

「……好きです。大好きです」

 誤解しないで、というのは『好意があると勘違いするな』という意味だとは分かっていても、嬉しさが込み上げてくる。

「良かった……」

 梓さんの手から両手でグラフィック集を受け取り、パラパラと眺めて抱きしめた。

「ありがとうございます。……大切にしますね」

 頂戴した本をカバンに折り曲がらないように詰めていると、後ろから声をかけられた。

「僕からもお土産です。涅槃図の複製掛け軸、デイヴィスさんは想像がつかないものを好まれそうだったので」

 手渡された巻物を持つ手が止まった。

 ……二人からの……お土産。

「せっ説明しますね!! デイヴィスさんがお休みの日にオーナーが博物館のペアチケットをくれたんです!! 安室さんと私にって、それで……」

 ……そうだよな、オーナー公認の交際関係。

 何を浮かれていたんだ……。

 最初から可能性は無かった。

 今までの明明白白の事実があるじゃないか。

 

「言っておきますが、社会人としてオーナーのご厚意を無碍に出来ません。ですから梓さんと僕がデートをしただとか、交際しているだとか、勘違いしないで下さい」

 


 

「梓さんはよかったですね、安室さんという素敵な恋人がいて。同じ従業員同士です、隠さなくてもいいですよ」

 

 巻物を受け取ってカバンに捩じ込み入れると拭き掃除を再開した。

「ですから違いますって!! だから勘違いしないでって言ったじゃないですか!!」

 ……必死に否定する所からして。

「……照れてるんですか?」

 窓を拭き終えると背中に梓さんが張り付いた。

「意地悪しないで下さい!! ちゃんと説明してるじゃないですか!!」

 ……聞きたくない。

「喧嘩するほど何とやら、とはよくいったものです」

 安室さんの煽りに耐えられる自信がない。

 

「よくないです!! 安室さんも意地悪ですよ!!」

 

 、、、

 

「安室さんと梓さんっていつ見てもお似合いよね〜」

 

 昼下がり、蘭さんと園子さんが来店して賑わいに花を添えた。

「はい。僕もそう思います」

 最早、誰の目から見ても明らかだ。

「やっぱり、隠れて付き合っていたりして。梓さんは女性客の目があるから中々言い出せないのかも」

 その通りだ。

 何も間違っていない。

「……二人の交わす熱いアイコンタクト。目線が合うとつい逸らしてしまう。彼を意識していないはずなのに。そう、意識してはいけないの。彼は店の看板店員、私は彼と付き合っては駄目。……同じ職場で働く同僚だから。無意識に目を伏せると隣に立つ彼の指先が手に触れた。えっ? 今指と指が重なった? 顔を上げた瞬間、彼の優しい眼差しが私の瞳を捉えて離さない。どうしよう……目を逸らせない。二人は見つめ合うとだんだんと距離が近づいて」

 パチンと両手を叩く音がした。

「……デイヴィスさん、いきなりラブロマンス小説語りをしないでください。まさか実在の人物を題材にしてはいませんね?」

 音のする方を見ると眉間に青筋を立てた安室さんが今にも怒鳴り声を上げそうな面持で立っていた。

「もうデイヴィスさんったら!! 皆さんに誤解を招きますから、やめてください!!」

 事実を述べる事も名誉毀損の罪になったな。

「び、びっくりしたわ……本当に見た情景を話しているのかと……」

 園子さんがソファの背もたれに体ごと引いて、蘭さんも表情を引き攣らせている。

「あ、あむあず過激派なのかと思いました……」

 安室さんと梓さんであむあずか……そうか……。

 

「だいぶ拗らせているようですが、立派なセクハラに値しますから。発言には気をつけて下さい」

 


 

「デイヴィスさん、何かあったんですか?」

 

 ポアロを退勤した直後、探偵バッチから通信が入って少年探偵団の皆に呼び出された。

「……何もないよ」

 光彦くんに事実を軽く説明して辺りを見回した。

 案内された現場は住宅街の一角で、宅配便のトラックが道路脇で停車していた。

「あのね? 宅配便のお兄さんが荷物を届けている間に車のキーがどこかに行っちゃったんだって!! 助けてあげようよ!!」

 歩美ちゃんが期待に満ちた目を向けるが、キーを付けっぱなしで場を離れた配達員にも非があるからなぁ……。

「うん。配達員のお兄さんは何分くらい場を離れたのかな?」

 トラックの横で頭を抱える配達員に声を掛けた。

「大型家具の搬入だったの5分以上は掛かっていました……」

 5分ならキーが掛かっているトラックの運転席を開けて持ち去ったり、投げ捨てるのは可能ではある。

「盗まれた荷物はありますか?」

 宅配便のトラックのキーを盗む理由としてはトラック自体を盗むか、荷物を盗むかくらいしか理由が思いつかない。

「それが……さっきからリストを確認しても、何も盗まれていないんですよ」

 ……窃盗目的でないなら、いたずら……嫌がらせか? 

「段ボール箱ばっかで何を盗んでいいか分からなくなったんじゃねーか!?」

 確かに元太くんの言う通りで、配達員が戻る時間が早く目的のものを発見できなかったという可能性もある。

「はぁ……警察は呼んだんですけど……」

 仕方が無い。

「この車種はスマートキーを採用していますよね?」

 配達員が頷くのを確認してガラケー改でUHF帯、UF帯を使用しているものの存在を確認し始めた。

「ガラケーで何をしてるんですか?」

 近くに投げ捨ててあったりはしないようだ。

「秘密だよ。……うーん」

 これ以上の深入りは警察権限としても逸脱する。

「あ!! 配達員の兄ちゃんおにぎりの食べカスを置きっぱなしにするなよ!!」

 元太くんが運転席によじ登るとクシャクシャになったアルミホイルを掴んで掲げた。

「え? おにぎりなんて食べてないよ」

 配達員がキョトンとした顔をしているのを見て確信し、アルミホイルを受け取った。

 

「車のキーはこの中だ……やっぱりあった。……リレーアタック防止の悪用だね」

 


 

「よかった〜!! これで配達を続けられる!!」

 

 配達員が喜びの声を上げると、近隣の庭先から怒鳴り声が上がった。

「何が『配達を続けられる』だ!! 私の大切な荷物を無くしたくせに!!」

 声の主は若い女性で、怒りに震えてわなわなと拳を握りしめている。

「荷物……? あ、ああ……そういえば荷物を紛失してしまったことはありましたけど、ちゃんと弁償したじゃないですか!!」

 恨みによる犯行か。

「あの荷物には亡くなったお婆ちゃんが生前に私に贈ってくれた手作りの黒いワンピースが入っていたの!! ……お金じゃ買えない、一生かけても手に入らない大切なものだったのに……」

 ……難しい話になってきたな。

「ひどい!! お婆さんの大切な贈り物を無くしちゃダメだよ!!」

 歩美ちゃんが配達員に詰め寄るが、ミスは起こり得るしドライバーだけに重たい責任を負わせるならそれ相応の契約があって然るべきで……。

「でも無くしちゃうことは誰にでもありますよ!? 弁償したって言ってますし!!」

 光彦くんが女性に訴えかけるが、物理的に二度と手に入らないものを失う痛みは金で解消できるものでもない。

「姉ちゃんも配達員の兄ちゃんの大切な物を隠したじゃねえか!!」

 元太くんの的を射抜いた発言に、女性は下を向いて啜り泣きを始めた。

「私……お婆ちゃんの作ったワンピースを着て……墓前で見せたかったの……でも、実物がないから……どうしょうもなくて……」

 その気持ちは痛いほどわかるが、どうしょうもないことを解決することはできないんだよ。

「あの……そのワンピースって、写真では残っているんですか?」

 配達員が恐る恐る女性に問いかけるとスマホから画像を出してみせた。

「……これ。……送る前にって、前もって写真を貰ってたから」

 なるほど、確かにパタンナーが作ったオリジナル作品といった作りになっている。

「なら手芸配信者の英知さんに作ってもらったらどうでしょうか? 画像から作品を再現するプロですし投稿企画もしてますから!」

 英知さん……まさか。

「すみません……その英知さんという方は女性でボンという猫を飼っていますか?」

 配達員は目を輝かせて頷いた。

「はい!! 知っていますか? もしかしてファンの方?」

 知っているが、ファンではない。

「知ってます!! 確か米花町から引っ越して海辺に移り住んだ手芸の人!!」

 そんなに有名人だったのか……。

 

「……それは置いておいて、まず警察に事情を説明して下さい」

 

 






 あとがき


 あむあず過激派

なかみについて(期間限定アンケ)

  • ややこしい(かため)
  • 分かり易い(やわらか)
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